「メオのACブルのバック・ヴィンテージ?・・そんなの価値あんの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。まして買い葡萄のフレール・エ・スールですから・・。
しかしながら、2013年、2014年の素晴らしいメオ・ブルゴーニュを飲まれた方なら興味深々でしょう。2014年はこれからグングン味わいが伸びて行くと思いますが、2013年はリリース時からピュアでエキシーで滅茶美味しかったですよね。
1999年は当時グレートイヤーと言われたヴィンテージです。しかし、noisy も当初から「?」を言っていたと思いますが、5年ほど経ってから学者筋から「酸不足」から来る「早飲みタイプ」で「熟成しない」などと言われたものです。現在は2016年ですから収穫から17年・・良い熟成期間じゃないかと思いますがどうでしょうか。
2004年は「オフだ」と言われたヴィンテージですが、noisy 的には「タフ」だと理解しています。葡萄が環境の変化に対応してタフな葡萄になった・・それがワインの味わいに現れていて、非常に複雑性に富み、変化の具合も大きく、良くできた造り手のものは非常に美味しいと思っています。勿論ですが、ブルゴーニュワインファンの中でも「好みの視点」で結構評価は分かれており、
「2004年?・・絶対買わない!」
「2004年?・・いいですね~~!」
と、noisy の場合は、そのお客様がどう捉えているかでその嗜好を判断する指標になっています。面白い存在かと思います。
2005年はもちろん、グレートイヤーの声が高いヴィンテージです。noisy の場合は「グレートかどうかはアイテムによるが全体的にヘルシーな年」と言う理解です。ある意味、2013年とは対極にある年と言えます。葡萄は非常に健康で、葡萄農家は、
「畑でやることが無かった。暇で楽なヴィンテージ。」
と言うのが正直なところ。健康で多産だったので、良い造り手はハーヴェストをきっちりやった筈です。なので、「ヘルシーだがグレートかどうかは造り手に寄る部分が大きく、ある意味手抜きなヴィンテージでもある」
と言えるかと思います。
一方2013年は、対応が非常に難しいヴィンテージだったと言え、収穫も激減する中で、栽培も醸造も最大限の努力を強いられた年。みんな一生懸命にやったので、天候悪く作柄悪く・・しかし少量ながら造り手にも寄るとしてもグレートなワインが出来た年・・と言う理解です。
本来、このように古いヴィンテージのワインは、エージェントさん、ワイン屋さんがダムのようになって持っていたものです。リリースされた時に沢山購入し、ヴィンテージが変わる毎に価格を替えて倉庫代・管理代を加え・・と言うことですね。良く言われる「カヴィスト」と言う側面を売り手は持っていたものです。
しかしながら、インターネットの発達とともにそんな習慣は壊されていきました。古い大きなワイン屋やエージェントは廃業の憂き目に有ったのも1990年代からです。今ある大きなエージェントさん、ワイン屋さんも実は何度も代替わりしていたりするんです。皆さんはあまり興味が無いかもしれませんが・・。noisy のところも規模は全く小さなものでしたが、そんなカヴィスト的な側面も有ったものです。しかし今は・・商品が残らないし、価格競争が厳しいので、利益も出せないと言うことが、そんな側面を潰してしまったとも言えるかなと・・。
昔は売れなかったけど滅茶面白かった~!です。DRCだってドヴネだってちょっと頑張れば簡単に飲めたんですよね。考えられないほど古いブルゴーニュも沢山飲んだものです。勿論、状態のひどいものも有った・・しかし、それが我々の感性を鍛えたと思っています。
ブルゴーニュのワインはどれだけ持つのか・・PKさん、アドヴォケイトが言うように、そんなに短いのか?・・と疑問をぶつけられるのは、ちゃんとした検証をして、経験が有ったからです。
今回は「おそらくフィネスさんが自身の倉庫で囲っていたもの・・」かと思っています。エチケットも綺麗で外観からは非常にコンディションが良いです。こんな機会は少ないでしょう。ご検討くださいませ。

昨年の今頃から年末辺りまでに掛けて完売、そしてまた奇跡の再入荷を何度か繰り返し、そのたびに大きな反響をいただきました、メゾンのブルゴーニュ・ルージュの2014年が入荷しました。
2013年のこのワインの余りの美味しさに noisy もビックリしましたが、何より皆さんの「とても美味しかった!」が嬉しかったです。ですので待望の2014年ということになりますが、今のところはどの位いただけるかがハッキリはしていません。
で、はやる心を抑えつつ、早速飲んでみました。このコラムの下の方に2013年のコメント、また写真が有りますので比較してみてください。
