
すみません、何かこの日の写真は曇ったような・・フィルターが掛かったような感じに撮れてしまいました。
しかし言いたい部分は何となく見えるかな・・と思います。
まぁ、パストゥグラン、コトー・ブルギニヨンはピノ・ノワール+ガメですから、どちらかの品種が頑張っている時はその品種の味わいが前面に出て来ます。時が全てを包み込むと一体化して実に良い感じになって行きます。
2017年もののユドロ=バイエの下級クラスを何アイテムか飲ませていただきましたが、2015年もののグラマラスさは全く影を潜め、2016年もののややタイトなスレンダーさをさらに深めたような、美しく酸の伸びやかな味わいをしています。質的にはほとんど一緒なんですが、味わいのトータル的な印象は大きく異なります。
何せ・・エレガントな美しい味わいですから、
「えっ?ユドロ=バイエがエレガント?」
と思ってしまいますよね。・・いや、美しく、酸もキッチリ有り、果実の濃密さは感じません。
美味しいブルゴーニュ・ピノ・ノワールだと思って飲んでも通ってしまうでしょう。これがヴィンテージの背景を写し取ったものなのか、それとも濃い目のワインを卒業してしまったのか・・まだ判断は出来ませんが、ACブル2017も全く同様です。
エレガント系に有る2017年コトー・ブルギニヨンです。言っちゃえばニコラ・フォールのコトー・ブルギニヨン2017年の方が濃いかもしれません!是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年もののコトー・ブルギニヨンより美味しいと思われるかもしれません!とても素晴らしいです!】
このところはコトー・ブルギニヨンとか、パストゥグランと呼ばれるブルゴーニュワインの美味しさが、以前とは比べ物にならないほどに成って来ていることには、皆さんもお気付きでしょう。
このユドロ=バイエのコトー・ブルギニヨンもそうですが、マルキ・ダンジェルヴィーユもトラペも、丁寧に造りこまれ、完成された美味しさを、それぞれのアペラシオンを見事に表現しつつ見せてくれています。価格もACブルゴーニュクラスの高騰も有り、比較的リーズナブルですから、それまでのACブルゴーニュの立ち位置にすっぽりとハマる感じになっているのも特徴かもしれません。
そもそもピノ・ノワール単一品種で造られるACブルゴーニュは、
「高質に仕上げようとすると、リリース直後は硬くなる年が有ることも予想される」
訳で、そうなると比較的早い段階で飲まれることが多いですから、
「・・あれ?・・開いて来ないなぁ・・」
と、ネガティヴに捉えられてしまいがちです。
しかしながら、ある程度ガメをセパージュできるとなると話しは別です。秀逸なピノ・ノワールのフィネス、エレガンス、複雑性は、縦構造はしっかり有っても横には伸びず、やや小さめなパレットになりがちですが、そこに濃度のしっかり有るガメがブレンド出来れば、縦構造の出にくいガメのマイナス面を補うだけでなく、ピノ・ノワールの若いうちの硬さを補い、ワイン全体のボリューム感が出ると思うんですね。
この2016年のコトー・ブルギニヨンは、現状で非常に美味しいです。ほぼまん丸のパレットを美しく描いてくれます。余分なぜい肉も無く、ベリーとチェリーの果実もしつこく無く、美しいです。時に樽の要素が強めに感じることのあるユドロ=バイエのワインですが、こちらはとてもピュアで、ドライで、エキスがキッチリ出ています。
何より鈍重で無く軽くないと言う、「ちょうど良い」んですよね。これをピノ・ノワール単一で表現するのは非常に難しいでしょう。質の良いガメとピノが有ってこその美味しさがこのコトー・ブルギニヨンなんですね。
それにこのピノとガメのブレンドと言うのは結構に面白くて、飲むタイミングで結構に・・味わいが変わるんですよ。そりゃぁそうです・・今どっちが頑張っているか、ガメか、ピノか、どっちも怠慢か・・等々、ボルドー左岸を開けた時のような・・メルロー優位かカベルネ優位か・・でも味わいが異なるものの判断と同様のささやかな楽しみも有ります。飲んでみて欲しいと思います。超お勧め!ご検討くださいませ。
以下は以前のヴィンテージもののレヴューです。
