【果皮濃度由来の複雑さと、少雨で少ない水分を一生懸命に地中から吸い上げたミネラリティを、標高の高いオート=コートならではの涼やかさが包む、2020年ものならではの見事な味わいです!】

これは素晴らしいです!・・少しA.C.ブルとも異なるニュアンスは、畑の標高由来でしょうか・・涼やかなんですね・・。A.C.ブルの方が暖かみが有る感じ。
そして果皮の豊かで複雑性の高い味わいはA.C.ブル同様..色合いは濃い目ですが、その・・
「濃さを感じさせないスムーズな飲み口!」
はA.C.ブルには無い個性です。
そして精緻さが素晴らしいですね・・。その分、シャンボール村名により近い感じが強いです。
このオート=コート(レ・トープ)はシャンボールの村内の上部の平地に近い部分に在り、ローラン・ルーミエとユロド=バイエのみの所有らしいですので、以前はジョルジュ・ルーミエ所有だったのかもしれません。(ただし、ローラン・ルーミエがリリースしているオート=コートはラ・ポワルロットと言う名前です。)google マップで見ると、「ラ・トプ」と記載が有りますが・・畑の写真も見えますんで探してみて下さい。林に囲まれた、穏やかな風が通り抜けて行くような畑のように見えました。

色合いは濃い目ですが、先のように「濃さ」をさほど感じないのはミネラリティと酸バランスなのでしょう。
2020年は少雨が特徴・・しかも収穫前に恵みのにわか雨が降ったと言われています。
葡萄も適度な水分を得られないとなりますと、酷い時は「枯れてしまう」ことになってしまいますが、そうならないように一生懸命に根が水分を求めて地表、地中に延ばして行きます。なので、普段から地表に伸びないように根切りをし、根が地中に向かうようにしている畑ですと・・さらに根を伸ばすと思います。
シャンボールは石灰が強いですから・・水分を吸い上げる時にミネラルを同時に吸収する・・そう考えますと、
「2020年は2019年もの以上に全てが上手く行った!」
のかもしれません。
関係者が2020年もののテイスティングで狂喜した・・と言われていますが、勿論・・すべての生産者でそうなった訳では無いでしょう。しかしユドロ=バイエはきっと、狂喜乱舞したのかもしれませんね・・(^^;;
いや~・・まだ2020年もののご紹介は僅かですから、どうなっているのか判断は出来ませんが、
「あれだけ美味しかった2019年を上回る出来なのか?」
と言う視点もまた、楽しみに加わりました!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【村名格に近い風格、構造の深さを感じさせる銘酒です!】
価格差はA.C.ブルとそんなにある訳では無いんですが、構造の深さは確実に在り、その深さ、大きさゆえの格差感は結構あるかと思うんですね。
ティム・アトキンさんはA.C.ブル2018年に90ポイント、付けましたので、もしそこから行くとなりますと・・91+ポイントほどじゃないかと思います。
「えっ?・・たったの1.5ポイント?」
と思われるかもしれませんが、90~95ポイントクラスの0.5ポイントは、テイスター的にはその理由さえハッキリ言えるほどの確実な、大きな差なんですね。その0.5点を上げるのか、下げるのかで、相当に無い頭も悩ませる訳で・・だんだん髪が肉体を離れて行くんじゃないかと考えています。
他のユドロ=バイエのキュヴェ同様に非常に健康的です。味筋はシャンボール的でA.C.ブルと同様では有りますが、構造の深さから格上であることは誰の目にも明らかです。とても冷ややかで充実していて、全ての液体分がアルコール分を含んだエキスに昇華した感覚です。ダルいピノは、そこがちょっと分離しちゃうんですよね・・判りますよね?
