● 待望のユベール・ラミー2019年をご紹介させていただきます。ま~・・お問い合わせの多いこと!・・何としても2019年のオート=デンシテが欲しい!・・とおっしゃる方が多いです。
ですが2019年ものはラミーも生産量激減で僅少・・・しかもほぼほぼ10%の値上げが厳しいところではあります。
ですが・・それでも安い!・・と思わせるだけのポテンシャルが有ります。
2019年の赤、ピノ・ノワールは4アイテム、テイスティングできたのは3アイテムになりますが、
「どのキュヴェも完璧!・・サントネ・クロ・デ・グラヴィエールは・・なんとアドヴォケイト2年続けての94ポイント評価!」
が全てを語っているかと思います。どんなに心臓に毛の生えたテイスターでもサントネに94点は・・躊躇してしまうのでしょう。まぁ・・noisy なら・・ちゃんとした評点を付けちゃいますけど。兎に角、
「サントネ村名赤で充分以上に激旨!」
を保証致します。もっとも最初から否定で入る方には保証できませんが・・(^^;;
2019年のシャルドネは・・
「すみません・・A.C.ブルのシャタイネール・・とんでも無いワインです。ぶっ飛んじゃってます。このご時世、これ以上のA.C.ブルは有り得ません。」
と言い切ってしまいます。
確かにメオ=カミュゼの・・格上では有りますがオート=コートの品格ったら無いです。でも、度肝を抜かれるような圧倒的な美味しさはシャタイネールに軍配を上げます。ま~・・凄いポテンシャルですよ。
で、2019年のシャルドネの村名クラス以下は、
「今飲んでも滅茶苦茶旨い!・・」
です。村名サン=トーバン、1級フリオンヌ、1級クロ・デュ・メ、村名ピュリニー、村名シャサーニュまでは今でも物凄い味わいを楽しめます。
それ以上のキュヴェにつきましては、
「もう少し休ませて欲しい」
と思います。充分な美味しさは上に並べたキュヴェ同様に有りますが、まだ落ち着いていないと考えられる振る舞いを見せますので、
「適度だろうと思える期間は休養させてから」
お楽しみいただくことをお薦め致します。
因みにトップ・キュヴェのクリオ=バタール・オート・デンシテ2019は、2018年の98ポイントを上回り、99ポイントを付けました。もはや敵?は前にはおらず、同じ立ち位置に居る・・状況です。
同様に2018年ものの凄い出来を見ましても、2019年ものはそれを超えた評価を得ています。ほぼ1ポイントは積み上げているような感じですね。
ですので、昨年の2018年もののご紹介で書かせていただいたように、
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」
もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」
をそのまま2019年と書き換えさせていただきたいと思います。
いや・・でも2014年もののサン=トーバン1級クロ・デュメは、信じがたいほどの数量を販売させていただきましたが・・多分、状況を知らないワイン屋さんが聞いたら、「そんなの嘘!」と言うに違いないほどの数です・・でも、何と・・
「2019年ものの入荷はたったの12本」
です。・・あ、テイスティング分を別途に分けてくれたので13本ですか・・。なので営業的には非常に厳しいですが、
「2019年もののラミーは絶対に飲んでみるべき!」
だと、お勧めしたいと思います。勿論、A.C.ブル・シャタイネールとサントネ村名で・・もう充分激旨です。どうぞよろしくお願いいたします。
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「2018年ユベール・ラミーはブルゴーニュのトップ生産者十傑に仲間入り、間違い無し!」 いやはや・・驚きました。昨年ご紹介させていただきました2017年ものは、正に呆気に取られるほどの出来栄えでした。ブルゴーニュのトップクラスの生産者になったことを肌で感じさせてくれたシャルドネと・・そしてピノ・ノワールでした。
その2017年ものと同等・・もしくは僅かに超えることすら難しいはずの2018年ものでは、もしかしたら・・ラミーならやってくれるかもしれない・・と言うような淡い期待は有ったのですが、まさか・・
「2017年ものを凌駕する、置いてきぼりにする驚異的な出来!」
になるとは思いませんでした。
