◆当主ジャン ニコラ氏による2013年ヴィンテージの総評 最新ヴィンテージである2013年は葡萄栽培農家にとって神経を擦り減らす試練の年となった。異常に寒くて湿気が多かった5月から病気のリスクが常に付きまとい、6月後半の開花期も寒かったので花ぶるいとミルランダージュを引き起こした。幸いにも7月は天気が穏やかで日照量も多かったので粒の小さい葡萄はしっかり成熟することができ、腐敗や収穫前の雹による葡萄の全滅のリスクは減少した。5~6月の寒さの影響で葡萄の成熟がゆっくり進んだため収穫は例年よりも大幅に遅れ、最終的には20~25%の収穫量ダウンという結果となった。ジュースの比率も少なく色調も強くなったが、受粉が不完全だったおかげで種が小さかったので過度にタニックなワインにはなっていない。 寒さによる成熟の遅さはワインに十分なフレッシュさと素晴らしい果実のアロマを与え、豊かな酸味は長熟させることができることを物語っている。きれいに溶け込んだタンニンとリッチなテクスチャーがこの豊かな酸味と抜群のハーモニーを奏でており、自然の素晴らしさをワインを通じて感じることが出来る。フレッシュで飲みやすく、さらに熟成も出来るという唯一無二のブルゴーニュの特徴が極上のワインに仕上がることを保証してくれている。 |