● ユドロ=バイエの2021年、下級クラスのご案内です。
マンモス級の密度をさらっと瑞々しく感じさせてくれた2020年もののユドロ=バイエでしたが、
「2021年ものは驚くほど異質の世界だと感じられるかもしれない!」
と申し上げておきましょう。
ま~~・・これだからワインは面白い・・ですし、ブルゴーニュワインの世界から抜け出せなくなってしまうんですよね。
ただし「異質な世界」だと申し上げましたが・・実はユドロ=バイエは、この数年感のナチュール寄りになって来た以外には、
「何も変わっていない!」
とも言えるんです。
その辺りは各コラムに書かせていただきましたので、是非ご覧いただきたいと思います。
現状で一番ナチュールっぽさを感じさせてくれるのがブルゴーニュ・シャルドネです。瑞々しく香りのスピードが高いです・・が、実はこれ、仕上がり切っていない状態を見せているから・・そう感じる訳です。
ピノ・ノワールやコトー・ブルギニヨンについてはほぼ仕上がって来ていますので、
「その超絶にエレガントなスタイル!」をお楽しみいただけると思います。
「・・えっ?・・noisy さん、気でも狂った??」
と思われた方も、是非各コラムをご覧くださいませ。実に楽しく美味しい世界が待っています。どうぞよろしくお願いいたします
ユドロ=バイエの下級クラスが2020年ものブルゴーニュの先陣を切って入荷してきました。新型コロナウイルス、そしてロシアによるウクライナ侵攻、東北の地震による電力不安、原油価格の上昇と円安・・の流れの中で、お客様にも・・
「きっと何かしらの光を見せてくれるワインだったら嬉しい・・」
と期待を込めてのテイスティングをさせていただきました。
やはり、ワインとはそのような「感性」とか「知性」「記憶」に直接訴えかけてくるような側面を持った飲み物ですから、
「あ・・こんな風に変わったんだ!」
のような変化や、
「・・・あれ?・・いつもより・・美味しいかも・・」
と言うような感覚から、様々な想像を掻き立ててくれる訳ですね。
いつもの味・・それもまた嬉しいものですが、いつもより美味しいと思える感覚・・それはまた格別なものになります。ユドロ=バイエのワインは Noisy wine でも非常に長く扱わせていただいていますから、皆さんもまた・・少なくとも一度は飲まれたことの有る生産者でしょう。
グレートな2019年ものの後の2020年ですから、ある種の期待、そして不安が混じったテイスティングになりましたが、
「想像力を掻き立ててくれる素晴らしい味わいになった2020年!」
と判断させていただきました。
赤のA.C.ブルとオート=コートは、美しい酸と・・「小粒の葡萄による果皮濃度」・・そして低めに出たアルコール分が特徴で、
「ビターな・・全く甘くない、果皮味中心のとても複雑性の高いピュア味!」
に仕上がっています。
ですので、
「ユドロ=バイエは・・ちょっと甘いかも・・」
などと思われていた方にも2020年ものはお勧めです。相当・・良い出来かと思っています。
A.C.ブルのシャルドネは、ユドロ=バイエお得意の高質なバリック由来のトースティなアロマに柑橘が混じる・・
「・・そう、これがバイエのシャルドネ!」
みたいないつも通りの味わいなんですが、酸が非常に美しく伸びやかで、ピュアさを一段と増したかのように思われます。勿論、非常にドライですがエキスがバッチリです。
そしてどのワインもアルコール分13度と、非常に嬉しい仕上がりです。
ですので、
「・・あれ?・・ユドロ=バイエ..相当変わったなぁ・・」
と思われる方が多いんじゃないかと想像しています。
noisy も、太鼓判を押すのは間違い無いのですが、
「この変化がグエンさんの意識の変化によるものか、ヴィンテージ要素が強いのか」
につきましては判断がついておりませんので、少し先に・・上級キュヴェのテイスティング時に延ばさせていただきます。
ですが、
「非常にドライ!」
な果皮味中心のピノ・ノワールの味わいに、「クラっ」と来てしまう方は多いはず!・・とも踏んでいます。
これ・・数年寝かせても面白いはずですよ。シャンボール的なワインの濃い果皮エキスがどのように変化して行くのか・・気になりませんか?・・このご時世にも、
「価格アップはほんの少し!」
と言うのも有難いです。是非飲んでみて下さい。超お薦めします!
