
実は・・今回の入荷で値上げが有ったのは、この「マルサネ」だけ。・・いや、2018年ものはブルゴーニュ・ルージュが3種類になったので複雑では有りますが、入荷した時は、
「あら~・・マルサネ、値上げか~・・」
と、売れ筋の値上げにちょっと残念な気持ちが有ったのは事実です。
ですが・・飲んだら納得してしまいましたよ。
「ん・・仕方ないよね・・これなら・・」
昨今のメオ=カミュゼのワインは、本当にキッチリ「造りこまれて」いるかのようです。メオ=カミュゼとしてのワインにはキッチリとビジョンが有り、その上で収穫した葡萄を口にし、その時点でビジョン由来の意識から、また収穫された葡萄の姿から完成形がイメージされ、そのイメージされた形になるように間違いなく整えられてゆく・・。
そんな感じにさえ受けられるような、完成度の高さとディテールの細やかさ、美しさが有るんですね。
因みにジャン=ニコラさんのコメントです。
「香りは例年よりも軽やかで黒い果実と木の香り、少しミントの香りも感じられる。口当たりは豊かで柔らかく、アフターは少しタニックだがとても分かりやすい味わい。すでに飲みやすくなってはいるが、2018年らしいストラクチャーもあるので少し熟成させたほうが良い。2022年まで待ったほうがより良くなるだろう。」
深~い赤を何層にも積層させたような、チェリーのバスケットです。ドライで、全く甘く無いのにフルーツ感と透明なミネラリティがバッチリです。(面白いのはフィサンの方は透明と言うより不透明と言うか、白濁系です。)グラン・クリュのワインが持つような荘厳さではないにせよ、少し畏怖させるかのような存在感さえ漂います。浮ついたところが全くなく、しかししなやかさが充実しているポテンシャルを飲みやすい方向に向けています。
2018年のメオ=カミュゼは相当に良さそうです。今年後半に入ってくる予定の上級キュヴェも楽しみですが、オート=コート白のクロ・サン=フィリベールも、「とんでもない出来」ですし、このマルサネも同様です。果実感が際立って豊かなジュヴレだと言って良いような仕上がり。是非とも飲んでみて下さい。痺れます。
以下は以前のレヴューです。
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【深い・・深い・・マルサネです!メオの理想が透けて見えて来ます!】
滅茶旨いです・・!・・香りしっかり、味わいふくよか、果実感たっぷりなのに「しっとり・・」・・あれ?
そう・・あれっ?・・と気付いたことが有りますが・・それは後で書きます。
2017年もののマルサネは(フィサンもですが)、ほぼパーフェクトです。メオさんはこのように評価しています。
赤い果実をほうふつとさせるような芳しい香り、樽香やドライフルーツ、ブラックチェリーのようなアロマも感じられる。ピュアで繊細な口当たり、心地良い味わいがとても長く続き、最後に酸味と少し閉じたニュアンスを感じる。フィクサンのような色気のあるワインでは無いが、華やかで軽やかな素晴らしいヴィンテージ。例年よりも早飲みで2020年から楽しめるだろう。
いやいや・・もう美味しいですよ。ピュアだし、エキスたっぷりだし・・それに・・ちょっと御大の雰囲気も出て来ましたよね?
そう・・醸造前の低温の漬け込み由来の僅かなニュアンスと、完熟した葡萄由来の・・そう、神様風な味わいがしたんですよ・・。勿論それは、フィサンにも、ACブルにも有りました。
低温浸漬は別としても、「比較的」高めの温度でエキスに昇華する造りなので、今までは、神様アンリ・ジャイエには似ない味わいだと理解していました。
しかし・・2017年ものはちょっと様子が違いました。メオの理想とする味わい・・それはA.C.ブル同様にしっかり見えます。最高のリッシュブールまで・・いや、おそらくですが・・一直線にそれは見えるはずです。
それに加え、神様風な味わいになってきたんですよ・・。こんなことを言っちゃうと怒られるかもしれませんが、
「メオの2017ヴォーヌ=ロマネとルジェの2017ヴォーヌ=ロマネをブレンドすると神様のヴォーヌ=ロマネに・・なる・・か?」
などと不謹慎なことを考えてしまいましたよ・・(^^;; ・・でも、色もしっかり見てくださいね。濃度、見た目も・・ちょっとジャイエ風に・・見えないですか?・・もう少し過熟気味の収穫タイミングにした方がより似るかな・・?2016年ものとは大きく違いますよね?