なので、これは相当にリーズナブルなオート=コートと言えるでしょう。赤と紫がほとんどを占め、ほんの少し黒い果実が差し込んでいる感じです。透明と言うよりも少し白っぽい・・石灰的なミネラリティが多く含まれているように感じます。すごく美味しいです!是非のんでみてください!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【明らかに赤い色が占めているのが判る、冷涼で集中した・・しかしエレガント系の味わいです!】
A.C.ブルの項でもお伝えしましたが、2018年もののユドロ=バイエは見事な出来、しかも、
「一瞬ルーミエ」
は、こちらのオート=コートが若干上です。
面白いのは、このオート=コートのクリマ、レ・トープは、クリストフの兄弟のローランも栽培しており、ユロド=バイエとローラン・ルーミエの2人のみの所有だと言うことですね。
ローラン・ルーミエは2018年もののリリースがまだですので、単純な並行比較はできませんが、2017年ものを比較してみると、
「ローラン・ルーミエは実直、冷涼でワビサビ、超ドライ」
「ユドロ=バイエはニュートラル、冷涼で集中、果実しっかりでドライ」
で、どちらもエレガント系・・と言えるかな?・・と思います。
味付きの良さはやはりクラス上だけ有ってA.C.ブルを凌駕していますし、ミネラリティのしっかりさも上。果実のしっとりさは、以前の紫系統が強い感じから赤果実がコアをもってどっしりとしつつ、上質なものとして感じられます。
いや~・・美味しいです。以前の派手さは毛頭無いものの、以前より増して好きになってしまいました!・・とてもリーズナブルですし、もうシャンボール村名クラスと言っても過言では無いほどのポテンシャルだと感じます。
まぁ、リアルワインガイドでは常に90点行かない位の評価かと思いますが、noisy的には充分付けられる出来と感じますよ。是非飲んでみて下さい。新生ユドロ=バイエの2018年!・・旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年のオート=コートはややカッチリ目!スタイリッシュな仕上がりですが、徐々に柔らかく伸びやかになって行くでしょう。】
2017年のユドロ=バイエは、2015年以前の濃密な味わい・・どちらかと言えば濃い目のスタイルから離れつつあるように感じます。それは2016年ものにも少し感じた部分です。
特にこのオート=コートは、元々涼し気なロケーションも有るのでしょうが、むしろ僅かな残糖分を残して濃厚に仕上げると言うよりも、完全発酵出来るタイミングでの収穫により、よりドライに、よりエキス化されたブルゴーニュらしい味わいに持って行こうとした節を感じます。
まあ、それが造り手の意思だけによるものなのか、2017年的な要素がそうさせたのか・・、まだはっきりはしません。しかし、ドライでエキスたっぷりなオート=コートに仕上がったということは、僅かな甘みが生む絶妙な果実の風味・・・そこがユドロ=バイエ的でも有った訳ですが、そのスタイルを捨てるということにもなりますし、何より、
「今まではオブラートで包まれていた真の姿をさらす」
と言うことにもなる訳でして、
「涼し気でややカッチリとスタイリッシュなオート=コート。複雑性たっぷり。」
に感じさせてくれます。
濃厚な時は、その果実の風味に加え、やや焼いた樽の風味がトッピングとして感じられたものですが、2017年ものはほぼ感じませんで、よりピュアなスタイルになっています。
熟の進む2019年の年末~2010年春頃までは徐々に美味しく、柔らかく成っていくものと思われます。その後は一旦、閉じるかな。1~2年でまた一枚、皮を剥いだ姿を見せてくれると思います。ポテンシャル的には今までとほとんど変わりませんが、甘みが無い分、ややハードに感じられるかもしれません。
新たなスタイルに向けて歩み始めたような気がするユドロ=バイエです。是非ご検討くださいませ。
【2016年のオート=コートは滅茶ナチュラル!・・ユドロ=バイエのワインは年々その自然派的要素を増しているのが判ります!】

「・・なるほど~!」
と思わせてくれる2016年のオート=コートです。これは自然派ファンには嬉しい仕上がりです。でもこのナチュラルなニュアンスはコトー・ブルギニヨン、ACブル、シャンボールVVには無い表情です。
官能的なアロマが加わり、絶妙なバランスを見せています。また、ドミニク・グエンさんの感性の豊かさでしょうかね。
例えば、まるでやったことが無いことでも、
「・・こうすればできるんじゃないか?」
「・・こんな道も有るか?・・どっちが良いかな?」
みたいなことを考えるかどうかは別にしても、そつなくこなしてさらに上出来な仕上がりに持って行けてしまうんですね。
なので、2016年ものオート=コートは今飲んでも絶妙の旨さです。最も、自然派嫌いの方にはその超自然なナチュラル感(・・変な言葉ですが)が逆に「?」を生むかもしれませんのでもろ刃の剣とも言えるかもしれません。
