このところの入荷不順・・遅れ、数量減少でワイン屋さんも大変な状況になっています。コロナ渦でも昨季前半までは何とか不都合無くやれておりましたが、この作柄不良、海外勢の需給関係の変化などで、日本へのアロケーションも減少し、価格は当然ながらアップ、そこに為替で日本は一人負け状態ですので、影響は避けられないところです。
このメオ=カミュゼの2019年モレ=サン=ドニも、昨年末の入荷時期には Noisy wine の割り当てが無く、お客様にもご案内出来なかったんですが、ルシアン・ボワイヨ2019年の割り当ても少ないところで全アイテムをテイスティングさせていただいた結果、担当のK君が気の毒がってくれまして、結果として余ったアイテムを出してくれたんですね。
なので、希少なダンジェルヴィーユの2019年A.C.ブルとかパスグラ、そしてそれらのマグナム!・・アンリ・グージュの2019年のNSGレ・カイユ、さらにはメオの2019年のアイテムを少しずつですが出してくれました。なので、流石に飲むほどの数ではないですが、ご紹介させていただきたいと思います。

・・などと言っておいて・・
「・・あれ?・・写真があるって・・どういうこと?」
と思われるかもしれません。
そうなんですよ・・実は昨年末には、テイスティングだけはやっていたんです。飲んだ後に割り当てが有って、そのリストの中には何故か・・モレ=サンは無かったんですね。なので、この写真は「お蔵入り」の予定だった訳です。
で、写真のプロパティを見ると2021年12月11日午前0時11分になっていますが・・このモレ=サン2019年が滅茶美味しくて・・その後の入荷が無いことに気付いた時には、結構落ち込んだんですよね。
なので、まぁ・・今は5カ月ほど経過していますんで、閉じていなければ・・
「相当旨い!」
のは間違い在りません。閉じていなければ味わい保証!・・

この下の方に2014年もののこのワインの写真が有りますから・・比較してみてください。
「・・げげ・・同じワインとは思えない・・」
と感じませんか?
そもそもこのモレはいつもそんなに割り当てが無いので、テイスティングもし辛いアイテムです。なので、noisy の持っている印象は希薄では有りますが・・以前はこんな感じでした。
「フィネスさんがシャンボールに似ている・・と言うほどは・・似てない・・けどバランスの取れたミネラリティはしっかりあって味わい深い・・」
みたいな印象でした。
しかし2019年もののモレ=サン=ドニは、まさにシャンボールっぽい透明で硬質なミネラリティと、テクスチュアが滅茶苦茶しなやかでベルベッティ・・ノーズへ還って来るアロマもシャンボールっぽい香水系のものが多く混じり・・「こりゃぁ美味い!」と感じました。
何しろ色合いもセクシーですよね~・・土っぽくワイルドな感じはしないんじゃないかと思います。
もし飲まれるなら少し休めてすぐ・・が良いかと思います。もしくは2年ほど置くか・・です。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【驚きました!・・素晴らしい味わいでした!】
2015年もののフィサン1級クロ・デュ・シャピトルは、数が少なかったので飲まずにご紹介したところ、
「・・全く動かない・・」
と言う・・残念な結果になっていまして、それでも、
「フィサンと言えば、ベルトー=ジェルベが有るからだいぶ皆さんにも周知されてきたんじゃないか?」
などと言う、noisy の甘い目論みは砂上の楼閣でした。そのまんま・・でも無いですが残っちゃってます。
なので、2016年ものは絶対に飲んでやろうと決めていたんですね。他にはACブルも再テイスティングしまして、その品質を確かめています。
左の写真は全く弄っていません。大きさを変えただけ、明るさや色味の調整はしておりません。なので、ちょっと暗く映ってしまっていますが、
「深淵な構造が見えるような感じ?」
がしないでしょうか。
そして、メオのワインに共通な瑞々しさ、荘厳さ、ピュアさはそのままに、ジュヴレの鉄っぽさをやや少なく、石灰系のミネラリティをずっと多くしたような見事な味わいを感じさせてくれました。
果実感もたっぷり有りますが・・実に深淵です。軽々しくない・・と言うか、でも重厚な訳では無いんです。何よりもこれだけドライな味わいになっているのに、構成が豊かで有ると感じてしまう・・全然渋く無いんですね。ほとんどの場合はどこかに破綻を見つけるんですが・・全く見つけられませんでした。あっという間に空いてしまいました。