色合いはどうでしょう・・やはりグレートイヤーの呼び声が高い2014年の豊かな色合いが見て取れるでしょうか。より目の詰まった、やや赤みが強いように見受けられます。
2013年は紫の透明感のある色合いで、より冷ややかに感じられるかと思います。でもこの冷ややかな色合いからのエレガンスがもの凄かったんですよね~!ただし、全体的な根っこはほとんど同じように見受けられます。
抜栓後からピュアなベリー、チェリーのアロマが気品高く、スピードも速く立ち上がります。篭ったような印象派全く有りません。中域には舌にチリチリと感じられる、まだ開かない要素の粒が沢山有ります。非常に目の細やかな優しいタンニンが存在しています。この辺はスムーズに流れて行った2013年とは少し違うところです。
中盤以降はブラック系の小果実、優しいスパイスを感じさせながら、ややふっくらとした帯域を感じさせながら長く美しい余韻を現しつつ消えて行きます。
全体像は2013年とほぼ同様ながらもポテンシャル的には確実に上、よりシッカリした、でも現状はわずかにより強い味わいを見せる・・2014年かと思います。非常に素晴らしい仕上がりだと感じました。
現状でもかなり美味しく飲めますが、リリース時にバランスしていた2013年のような完璧さには届いていません。この2016年の夏の気温が下がり始めた頃に一端バランスすると思われ、それ以降は2013年を凌ぐ味わいを見せてくれるでしょう。今からガンガン飲む・・と言うより、この2~3カ月の間にバランスするはず・・と思ってください。
2013年ものは、つい先日・・今まで仕舞い込んでいて飲んでいなかったお客様から連絡が有りまして・・
「メオのブルゴーニュ・ルージュを昨年購入して先日飲んだんですが、余りの美味しさにビックリしました。まだ在庫が有れば欲しいんですが・・」
と非常に嬉しいお言葉をいただきました。でも残念ながらもう1本も無く、すみませんと言うしかなかったのですが、この2014年に関しては、
「2013年より確実に上のポテンシャルが有る分、2013年より少し時間が掛かるが超越する」
と思います。素晴らしいピノ・ノワールでした!是非ストックしてお楽しみください。超お奨めします!
以下は2013年もののレヴューです。
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レアなアイテムで有りながらも、その数の少なさからテイスティングも憚られるような状況ですので、入荷したものもをそのままご案内するのみになっていました。
業界的にも何となく売り手は
「飲まないで案内するトップの造り手」
の一端で有って、結局誰も飲んでないと言う状況に、市場もメオ=カミュゼを何となく敬遠しているような状況かと思います。
なのでこの際、久しぶりに飲んでみるか!・・とばかりに、たった12本の仕入れの1本を開けてしまいました・・・っが、ハッキリ言って驚きました。
飲む前は、
「2013年もののネガティヴさはどんな感じかな・・?」
というノリがほとんどだったわけです。ところが・・・
「知らぬ間にメオ=カミュゼは物凄い進歩をしていた!」
と・・・気付きました。
何しろ、
「異常なほどの繊細さ、エレガンス。それだけで納得させられてしまう!」 いやもう・・ビックリです。2013年のマイナス面を評価しようと思っていたのをスッカリ忘れてしまい、ヴォーヌ=ロマネ近郊の、下級のピノ・ノワールに過ぎないワインが持つ涼やかで、しかし圧倒的なエレガンスに打ちのめされてしまいました。これは凄いです!・・・ヴォーヌ=ロマネの特別な畑のワインが持つものを、そのままスケールダウンしただけ・・・。各々の要素が持つ量のみをダウンしていますが、要素の種類はそのまま持っているかのような振る舞いを見せるんですね。
なので飲んでいる時に、ACブルゴーニュだからど~のとか、村名クラスか1級と比べるべきだとか・・そんな感情を持たないんですよ。最高クラスのピノ・ノワールのエレガンスが備わっているんです!
ある意味、これは凄いことです。そんなワインはまず見当たらない・・・。有ったとしても、出来の悪いグラン・クリュのワインが、それに近い風情を見せるのみです。
決して気取らず、全くパワフルでは無く、でも静かに穏やかに、その純粋なエキスの姿を愛でることが出来るんです。
この淡く美しい赤の勝った紫の色合いから純なアロマが漂ってくるかのようです。そして余韻・・・この美しさは圧倒的です。震えます。そしてコンディションも抜群でした・・・。これを飲んでしまったら・・メオ=カミュゼのワインを見直す羽目になる・・と言うか、買いに走るようになってしまうかもしれません。
ヴィンテージの弱さなど微塵も感じない、物凄いワインでした。これが4千円ならとんでも無く安い!お薦めします!