A.C.ブルのシャタイネールでさえ・・です。開けた瞬間から漂うピュアなアロマは、膨大なミネラリティと共に否応なく受容させられます・・しかしそれが滅茶気持ち良いんです。膨大な酸は球体に近い大きなパレットを描き、三次元的横方向に・・前後左右に伸長しつつ、縦方向に、上下に膨らもうとします。圧巻な味わいとはこのことで、初めてコシュ=デュリのワインに触れた時のような、ある種、畏怖に近い感情をも思い起こさせます。
村名のサントネイ・クロ・デ・ゾートでさえ・・
「・・あれ?・・これって・・相当見事なシャンボール=ミュジニー?」
との比較対象をすぐに求めてしまうほど・・超有名な生産者を想起させられてしまうほどの品格と特徴を持っているのです。
品温が下がりやすいこの2021年の厳冬期に品温10度で飲み始めても、ツヤツヤとしたテクスチュアからの見事な表現で「球体」を楽しませてくれます。
「いや・・これは有り得ないほど素晴らしい!」
と判断せざるを得ませんでした。
今回ご紹介させていただきました2018年もの18アイテムのうち、クリオ=バタールを含めたオート・デンシテはテイスティングできませんでしたが、それ以外の15アイテム全てをテイスティングさせていただきました。
そして上記のような感覚を受け、この上無い凄い仕上がりと判断させていただきました。
2017年ものの時には、それでも比較してしまうと「少し緩さも有るか?」と感じたキュヴェでさえそんな感覚は失せ、ユベール・ラミーらしい「超密度のワイン」を得ていますので、ここで敢えて・・言ってしまいましょう。
「オート・デンシテのキュヴェで無くても充分」 そうです。2017年もののオート・デンシテも飲ませていただきましたが、オーラさえ感じる凄い仕上がりでした。
しかしながら2018年ものは、確実に2017年ものを「大きく超えた」存在です。「一体いつ完熟するか想像もつかないオート・デンシテをどうしても育てて飲みたい!」と言う楽しみを成就させたい方以外には、必要の無いものなのかもしれない・・それほどの仕上がりかと予想しています。A.C.ブルでさえ・・とんでもない出来だからです。
海外メディアの評価も掲載していますが、あくまで「参考」と言うことでお願いいたします。
「ちゃんと評価している!」
と思えるキュヴェの評価もあれば、同一人の評価でも
「ポテンシャルを全く取れてない」
としか思えないものも有りますし、
「通常のヒエラルキーに支配された安直な評価」
をしているテイスターも多いです。
そんな中でも、トップ・キュヴェの「クリオ=バタール=モンラッシェ」はアドヴォケイトで上値98ポイントですから、2017年もののD.R.C.モンラッシェ99ポイントに近似な評価を得ているんですね。
2018年もののユベール・ラミーのどのキュヴェを飲んでいただいても、驚異の仕上がりに胸を振るわせていただけるでしょう。
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」 もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」 そう、ブルゴーニュファンに問いかけさせていただきたいとすら・・感じさせてくれた2018年ユベール・ラミーです。飲まずにスルーするなら後悔することは間違い無しです!・・そして飲んだらあなたの持っているそれまでに長い時間を掛けて生成してきた既成概念を粉々にしてしまうと思います。ご検討くださいませ。
■エージェント情報
2018年のユベール・ラミーがいよいよリリースとなります。3アイテムのみですが、社内試飲いたしました。
これまでの卓越した完成度から、更に突き抜けた熟度の追求。それは果実の要素とか密度とか酸のレベルとか、樽の使い方といったテクニカルな分析を一蹴するような完全な調和の世界です。
標高の高い冷涼なサン=トーバンは熱量の高い2018のような年は凄まじい完成度になるだろうなと仮説を立てて試飲したのですがそんな小理屈を吹き飛ばしてくれる衝撃です。熱量の高い2018年、当然のようにオリヴィエ氏は誰よりも早い収穫と例年以上の徹底的な選果で期待を裏切らない結果を出しました。
ブルゴーニュは2017年に続き収穫量に恵まれた2018年となりましたが、ラミーに関しては2017年に続いて生産量減となりました。しかしながらいくつかのメディアが興奮、混乱しているようにその完成度は非常に高いです。
誰よりも早い収穫開始、冷涼で標高の高いサン=トーバンは温暖化を経て大きなアドバンテージを受けています。毎年のことですが、温暖な年がゆえの甘い大味なシャルドネと想像すると大きく裏切られます。(良い方向に!)
