【時が磨いた珠玉のピノ・ノワールをリーズナブルに!!タイプじゃないから買わない・・と言ってた人もまた飲みたくなってしまうのは・・充分に判ります!】
すみません・・再テイスティングはまだなんですよ。ただ「ネタ」が少ないもので、しかも「バックヴィンテージ」は「タマ」が少ないので、早々に手掛けないといかんのですね・・。「ネタ」「タマ」の問題です。ネコのタマではありません。
まぁ、人間は「刹那」に生きていますから、一瞬の判断で「美味しい」「美味しく無い」「好き」「嫌い」を判断しているものです。大抵の場合はさしたる間違いは無いんですが、人も変われば季節も変わる、時が流れりゃワインの味わいも変わるんですね。
子供の頃、近所のへちゃむくれだと思っていた(・・失礼・・)同級生の女の子を大人になってから街で見掛け、
「誰だか判らないほど綺麗になっていた・・」
なんて・・誰にも経験が有りますよね。それは女性の方にとってもそうでしょう?・・まったく眼中に無かった男の子が、いつの間にか偉いカッコよく見えてビックリ!・・なんてことは有ったはずです。
そうなんですね・・実は当たり前の話しなんですよ。・・だって・・
「その時は彼・彼女の全く将来の姿を予想するなどしていないから・・」
です・・でしょ?
でも反対に、学校の先生はどうだったでしょうね。・・まぁ、親はひいき目が有りますからね・・難しいかもしれませんが、
「(・・この子は将来、べっぴんさんになるんじゃないかな~?)」
とか、
「(まだ体が小さくて生意気だけど努力家で根性有るから、将来が楽しみな子だな~・・)」
などと思っているはずですよね?
そう、まぁ職業なども関係してくるかもしれませんが、
「将来を想像する、できる、・・しなくちゃならない」
立場にいる人は偏った、もしくは穿った見方をしない方であれば、慣れてくれさえすれば結構な確率で将来をほぼ正確に・・もしくは当たらずとも遠くなく想像できるようになるかもしれないじゃないですか・・。
まぁ、本人にとっては自分のことですから、そのワインが好き、嫌い、タイプじゃ無いけど認める・・位になってしまうんですね。その、飲んでいる瞬間、一瞬の刹那で判断してしまいます。1年後はどうだとか、3年後は・・
「・・いや、きっと私は10年後にこのシャンボール=ミュジニーVVを好きになるはず!」
なんて人は絶対にいないんですよ・・我々のような一部のワイン屋という、まったくしょうもない人種を除いては。
だから、この2014年シャンボール=ミュジニーV.V.が、リリースから3年後に、
「滅茶美味しい!・・もう有りませんか?」
と言われたとしても、全然驚かないです。
だって・・果皮のエキスが滅茶濃密で、酸やその他のバランスが良く、ミネラリティもたっぷりある素晴らしいワインだったんですから、
「落ち着いたら誰でも飛び付くような味わいになる」
のは、当然のことなんですね。
だから、今回はまだ飲んでいないにせよ・・自信は有りますよ。再テイスティングは「確認」の意味しかありません。価格は安いですし・・超お勧めでしょう。
何せ・・・いや、しつこいですが、
「ユドロ=バイエを勧められて買って飲んで・・結果、懲りた」
と言ってらしたお客様さえ、納得させちゃったんですから。
甘く感じたのはエキスが凝縮していたから・・濃く感じたのもそうです・・色合いを見てください・・「濃い」って強く言うような色じゃないでしょう?グラスの下のテーブルクロス見えるほどの色合いですよ。リリース直後は仕上がったばかり、また輸入から時間が無く荒れていますから、要素は分離気味になります。それが時間がしっかりと磨いて落ち着かせてくれるんですね。
でも言っておきますが、今が最高の時では・・有りません。「3年間の時間がワインを落ち着かせただけ」です。様々な要素はちょっとだけ大人になり、角が取れたに過ぎません。完熟するにはさらに長い時間が必要なんですね・・。ですから、
「瞬間を切り取っただけの判断をするテイスターは信用できない」
んですね・・。まぁ、その時のワインの味わいを伝えるにはそれで良いとは思います。でもそれだけじゃダメ・・いや、お客さんはそれでも良いんですよ。そうやって時間を掛けてワインを知って行くことになるんだと・・思います。
だから、ワイン会を良くやられる方・・特にほぼ決まったメンバーでやられますと、好みが似ちゃってくるんですよね。オピニオン・リーダーのような方の意見に引きずられて、いつの間にか自身の嗜好まで、合わせるようになってしまう・・。自身では先が見通せない不安みたいなものが、そこに同調してしまうんでしょうね。だからどんどん、新しいもの、タイプのワインに手が出せなくなり、結果として、
「ゴリゴリのレアなメジャードメーヌオンリーだけに目が行く」
ようになってしまうんですね・・。残念ですけどね。
と言う訳で、飲んでないのに長文を書いてしまいました。でもリリース時に結構しっかり書いてますんで・・読んでみてください。エージェントさんが切らしたらその時点で終了です。お早めにどうぞ!
