残念ながら手は出しませんでした。少ないとは言え、そこそこテイスティング出来たのはフィネスさんのご協力のお陰なんですが、それでもやはり僅少な入荷量は変わりませんから・・厳しいのは厳しいです。
ですがお陰で・・2021年もののブルゴーニュワインの傾向が見えて来ました。まぁ・・当てはまらない部分も当然あると思いますが、今のところ・・の判断と言うことで、何かの参考にされてください。
■コート・ド・ニュイのピノ・ノワール
濃く無く、決して薄くないバランスの良いヴィンテージ。2018年位の濃度でエレガンスと濃度のつり合い、果実感の強さ・・すべてにおいて満足できる。
■コート・ド・ニュイの白
全く悪くない・・どころか、かなり良い。
■コート・ド・ボーヌのピノ・ノワール
やや淡く、エレガントなヴィンテージ。強さは無く、比較的早飲み。造り手の度量が試されるし、ラッキー、アンラッキーも存在するかもしれない。
■コート・ド・ボーヌの白
良い。アペラシオン、畑により若干まだらな感じはするが、平均的かそれ以上の可能性有り。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールはエレガントなので、造り手の度量がマスト条件だと思います。反対にニュイのピノ・ノワールはとても美味しい・・です。今のところ。
白については・・今のところは大外れが全く無いんですね。カミュゼのA.C.ブルなんぞ、めちゃ旨いですし・・まだご案内出来ませんが・・トマ・モレの2021年A.C.ブルも・・もしかしたら今までで最高じゃないかと思えるほどに完成度が高いです。
ですので、飲めなかったこの「ノール」は上記に当てはめますと、良い出来なんだと想像します。是非スッドと比較してご意見・ご感想などください。よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【理想のジュヴレ=シャンベルタン?・・「コート=ドールの北部分」を表現したA.C.ブルです!】---以前のレヴューを使用しています。
A.C.ブルゴーニュと言えば、ドメーヌものはほぼほぼ・・ドメーヌの屋敷近くのA.C.ブルの畑から造られるのが普通でした。現在でも例外は稀にあるとしても、基本的には何も変わっていません。
ですが、ネゴスだからこそ出来ること・・視野を拡げてみれば、
「コート=ドール(、もしくはコート・ド・ニュイの)北半分の表現」
をしたA.C.ブル規格のワインが有っても良いですよね?・・
しかも、それが単一な村で有る必要は無く、ジュヴレやフィサン、マルサネ・・・そして、良い畑で有れば、もしくはそのセパージュに必要であるなら、ブロションでも、ディジョンでも、面白い結果になるかもしれません。
で、この2019年ものの「ノール」ですが、飲んだイメージはまさに・・
「美しくバランスの良い、尖がって無いジュヴレ=シャンベルタン」
みたいな感じなんですね。
色も良いでしょう?・・官能的な色彩ですよね。ちょっとマルサネ、多めですか?・・みたいなイメージの色合いですが、その分、チェリッシュな果実感がしっかり有ります。その上で、フィサンのほんのり柔らかな、ちょっと白みの入ったミネラリティが支えに入り、ジュヴレ的な鉄っぽさがさらにその下で頑張っている・・そんなイメージを受けました。
バランスは本当に素晴らしく真ん丸なイメージ・・。キュヴェ・エチェンヌ・カミュゼより重心が低く、そのためかジュヴレっぽさが有るものの、チェリーな果実もしっかり感じるバランスで非常に旨いです。スッドとの比較も楽しいと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【パーフェクトな出来だった2017年ものから2018年ものは何と3つのブルゴーニュワインへと大変身!単にA.C.ブルゴーニュでは無く、北、南、そして中央と言うテロワールの違いを表現しています!】
いや~・・楽しいですね~・・ん?