そして同じ畑で葡萄の糖度に合わせて戦果しながら日程を変えて葡萄を収穫…聞いたことがない、また想像もつかない手のかけ方。密植栽培もさることながら、究極を追求するオリヴィエらしいなと思わず笑ってしまいました。下記はBurgundy Reportからの2018年コメントとなります。
『2018年は非常にややこしい年となりました。穏やかな冬と本当に沢山の雨。ある段階では私たちは、一か月の間、毎週末、一日中の大変な作業を余儀なくされました。ある朝、マイナス1℃まで気温は下がりましたが、霜害はありませんでした。乾燥した暑い天候がやってきましたが、土壌が地中に蓄えた雨水のおかげで葡萄の樹はストレスを受けませんでした。全体を通して、ベト病で20~25%の生産量を失いました。
私たちは8月22日に収穫を開始しました。ブルゴーニュは予想以上に熟度が高くなっていました。いくつかの区画では凝縮度に満ちて完熟しており、少し2015年を思い起こさせてくれました。とても複雑でした。
私たちのアン・レミリーはコート・ド・ボーヌで最も熟した区画のひとつでした。収穫を開始する日程を決めることは本当に難しい仕事でした。白ワインの生産量は多くはありません。実質、ほぼ皆無だった2016年の霜害の時よりは生産量はありましたが、ヘクタールあたり35ヘクトリットルの生産量となりました。』
(Burgundy Reportより抜粋 意訳・村岡)
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2017年のユベール・ラミーだけは、どんなことが有っても買わなければならない・・とさえ思います。いや、そう思わされました。なので、絶対に買ってください・・(^^;; 白だけでは無く、赤もです。おそらく、今までに体験したことのない世界を見せつけられたと感じていただけるはずです。そして、アペラシオンにこだわり過ぎたことへの反省さえ、心に浮かぶに違い無いのです。
2017年のユベール・ラミーのワインの総括としましては、陳腐な言葉の羅列になってしまいそうで怖い部分が相当に有ります。
何せこの数年、ユベール・ラミーのワインの上昇機運の気配を感じ取ってからは、毎年のように、「前年を超えた」と言ってきました。そして、「物凄いワインだ」とも言っていたはずです。「昇り詰めた」とさえ、どこかに書いたかもしれません。
しかしそれは noisy の大きな間違い、もしくは見込み違いだったと言わざるを得なくなりました。
2013年よりも2014年、2014年よりも2015年、2015年よりも2016年と、年を追う毎にその「密度」がもたらす素晴らしい味わいに歓喜の念さえ持ったものです。しかし、2013から2014へ、2014から2015、2015から2016へと、ポテンシャルの上昇率はほぼほぼ同じ割合で上昇していたと感じます。そして2016年もので高見に達したと思ったものです。
ところが・・それこそが間違いだったんです。2016年ものと2017年ものを比較しようとした場合、
「もうポテンシャルの上昇率が図り切れない!」
とサジを投げざるを得ない感情を持たされてしまった訳です。2013年から毎年20%ずつ上昇し2016年まで来たと仮定したとして、
「では2016年から2017年へのポテンシャル上昇率はどのくらいだろうか?」
と考えた時、もう・・それを図ることは不可能だと感じてしまった訳です。
それほどまでに凄まじい向上と言わざるを得ません。・・いや、2017年もいろんなことが有ったことは判っています。サン=トーバンは決してすべてが順調だった訳では有りません。遅霜の被害で相当の減収になったと伝わっています。でもそんなネガティヴな出来事も、結果的に見れば、
「図ることさえあきらめざるを得ないほどの凄まじい出来」
になったと言うことなんですね。
それでもまぁ・・ラミーのシャルドネは、そんなことも有るかもしれないと、薄々は感じられたかもしれませんが、サントネイやシャサーニュのピノ・ノワールがまた、「ひっくり返るほど」素晴らしく、
「はたしてこれは本当にボーヌのピノ・ノワールなんだろうか?」
「これを飲んでコート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと当てられる人はいるのだろうか?」
と思っています。
「少なくともサントネイの赤であると言える人は唯の一人もいないはず!」