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ユドロ=バイエの2019年もの上級キュヴェのご案内です。下級キュヴェから物凄いバランスの良い、健康的な美味しさで魅了してくれましたが、上級キュヴェも素晴らしいですね。
とても健康的で豊かです。でも、以前のユドロ=バイエのような「パワフルさ」は「精緻さ」にしっかり上書きされている感じです。エレガント系・・と言いたくなってしまうくらいですが、この3年ほどの間に「マッチョ感」が無くなり、非常に美しくなった・・しかし、熟成能力、複雑性は確実にアップしていて、本当のシャンボール=ミュジニーの美味しさをピュアに、真ん丸に伝えてくれる素晴らしい出来だと言えます。
そして気付かなかったんですが、バイエのA.C.ヴォーヌ=ロマネ・・・畑名は「バロット」では無く、「レ・バロー」といつの間にかエージェントさんのHPで修正されていました。バロットじゃ判らないですよね・・で、レ・バローと言う村名畑は、実は、
「あのクロパラの真上!」
なんですね・・。その上、リシュブールとオ・ブリュレの真上でも有るんですよ・・。そもそも余りヴォーヌ=ロマネっぽさが少ない味わいで、「シャンボール..混ざって無い?」みたいな冷ややかで石灰的ミネラルが強い味わいですよね?
あのワイン、しっかり熟成させたら相当美味しいんじゃないかと思います・・今回も有りますので是非ご検討ください。
そしてボルニックも入っています。ミュジニーとレ・ザムルーズの間にある小さな畑で、0.01haと言う持ち分ですから本当に少ないです。人気の性か、その見事な味わいの性か、価格は「上昇」しています。
勿論トップ・キュヴェの「ボンヌ=マール」も入荷しています。15%ほどの値上げです・・もう、ブルゴーニュのグラン・クリュの値上げは仕方が無いと思いますよ。特に秀逸とされているドメーヌのものは、徐々にすべからく10万円以上になってしまうでしょう。日本の経済力が戻ってお給金が増えないと買えなくなってしまいますね。
今回はシャンボールV.V.とレ・シャルムをテイスティングさせていただきました。美しくも包容力、表現力たっぷりの見事な味わいでした。是非ご検討くださいませ。お勧めいたします。
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ユドロ=バイエの新ヴィンテージ2018年の上級キュヴェが入ってきました。昨今は新型コロナウイルス感染症や、毎年の恒例のようになってしまった雨や風の被害など、中々にシビアな状況が続いています。ましてや超大国同士のにらみ合い、そして、量のないブルゴーニュワインまでをも爆買いしたり、東南アジアや日本の領土にまで手を出そう、実際に現状を変更してしまうと言うような中華主義の専横で、資本主義経済も先行きが不透明になってしまっています。
そんな中でのユドロ=バイエの上級キュヴェが入荷して来ましたので、
「・・しばらく飲めなかったボンヌ=マール・・開けちゃうか・・」
と、悪魔のささやきが・・(^^;;
いや・・本来ならリアルワインガイド第70号には掲載されていたはずのユドロ=バイエ2018年では有りますが、現況はとても現地試飲などは出来ないと言うことで、noisy も駄文を寄稿する羽目になって紙面を汚したくらいですから、バイエのテイスティング記事など掲載もされていない訳で・・。
それに、いつもなら片手に余るくらいしか入荷しないボンヌ=マールでは有りますが、バイエの入港アイテム全てに12本と書いて発注したところ、
「ボルニック以外は全て12本!」
で受注されたんですね。
なので、2018年ものはnoisy の新着にボンヌ=マール2018年もテイスティングコメントが載る・・と言う、素晴らしいことになったんですね。
その分、申し訳ないのですが、いつもどれかは飲んでいる「シャンボール1級」のテイスティングは回避させていただきました。
ですが・・2018年のユドロ=バイエ、やはり素晴らしいです。グエンさんのワインも確実に変化しています。美味しいのは間違いないし、なによりも・・
「甘く無い」
「強過ぎない」
「ポテンシャル高い」
のがハッキリ判る仕上がりです。
詳細は各コラムをご覧いただきたいと思いますが、以前にご紹介させていただき好評を得ました、あの「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2018」でさえ、デカンター誌の MW
ティム・アトキン氏は90ポイント、付けていました。
そして、ボンヌ=マール・・やっぱり良いですわ・・。数年前までは安過ぎるくらいでしたが、この位は仕方が無いと思える美しさと香しさを見せてくれました。
シャンボールV.V.2018 も言うこと無しです。2年前までは、少し濃いとか、強いとか、甘めだとか・・そのようなニュアンスは有ったんですが、今はバランスが凄く良くて、飲み進めて行くうちにどんどん綺麗さが前面に出て来ます。村名とすれば、ポテンシャルと合わせて考えると、とてもリーズナブルかな・・と思われます。