noisy的には、これは素晴らしい!・・と感じました。非常に美味いです!・・コトー・ブルギニヨンもACブルも美味いですが、こちらは精緻な旨さです・・
と、ここはコラム違いですが・・
2016年のACブルを、おそらくロット違いのもので再度テイスティングしたところ、当初の「濃密」なニュアンスが無く、適度な・・本当に適度な密度のしなやかな仕上がりになっていて驚きました。
これもおそらくですが、ACブルなどのある程度量を造るものに関して、樽寄せをして全てを均一には出来ないことに由来するかな・・と思います。
なので、ロットによるそのような「密度」の違いもまた・・面白いですよ。・・と言うことは、このオート=コートもロットにより違うのかな?・・などと迷路に入ってしまいそうですが、とても良い出来ですので是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【シャンボール村名並みの仕上がり!白いミネラリティが豊富!冷ややかな赤紫の果実が誘惑してきます!】
素晴らしい仕上がりでした。赤に紫のイメージが入るユドロ=バイエのピノ・ノワールですが、エージェントさんに寄れば、ローラン・ルーミエと同じ畑だそうです。余りにも違う仕上がりに少しビックリしています。
まぁ、それでも毎年テイスティングしていて、昨年書いた前の年のワインの文章を読まずに書いても、まず同じことを書き始めていますので、造り手さんのイメージも一貫していますし、ある意味、noisy も一定の感覚を持っていることの現れかなと。
その上で2015年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールについては、今のところは、
「物凄く良い。健康的。良く熟している。糖度が上がったようでアルコール分は前年と同じ~やや高い傾向。」
と感じています。
このオート=コートも非常に良い出来です。僅かに焦がした樽のアロマのトッピング、紫、赤の果実のほとばしるアロマ、中域から高域に掛けての滑らかな石灰系ミネラリティの伸び、シャンボールに良く似たミネラル組成ながら、やや鉄っぽいミネラリティも混じって来ます。
非常にタイトながらも健康な果実が隙間を見つけて飛び出してきますので、今飲んでもとても楽しめる状況かと思います。素晴らしいですね・・。
オート=コート・ド・ニュイは準村名格(準々村名?)ですから、村名とほぼ同様な感覚で付き合うと良いと思います。頭に「ブルゴーニュ」と付きますから、
「ACブルゴーニュの同類かな?・・それにしちゃちょっと高い?」
と思われるかもしれません。
オート=コート・ド・ニュイの畑は、下手をすればグラン・クリュやプルミエ・クリュのすぐ脇だったりします。それだけに侮れないんですね。
素晴らしいヴィンテージになった2015年です。今飲むなら美味しいのはACブル、そしてコトー・ブルギニヨンですが、やはりポテンシャルそのものはこちらが上。チビチビと口に含みつつ、長い時間を掛けてポテンシャルとともに飲まれる方には向いているでしょう。お勧めします!
以下は2014年以前のレヴューです。
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【実に美味しいです!】
何か・・毎年同じようなことを書いているような気がします。そして、毎年同じようにテイスティングして感動して・・やっぱりユドロ=バイエは旨いと。そしてオート=コートがほぼ村名並の仕上がりで、縦に伸びてくしラズベリーが香り・・などとね・・。
でもそれでも毎年開けちゃうんですよね・・。2014年も素晴らしい味わいでした。
このワインのファンは実に多くいらっしゃって、毎年かなりの人気を集めていますが、
「日陰になりやすいオート=コートは・・・厳しいかな?」
と思いきや、2009年、2010年、2011年、2012年と続きながら、2013年はさすがに2012年を超えることは無かったとしても、2014年はそれ以前を確実に越える仕上がりで!・・いや、ビックリです。
なので、以前のコメントをそのまんま使用させていただきます。
「シャンボール村名だと思っていただいても結構です!」
美味しいです!ラズベリー風味満載!味わいも複雑!言うこと無いです!超お奨めします! 素晴らしいピノ・ノワールです
以下は以前のコメントです。
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【これは全くのシャンボール=ミュジニー村名と思っちゃうでしょう!】 素晴らしいピノ・ノワールです。ルーミエさんとは色合いの出方が違いますが・・・やっぱりいずれ、ルーミエさんの立ち位置まで上がって行くドメーヌでしょう。そしてもし、ビオに上手く転換することが出来たのなら・・フーリエに並ぶ事が可能でしょう。現在リュット・レゾネのシャンボールで最高の造り手だと思います。
紫+わずかに黒の果実を感じさせてくれる締まった味わいです。余韻も実に長く、コンプレッション・ベリーのニュアンスを残像されます。少し早いですので、初夏からでしょうか・・。そして長く持つワインです!是非ともご購入ください!超お奨めです!