いや・・楽しいですね~。神様の味わいはもう、経験出来ないだろうと思っていましたが、そんな部分をくすぐられてしまうと一気に若返ってしまうような気持ちにさせられました。
美味しいです!・・飲むっきゃない・・!今飲んでも良し、少しおいても良いでしょう。お勧めします。おそらく再入荷は望めません!
以下は以前のレヴューです
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【これは素晴らしい!!】
いや~・・参りました。さすがですね。難しいはずの2016年、ACブルのまとまりの良さに脱帽させられたnoisy ですが、数の無いマルサネをテイスティングしたらまぁ・・よくもまぁ、ここまで出来たもんだと感心させられました。
2015年ものもマルサネはとても美味しくて、数も無いのにお勧めしていましたが、2016年はおそらくですが素晴らしかった2015年ものも超えていると思います。
まるで・・あのシルヴァン・パタイユのワインをほんのりと濃密にさせ、さらにほんのりと妖艶さまで表現したようなお姿なんですよ。しかもシルヴァン・パタイユにしかできないだろうとさえ思っていた、美しくもマンモスなミネラリティはそのまんまなんですね~。
ここまでしっかりミネラリティが有ると、抜栓して1週間なんて全く問題無いでしょう。事実noisyも6日ほど置いておきましたが、精緻なお姿はそのまま!・・凛としつつもほんのりとエロスを漂わせてくれました。
なお、量的に少ないのでフィサンは飲めなかったんですが、担当さんによると、
「マルサネも素晴らしいがフィサンはもっと凄い・・」
とのことですんでね・・。この際、開けちゃおうかなぁ・・このところフィサンは飲めてないし・・とも思ったんですが、ただでさえ経費倒れし兼ねない状況ですし、テイスティングしなくてはならないワインが行列している状況なので思い留まりました。
申し訳ありませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。メオ=カミュゼ、ぜひお試しください!
以下は以前のレヴューです。
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【ACブルの美味しさにはビックリですが、現時点でのマルサネの素晴らしさはそれを軽く超えて来ます!!少量です!】
いや~・・良いですね~。ACブルも素晴らしいが、そこにさらに赤黒さの元になっているだろうミネラリティがもたらす複雑で精妙なニュアンス、ドライなチェリーの丸ッとした果実感が、美味しさをさらに引き上げてくれる感じがします。
フィネスさんとお取引が再開してようやく3年ほどが過ぎたかな?・・と思いますが、入荷量の少ないワインを利益度外視でどんどん開けて来た成果?・・か判りませんが、順調に伸びているので、その少ないワインも少しずつ増えては来ています。
やはり美味しく真っ当なワインをお客様にキッチリとご紹介させていただき、喜んでいただけるようじゃないと、そのエージェントさんとのお付き合いも真っ当にはならないので、一生懸命にやってくださる今の担当さんには感謝しています。
この2015年のマルサネですが、ジャン=ニコラのコメントにもある様に赤い果実がたっぷり有り、非常にドライで、ドギツイ酸味が無くまろやか、高級感の備わった見事な味わいです。近年のエキスがバッチリ出たメオのピノ・ノワールの美味しさは格別ですが、このような・・いや、メオにとっては下級クラスではあるものの、やはり5千円にもなる村名ワインですから我々にとっては結構な高級ワインで、そこにこのような「美しさ」「エレガンス」がじっくり味わえ、ポテンシャルを取れることはとても嬉しいことです。
因みに2014年のマルサネは、ティム・アトキン氏も91Points(も!)付けていることは、以前にご紹介させていただきましたが、2015年ものの評価はまだ全く見当たらず、ご紹介は出来ません。
しかしながら、この仕上がり具合、メオの自身、noisy のテイスティング時に受け取ったニュアンスからは、
「非常に良い出来!」
と言えるでしょう。
今回同時にご紹介させていただくフィサン村名も旨いですが、結構に直近の味わいが違いますので、そちらはそちらのコラムをご覧くださいませ。
マルサネはやや締まった酒躯をしていますが、現状でかなり美味しいです。こちらはバラでしか入荷していませんのでお早めにどうぞ!お勧めします!