「・・面倒くさい・・」
いや、「比較」こそがワインの楽しみの神髄です。同じように見えても異なる・・そこが良いんじゃないですか。
だからもし2017年の、ほぼパーフェクトと表したブルゴーニュ・コート=ドールをお飲みになっているとするなら、ヴィンテージを無視して、
「ノール + スュッド + キュヴェ・エチェンヌ・カミュゼ」
を飲んでいるとみなしたうえで、さらにこの3種のブルゴーニュ・コート=ドールを混ぜたものとほぼ同等とみなすなら、4種類の味わいをも楽しめる訳です。
まずはジャン=ニコラさんのコメントをいただきましょうか。上の写真です。
「ブルゴーニュ コート ドール キュヴェ エミスフェール ノール
BOURGOGNE COTE D'OR CUVEE HEMISPHERE NORD
Hemispere Nord(エミスフェールノール)とは「北半球」という意味で、コートドールの北側に位置するジュヴレシャンベルタン村の葡萄をメインで使用している。3つのキュヴェの中でもより緊張感とストラクチャーがあるワインで、フランボワーズやイチゴの華やかな香り、木苺やサクランボの野性的な香りも感じられる。たっぷりとした口当たりと余韻の緊張感、しっかりとしたストラクチャーと溶け込んだタンニンが感じられるコートドニュイらしい味わい。今でも十分美味しく飲めるが、2021年にはより素晴らしい味わいになっているだろう。」
一応ネゴスものの「ノール」です。お伝えしておきますが、ドメーヌものとネゴスものの品質的な違いは有りません。どちらもキッチリ造りこまれています。
ジュヴレらしいワインでした。フィサンも飲んでいますので比較すると、むしろこちらのノールの方がジュヴレには近い感じで、僅かにニュイ=サン=ジョルジュ風の美しい土のニュアンスを加えたかのようなニュアンスです。色はしっかりしていますが、やや不透明感のあるしなやかな石灰感と、ふんわり優しいタンニンがフィサンとの共通点です。全く甘く無いのに旨味がしっかり有って、その中に鉄っぽさや皮革の初期段階のアロマが感じられます。冷ややかで実に旨いです。

2つ目の写真はスュッド(スッド?)です。
メオさんはこのように述べています。
「ブルゴーニュ コート ドール キュヴェ エミスフェール スッド
BOURGOGNE COTE D'OR CUVEE HEMISPHERE SUD
2018年ヴィンテージはブルゴーニュコートドールルージュ(旧ブルゴーニュルージュ)を3つのキュヴェに分けて醸造。Hemispere Sud(エミスフェールシュッド)とは「南半球」という意味で、コートドールの南側に位置するポマール村の葡萄を使用している。3つのキュヴェの中ではチャーミングで軽やかな飲みやすい味わいで、熟したプラムやサクランボの華やかな香り、開けたてからとっつきやすく直線的な面もあるがアフターはとても繊細。ややタニックで粗さはないものの、瓶詰の影響でやや固くなっているので少し休ませたほうが良い。2021年から本格的に楽しめるようになるだろう。」
いや~・・ノールも柔らかいですし、このスュッドももう飲み始めて良いでしょう!めっちゃ美味しいですよ。ポマール村の葡萄ですか・・。noisy はヴォルネイかと思ってました・・いや、ポマールって判断も有ったんですが、正直なところはポマール プラス ヴォルネイかと。その位、ヴォルネイっぽさも有ると感じました。
明らかに「ノール」の風情とは異なる感じがしますが、むしろこちらの方が「キュッ」と締まっていてnoisy 的には好みです。美しいですね~。ヴォルネイ北のフルミエ、もしくはポマールの南のフルミエを連想させるニュアンスです。チェリー6割、プラム4割、ジュヴレほどの鉄分は無いにせよ、ほんのりと鉄っぽさを含みます。
これは美味しい!・・しかも価格もリーズナブルです。

3つ目はドメーヌものの「キュヴェ・エチェンヌ・カミュゼ」です。これはもう・・ドメーヌもののヴォーヌ=ロマネそっくりです。・・因みにエチェンヌさんはご先祖でいらっしゃいますね。これもジャン=ニコラさんのコメントをご覧ください。