以下はリリース時のこのワインのレヴューです。
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【激旨です!2014年は果皮の濃度がもの凄いです!】
こう見ると、そんなに濃くは見えないんですけどね・・。実際に飲んでみると、
「果皮がめちゃ濃い!」
ことに気付かれるでしょう。
さすがに1級のレ・シャルムとレ・クラは、2014年に関しては間違えて持って帰らなかったので・・飲んではいないんですが、コトー・ブルギニヨンからして果皮の濃度の凄さが有りました。勿論ですが、ACブルもオート=コートもその傾向にあり、今回、村名シャンボールV.V.をテイスティングして、2014年のユドロ=バイエの味わいの傾向が読めた・・と思っています。
とにかく果皮の濃度が凄いので、これ、熟したらとんでも無いことになるんじゃないかと思うんですよ。2013年のユドロ=バイエは史上最高の仕上がりで、リアルワインガイドもぶっ飛んだ評価になっていました。
で、先ほどリアルの2014年の評価を見てみると・・なるほどね・・ほとんど同じように感じてたんじゃないかな・・と推測出来ました。何故って・・
リアルの評価は、2013年ものについては早くから美味しい、そして現在のポイントが高い、またポテンシャル点も高い・・というものです。2014年については、現在のポイントは0.5点~1点ほど2013年より低く、ポテンシャル点は2013年とほぼ同様か、わずかに低い・・と言うものです。ただしこのシャンボールV.V.に関しては、2013年ものよりも2014年が0.5点、ポテンシャル点も凌駕しています。
つまり、
「現在の点はわずかに低く、ポテンシャル点はほぼ同様・・もしくは0.5点ほど低い」
と表している訳で、これは、
「現在はやや硬めだけれど熟したら平年以上の味わい」
と判断しているのでしょう。
もしそうだとするなら全く同感です。2013年はリリース時からとてもバランスに優れ、美味しかったです。2014年は下級クラスになればなるほど、その果皮の濃度の高さが見やすいので、下は今でも美味しいけれど、上のクラスは「まだ仕上がりきらない」と言うことなんですね。
なので、ユドロ=バイエ的「プチ・ヴァン・ド・ガルド」な2014年・・と言えるかな・・と思います。
基本的にはいつも美味しい果実感たっぷりのユドロ=バイエと同様です。果皮の濃度が凄いので、今飲むと勿体無い感が出てしまうんですね。素晴らしい仕上がりになっていると思われます。
1級のレ・シャルム、レ・クラ、グラン・クリュのボンヌ=マールは飲めませんで、是非、リアルワインガイド第54号も仕入れていただいて・・お読みくださると有り難いです。
また、今回はボンヌ=マールを6本も!・・いただけましたので、お祝いで・・できるだけやりたくないアソートメント・セットを組んでいません。組んではいないが、
「村名以上を1本以上ご購入ください」
と、緩やかなアソートになっています。
まぁ、やはりボンヌ=マールだけの販売・・と言うのは厳しいんですね・・すみません。それでも、
「生産量は2樽、600本」
ですから、1パーセントもいただいて?いる訳で、他のワインも頑張って売らないと申し訳が立たない・・と妙な義理を感じています。
素晴らしいヴィンテージになったユドロ=バイエです。是非ともご検討くださいませ。
以下は昨年のコラムより転載しています。
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いや~・・美しい色ですね~!凛とした赤が強めの紫の色合いに、ググググッと心を引き寄せられてしまいました。
何せ・・1級レ・クラですから・・。あれ?・・もしかして冒頭の文章を読まれてない?・・実はそうなんですよ。寄る年波には勝てず、村名V.V.を掴んで自宅に向かったはずが、コルクを抜くまで、それが貴重な「1級レ・クラ」だと言うことに全く気付きもせずに、開けてしまったんですね~。
ん~、さすがドミニク・ル・グレン!・・村名にも良いコルク使ってるじゃん!・・と思いきや、「PremierCru les Cras」の文字を見た時は、
「・・・やっちまったな!」
と思ったのですが、まぁ・・
「男は黙って」
「全部飲む!」
と決め、カミさんと二人で「ペロッ」と飲んでしまいました。
「いや~・・メッチャ美味しい!」
そりゃぁそうです。1級レ・クラですから・・本当は村名V.V.の予定だったんすから・・。
しかし、それにしても旨い。それにちゃんと飲めてしまうんですね~!。リアル50号はこの2013年レ・クラにポテンシャル94点付けてますが、理解出来る評価です。
香ばしい樽のニュアンスから、根底にシャンボールの滑らかな絹ごしテクスチュアと白く細やかな石灰がマンモス状に有り、むしろジュヴレ的な鉄っぽいミネラリティがその上に基礎を造っています。そこからワイルドベリーやらブラックベリー、チェリーなどのフルーツのニュアンスを、少し厚みのあるボディで表現してくれます。厚いと言ってもブルゴーニュに有って全く違和感の無いもので、エレガンス、質感が伴い、素晴らしく美味しく感じてしまいます。
「・・・素晴らしいな~・・」
と思いつつも、余りにスルスル飲めてしまうので・・
「あ・・明日の分が無い・・」
と思ったのですが・・男は黙って・・を思い出し、結局全部飲んでしまいました!