と確信しています。
まさに、ユベール・ラミーの値千金のサン=トーバンのシャルドネの姿を写し取ったかのようなミネラリティに満ち、決して崩れない、綻ばない、貴婦人が如くの美しささえ感じられるピノ・ノワールが、コート・ド・ボーヌに存在したことに、経験したことのない感動と驚きと、伸張して行く可能性がまだまだ残っていることへの恐怖にも似た感情を持ってしまいました。
しかもこれは、ブルゴーニュの南のドンケツのサントネイで有り、赤は誰も期待していないサン=トーバンとシャサーニュ=モンラッシェなのです。

その昔のブルゴーニュは、馬で耕作していた・・と言われますが、それは実は・・比較的最近のことです。それ以前は馬も入れなかったほどの「密植状態」であったとされています。
ユベール・ラミーは、その古い時代と同じ手法を用いることで、その時代さえも超越した、自身の境地に至っていることになります。
だからこそ、もう・・どんな造り手とも比較することは不可能だと言えるでしょう。陳腐なことになってしまいます。ラミーはラミーのワインで比較するしか、比較対象が無い・・とさえ言えると感じます。
そしてその感情は、2017年のユベール・ラミーを飲まれた方と、必ずや共有できるはずです。特にシャルドネだけでは無く、ピノ・ノワールも飲まれた方や、2016年以前からラミーを追いかけていらした方なら・・そうなってしまうことは容易に想像出来ます。
いたるところにラミーの考えや仕事ぶり、そして畑の姿を感じることが出来ます。この・・凄いコルクを見てください!・・思わずメジャーを出して来てしまいましたよ・・。
「57ミリもあるディアム!」
です。
ここではコルクの説明はしませんが、ラミーが何を感じてそのようにしているのか・・是非飲みながら・・いや、まずその長~~いコルクを抜いてからですが、想像してみて下さい。
そして外観だけを言うにしても、全てのアイテムに白い「蝋封」が施されています。しかも全然面倒くさく無い、「蝋封をして無い、蝋封が無い」と思ってスクリューを差し、少し上げてから割れた部分を除くだけで済む・・・でも「蝋封」がされています。この辺も是非、色々と楽しみながら、ラミーの意思を感じていただけましたら幸いです。
素晴らしい2017年でした。とても一言では言い表せませんが、これだけは言えます。
「ユベール・ラミーの2017年だけは見過ごしてはならない!」
・・是非後悔の無いようにされてください。お勧めします。
Domaine Hubert Lamy / ドメーヌ・ユベール・ラミー
“ユベール ラミー”の歴史は古く、ドメーヌは1640年に、サントーバン村でブドウの栽培を始めたという記録があります。先代のユベール氏は、彼の父親であるジャン・ラミーの元で働き、1973年に自らドメーヌ ユベール・ラミーを立ち上げました。それまでは主にネゴシアンであったため、自社畑は8ヘクタールほどにすぎませんでした。
90年代にはクロ・ド・ラ・シャトニエール、デリエール・シェ・エドアール、ミュルジェ・デ・ダン・ド・シャン、クロ・デュ・メ、クロ・デ・ザートの畑を購入、賃貸契約で手に入れました。
また、より土壌の特性に合うとしてラ・プランセの区画に植わっていたピノ・ノワールをシャルドネに改植もしました。
1995年、世界各国でワイン造りとマーケティングを学んだ息子のオリヴィエ氏が、ワイン造りを受け継ぎ、経験を生かした新しい手法で畑から醸造までドメーヌを運営しています。
今日ではドメーヌは17ヘクタールの畑を所有しており、そのほとんどがAOCワインです。サン・トーバン、ピュリニー・モンラッシェ、サントネ、シャサーニュ・モンラッシェなど…18のアペラシオンから赤・白合わせて毎年10万本ほどのワインを生産しています。そのうち70%は海外に輸出され、残りはフランス国内のワイン商、レストラン、愛好家に回されます。

ドメーヌを始めた当初は、村の真ん中に位置する小さな醸造所でワインを造っていました。
1979年、ユベールは実用的な醸造所の建設を始め、1981年に完成させました。
それから仕事がより効率化され2003年には600㎡から3フロアから成る1200㎡の大きな醸造所にまで拡張することができました。ひとつのフロアは醸造設備(除梗、ベルトコンベア、空圧式プレス機2台、震動式選果台、ラベル貼りなど)です。
ふたつめのフロアはボトル貯蔵庫になっています。そしてもうひとつの地下フロアは赤ワインと白ワインが分けられた樽熟成のためのフロアとなっています。