「ブルゴーニュ コート ドール キュヴェ エチエンヌ カミュゼ
BOURGOGNE COTE D'OR CUVEE ETIENNE CAMUZET
ドメーヌの創設者「EtienneCamuzet(エチエンヌカミュゼ)」の名前をキュヴェ名にしているこのワインは、ヴォーヌロマネ村近郊にあるドメーヌの所有畑で収穫された葡萄のみを使用。3つのキュヴェの中で複雑さと繊細さが際立つスペシャルキュヴェとして1つ上のランク付けと考えている。サクランボや黒い果実のアロマが心地良く、口当たりはとても柔らかく繊細で余韻が長い。タンニンはしっかりしているがワインに溶け込んでいて深みのある凝縮した味わいになっている。十分開いた味わいで複雑さと爆発力があり、ヴォーヌロマネの素晴らしいテロワールを垣間見せている。2021年から飲んでいいだろう。」
これはポテンシャルが素晴らしいです!まさにヴォーヌ=ロマネ的エレガンス、存在感、複雑性が有ります。もうすでにその資質は見事に表れて来ていますが、ノールやスュッドほどの柔らかみは出て来ていません。
まぁ、ドメーヌものとネゴスものの差は無い・・などと言っていますが、やはり「葡萄の質」は別です。そこには「畑の資質」が必ず入って来ますから。
昔はドメーヌもののパストゥグランがリリースされていましたが、2000年頃からは終売になっていまして、
「ヴォーヌ=ロマネ近郊のブルゴーニュクラスの畑の味わい」
をメオのワインから見つけることは出来なかったんですね。
しかしながらこのキュヴェ・エチェンヌ・カミュゼは違います。充実した味わいには、ヴォーヌ=ロマネ的な要素がしっかり詰まっています。これは・・1~2日ほどの放置で相当な良い感じになりますが、メオさんの言う通り「2021年から飲んでいいだろう」と言っておきたいと思います。
言ってしまえば、メオさんのドメーヌもののヴォーヌ=ロマネは1.2~1.3万円ほどしますから、まったくの半額ですね。村名では無いとしても、村名クラスの味わいは充分に有ると感じられますので、
「ヴォーヌ=ロマネのセカンド」
みたいな立ち位置との理解で良いと思います。
2017年までは、この3つが一緒になっていた・・と言えます。昨今はA.C.ブルも高価になってきていますが、
「新たな切り口でメオ=カミュゼがブルゴーニュを表現!」
し始めたと言えます。
楽しいワインの世界、是非「比較」でさらに深い部分へいらっしゃいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ほぼパーフェクト!!メオの理想がスッキリ見える素晴らしい味わいでした!・・しかも価格も値下げです!】
仕上がってますね~・・すでに滅茶美味しいです。しかも価格は下がって嬉しいばかり・・おそらくフィネスさんが税額が下がった分を還元してくれたのかな?・・と思います。
また、ワインの名称が変更になっています。新しいアペラシオン名で、「ブルゴーニュ・コート=ドール」だそうです。ブルゴーニュも北から南まで広いので、コート=ドール限定のアペラシオンです。
ちなみにメオさんは以下のように言っています。
ボージョレなど他の地方産のブルゴーニュワインと区別するために今年から制定された新しいアペラシオンで100%コート=ドール産の葡萄かつ100%ピノ・ノワールで造られたブルゴーニュ・ルージュ。赤や黒果実の様々な香りを樽香が絶妙に包み込んでいて、存在感のあるオイリーな口当たりでアフターに酸味が感じられる。バランス良くまとまった飲みやすい味わいで2020年ころから飲むことが出来るだろう。
いや~・・メオさん、今から飲んでオッケーですよ。それに、エチケットも少し変わっています。上にヴィンテージ表記の出っ張りが出来ました。
で、このコート=ドール他、下級キュヴェを飲んでみて思ったんですが、
「ジャン・ニコラ=メオの理想がしっかり形として見える!」
んですね・・。
どのキュヴェを飲んでも、彼の理想形を想像できてしまう・・んです。つまり、上級キュヴェが持つ「格上のエレガンス」が下級キュヴェにもしっかり現れているんです。