まぁ~・・素晴らしいワインでした。この先30年はしっかり持つでしょう。そしてグラン・クリュ・ミュジニーのように、「香りは良いけど味わい・テクスチュアが硬くて・・20年経ってもまだでした!」と言うことは少ないと思います。
レ・シャルムの方は飲んでいません・・(飲めないですよ~・・少ないんで!)が、リアル50号ではレ・クラに一歩及ばないような評価になっています。レ・クラよりも石灰系ミネラリティや透明度の強いガラスのようなミネラリティがより多い・・つまり硬い質なレ・シャルムは、どうしてもそのような評価になりますが、ある意味・・よりミュジニー的であるとも言えます。香りが強く、硬いワインですね。なので、スタイリッシュな味わいがお好きでしたらレ・シャルム、ふくよかな、やや柔らかみのある味わいが好きならレ・クラと言う様な選択で良いと思います。
まだまだリーズナブルです!このようなプライスで購入できるシャンボール1級は他にはそうそう見当たらないでしょう!素晴らしい2013年!是非ご検討くださいませ。
以下は2012年の時のコメントです。
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【高くなりましたが・・それでも1級でこのプライス!!ユドロ=バイエのポテンシャルを想像すると信じられない!】 まぁ、この円安ドル高ユーロ高ですから、さらには、収穫量の少ない年にはほぼ値上がりするブルゴーニュに有って、「有り得ない価格」だと思うユドロ=バイエのシャンボール1級です。
すでにユドロ=バイエは15年前のルーミエさんの立ち位置には到達し、さらに一歩ずつ前進しているように思いますから、近い将来、気付いた時には入手できないワインになっていることでしょう。長熟ながら、おそらく今すぐ飲むことは問題無いでしょう。夏の間に飲むのが最短で、それ以降は少なくとも2年以上置いてください。ルーミエさんの赤い果実も良いですが、ユドロ=バイエの紫掛かった果実も心を揺さぶります。超お奨めの生産者です!お早めにどうぞ。
以下は以前のコメントです。
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【レ・シャルム飲みました・・・!素晴らしいです!】 今回は1級レ・シャルムを飲んでみました。村の中央部にある、比較的力強いと言われる1級です。紫・赤の果実が凝縮していて、しかもとても締まっています。余分な・・とか、太めな・・という表現は全く似つかわしくなく、とても筋肉質なのにたっぷりしているんです。エレガンスが有る・・と云うことなのでしょう。酸味も複雑性を持ち、余韻の減衰はとてもリニア!・・長く果実とミネラルのニュアンスを残してくれます。そして、それが実に心地良い!
時間を経ると、まさに香しい香りを出してきます。艶っぽい、少しエロい感じにも取れます。淑女が熟女か・・その辺りの受け取り方は人それぞれでしょうか。いずれにしても構造もしっかり、コアがバッチリ、膨らみも節度を持ちつつしっかりで、言う事無いです。
一方のレ・クラはまだ飲んでいません。レ・シャルムより、よりエレガンスに振った味わいになると思います。少し赤い感じが増えるかな?とも想像していますが、こちらもまず間違いの無い選択になるでしょう。リアルではレ・シャルム、レ・クラとも91~92という評価でした。
どちらも(一方はおそらく・・)嬉しい事ですが、今飲んでもとっても美味しい(はず)です。今はまだ、レ・シャルムを開けた残りを店に置いてありますので、時折香りをチェックしたりしていますが、実に素晴らしいです。2009年、グエンさんは最高のワインを造ったと・・思います。お奨めします!是非ご購入ください!一推しです!