以下は2014年のこのワインのレヴューです。
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【なんとティム・アトキン氏は91Points!・・この方、正直だね~!】 実を言うと・・随分と昔に仕入れたメオ=カミュゼのワインを、全く販売せずに山にしています。まぁ、山脈にはならない程度の量なので良いっちゃぁ良いんですが・・noisy的には全く気に入らなかったんですね~・・。1998年産の「とあるキュヴェ」です。
今まで何度かテイスティングしていまして、何とか・・販売しても文句の言われないレベルには来たかな・・とも思うことも有りますが、まだ思い切って踏み出せないでいます。まぁ、それは高価なワインでは無いので・・
そんな頃から比べると、最近のメオ=カミュゼのワインは凄いです。圧巻!・・と感じるキュヴェの多さ、またそんな機会の多さにも驚きます。
そんなnoisyと同様のイメージを、他の方も感じ始めているのをヒシヒシと感じていましたが、それでも少し前までのメオ=カミュゼのワインの動きは余り活発では無かったので、量を多く仕入れることには危機感みたいなものが働いていまして、2013年ものでは止まっていた比較低価格なラインのワインの仕入れも、さほど多く無かったんですね。それでも少しずつ機会を見てテイスティングし・・
「・・これは一度しっかりテイスティングしないといけない・・」
と思っていた訳です。それで色々なアイテムをテイスティングしたのも有りますが、ここへ来て、かなり動きが出て来たのかもしれません。
余りに低価格なラインのワインが軒並み完売してしまったので、フィネスさんの担当のK君に相談すると、この「マルサネとニュイ村名なら少量ですがお渡し出来ます。」とのことだったので、今回のご紹介に辿り着けたと言うことなんです。
で、あれこれ、ネットを放浪して評価を探していると、やってくれてましたね~・・ティム・アトキンさん・・なんとこのマルサネ2014年に91ポイントも!・・付けていました!・・でも同時に、
「・・失敗したな・・」
と思いましたね。
上記のような状態だったので、昨年の入荷の時には思い切った仕入れが出来ていなかったんですよ。まぁ・・その頃にはまだ、ティム・アトキンさんの評価は表に出ていなかったと思うんですけどね。もし出ていたら思い切って仕入れをしていたかもしれません。
ティム・アトキンさん・・noisy 的には結構、
「日本人的感覚に近い人・・かな?」
と言うような感じを持っていますんで、エキス系のエレガントで、ジワジワと複雑性を垣間見せるようなタイプのワインには、結構・・良い評価をしているように思うんですね。勿論、同じタイプばかりに良い評価をしている訳ではありませんけどね。
2014年のメオのブルゴーニュ・ルージュを飲めば、そのエレガントなピノ・ノワールらしい表情の素晴らしさに感動を覚えるに違いないと思います。そして、このマルサネも同じライン上に有る・・と思います。
今回は7本だけですので、飲まずにご案内することにしました。2015年こそはテイスティング出来る位に何とか多めの確保に動きたいと思っています。是非ご検討くださいませ。