
全て、ほんの少しだけの入荷ですので、今回はある程度戴けた「オート=コート・ド・ニュイ2011」のみのテイスティングになりました。ご了承くださいませ。
noisy が知っているフランソワ・ラマルシュさんちのワインは、グラスの向こう側にいらっしゃる方の顔が良く判るほど・・・色合い薄く、エキス系のエレガントタイプな味わいでした。嫌いじゃないタイプですが、価格もそれなりに高いのでね・・・中々買えるワインじゃ無かった面は有りました。
2011年のオート=コートは、しっかりとした赤、そして黒が入る色合いと、低温で漬け込んだ時のヨード系の香り、ミネラリティもしっかり・・そしてわずかにタンニンを感じる、比較的力強さを持った味わいです。タイミング的には少し「硬くなってきた時期」に入ってきていると思われます。非常にドライで残糖感は全く無く、元より糖分に頼るつもりは無い造りです。余韻もしっかりしていて、中々に好印象でした。
現状は、やや硬いこと、時期的なものが原因と思われますので、2014年の秋以降、徐々に中域の膨らみと要素の放出が始まると思います。タイミングを見つつ飲んでみてください。
それにしても色合いはチェリーっぽく、赤が艶々していて美しいです。
今までですと・・と言うか、随分昔のことになりますが、淡い・・・淡過ぎる?みたいな印象がかなり残っています。もっとも飲んだときの味わい自体の印象が色彩にオーバーラップしているのかもしれません。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールは徳さんも飲めないほど・・数は無いんです。ほとんどはフランスで消費されてしまうと思いますので、ある意味レアかもしれません。価格も他の超一流な造り手と比較してもかなりリーズナブルです。オート=コートと似たようなタイミングにあると思いますので、2011年ですからね・・・2012年では無いのでやや硬いはず・・・少しノンビリ目に休養をあげてから飲まれると良いと思います。
ヴォーヌ=ロマネ・ヴィラージュはリアルではポテンシャル90+ 付いてますね。90点と言うのは「ひとつの壁」でして、noisyもテイスターとして常に意識している部分です。もちろん、95点以上を付ける時もそうですが・・・、つまり、そこの壁を越えたかどうか・・の評価になる訳です。煌くグラン・クリュの下部にある村名リューディが、レ・シャランダン、レ・ボシエール、レ・プレ・ドゥ・ラ・フォリー、オー・レア、オ・ドゥス・ドゥ・ラ・リヴィエールと北のヴージョに繋がる畑から南のニュイに接するまでのものをブレンドしており、正にヴィラージュを表現しているワイン!きっと良い出来なんじゃないかと思います。(ル・ヴィラージュと呼ばれるリューディも有りますが、そこでは無いです。)
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショームは、ジャン・タルディ/メオ=カミュゼで有名になった1級の良区画です。しなやかな味わい、突出しないがバランスの良い味わいに仕上がります。しかし、何とかスショには付いていっても、マルコンソールには勝てないでしょう。
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ はご存知の通り素晴らしい1級です。ロマネ=サン=ヴィヴァンの雅さとエシェゾーの土臭さ、もしくは赤さのどちらかが有ります。さすがにグラン・クリュのエレガンスを得ることは稀だとしても、素晴らしいものに出会うと、
「・・・やっぱりヴォーヌ=ロマネで決まりだよな?・・」
と思わされてしまいますよね。
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・マルコンソール は、フランソワ・ラマルシュの隠れたる名品・・です。これはまず・・美味しい・・納得できると思います。・・・でもnoisyには昔のイメージしかないので・・当たるかな?・・あと、今回はいただけなかったですが、いつの間にやら1級になってたラ・クロワ・ラモーと言う素晴らしい畑が有ります。こちらは・・昔は、ロマネ・サン=ヴィヴァンに囲まれているような畑・・と言うイメージで飲むと残念に思うことが多かったですが、徳さんのレヴューでは「じぇじぇじぇ?」・・・まあ、素性の良さをそのまんま出せる造り手になったということなのでしょう。
