
フィネスさんの藤田さんからお分けいただいた貴重なラドワ1級白です。どうやら2012年だけ造られた・・と言うことらしいのですが、詳細は判りませんで・・とにかく「レアな」ことだけは確かです。
まぁ・・数が無いんだから止めておきゃ良いものを個人的な興味を抑えきれず、1本開けてしまったんですね~・・。そんな場合に限って、パンドラの箱を開けてしまうことにもなったりするのがワインの面白いところですよね。
で、到着間もないこの希少なラドワ1級レ・グレションを抜栓してしまいました。開けた瞬間から・・
「・・おやっ?」
と・・いつもとは少し違うニュアンスを感じていました。香りがちょっと・・と。やや官能的なスピードの有るアロマが拡がって来ます。
ところでラドワってアペラシオンはご存知ですか?・・あまり聞かないと思いますんで一応説明させていただきますと、
コルトン村の北に有るラドワ=セリニーと言う村で単独のラドワのアペラシオンも有りますが、コルトンの丘の一部がラドワ=セリニー村側に伸びている関係で、あのグラン・クリュ・コルトンを名乗れるクリュがラドワにも存在しています。なので、
「畑はラドワだけれどアペラシオンはコルトン」
でグラン・クリュと言うパターンが有ります。それで・・かなり良い畑でして、下手をするとコルトン側のグラン・クリュを凌いでしまうと言うポテンシャルを持っているんですね。
ですが、このレ・グレションだけにとどまらず、元々は1級は存在しておらず、最近昇格したばかりです。
で・・開けてビックリ玉手箱・・、
「・・あれ~?・・色が赤く無いすか~?」
そうなんです。ちょっとロゼ色が入ったように・・赤味が差していたんですね~・・。
まぁ、ワインの色と言うのは面白いもので、その色の味わいが本当に有るんですね。白ければ白の果実の、赤なら赤の、紫なら紫の果実が感じられるものです。単色の場合は無いと言えますからそんなに単純では無いですが、この場合はロゼと言うかオレンジと言うべきか、そんな色合いが感じられるわけです。
「・・やっちまったな~・・」
と・・これから起こるドタバタ劇を感じつつ、
「さて・・どうしたものか・・でもまず飲んでみるしかないよなぁ・・」
と言うことで、テイスティングに入ったわけですね。
「・・こりゃぁ・・グリ・・かな?」
と言う感触を得ました。グリとはピノ・グリのことです。ただしピノ・グリだけじゃぁ無い感じでして、ピノ・ブランっぽさも有りつつ、ほんのりシャルドネっぽさも消し切れないと言う、非常に微妙な感じなんですね。
さらには2012年と言うことで、だいぶソフトさは出始めて来ているんですが硬さも有り、到着間もないこともありまして完全には開いてこないタイミングだったんですね。
それでもコンディションに寄る劣化では無く、普通に美味しく飲めました。
何せ・・この色ですからね・・まだ若いシャルドネなら、通常は、
「白や黄色の果実や柑橘がど~の、ゴールドな蜜や・・」
とやるのが普通なんですが、こいつは全然違う・・
「アプリコットやプラム、そして・・」
と書かなきゃならん。さぁ・・どうしたものかと言うことで、翌日早々にフィネスさんの担当K君に電話し尋ねました。
「メオの12年のラドワ1級って・・飲んだ?」
「ええ。リリース時に飲みましたよ。」
「あれって・・シャルドネなの?」
「そうです。シャルドネ100%です!(キッパリ)」
「・・そっか~・・でもさ、あのワイン、褐色と言うか、オレンジ入ってるんだよね・・」
「・・えっ?(絶句)・・本当ですか?・・コンディションでしょうか?」
「・・いや、悪い感じは無いんだけどね・・それでセラーに有るボトル、全部透かして見たんだけど、同じなんだよね・・」
「メオさんはシャルドネだって言ってたように聞いたんですけど・・再確認してみますね・・」
と言うことで後日、やはりシャルドネだと聞いたことを報告いただき、ドメーヌに尋ねてみたところ、メオさんはお留守で、詳細は判らないと言うことでした。
「あのさぁ・・迷惑掛かるかもしれないけど、好き勝手に書いて紹介しても大丈夫?」
「良いですよ。お好きなように書いちゃってください。」
と言う太っ腹なことでして・・今、この文章を書いちゃってる訳ですね~。ホント、大丈夫かな~。

で、のちにメオさんの2012年もののコメントが見つかりまして、この「■エージェント情報」の部分に書いてありますが・・
「フレッシュで涼しげな香り、柑橘系果実や西洋スモモ、プラムに・・」
と、完全に普通の若い白ワインのコメントにはなって無いですよね・・。赤やロゼなら判りますけどね。
と言うことは、最初からそのニュアンスは有ったことになります。フィネスさんがテイスティングした時は到着間もないタイミングであること、グリはリリース直後には余り赤系の色が出ないことも有ることを考え併せますと、どうやら全部では無いにせよ、「グリ」が入っているのは間違い無さそうです。
その昔、あのドメーヌ・デュジャックからも「ヴァン・グリ」と言うワインがリリースされていまして・・いや、相当昔ですが、ニュアンスがかなり似ていたんですね。ジャック・セイスが現役バリバリの頃です。
決して安くは無かったんですが、妙に気を惹かれる枯れた味わいだったのを覚えていまして、
「結構似ている」
と思った訳です。
何しろこのコルトンの丘の近辺は、シャルドネは勿論のこと、アリゴテも、ピノ・ブランも、そしてピノ・グリもかなり植わっているんですね。昨今は大分引き抜かれてシャルドネに植え替えられてはいるんですけどね。
で、このピノ・グリは、果房は灰色をしている場合が多いんですが、マセラシオンで「オレンジ色」が出るんですね・・。皆さんも結構ピノ・グリやピノ・グリージョのオレンジ系統の色合いはご存知ですよね。そんなグリなニュアンスとピノ・ブランのちょっと腰高な感じと、全域に帯域の有るシャルドネと・・・そしてもしかしたら超低域にアクセントも持つアリゴテさえも入っているかもしれないと言う、非常に珍しい1級と言う判断になっちゃいました!
今でも美味しいんですが、ちと早いかな?・・と言うところでして、メオさんは2016~2017年には美味しくなるだろうと言っておりますから、
「・・2017年はあと半年ほどあるぞ!」
と言うことですから、この先幾らもせずにさらに開いて美味しくなる可能性も有るんじゃないかと思うんですね。まぁ・・noisy的にはあと1~2年掛かるかも・・とは思ってますが・・(^^;;
言いたい放題、自由闊達に書いてしまいましたが、
「いや~・・ワインって、本当に楽しいですね~!サヨナラ!サヨナラ!サヨナラ!」
と古いフレーズをゴッチャに使用して、noisy のお勧め文とさせていただきたいと思います。ご清聴、有難うございました!
P.S.ブルゴーニュ・ブランも少々ですがいただきました。お早めにどうぞ。