栽培:葡萄はグイヨ仕立て。5月から8月まで毎月グリーンハーヴェストを施します。この10年の間、化学肥料は一切やらずに有機コンポストに切り替えて土壌を修正してきました。
白ワインの醸造:畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。
アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
赤ワインの醸造:収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。
発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。

2010年ヴィンテージについて
開花期の天候が良くなかった影響で、非常に少ない生産量となりました。
2010年ヴィンテージの生産量は例年の30%減となります。2010年ヴィンテージは2008年ヴィンテージに似たクラシックな個性の年です。
少ない生産量は結果として、ワインに凝縮感と素晴らしいバランスを与えてくれました。8月はブドウがゆっくりと成熟し、9月上旬には収穫を開始、9月の14日には収穫を終えました。
ワインはフレッシュさと完熟の要素を兼ね備えており、調和を見せてくれます。生産量の低さは、好ましい凝縮感をワインに与えてくれました。
2009年ヴィンテージについて
2009年は素晴らしいヴィンテージになったと言えるでしょう。まさに太陽のヴィンテージで、芳醇かつ力強さをもたらしてくれました。
しかしながら私達は飲み心地の良さだけではなく、ワインがフレッシュさとフィネスを保つように配慮しました。2009年の白は3年から8年の間は熟成するワインでしょう。
しかしむしろ現時点から開放的な黄色い果実のアロマがあり、完熟した果実味が口いっぱいに広がってからフレッシュさを伴った余韻へと続きます。
ワインはそれぞれの区画の土壌に由来するミネラルの特徴を備えています。
2009年の赤は3年から12年の間、熟成するワインです。深みのあるルビー色、黒系果実とスパイスの香りが特徴的で、フレッシュというよりは芳醇な果実味のワインです。
これらはまさに“美食家のためのワイン”なのです。
●ドメーヌ・ユベール・ラミーの土壌サン=トーバンについてドメーヌ・ユベール・ラミーの持つ畑は基本的に石灰質が占めています。
サン=トーバンの土壌は大別するとふたつに分けることができます。
ガメイ村を越えサン=トーバン村へと延びる斜面は白色マルヌ土壌から成るほぼ純粋な石灰岩質土壌です。柔らかい石灰岩質土壌のおかげで葡萄の根が深く、よりミネラルを吸い上げることができるのです。洗練されたタイトな味わいの白、ミネラル、石を思わせる風味の赤ワインを産出します。ピュリニー・モンラッシェの土壌と類似しています。
(Derriere chez Edouard: Tremblots)
サン=トーバン村の内側、特級畑モンラッシェの斜面にはより堅牢な石灰岩が広がり、葡萄の根によって石灰岩の断層が散見されます。赤色の泥灰土が多い特級モンラッシェから続く粘土質土壌です。より日照に恵まれた区画で、果実味が増しスケールが大きなワインを産出します。(Clos du Meix : Chateniere)
◆2016年についてラミーからのコメントが届いていないため
Burgundy Reportから転用します。
全てのワインを通して評価している評論家はこれぐらいしか見当たらず…
著者であるビル・ナンソンMW氏は造り手にもワインにも愛情を注ぐような文章で
個人的に好きな評論家の一人です。
他のメディア情報も、若干見受けましたが参考程度にしておきます。
『2016年はシャサーニュ1級マシュレルはありませんが、同じシャサーニュ1級のショーメは
ヘクタールあたり35ヘクトリットル確保出来ました。
父ユベール曰く、2016年はまるで1981年を思い起こさせる霜害だった。
最初の蕾は霜で凍結してしまいましたが、幸運なことに私たちの剪定のお蔭で二番目の蕾は少々の被害で済みました。
ヘクタールあたり15ヘクトリットル、最終的には例年の半分の収穫量になりました。』
数々の造り手の頂点に近い造り手で、この素晴らしいドメーヌの成功基準となる年です。
Burgundy Reportより 意訳:オルヴォー村岡