
何とも旨いシャルドネです・・。心憎いバランスです。
言ってしまえば、ラドワも滅茶美味しいんですが、白っぽいブラウスをまとわれたスレンダーな美人さん・・、ムルソーは黄色のブラウスで健康美を見せる、出るところが出て、引っ込むところがちゃんとなってる体形美人さん、このサン=トーバン1級は、何とも愛くるしい笑顔の性格美人な中高生・・いや、みな女性では有りますが、決してハラスメントをしているつもりは有りませんので悪しからず・・。
チリチリと味蕾を刺激してくる若くも深い味わいの誘惑は、ドライながらも甘美な果実の味わいが有ります。濃密なんですが、まったくなり過ぎていない・・ので、濃密だとはっきりは言わないと思います。しかし全く何も不足していない感じです。
このドライなシャルドネに感じる甘美さ、甘みは、やはりお隣のピュリニーに近いもの・・ですが、少し小振りと言いますか、小さな要素の集合体のように感じられるんですね。その意味で言いますと、相当クラスが上のものに値する訳ですが、けっして、「すまし顔」でやってくる訳じゃないんです。凄く笑顔の素敵な女性・・です。だからその辺の男どもはメロメロになってしまう・・そんな感じです。
2019年のメオは外さない・・そう思います。「絶対」を付けたいんですが、例えば白ならコルシャルは飲めていないんですね・・ドメーヌのクロ=ヴージョやミュルジュ等々はこれから楽しんで飲ませていただきます。是非飲んでみて下さい・・メオさんは2023年から・・と言ってますが、今飲んでも後悔しないと思いますし、この上のムルソーのコラムに書いた「お薦めの飲み方」をやっていただけましたら、もっと理解が深まるんじゃないかと思います。還元香は有ってもすぐ飛ぶと思います。
■ メオさんの2019年もののレヴュー
最初に少し還元香を感じるが、次第に樽香が溶け込んだ白や黄色の果実の香りが立ってくる。オイリーで心地良い口当たり、アフターは繊細でスパイシー、酸味はまだ少し尖っている。サントーバンらしい重厚感と上品さがあるが、2~3年は熟成させたほうが良く、2023~2030年に飲むことをお勧めする。
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【この超瑞々しい、超ピュアな味わいに人々を驚かせるテロワールの表現が有ります。】
少ない割り当ての中から2本も開けてしまいましたので、利益的には非常に厳しいです。それでも全く売れないよりは良いんですけどね・・。テイスティングしてご紹介したアイテムは売れたとしても、テイスティングしていないキュヴェは売れない・・と言うのが良くあるパターンで、でもそのうち世の中の理解が急激に深まって劇的に売れるようになり、でも喜んでいる暇も無く割り当てが減って行き、いずれ入らなくなってしまう・・と言う経験を長く続けています。このサン=ロマンにしても、またサン=トーバン1級にしても、世界中のどこを探してもテイスティングコメントなど見当たらないはず・・ここ以外は!・・・と言うことで、また開けてしまうんですね~~。損な性格なんでしょう。諦めています。
2016年ものもだいぶテイスティングを続けており、おおまかな傾向が見えて来ました。勿論ですが、noisy が扱うような造り手に限って・・の話しですよ。
2016年ものはシャルドネはかなり良い・・と言うか、量は少ないですが質が素晴らしく、グレート・ヴィンテージじゃないかと踏んでます。
このサン=ロマンですが、ま~・・呆れるほどに瑞々しい・・です。「ピュア」と言う言葉を使いたくなります。危険分子は全く感じません。それでいて余分なぜい肉、残糖無し、骨格も実にしっかりしています。フレデリック・コサールのサン=ロマンのような、フワッとした柔らかさに満ちた味わいでは有りません。おそろしくドライで(コサールは僅かに甘みを残し、二次発酵でアレコレ何とかなるように調整しているように思います)、とことんピュアなので、サン=ロマンと言う村のワインがどういうミネラリティの組成
をしているか、ものの見事に伝わって来ます。締まったボディから美しい柑橘が伸びやかにノーズに飛び込んできます。締まっているのにボディは膨らみを持ち、緊張感が有りつつもゆったり・・余韻も僅かなビター感を持ちつつ、再度果実感、ミネラリティを感じさせつつ美しい収束を見せます。
「めっちゃ美味しいです!」
ジャン=ニコラは硬いと言っているようですが、締まってはいますが硬いとは思いませんでした。肉をミネラリティがギュッと押さえつけているかのような感覚ですね。素晴らしい味わいでした。

サン=トーバンは1級になってますね。ユベール・ラミーがちょうど持ってない、村の北の奥の辺りの1級です。味わい的には村の東端、ピュリニーの真裏の「アン・ルミイィ」等が持つ、グラマラスでオイリーさの強いタイプでは無く、フリオンヌとかデリエールの中間的な組成で、ボディは太目、凝縮感は有りますが、無理矢理そうしたようなニュアンスが全く無く、非常にエレガントです。
この辺りが昨今のメオの凄いところで、「さりげないんだけれどきちんと存在している」んですよね。思わず・・唸っちゃいました・・。これも滅茶美味しいです。ちゃんとサン=ロマンを訴えてくるんですよね。面白いですから、ぜひ、「ユベール・ラミーのサン=ロマンの西側もの」と比べてみてください。超瑞々しいのがカミュゼで密植系のラミーなら密度の組成は上です。どっちがより美味しいと感じるでしょうかね・・是非尋ねてみたいみたいものです。