あの、素晴らしいニュイ=サン=ジョルジュ1級は、ロマネ=サン=ヴィヴァンを想像させるが如きエレガンスを発揮していました・・今までも。
ACブルゴーニュは非常に美味しい、バランスに優れ、心をくすぐられるワインでは有りましたが、
「最近のメオは1級以上になると激変するよ・・」
と言うようなセールストークをしていたほど、そこには確実な格差が存在していました。ACブル < 村名 <1級 <特級 と言う流れですね。
2017年ものは上は飲んじゃいませんので確約は出来ませんが、それでもそのヒエラルキーはしっかり有るとしても、
「上級キュヴェに繋がるエレガンス、その姿が下級キュヴェにもしっかり見える!」
んですね。A.C.ブルに、ニュイ=サン=ジョルジュ1級の素晴らしいエレガンスにつながる道が見えました。
長くなっちゃいますのでこのコラムはここで止めますが、
「これを飲んで不味いと言う人はいない」
と思います。ドンピシャな仕上がりです。メオの下級クラスは全く残らないので・・是非お早めにお試しくださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年ものは複雑性高く凝縮した果実の美味しさをジュヴレっぽく表現!この辺りのセンスが素晴らしい!非常に良い出来です!】

ワインになる前には雹害で悲惨なヴィンテージと揶揄された2016年では有りますが、実際に蓋を開けてみるとどうでしょう?
やはり優れた生産者は、難しいヴィンテージも関係が無いようにも思えます。特に今回のメオ=カミュゼ・フレール・エ・スールのワインをテイスティングした結果においては、
「ん?・・キャラクターは2015年とは違うものの、ここまで仕上げてくるなんて・・。2015年とのポテンシャルの差は無い!」
と感じてしまいました。
どうです?・・この深い色合い。2013年ものからグラスの写真を掲載していますが、年を追う毎に深みが増しているように思えるんじゃないでしょうか?
実際、2016年もののこのACブルゴーニュは、ジュヴレ=シャンベルタン的な構成を感じることが出来、豊かでほんのり鉄っぽく、乾いた土と乾いたミネラリティが重なり合って絞り出したエキスの深い味わいをたっぷり堪能させていただきました。
2015年のこのACブルを飲まれた方は、
「げげっ・・メオ=カミュゼ、半端ない!」
と思われたに違い無いですが、骨格を支える見事に透明なミネラリティが細身に芯を構成したっぷりあり、そこに雅な表情をまとわせていたことと思います。
2016年は透明なミネラリティだけでは無く、カラフルだとも思えるような多彩なミネラリティに、そこそこに多くの肉をまとった、やや妖艶でほんのりと豊かな味わいです。
さすが、昨今のメオ=カミュゼは目が離せない存在になっています。是非飲んでみてください。リーズナブルです!お勧めです。
以下は以前のレヴューです。
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【まさに「雅」と言う感じが似合うヴォーヌ=ロマネ的な味わいの飲むべきACブルゴーニュです!超お勧めです!】
人によってはショッキングな画像かもしれません。ご容赦ください。無農薬で・・と言うか、ほぼほったらかしなだけでは有りますが、それでもそこそこには気を張り巡らしつつ育てている noisyの家の庭の 「ピノ・ノワール」です。
7月までは天候に恵まれ、スクスクと立派な実を育んでいましたが、8月に入り雨が多くなり、日照も充分ではない状況の中、
「・・ん~・・まぁまぁの糖分とタンニンの成熟が得られたかな・・でももう少し糖分が欲しいなぁ・・」
などと思いつつ、
「収穫はいつにしようか・・雨が上がって2~3日晴れるか、風が出てくれれば可能かな・・」
と思っていたところ、左の写真のようなショッキングな映像が目に飛び込んできました。
「・・えっ?・・クワガタにカブト?・・葡萄の実ももう全然ダメじゃん・・」