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【これ以上、何を望もう?・・もう充分でしょう!・・素晴らしい仕上がりです!!必飲ワインです!】
20歳以上の良い社会人ならすべからくこの素晴らしいブルギニヨンを飲みましょう!・・そして立派なブルギニヨンになってください。
そう言いたくなっちゃうほど、この旧パストゥグラン、コトー・ブルギニヨンは秀逸です。めちゃくちゃ旨い!保証付きです。
昨年の2014年ものもですね・・ほぼ同様のノリでご紹介したんですが、こちらの思惑は大きく外れまして・・完全にズッコケました。2~3ケースしか入れてなかったのに全くと言って良いほど動かず、
「・・あれ~?・・何か悪いことでも書いたっけ?」
と文章を読み返してみても理由が分かりません。
ただ一つ思い当たるのは、
「ガメが入っていること」
なんですね。
そんなにガメを入れちゃダメですか?・・これほどの健康で優良なヴィンテージに、秀逸な出来のガメが入るということは、決してマイナスでは無いんですよ。
むしろ硬めのピノ・ノワールを見事に補助し、早く飲んで非常に美味しい訳です。飲んでみれば判ります。「なるほど~!」と思っていただけるでしょう。
何せ、このユドロ=バイエ2015年の出来は素晴らしく、ACブルも素晴らしい仕上がりです。ですが、これを飲んでしまえば、
「ACブルは少し硬いかな?」
とか
「ちょっと濃いかも」
と認識されるでしょう。
ただし、余りに売れなかった2014年のコトー・ブルギニヨンも、2015年ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの凄い売れ行きに釣られて急に動き出し、この4月の終盤で見事に完売していました。ある意味・・ビックリですが、あのブルギニヨンを購入されて飲まれた方はどう感じられたでしょう。
「・・あれ?・・旨い・・完璧だ・・」
とさえ感じられた方もいらしたかもしれません。
2015年コトー・ブルギニヨンは、2014年の完璧さを大きく塗り替えるほど・・さらに完璧です。完璧な美味しさ・・と言うべきか、充分なご満足がいただけると確信しています。パレットは縦横自在でまん丸!しかもその絵は非常にデカイです!
ガメが入るから薄くてピノ・ノワールの美味しさを削ってしまう・・とは、この2015年コトー・ブルギニヨンには当てはまらないことをぜひご確認いただきたいと思います。超お勧めです!飲むべきワイン!
以下は2014年のこのワインのレヴューです!
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【非常にリーズナブル!・・これで充分旨いです!】
聞きなれない名前ですよね?・・・コトー・ブルギニヨンと言うのは昔のブルゴーニュ・パストゥグランです。ほとんど同じと言って良いです。
ユドロ=バイエのACブルゴーニュ・ピノ・ノワールはチェリッシュで滑らかでピュアで非常に美味しいですが、どう頑張っても・・以下のようなプライスになってしまいました。昔は2千円そこそこだったんですが・・ご時勢ですから仕方が無い・・。
しかし、さすがです。昔のユドロ=バイエのパストゥグランよりも確実に濃密で、複雑性も備わっています。
ガメが入る分、終盤から余韻に掛けての縦に伸びるべきピノ・ノワールの姿が幾分だけ弱く、若干横に膨らむような感じです。しかし基本ドライながらもジューシーで、酸の構成が素晴らしく溌剌としたピュア果実を感じさせてくれます。パスグラに有りがちな安っぽい味わいでは有りません。
2014年は素晴らしいヴィンテージなのかもな・・と思えるような仕上がりです。非常に健康的で2005年的なヘルシー感が漂います。しかし、リリース時から硬かったワインが多い2005年よりもボリューミーで、丸みがしっかり有り、キッチリ膨らんでくれます。非常に美味しいと思いました!
ブルゴーニュは飲みたいけれどデイリーで予算的には3千円はもうキツイ・・そんな方には朗報ですし、何より・・ガメの存在に気付かないようなフィネスがしっかり有るかと思いますので、是非このコトー・ブルギニヨン2014年、トライしてみてください!旨いです!