また、今回も非常に少ないですがコルトン=シャルルマーニュもいただけました。さすがに飲まないですよ。もう・・2016年のメオのシャルドネ部門は黒字にはならないですからね。でもきっと素晴らしいはず・・だと予測しています。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【パーフェクトなブルゴーニュ・シャルドネ!と 思わせる素晴らしいワインでした!メオ=カミュゼは本気でルロワを越えようとしている!】
それなりに長い批判の期間が有ったように思います。メオ=カミュゼと言う大看板もやはり、小作人だったアンリ・ジャイエの名声に支えられ、むしろその実力以上に期待を負わされ、苦しいと思う時期が有ったのかもしれません。
フランスに出かけた友人たちは口々に、
「ワインショップにフーリエ、ルーミエは全く無い。メオ=カミュゼは山のようになってるけど。」
と3年ほど前までは言っていたものです。
確かに、メオ=カミュゼのワインはエキス的で官能的だけれど、時にバランスが今一つだったり、時に余りのディテールの人間臭さに、
「・・ちょっと・・やり過ぎじゃないのか・・」
と思ったものです。
そんな期間は、noisy も正規で扱うルートがほぼ閉ざされていましたので、今のようにこまめなチェックが行き届かなかった面は否定できませんが、コンディションが悪い訳では無いと思われるのに何故か?・・と言うような、どこかにクエスチョンマークを持つ気持ちにされたのは事実です。
しかしながら、2014年のメオのワインは、ネゴスものもドメーヌものも全く区別なく、非常に素晴らしく、2012年頃までの不安定さ、もしくはキュヴェによる出来の差は全く感じられなくなっていました。
ものの見事にクラスを表現出来ており、そのクラスの中のトップの出来であろうと思わせるだけの仕上がりを見せつけていました。勿論ですが、入荷数が限られているため、全てのワインを試飲出来た訳では無いですが、それでも、
「ここまでキッチリ最上に仕上げられるので有れば、どのキュヴェでも問題など嗅ぎ分けられないだろう」
と思わされてしまった訳です。
そして満を持しての2015年、少しドキドキしながら希少なメオの白ワイン、最もリーズナブルなサン=ロマンを開けてみた訳です。
その出来は、
「まさにブルゴーニュ・シャルドネのお手本!」
と言うべきであり、
「ブルギニヨンが目指すべき道標の味わい」
と言っても過言ではない、素晴らしいものでした。
この2018年の寒波の中、やや冷え気味でテイスティングが始まりましたが、香りの立ち、その質感、ボリュームとも、サン=ロマンと言うマイナーなアペラシオンとしての表現も持ちつつ、ブルゴーニュ・シャルドネとしての超絶な美しさを前面に出し、エレガンス、フィネスをたっぷり感じさせてくれるものでした。
冷えていても崩れない、冷旨系の酸をまん丸に持ちつつ、パレットに綺麗に円を描き、少し悶え、美しく長く滞在しながら消えて行きます。
それはやや温まっても崩れること無く、アロマをややボリューミーにするのみ、そのアロマの美しさは温まることによってさらに際立ちます。
いや~・・異常に旨いです。
サン=ロマンと言ったら・・皆さんの脳裏に浮かぶのはやはりド・シャソルネイのフレデリック・コサールでしょう。
しかし、コサールのサン=ロマンとは、全く違う素振りを見せつけて来ます。サン=ロマン的な個性はしっかり、中盤以降の余韻に掛けてホロホロと見せてくれますが、まずはカッチリのやや硬質な舌触りを。透明感の凄いややグラッシー(グラス)なミネラリティ、もしくは酒石酸的な硬質感。アロマや、そこから僅かに崩壊しつつ放出される果実・柑橘の美しいこと・・。口内でひねりつぶせば、複雑なニュアンスが期待しただけ・・出て来ます。決して雑にならず、凛とした姿は決して崩さず、飲み人はただただ頷きながらその味わいに引き込まれることでしょう。
コサールなら、もっと弄繰り回したコサール自身の姿を感じさせることでしょう。しかしメオの場合、この美しいシャルドネがメオのワインだ・・と決めつけるなら、それはメオの姿なのでしょうが、
「ブルゴーニュと言う世界で最もエレガントでたぐいまれなフィネスを持つワイン自体を表現」
している・・そしてそれが良く判るワインだと言えます。
いや、これを飲める人は幸せだろうと思います。非常に旨いです。メオは2020年まで待てと言ってますが、noisy は兎に角、
「そんなこと言わずに一度さっさと飲むべき!」
「そしておそらく気に入るに違い無いのでさらに買い増すべき!」
だと確信して申し上げます。
他にも白は少々、初登場のサン=トーバンが有りますが、ご存知の通り、ピュリニー=モンラッシェの横、裏に有るアペラシオンで、しかもピュリニー=モンラッシェそっくりの高質なシャルドネになる可能性の高いものです。しかも2015年は熟れた年と言われてますから、
より涼しい畑で有るサン=トーバンは、選択の優先順位が高いと思われます。
ムルソーもメオは2021年まで待てと言ってますが、飲んだことが無ければサン=トーバン同様、さっさと一度飲むべきです。やや粗暴な一面を持つムルソーと言うアペラシオンですが、メオ的なエレガンスが見事にそれを美しく変貌させていると思います。
コルトン=シャルルマーニュはメオの最高の白です。余りに売れないので・・2014年がまだ残っており、そのうちに飲んでやろうと狙っています。2020年まで開けない方が良い・・とメオが言っているようですから、今すぐなら飲んでも美味しいと思います。春過ぎまで飲まないで保存されるようでしたら、2020年まで開けない方が無難ですが、これも、
「さっさと飲んでみるべき」
だと思います。
非常に冷ややか、しかしちゃんと熟れていて、ブルゴーニュ最高の美しさを見せつけるワインでした。飲むべきです!メオ=カミュゼも完全復活!・・と言って良いでしょう。超お勧めの白4アイテムです。