【超ド迫力の3リッターボトル入り!まだ樽の風味を効かせていた頃のクロ・サン=フィリベールですが、今や完全に溶け込み調和しているタイミングでしょう!!激レアです!】
いや~・・ド迫力ですね~。店にいらっしゃった方はまず・・その迫力に押されて、ついつい持ち上げてみてしまう・・と言うような感じですんで、そろそろ仕舞い込まないといけないなぁ・・と思っているところです。
シャンパーニュですと3000ml はジェロボアムですが、それ以外の地域ではドゥブル・マグナムと呼ぶのも不思議ですが、分厚いガラスに分厚い蝋封、そして単独の白い段ボール入りです。
肩のヴィンテージ表記ラベルが、少しだけ傷ついていますが気にならないレベルかと思います。状態はかなり良さそうです。
しかもWマグナムですからね・・造るのも大変ですし、そこには造り手の意図が必ず反映されています。良く無いと・・もしくは持たないと判断したら、誰もが造りませんよね?つまり、良い仕上がりだと、長く持つヴィンテージだと造り手の判断が見える訳です。
さりとてデカいですからね・・50cm弱、高さが有りますんで、フルサイズのセラーをお持ちの方なら入りますが、マグナムやWマグナム専用の棚・場所を確保しないといけないでしょう。内寸で奥行きが50センチ有れば大丈夫です。もしくはワインルームが必要です。・・いや、すぐに飲んでしまうなら問題無いですが・・。
2002年はご存知の通り、非常に美しい仕上がりのヴィンテージでした。そこにおそらくメオは、やや新樽の風味を載せたと思われます。そして、すでに完全に溶け込んだタイミングです。この樽の風味のある程度有るクロ・サン=フィリベールは、やはりメオの看板白ワインで有り、ムルソーを彷彿させる大きなスタイルでした。今は樽の風味の無い綺麗系になってますけどね。その頃のこのワインも・・美味かったですね。noisy にとってクロ・サン=フィリベールと言えばバリック風味で大柄・・と、すぐにイメージされてしまうほどです。
非常に希少なボトルです。保管スペースをお持ちの方、是非ご検討くださいませ。「セラーの主」候補!いかがでしょう。
以下は2015年のクロ・サン=フィリベールのレヴューです。
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【この感性!・・昔のメオ=カミュゼのイメージはすでに無いと言えます!ベストなタイミングでの収穫がこのエレガントな味わいを生み出す第一義的要因でしょう!】
近年のメオ=カミュゼのワインには驚かされることが多いですが、このジャン=ニコラご自慢のモノポール、クロ・サン=フィリベール2015年の味わいにも驚かされました。
どんどんエレガンス重視のブルゴーニュワインらしいピュアな味わいに邁進しているのは判っていましたが、クロ・サン=フィリベールは人気商材なので、ワイン屋でもたまにしか飲めないんですね・・。
そもそも昔の(10年も前位の)クロ・サン=フィリベールのイメージと言えば、過熟気味に収穫されバリックを利かせた大柄なもの・・リリース直後は樽のニュアンスがワインから浮いて感じられ、やや甘味を感じるものなので、3~5年寝かせると一体化し、ボーヌの大柄なシャルドネに似せた味わいになるが、ややもするとローヌの白ワイン的に成りがち・・みたいなものでした。
まぁ・・そんなイメージはもう全く感じられません。天候が良いとブルゴーニュらしい酸は徐々に失われ、糖分が多くなります。そんな過熟気味の葡萄を醸造すると、当然ながらアルコール発酵しなかった糖分が甘味として残ります。つまり、酸は弱めで少し甘いバランスのワインになります。そこにバリックのニュアンスが加わる訳ですね。
それはそれで美味しいんですが、やはりリリース直後は「樽臭い」感じになってしまいますし、やや甘味に頼った構成にならざるを得ません。
2015年のクロ・サン=フィリベールは、ベストのタイミングで健康な葡萄が収穫できたと思える優れたバランスの酸とドライな味わいを持ち、非常にピュアで美しいです。
どうやってもどう似せてもボーヌのシャルドネのような味わいバランスにはならないんですから、クロ・サン=フィリベールはクロ・サン=フィリベールとしての真の姿を見せよう・・と言う感覚なんじゃないかと思うんですね。
しかも2015年は全てにおいてバランスが良い・・酸の量・バランス・美しさは総体のバランスに直に影響します。それでいて、まるでバリック臭さは無く、そのピュアな美しさを汚していないです。
冷ややかな果実酸とドライな味わいからこそ、真の姿が見えてくる・・これは非常に美味しいし、オート=コートの実力もしっかりと見えると思います。
また、ジャン=ニコラの2015年ヴィンテージの総評にも書かれています(ドメーヌ説明欄)が、黄色文字の部分・・非常に印象的です。
この部分は noisy も常に感じているので、コラムのアチコチでも記載していますが、プロ、アマ問わず、
「直近の味わいしか切り取れない、受け取れない感覚」
の持ち主が非常に多い・・と言うことですね。