ベルトーのフィサンは全房発酵系に移行しましたんで、メオのこのワインとも大分傾向が異なります。基本的にはアンリ・ジャイエの手法に近いはずですが、発酵時の温度コントロールは異なると思います。言わば、クラシカルな造りで有るとは言えないものの、ニュースタイルでは無く、メオ独自の世界が感じられます。勿論、ジャイエの直弟子のエマニュエル・ルジェのワインとも違います。ルジェはフワッとソフトで妖艶さの有る感じに仕上げますが、メオはまるで氷の太刀です。冷ややかでタイトなんですが懐が深いんですね・・。
素晴らしいワインでした。他の村名のワインはすみません・・少なすぎてどうにも飲めませんので、以前のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【昨年、旨いと評判が高かったので欲しかったものの入荷は無かった?015年モレ=サン=ドニ!今頃ほんの少量だけ入荷!】 そうなんですよ・・何故か2014年が入って来て、2015年ものが入らなかったんですね。2015年もののメオのネゴス・ドメーヌのどちらも荘厳な仕上がりでしたので、非常にリーズナブルなモレ=サン=ドニ村名も欲しかったんですが、入荷無しでした。
で、何故か今になって少しだけ・・いただけました。非常にラッキーです。
昨今のメオ=カミュゼのワインを飲まれたブルゴーニュワインファンの方は、ほぼ皆さん・・驚かれていますね。
「低価格なクラスでこれなら上もぜひ飲んでみたい!」
とおっしゃるんです。
ただし、メオ=カミュゼのワインは基本的に限定品ですんで、noisy としても1級クラスを1~2本開けるのが関の山なんですね・・そうそう、もう十数年前頃は、ルーミエさんのシャンボール1本、メオ=カミュゼさんちのシャンボール1級2本に他33本・・みたいなアソートでした。断りましたけどね。その頃から比べると、さらに評価を伸ばしたルーミエさん、一時的に・・3年ほど前まで評価されなかったメオ=カミュゼさん・・みたいな感じでしたが、
「昨今のメオを飲んだ人は知っている!」
と言うのが事実でしょう。
素晴らしかった2015年ものです。出来が良かっただけに少し高目では有るかもしれません。是非ご検討くださいませ。
以下は2014年もののレヴューです。
━━━━━
【素晴らしい仕上がりの2014年!!ほんのりとグラン・クリュ・クロ・サン=ドニのイメージを持つモレ=サン=ドニ村名です!】
こちらもお分けいただいたモレ村名の2014年です。1ケース入りましたので、このモレ=サン=ドニは初めてと言うことも有り、飲んでみました。いや・・良いですね。
ちょうどジョルジュ・リニエさんの2008年クロ・サン=ドニと言う名品が有りましたんで、非常に良い比較になりました。
このモレ村名は、ドメーヌものと同じ造りをしたワインですから、決してドメーヌものに劣らない仕上がりです。それが良く伝わってくる、まさにフィネス溢れる・・(^^;; エレガントなモレ=サン=ドニでした。
良く感じる村名のジュヴレのように、やや尖がったパワフルなワインでは無く、そして鮮烈な赤や紅色を印象付けるようなものでも無く、やや暗みを帯びた丸さの有る果実やキノコ、赤茶けた感じに白い石灰が差し込んでいる感じで、テクスチュアはブツブツせずにしなやか、どこかに赤いベリーが隠れた熟したプラムの盛り合わせが有るような感じです。
繊細さも有り、表情は今でもかなり豊かですが、決して出しゃばって来ないような「おしとやかさ」も有ります。
クロ・サン=ドニの洗練されたフィネスにはどうやっても追いつきませんが、昨今のメオ=カミュゼが持つ、非常に美しいエキスからの荘厳な表情は継承されています。銅はどんなに磨いても金にはなりませんが、例えばメオのニュイ1級などは、どこからどう見ても良く出来たヴォーヌ=ロマネ1級クラスに値するような表情なんですね。
初めてメオ=カミュゼを飲まれた方、特に最近のメオを飲まれた方は、総じて「素晴らしいです!」とのお言葉をいただいていますが、このモレ村名も、決して期待を裏切らないでしょう。それに決して高くは無いですよね?むしろ、これよりも高い村名は山ほど有りますし、反対にここまでのポテンシャルを出せているか?と問いたくなるようなイメージです。
初めて飲みましたが、「昨今のメオ=カミュゼは滅茶良い!」と声を大にして言いたいと思います。ご検討くださいませ。
また、ACブルゴーニュ・ルージュ(こちらは3回目の追加です)、村名ジュヴレ(こちらは初めて)もちょっとだけ入荷しています。とてもじゃないですが飲める数量では有りません。お早めにご検討くださいませ。