
シャルドネのおまけのような感じになりがちなムルソーの造り手の赤ワインでは有るんですが、このACブルの畑はヴォルネイにあるようです。レ・ドレソルと言う区画がどこなのかは判らなかったんですが、まず色合いを見ていただくと判りやすいかな?・・と思います。
透明感が有って、淡い赤紫・・です。このような場合ですと、ヴィンテージ的に熟さなかったり、もしくは、石灰質がとても強かったりすると淡くなってきます。勿論ですが、普通にちゃんと熟した場合が比較の対象です。
とても良く熟した・・と言う印象では無く、ほぼピッタリのタイミングで収穫されたことが伺える味わいです。しかも、かなり選別したのかな?・・・大変だっただろうな・・と思ってしまいました。
チャーミングながらも花や果実が有り、非常にドライでピュアな味わいのピノ・ノワールでした。
ヴォルネイっぽいか?と聞かれても、
「ん~・・ヴォルネイっぽくも感じない」
と思いますし、むしろ、ヴォルネイの中でも、本来ならシャルドネを植えた方が結果が良いような、石灰の強さを持っていると思います。
その石灰の強い分、華やかでフラワリーなアロマが有り、伸びやかなのでしょう。
全体のバランスとするとかなりの高得点です。「~に似ている」と言えるような対象が無いのが残念ですが、例えば元ルフレーヴの醸造長でも有ったピエール・モレのブルゴーニュ・ルージュをやや淡く、少し石灰を強くしたようなイメージです。
まぁ、ピエール・モレは知らない・・と言われてしまうとは思いますが、ネゴスものは「モレ・ブラン」ドメーヌものは「ピエール・モレ」でリリースされ、時にはACブルでも素晴らしい味わいのものをリリースしてきます。日本国内に来るのは???ですが、かなり前にピーター・ツーストラップものを分けてもらって販売し、その品質に皆さん、随分驚かれたと・・記憶しています。
そんな訳で・・オマケでは無くて、ぜひ飲んでいただきたい、エレガント系のピノ・ノワールでした。何より安いしお奨めします。
あとの2アイテムは数量の関係で飲めていませんが、ACブルでこれだけ旨いので、まず問題無いと思います。時間と品物の都合が付けば、いずれ飲んでみたいと思っています。
ムルソーのルージュは、今となっては非常な貴重品です。基本的にムルソー村の低地に植わっているのがムルソー・ルージュですが、ほとんどがシャルドネに植え替えられています。レ・ドレソルというリューディはヴォルネイ側に寄ったところに有り、接してはいませんがサントノー・デュ・ミリューの下部ですから、こちらはキッチリ、「ヴォルネイ」の味わいがするでしょう。サントノー風のトッピングが有ればかなり良いワインになります。珍しいアペラシオンですので、これもワイン会には持って来い!なアイテムです。・・当たらせないため・・です。
最後のヴォルネイ・シャンパンはご存知ヴォルネイ1級・・村のほぼ中央に構えています。村の真ん中にあるのに何故か・・ヴォルネイと言うよりもポマール的などっしり重量感さえ有る1級で、あまりヴォルネイっぽくないと言うか、多くのヴォルネイのワインのイメージより少し異質かもしれません。まぁ、例外を覚えた方が身につきやすいのは世の常なのかもしれません。
そんな訳で、全部は飲めていませんが、非常にリーズナブルかと思います。質も良いです。まだ知らない良い造り手がいたのには驚きでした。ブーズロー家は知ってましたが、違う家でしたし・・ぜひ飲んでみてください。