そうなんです。根本付近には落ちてしまった実が沢山有り、茎に付いている実も穴だらけ、しかも色も変色してしまっています。
クワガタやカブトは、その角で実を落としたり、穴を開けて中の糖分を入手しているようで、またその匂いに誘われて、昆虫類が近くをウロウロ、蟻もたかっています。
「あ~あ・・全滅だ・・」
熟した第一世代の実はほぼ全滅、まだ青い第二世代以降の小ぶりの実だけがグリーンの色を保っています。
一体どこからこんなクワガタやカブトが集まって来たのか・・近くにいるなんて思ってもいませんでした。そして、ふと足元を見ると、見るも無残なカブトのカブトが転がっているじゃありませんか。そしてその脇には胴体や足も散乱していました。どうやら、クワガタと戦い敗れたカブトムシの牡のようです。

ま~・・葡萄を育てるのは容易なことじゃありません。最近のは人体に影響は少ないしすぐ効果は薄れるから殺虫剤を使えと・・葡萄農家の関係者の方は教えてくれますが、そんなことをするくらいなら葡萄など育てることも無い訳で・・ましてやワインを造るために葡萄を育てている訳じゃないのでなおさらです。noisy がたまに一粒二粒、口にするだけなんですから・・。
同じピノ・ノワールで造ったとは思えないような、自然派のACブルゴーニュです。非常に美しいルビー色です。濃くも無く薄くも無い・・しかし、
「とてもエキスがビッチリと出ていて焦点の定まった美しいピノ・ノワール!」
でした。
2014年のメオ=カミュゼ・フレール・エ・スールのACブルゴーニュも、その美味しさにクラクラしてしまいましたが、2015年は届いたばかりにも関わらず、ヴォーヌ=ロマネ的な柔らかい酸味とスパイス感、そしてビロードのテクスチュアで迎えてくれました。
この何年かのメオのワインの美しさは、飲んだものを魅了してしまうに充分のものです。ネゴスものと言う立場のワインですが、ドメーヌものとのイメージの差が全く無く、少し高くなったとは言え、4000円のACブルゴーニュは、今やリーズナブルなクラスとさえ言える状況です。

また、実はちょうどタイミングが良くて、ロベール・シリュグのACブルゴーニュも横に並べてのテイスティングになりました。こちらもヴォーヌ=ロマネの造り手です。
同様にソフトな・・鋭角さの無い優しい酸味を持ち、ややテクスチュアにふるふると襞の有る優しい感じのする素晴らしいACブルゴーニュでした。こちらもエキス系の美しいワインで、シリュグらしい、女性っぽい感触の味わいです。
カミュゼのスタイルは、「アンリ・ジャイエの教え子」と言うことも有り、ジャイエ系の味わい・・と伝わっているかもしれませんが、全然違います。決してジャイエ系の果実味重視系では有りません。むしろDRCやミュヌレ=ジブールなどに通じる完全エキス系と言えます。
ある意味においては、収穫する葡萄の潜在アルコール分に大いに関係が有り、糖分を完全に発酵させドライに仕上げるエキス系のワインは、温暖化の進む現在では収穫のタイミングを間違えるとブルゴーニュらしくないアルコール分の高いマッチョなワインになってしまいます。
勿論ですが、害虫にもやられて全滅・・などと言うことも、自然派の葡萄には起きる可能性も有ります。2014年からは「スズキ」と言う害虫にやられた生産地が沢山有りました。
「・・じゃぁ、日本から鈴木さんは産地に行っても本名を名乗れないねぇ・・」
などと揶揄されたものです。
そんな中で、このような「非常に美しい雅なACブルゴーニュ」を造っているんですね~・・非常に旨いです。是非飲んでみてください!超お勧めします!たっぷりの数量は・・有りません。
以下は2014年もののレヴューです。
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【来てます!エレガンスの塊!ピノ・ノワールの真髄!】
いや~・・こんなことはしたことが無いんですね・・。既存のコラムには、時折、言葉の訂正や、
「飲みました!・・~~な感じで・・」
みたいには書き加えることは有っても、自分の言葉の検証にもなってしまうような二度に渡るテイスティングは無いんです。