クロ・ド・ヴージョはご存知のグラン・クリュです。ラマルシュさんちは土地持ちですから、上部・中部・下部の畑をキッチリブレンドしています。実はこれが大正解!・・若いうちはむしろ普通に美味しいのでしょうが、熟した時にその意味が判るでしょう。ヴージョ、エシェゾーはちゃんと上下でブレンドした方がバランス的に良いんですね。
で、エシェゾーもグラン・クリュでして、こちらもしっかり・・・上中下の畑をブレンドしています。なので、BBRのブルゴーニュ担当でもあるJasperMorrisさんは、グラン・ゼシェゾーに匹敵する・・と言ってます。こう言った上下の畑をブレンドすることによって、エシェゾー・デュ・ドゥス的な味わいになるんですが、ミュヌレ=ジブールさんちも同様ですね。ビゾさんちはブレンドすべき上部の畑を持ってないので、下部のトリューは1級にしてしまうんですね・・・。腕を上げたラマルシュさんのエシェゾー・・・飲んでみたいものです。
グラン・ゼシェゾーは・・・もう、畑の力のみでもワインが出来ちゃうと思います。なので言うことは無いです。素晴らしい畑です。
むしろ難しいのはやっぱりラ・グランド・リュなのでしょう。何せ周りが周りですからね・・・ちょっとの判断ミスや遅れが大きくエレガンス欠如に繋がりかねないわけで・・そんな中で、徳さんが96ポイント(も!!)付けてしまった意味は、かなり大きいでしょう。同じ2011年は、フーリエのグリオットの97ポイントには及ばなかったものの、クロ・サン=ジャックと同じ評価・・・!(あ、因みにフーリエさんのグリオット、クロ・サン=ジャックの海外オファーの価格を見るとビックリしますよ・・・。日本でワイン屋をやってるのが馬鹿馬鹿しくなってしまうほどです。)それでもやはり、
「ヴォーヌ=ロマネのど真ん中!」
ですからね・・・。ロマネ=コンティ、ラ・ターシュは飲めなくても、評価の上がったラ・グランド・リュなら何とか・・・飲めるかもと思いませんか?
高くなる一方のブルゴーニュですが、遅れてやってきた世田谷の住人・・・みたいなフランソワ・ラマルシュ・・是非ともご検討ください。
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
Bourgogne hautes cotes de nuits 2011 francois lamarche「現状固いですが香りに期待してしまう飲み頃が楽しみなワイン」
味わいはまだ少しすぼまる酸、タンニンのざらつき、全体がカチッとしていてドライな渋味。しっかり閉じています。開く時期にはまだ少し時間がかかると思いますが香りが小さな果実の良いニュアンスが出ていて、これはちょっと寝かしておきたい、と思います。思うのは美味しくなりそうということです。
果梗由来のものと思われるタンニンもあって、香りは健全で、酸がしっかりあります。香りはおいしいブルゴーニュを飲んだ時の香りを小ぶりにした感じです。ただ僕にはちょっといつ頃から飲み頃に入るか予想が難しいです。この間のルモワスネのブルゴーニュルージュ2000年のように14年後にして完熟!(村名の格落ちだということですが)ということがあったものですから。
このワインもあそこまでの完熟は結構かかりそうですが飲み頃にはわりとすぐ、入るような気がします。今は一度閉じる時期に入ってしまったのかな、と。飲み頃のタイミングというのは料理人がパスタをお客様のテーブルに着いた時にちょうどアルデンテになるように茹で上がりのタイミングを見極める作業のように難しい、と思います。フライパン上でさらに水分を吸っている時間、温かいお皿にのってテーブルまで持っていく時間。それが逆算できるからこそ一口食べて感動するパスタがあるんですものね。
造った回数だけお客様の感想を聞いてそれが経験として蓄積されるからこそ見極めることができる、ワイン屋にとって飲み頃の見極めとはそれと同じことなのかもしれないですね。
だがしかし!
あえて未熟ながら飲み頃を予想させていただきます。
ズバリ…
「半年後以降!」