
何と2011年のヴォルネイ=シャンパンです。しかも・・かなりリーズナブルでしょ?
「・・10年昔ならこの位の価格だったかな・・」
と、目を疑ってしまいますよね。
確かに、2015年のダンジェルヴィーユのヴォルネイ=シャンパンはものの見事が出来栄えで、肉厚なボディに繊細な拵えをした見事な鎧を付けた美形の若大将のようなニュアンス・・もう、惚れ惚れしちゃいましたが、価格はもう、
「ブーズローが何本買えるんだ?」
と思っちゃうほど高いですから・・。
まぁ、でもダンジェルヴィーユのシャンパンもクロ・デ・デュックも、たったの一口だけでも充分満足できる凄いポテンシャルを持っていますんで、仕方が無いかな・・と思いますよ。
一方こちらのブーズローさんちのヴォルネイ・シャンパンですが、そう言った、
「たった一口で満足させられる!」
と言ったスタイルとは、まったく違う方向性ですね。
ピュリニー=モンラッシェ・レ・フォラティエール2015年のコラムでも書きましたが、やはり「繊細系」なんですよ。非常に細やかで、フィネスを感じます。
なので、
「・・おっ!・・ヴォルネイ=シャンパンじゃん!・・ちょっとちょうだい!」
と、ボトルを荒々しくつかみ、グラスにドボドボ注ぎ、グビッとグラスで煽る・・と言うような飲み方は、余り得意では無いですね。優しく扱ってあげてください。澱も綺麗に落として・・。
で、非常に繊細なタッチですんで、料理もできれば・・
「味を濃くしない、素材の持ち味を生かしたもの」
でしたら、肉系はもちろんのこと、魚系も結構行けると思いますよ。
可憐なスミレからほんのりとだけワイルドさが滲む感じ、繊細で伸びやかな石灰系+ガラス系のミネラリティ。中域がふっくら、細やかな襞を感じます。まだ完全にミネラルの守りが破綻していない感じですが、飲み続けて行くと徐々に複雑な表情が出てくる感じです。強い性格では無く、
「守ってあげなきゃ・・」
みたいな細身の女性のようなスタイルでしょうか。そうは言いながらも芯は崩さないんですけどね。
どこか、超絶に旨かったルイ・ユエラン2013年的な「シミジミさ」さえ漂いますが、より果実は大目だけれど全体としてはもっと洗練された上で可憐かもしれません。そこらが「繊細系」を強く言いたいところです。
中々に美味しいヴィルネイ1級でした!ぜひユーミンの唄のように「守ってあげたい♪」と口遊みつつ・・飲んでみてください。お勧めします!