まぁ、2016年6月後半の当時は、たしかにポテンシャルは高いものの、まだ仕上がっていない嫌いが有り、それでも良い感じで販売も伸びてはいたんですが、物凄い反響をいただいた2013年ものの売り上げ数には遠く及ばなかったこともあったんです。
何しろ、
「暑さが引いたころにはバランスしてくるだろ~・・」
みたいに書いちゃってますから、
「そんな予言めいたことを書いてて、しかも不要と思えるようなコストを掛けて再テイスティングして、ダメだったらど~すんのよ・・」
みたいな悪魔のささやきも聞こえなくは無かったんですが、やはりそこは自信を持って・・いや、フィネスさんのK君の手前、ちょっとヤケクソ気味に飲んじゃたんですね~・・。でも、やって良かったです。
「来た来た!来ましたよ!」
非常に繊細だがまだフラワリーな、甘味を含むアロマと、非常にち密な石灰の滑らかさ、ツヤツヤとしていて雅です。まるで極上シャンボールのテクスチュアです。中域のボリュームも出始め、いい感じにバランスしています。2013年ものが最初からヴィーヌ=ロマネっぽさを含んでいたのに対し、2014年の現状はシャンボール的で、むしろ6月時点の方がヴォーヌ=ロマネ的だったかもしれません。
しかし酸の柔らかさはヴォーヌっぽく、球体さは6月時点では全く感じられなかったものです。バランスも非常に良くなって来ていて、ボリューム感を感じつつ、精緻なチェリーを感じさせる余韻が素晴らしいです。
おそらくですが、この先来年の春ごろまでは上昇、維持をすると思います。そこから先は少し硬く締まってくる可能性が有るかなと・・
えっ?・・いや、もうやりませんよ・・また予言めいたことを書いたからって、3回目は無いでしょ。無理ですよ・・そんなに沢山品物が有る訳じゃぁ有りません。余りに旨いので、フィネスさんが持ってる内に、どんどん購入していただこう・・と言う魂胆です。なので、その辺はぜひ皆さんで検証されてください。
「いや・・硬い時に開けちゃうと勿体ないし・・」
・・そうですよね・・。でも非常に健康的でピュアですから、やや硬めだとしてもシャンボールっぽさが美味しさをアップしてくれると思いますよ。6月時点じゃ手を出して無い方も是非飲んでみてほしいと思います。超お勧めします・・まぁ、リアルワインガイドで高得点を出しちゃうと noisy に回ってくる量が減っちゃいますんで、
「徳さん、メオはやらないでね~・・」
と軽くプレッシャーを掛けておきます。是非飲んでみてください。お勧めします!!
以下は前回、2016年6月下旬のご紹介時のテイスティングレヴュー他です。
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昨年の今頃から年末辺りまでに掛けて完売、そしてまた奇跡の再入荷を何度か繰り返し、そのたびに大きな反響をいただきました、メゾンのブルゴーニュ・ルージュの2014年が入荷しました。
2013年のこのワインの余りの美味しさに noisy もビックリしましたが、何より皆さんの「とても美味しかった!」が嬉しかったです。ですので待望の2014年ということになりますが、今のところはどの位いただけるかがハッキリはしていません。
で、はやる心を抑えつつ、早速飲んでみました。このコラムの下の方に2013年のコメント、また写真が有りますので比較してみてください。
色合いはどうでしょう・・やはりグレートイヤーの呼び声が高い2014年の豊かな色合いが見て取れるでしょうか。より目の詰まった、やや赤みが強いように見受けられます。
2013年は紫の透明感のある色合いで、より冷ややかに感じられるかと思います。でもこの冷ややかな色合いからのエレガンスがもの凄かったんですよね~!ただし、全体的な根っこはほとんど同じように見受けられます。
抜栓後からピュアなベリー、チェリーのアロマが気品高く、スピードも速く立ち上がります。篭ったような印象派全く有りません。中域には舌にチリチリと感じられる、まだ開かない要素の粒が沢山有ります。非常に目の細やかな優しいタンニンが存在しています。この辺はスムーズに流れて行った2013年とは少し違うところです。