その上で美味しかったとか旨くないとか・・言ってる訳ですが、まぁ、アマならそれもまだ良いですが、プロがそれじゃぁいかんだろうと・・遺憾ですと・・言いたい訳です。
アマでも、そのような飲み方しかできないとするなら、ワインの楽しみの半分以上を最初から捨てていることになります。
「ポテンシャルを測る飲み方」
をお勧めします。
これについては時折書いていますので、敢えてここでは書きません。重要なのは、そのような飲み方が出来ることで、
「あの時は全く美味しく無かったのに、15年後にたまたま飲んだら・・滅茶苦茶凄かった!」
と言うようなことにはならないんですね。下手をすると・・
「そうか・・15年前に飲んだワインはコンディションが悪かったんだ・・」
などと思い込みかねないんです。
そんなことは無いとは言えませんが、そのように人間は自己弁護の思考回路が自動的に働いてしまいますから、延々と同じことを繰り返すことになり、結局、
「ワインの楽しみの半分以上を得られないままのワインファン」
になってしまいます。それは不幸なことですよね。
ジャン=ニコラも、そんなプロの批評家たちを散々見て来てウンザリしているんでしょう。noisy も・・まぁ上から目線で申し訳ないが、そんな印象を受けることは非常に多いですし、そんな批評家のコメントは全く参考にしないようにしています。
皆さんも、noisy を信じるとか信じないとか・・と言うレベルの話しでは無く、せっかくのワインを楽しめるような飲み方をされると良いんじゃないかな・・と思います。まぁ、noisy のように、電子レンジで「チン」してしまったり、砂糖を入れたり塩を入れたりは、しない方が良いですが、少なくとも、
「・・ん?・・やや硬いか・・?noisy はそんなこと言って無かったぞ・・。じゃぁ、取って置きのリーデル・ソムリエ・ブルゴーニュ・グラン・クリュでも使ってみるか?」
とか、
「・・ん?・・もう若いフレーヴァーが無い?noisyは硬いかもしれないって言ってたっけ?・・もう死んでるか?・・じゃぁ、いっそのこと平底デキャンタに落としてぶん回してみて、それからロブマイヤーのワイングラスIIIに落としてみるか?それともIVが良いか・・?」
などなど、やってみることは沢山有ると思うんですね。もしくは、もう完全に終わってるだろうヴィンテージのシャルドネなどをワイン屋で見つけて来て、それを楽しめるように数日掛けて何とかしてみる・・とか。
もっとも、このクロ・サン=フィリベールは、そんなことをしなくても美味しく飲めますので、今のタイミングですと大丈夫です。言っておきますが、勿論ベストのタイミングでは無いし、やや硬いとは言えますが、
「それでも充分に旨い」
はずです。
今回は何と、マグナムも有ります。マグナムをドメーヌが造る・・と言うことは・・そう言うことです。自信があるんですね。プロの批評家が「2015年はノーマルの出来」と判断したところで、先行きの見えないプロが何を言おうと関係が無い・・のでしょう。是非ご検討くださいませ。お勧めします!相当に・・良い出来です。
以下は以前書いたコメントです。
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【ジャン=ニコラ・メオ自慢のモノポールの白です。】 フィネスさん入れのドメーヌ・メオ=カミュゼです。このワインに関してはnoisy も何度もご紹介させていただいてますし有名ですから、ブルゴーニュ・ファンなら知らない人はいないと思います。オート=コートのクロ・サン=フィリベールは、メオ=カミュゼ自 慢の白ワインのモノポール(単独所有)で、やや樽の効いた風味が溶け込み始めると、ニュイの白で有りながら骨格の大きいシャルドネを堪能させてくれます。(シャルドネオンリーでは無いようですが・・)
ニュイの高級白ワインで最もポテンシャルとコストのバランスの良いワインと言え、このくらいの価格ですと10年前と全く変わらないかむしろ安いと言えるかもしれません。ヴォーヌ=ロマネの村からコルボアンの方に上がって行ったところにあるオート=コートの単独所有畑で、メオのワインの裏のエチケットは、▲に飛び出た地図が描かれている・・その▲部分の畑ですね。この畑を誇りに思っている証拠とも言えます。
メオ=カミュゼもドメーヌものになると超人気銘柄でありつつ高価格であること、そして、とてもピュアで生気溢れるアロマが特長ですが、昔は時にそれが行き過ぎてしまっていると感じられる場合が有ったことなどから、「突き抜けた人気」までにはなっていないようです。
noisy のこのクロ・サン=フィリベール・ブランの印象としては、
「ニュイの白ながら大柄。オイリーで樽の関与を上手く使用している。3~5年で大きく変わる。」
というものです。
ところが、メオ氏のコメントを見ると「いつもの年のような樽の関与が少なめ」と言っているように思います。なのでよりピュアなシャルドネに仕上がっているんじゃないかと・・想像しています。
よもや残らないだろうな~・・と思いつつ、残ったら飲もうと心に決めているワインでもあります。ご検討くださいませ。