【もう・・これが有ったら何も他にいらない??べらぼうに旨い!】 いや~、ユドロ=バイエのACブル2009に「ぞっこん」です。今でも滅茶苦茶旨いです。ルーミエさんのACブルよりもドライなのに、みごとな赤い小果実を「くしゃっ」と詰め込み、しかも、どこにも「破綻」した部分を見せないです。
まあ、これだけ凝縮感がしっかり有ると、どこかに「無理した形跡」が残るものなんですが、その凝縮感は、
「結果としてそうなっただけ」
なのでしょう。つまり、何も無理せず、普通に今までどおりに造っただけなんですね。だから、凝縮し、素晴らしい果実のニュアンスと、シャンボールらしいスタイルを見せながらも、全く破綻した部分が見当たらないという結果になるのでしょうね。
ルーミエさんの、わずかに甘みを感じさせるような凝縮した果実を感じさせるACブルも美味しいですが、あんなに高く、しかも入手難と来れば、ユドロ=バイエのACブルを2~3本購入した方がお徳だし、下手をすれば、より美味しい・・と思うかもしれません。(・・・noisyもこのところはルーミエさんのブルゴーニュなどお目にかかっていませんしね)
このACブル2009だけは必ずご購入いただきたいアイテムです。是非ご検討ください。
オート=コートの赤は、ACブルより、さらに深く、凝縮感強く、冷涼感もしっかり有ります。より素晴らしいワインだと言えます。
しかしながら、今現在のことだけ言えば、やや硬さが見られるので、ACブルの方が美味しいと思われる方が多いのでは?と思っています。出来る事でしたら5月の連休くらいまで待っていただいて飲まれると、
「お~!まさに噛める様なラズベリーのニュアンスにしなやかベルべッティーなテクスチュア!」
に出会えるでしょう。間違い無く、ACブルよりも格上です。飲み頃だけの問題ですよ。
ですので、ACブルは直近用、オート=コートは1~2ケ月休養させてから・・とお考え下さい。どちらもお奨め!ご検討くださいね。
以下は2007年もののコメントです。ご参考に・・
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【普通に旨い!シャンボル好きなら是非!】 酒を飲むに当たって、甘いとか辛いとか・・・まあ、普通はその二つの表現が有れば何とかなっちゃいますよね。特に日本酒の世界は、基本的顧客対応はホントそれだけで済む・・・(T.Tと言っても実際は過言では無いでしょう。
ワインでも、
「甘い感じが有ると駄目なんだよね。」
という人が多いです。また、それに加えるとすれば、「渋み」でしょうか。
「ん、別に渋くても大丈夫!結構好き!」
みたいに軽~く使われています。
さらに加えるとすると、「酸っぱい」でしょうか・・・。まあ、これは余り良い意味合いで使われることは無く、
「うん、酸っぱいのが好き!」
はほぼ絶滅じょうたいで、
「うにゃ~、酸っぱいのは駄目なんだよね・・」
みたいに使うのが普通・・・です。
じゃあ、「苦い」はどうでしょうか。
「苦いって・・・それって美味しくないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんね。勿論、言葉の使い方の話で有りますから、
「このワインって苦くって美味しいんだよね!」
などと言うシュチュエーションは・・・おそらく、全く存在しないでしょう。あはははは・・・
ですが、実を言うと・・・全てのワインに苦味は有ります。目立って無いだけ・・です。そして、実は若いワインにはかなりの量?の苦味が存在するんです。
で、その苦味こそ・・・将来の甘みに繋がっていますし、若いワインのボディを造り出しているものでも有るんです。誤解を恐れずに言っちゃえば、苦味と渋みは甘みに近い・・でしょう。
まあ、近いか遠いかは置いても、ワインに苦味がしっかり有って、必要とされているんですね。甘いだけのワインなんぞ、何の美味しさも有りません。しかし、その残糖感たっぷりのワインに苦味をプラスするとあら不思議・・・。しっかりした味幅を構成しつつあるはずです。・・・まあ、ここもあんまり膨らましたくない話しなので・・・さらっと飛ばします。
で、このユドロ=バイエのブルゴーニュ・ラインです。色合いは濃く無く、とてもドライでカッチリながらもしっかりとした味幅を持っています。・・・そう・・・、僅かな苦味の成分が、たっぷりのシャンボール的ミネラルと一緒になって、そんな味わいの幅をもたらしていると感じさせてくれます。
まだ幾分若いかと思いますが、今でも美味しく飲めます。時間を置けば、ややジャミーなニュアンスが出てくるでしょうし、シルキーなテクスチュアにもなるでしょう。現在はそのちょっと手前・・です。
赤と黒の果実とシャンボル的ミネラル感。とても伸びやかな感覚。とてもドライで甘みはまだ出てこないが、厳しい感じは無い。硬質な旨さを持ったピノ・ノアールです。
ACブルの方はやや薄めの色合いからフランボワーズと石灰系ミネラルが心地良いです。テクスチュアも滑らかでシャンボルっぽい。好きな方が多いタイプですね。
オート=コートはACブルより逞しく、果実味が強く、色合いもしっかりしています。赤と黒以外にもやや紫がかった果実が混じるのも特徴でしょうか。カッチリしていて、より大きさを感じます。2007年と言うと、マイナスのイメージが膨らんでいると思いますが、決してそのようなことは無く、とても綺麗でピノらしい良さを生かしたワインが多いように思いますがいかがでしょうか。是非とも飲んでみてください。オート=コートは極少量です。お奨めします!