中盤以降はブラック系の小果実、優しいスパイスを感じさせながら、ややふっくらとした帯域を感じさせながら長く美しい余韻を現しつつ消えて行きます。
全体像は2013年とほぼ同様ながらもポテンシャル的には確実に上、よりシッカリした、でも現状はわずかにより強い味わいを見せる・・2014年かと思います。非常に素晴らしい仕上がりだと感じました。
現状でもかなり美味しく飲めますが、リリース時にバランスしていた2013年のような完璧さには届いていません。この2016年の夏の気温が下がり始めた頃に一端バランスすると思われ、それ以降は2013年を凌ぐ味わいを見せてくれるでしょう。今からガンガン飲む・・と言うより、この2~3カ月の間にバランスするはず・・と思ってください。
2013年ものは、つい先日・・今まで仕舞い込んでいて飲んでいなかったお客様から連絡が有りまして・・
「メオのブルゴーニュ・ルージュを昨年購入して先日飲んだんですが、余りの美味しさにビックリしました。まだ在庫が有れば欲しいんですが・・」
と非常に嬉しいお言葉をいただきました。でも残念ながらもう1本も無く、すみませんと言うしかなかったのですが、この2014年に関しては、
「2013年より確実に上のポテンシャルが有る分、2013年より少し時間が掛かるが超越する」
と思います。素晴らしいピノ・ノワールでした!是非ストックしてお楽しみください。超お奨めします!
以下は2013年もののレヴューです。
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レアなアイテムで有りながらも、その数の少なさからテイスティングも憚られるような状況ですので、入荷したものもをそのままご案内するのみになっていました。
業界的にも何となく売り手は
「飲まないで案内するトップの造り手」
の一端で有って、結局誰も飲んでないと言う状況に、市場もメオ=カミュゼを何となく敬遠しているような状況かと思います。
なのでこの際、久しぶりに飲んでみるか!・・とばかりに、たった12本の仕入れの1本を開けてしまいました・・・っが、ハッキリ言って驚きました。
飲む前は、
「2013年もののネガティヴさはどんな感じかな・・?」
というノリがほとんどだったわけです。ところが・・・
「知らぬ間にメオ=カミュゼは物凄い進歩をしていた!」
と・・・気付きました。
何しろ、
「異常なほどの繊細さ、エレガンス。それだけで納得させられてしまう!」 いやもう・・ビックリです。2013年のマイナス面を評価しようと思っていたのをスッカリ忘れてしまい、ヴォーヌ=ロマネ近郊の、下級のピノ・ノワールに過ぎないワインが持つ涼やかで、しかし圧倒的なエレガンスに打ちのめされてしまいました。これは凄いです!・・・ヴォーヌ=ロマネの特別な畑のワインが持つものを、そのままスケールダウンしただけ・・・。各々の要素が持つ量のみをダウンしていますが、要素の種類はそのまま持っているかのような振る舞いを見せるんですね。
なので飲んでいる時に、ACブルゴーニュだからど~のとか、村名クラスか1級と比べるべきだとか・・そんな感情を持たないんですよ。最高クラスのピノ・ノワールのエレガンスが備わっているんです!
ある意味、これは凄いことです。そんなワインはまず見当たらない・・・。有ったとしても、出来の悪いグラン・クリュのワインが、それに近い風情を見せるのみです。
決して気取らず、全くパワフルでは無く、でも静かに穏やかに、その純粋なエキスの姿を愛でることが出来るんです。
この淡く美しい赤の勝った紫の色合いから純なアロマが漂ってくるかのようです。そして余韻・・・この美しさは圧倒的です。震えます。そしてコンディションも抜群でした・・・。これを飲んでしまったら・・メオ=カミュゼのワインを見直す羽目になる・・と言うか、買いに走るようになってしまうかもしれません。
ヴィンテージの弱さなど微塵も感じない、物凄いワインでした。これが4千円ならとんでも無く安い!お薦めします!