1級の3アイテムは飲めていませんが、メディア評価を覗いた限りにおいては、ポテンシャルはほぼ拮抗、それぞれの個性をしっかり出せているように思います。
ユドロ=バイエ2018年は、昨年頃よりその「程好く甘くて濃い目」と言うスタイルから、「ドライで美しい」と言うものへ変わっています。ボンヌ=マールでさえ・・無理すれば飲めちゃう外向性を持っています。是非トライしてみてください。
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先日、下級クラスのワインがかなりエレガント系に移行していることをお伝えしましたが、どうやらその方向性は上級キュヴェも同様のようですよ。
ユドロ=バイエと言えば紫の小果実が滅茶凝縮していて、樽は強く無いもののしっかり掛かり、時には葡萄果実の熟度の高さ由来の甘みと力強さが、
「美味しいけど少し疲れるかも・・」
とか、
「熟したら凄いバランスになるのは判るし、早くから美味しいんだけど・・自分にはちょっとトゥー・マッチかな・・」
とおっしゃるワインファンの方もいらしたと思います。・・まぁ、どこよりも素晴らしく、そしてリーズナブルなボンヌ=マールは別にして・・余り知られてませんが、アドヴォケイトも2012年のボンヌ=マールに97ポイント付けてましたしね。(^^;;
しかしながら2017年ものは、ヴィンテージ由来なのか、それともスタイルを変更しつつあるのかの判断はまだ時期尚早だとしても、
「以前のスタイルよりもエレガント系になってきているのは間違いない」
と言えるでしょう。noisy も、上級キュヴェを・・沢山は開けられませんでしたが、しっかり確認させていただきました。
そして2017年ものは、なんと凄い新キュヴェがリリースされているんですよ。樹齢90歳にも及ぶ超ヴィエイユ・ヴィーニュであり、しかも、
「リューディ・レ・ミュジニーG.C.の北(下部)にモロに接し、リューディ・レ・ザムルーズ1er.Cの西(上部)に接する」 と言う、ブルゴーニュワインファンの心をくすぐる凄いワインです。
しかも、それまでは余りに少ないので村名V.V.に混ぜられていたと言うんですから!
こりゃぁもう、何とかして入手するしかないですよね。さらに目の離せなくなってきたユドロ=バイエ・・是非飲んでみてください。
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どうしたんでしょう・・滅茶エレガント系なんですよ・・。ちょっとビックリです。スタイル変更なのか、それともヴィンテージ背景をそのまま切り取ったからなのか・・2018年ものまでそれは判断できないかもしれません。noisy的には非常に好ましいですが、逞しく、濃い目の味わいがお好きな方には残念な結果になったのでしょうか?

1981年の創業以降ずっとネゴシアンへの販売がほとんどだったこのドメ ーヌが、本格的に自社ビン詰めを開始したのは1998年。フランス空軍のメカニックだったドミニク・ル・グエンが娘婿としてドメ ーヌに参画してからです。醸造学校を修了した後、義父からワイン造りの実際を徹底的に仕込まれながら毎年試行錯誤を繰り返し、2004年に完全に独り立ちしました。
私たちは2001年ヴィンテージから彼と付き合っているのですが、彼は毎年、ヴィンテージの特徴の差を明らかに上回るペースでワインの品質を向上させてきました。義父の代から10年以上リュット・レゾネ栽培を実践し続けている実質ビオの古樹だらけの畑、ル・グエン自身のセンスと強い意志、上達したワイン造りの腕がすべて一体となり、2004年ヴィンテージ以降、彼のワインはひとつ突き抜けたように思われます。
いつもニコニコと笑顔を絶やさないドミニクですが、畑で彼と対峙する時、ゾッとするほど真剣な「ヴィニュロンの顔」が表れます。それは、畑仕事の重要性を示すものであることはもちろん、まだまだ改善することが山ほどあるという、己への厳しさの表れでもあります。
所在村:Chambolle-Musigny
醸造家:Dominique le Guen
所有畑面積:8.53ha
ドメーヌ継承年:1998年
栽培における特記事項:厳格なリュット・レゾネ。除草剤、殺虫剤等は一切使用しない
醸造における特記事項:除梗100%。天然酵母のみで発酵、澱引きはビン詰め前に1回のみ
販売先:フランス国内80%(個人のワイン愛好家1500人以上、カーヴ・ド・ラ・トランザント、ル・グ・デ・ヴィーニュ、レピキュリアンといったフランスの名門ワインショップ、パリやブルゴーニュ、南仏のレストラン(ニースの松嶋啓介シェフの店「ケイズ・パッション」にもオンリスト))、輸出20%(イギリス、ドイツ、アメリカ、カナダ、スイス、オランダ、ベルギー、日本)
掲載実績のある海外メディア:「Guide Hachette」、「Guide Fleurus」、「Bourgogne Aujourd'hui」
参照できる日本のメディア:「リアルワインガイド ブルゴーニュ」(堀晶代著)P19、「リアルワインガイド」第16号P20)