
この見事なグラディエーションをぜひ・・ご覧いただきたいと思います。
・・いや、2016年のクロ・デ・グラヴィエールだけじゃなくて、2013年から2014年、2015年・・そして2016年を・・順に・・です。それだけで全てを理解できる・・かもしれないですよね。
もう、全然、色が違いますし、持っている「エネルギー」の出方が違うと思うんですよね。ヴィンテージの出来の良さだけを考えれば、こんな風にはならないはずなんですが、
「ユベール・ラミーにとっては、2016年のネガティヴさは皆無!」
と言うことを、結果的に十数本もの2016年のラミーを1週間で開けてしまったnoisy がたっぷり理解しています。
そして、もっとも複雑性、見事なミネラリティの組成をしているのがこの1級サン=トーバン、デリエール・シェ・エドゥアールV.V.です。密植度は11000本/haと言われていますが、
「密植度が毎年のようにどんどん高くなっていることが、年次のグラディエーションに出ている」
ことが・・判ると思います。
そして、この見事な密度の高い味わいは、超複雑なミネラリティ由来の表情を、まだまとめきれないでいます。このワインだけは・・・
「さっさと飲んではいけない」
です。
3年ほど、セラーで寝かせてください。そこから激変して行くはずです。これは将来、大化けすると思いますよ。
そして、3年経過すると・・おそらくですが、さらに密植度の上がったデリエール・シェ・エドゥアールV.V. に出会えるはず・・です。楽しみですよね・・?こんな楽しみをくれるユベール・ラミー、ぜひ応援して欲しいと思います・・と言うか、滅茶凄いので是非ご検討ください。・・今すぐはちょっとひねくれてますが、
「物凄いポテンシャル!」
と思います。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソーの赤とシャサーニュの赤の良い部分を詰め込んだようなしっとりしつつも理解しやすい美味しさです。】
サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールの赤、ピノ・ノワールです。2015年ものは昨年の2014年もののように多く無く、割り当ては1ケース有れば良い方と言う状況です。シャサーニュのグージョンヌ2014年などに至ってはかなりの数量が有りました・・が、その数の性でしょうか、一生懸命にお勧めした割には、さほどの販売の伸びのペースは芳しく無かったようです。
しかし、あの密植感と言って良い・・液体そのものが圧縮されたような密度感覚はピノ・ノワールでも同じですから、美味しく無い訳が無いですよね。飲まれた方からはかなり評判をいただきました。
この2015年サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワール赤も、良く熟していることが写真からもご理解いただけるかと思います。果実のニュアンスも増えていますし、密度感も高いですが、決して・・
「エレガンスを欠損しない」
ことが感じられます。
飲んでいて非常にスムーズで、無理のない美味しさなのに・・かなりの情報量が有るんですね。
感覚的には、昔は良く存在した、ムルソーの赤・・・粘土っぽくて、少し粘って、色のやや濃いめの果実がぬちゃ~っと有る感じ・・でしょうか、そんなムルソーの粘っこい部分と、濃密で開放的、大らかだけれどバランスの良いシャサーニュ=モンラッシェの赤の良い部分を等分に持っている・・そんな感じでしょうか。
敢えて言えばそこに少しだけ冷ややかさを加えたもの・・かな・・と思います。バランスも良く、一般受けもよいんじゃないかと感じます。
ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨い!・・と感心させられました!トップ・キュヴェです。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
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【わ~お!この美しさをどう伝えればよいでしょうか!一押しです!】
ユベール・ラミーが造る密植系サン=トーバンを飲まれた方なら、
「サン=トーバンって・・凄いじゃん!」
と必ず思ってもらっていると感じています。シャルドネも美味しいですよね~・・クロ・デュ・メの開放的、全方位的なあっけらかんさ・・素晴らしいですし、アン・ルミイィの高質さ・・モンラッシェ的な密度の味わいは、ひっくり返ってしまう位に美味しいです。
ですが、美味しいのはシャルドネだけじゃないってことに気付いてほしいですね。この、シャルドネも有るデリエール・シェ・エドゥアールV.V.は、ま~・・サン=トーバンとは思えないほど素晴らしいですよ。既存の概念を捨て去る必要が有ります。
植密度はそれでもラミーとすればまだ低いと言える1万1000本で、徐々に上昇中ながら、4~5千本が普通、8千本なら高密度ですから、その影響をたっぷり感じることが出来ます。その影響をこのワインは、
「物凄いミネラリティの密度」
で表現しています。
シャンボール系のミネラリティに似ていなくも無いですが、もう少し透明かな?・・と思わせます。コルトンの畑にこんなミネラリティを持つものが有りますし、果皮からは鉄っぽいんじゃない金属系のミネラリティが感じられ、わずかにスパイス感や、気品としか言いようのない・・存在感を増してくれています。
何せ、シャサーニュよりも高価なんですよね。ラ・グージョンヌより高いんです。シャサーニュが大らかさ、包容力にその表現を見せつければ、サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールは・・
「質感高い緊張感!」
にその表現を見るでしょう・・まぁ、あくまで noisy の受け取り方では有りますが・・。
その高質な緊張感は、まさに黒い果皮を抱いたピュリニー1級・・、レ・カイユレでピノを仕込んだか?・・のようなニュアンスで、照りが有り、張り詰めていて、非常に滑らかで気品が凄いです。
豊かで滑らか・・と言うのはちょっと違う気がします。もっと艶やかですし、けっして濃い・・と一言で言える感じじゃ無いんですね。凝縮している・・と言うのは確かにそうなんですが、これもピッタリの言葉じゃ無い。あくまで、「滅茶苦茶緊張感が在り、石灰系ミネラリティを外殻として内に秘めるポテンシャル」と言う感じが正しいかな・・と思います・・あくまで noisy の場合です。
そしてどこまでも伸びて行きそうなイメージが有ります。ベクトルとしては、外殻の中で振動している要素なんですが、UFOのようにふわ~っと・・飛び立つような感じです。
勿論、普通の言葉で言うなら、チェリー系果実の目が非常に詰まった感じや、高質なスパイス感、石灰系のミネラリティはどこまでも伸びて行きそうな感じ・・みたいになるんでしょうが、「密植系のイメージ」を伝えたいのに言葉が今までと一緒だと同じになってしまうんですね・・。難しい!
この艶やかでエレガントでポテンシャル高いサン=トーバンは、もう、サン=トーバンだと思わずに飲んでみましょう。新たな世界が生まれるでしょう!美味しいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は2013年のこのワインのレヴューです!
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】
かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。