
今回のライヤールのグラスの写真は、どの写真も全く「弄って」はいません。明るさや色味の調整は全く無し、部分選択後に大きさだけを調整しアップしています。
ある意味、写真と言うのは本当に残酷です。見事にその瞬間を切り取ってくれちゃいます。
しかしワインは、時間と共に変化して行きます。その瞬間を切り取ったであろう写真を、その瞬間だけを見る目で見てしまうと・・将来を見通せない・・と言うことなんですね。
若いころ、偉い可愛い・・もしくは格好良い子がいらしたとして、その瞬間だけ、チラ見した位では、先行きなど判らない訳です。もしかしたらあと10年もしたら、下っ腹は出て脂ぎった顔になっているかもしれません・・いや、noisy 本人のこと・・でも有りませんよ。「昔秀才、今ただの人」とは良く言ったものです・・いや、だから noisy のことではありませんって。
で、ワインもまた、今日ご注文下さったワインも今日飲めるわけでは有りません。少なくとも明日以降・・まともに扱うなら1週間ほど先以降でしょうか。
しかしながら、noisy も本当にビックリしたんですが、かなりのお客様は到着した当日にそのワインを飲んでいる可能性が高い・・んですね。澱が有るし、回ってるし、休ませてないから・・出来るだけ飲むまで立てておいてほしいんですけどね。
で、立てておいてほしいと言うと、皆さん、怪訝そうな顔をされるんですよ。
「・・ぁん?・・ワインって、横にして保存するんじゃないの?」
と言う訳です。
ワインは横にして保存する・・と言う知識をそのまんま鵜呑みにしてしまわれている方も多いと言うことなんですね。・・それ、全く違いますよ。
比較的早めに飲まれるのであれば、必ず立てておかなければいけません。
長く貯蔵される場合も、最初は立てて澱を落とさなければいけません。
なので、ワインは「最初は」立てておくことが重要なんですね。長く保存される場合は、澱が落ち、透明度が上がった後に、静かに横にして、もしくは少しだけテーパー(傾斜角)をつけてセラーに入れるんです。最初から横にされるのは大失敗の元!・・なんですね。
で、2017年のヴォーヌ=ロマネですが、2016年の、滅茶苦茶美味しかったヴォーヌ=ロマネよりもポテンシャルが高いです。しかしまだ完全には「休まってない」と思われます。
なので、出来ましたら2週間の休暇をあげてください。勿論その際は、
1.立てて澱を落とすこと
2.透明度が出たと確認する -->その際にボトルを揺らさないこと
3.さぁ・・飲みましょう!
これを是非、守ってください。
時折、お客様が感想を伝えてくれることが有り、ほとんどは予想通りのお言葉なんですが、稀に、
「・・えっ?」
と・・どうしてそうなるの?・・と感じることも有りますが、きっとそのような状況で飲まれたんじゃないかな・・などと想像しています。
それでもまぁ、この村名ヴォーヌ=ロマネ、しなやかさと品格、ピュアで美しい酒躯、そこにほんのりとナチュラルさが加わった素晴らしいピノ・ノワールです。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【noisyも一生懸命売りたいワインになったと言える素晴らしい造り手の素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネです!】
そもそもは1級レ・ボーモン欲しさが有って、しかし、超変形アソートでしか販売してくれないし、いただけたとしても数が安定しないので、
「テイスティングして赤字を出して・・結局トントンにしかならない」
と言う理由で、最小ロットしか仕入れて無かったと言うような今までの流れが有ります。
それに、一番大きいのは、
「2000年代はここまで良いとは思って無かった!」
と言うのが大きいです。
いや、敢えて言えば、
「凄く良くなって来たのはこの何年かのはず!」
で有って、2013年位で
「・・おや?・・淡いけどレ・ボーモン以外の下のクラスもいいじゃん」
と思いつつ、2014年もので、
「価格は安いし結構旨い!」
と感じ出し、2015年ものをテイスティングして・・
「下も中もめちゃくちゃ美味しい!・・レ・ボーモンは・・もうどっちでも良い位ヴォーヌ=ロマネが旨い!」
と判断、
「こうなったら2016年も万全だろうから何とか量が欲しい!・・」
と、2016年ものが滅茶少ないのを判っていつつも、2軒ある正規エージェントさんの1軒目に大量のオーダーを出しました。これが真相です。
ところがですね・・レ・ボーモンは来ない・・まぁ、今まで余り買ってないので仕方が無いとしても、
「ACブル、ニュイ=サン、ヴォーヌ=ロマネ合わせたオーダーの1/3以下」
と言う、仕入れ自体が惨敗の結果に終わった訳ですね・・。これも真実です・・非常に残念です。せめて半分の1/2でも入荷すれば、テイスティング分を経費にしても何とかなったんですが、
「(結局入荷分を全部販売しても全然儲からんじゃないか!)」
こんな自分勝手なしょうもない恨みみたいなものは中々に消えないものです。覚えておくから・・ね。
で、昨今はその美味しさが認知されてきたジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネです。ピノ・ノワール王道の美味しさが堪能できますよね。やはりブルゴーニュ・ピノ・ノワール・トップのアペラシオンだけ有ります。突出しないが柔らかくほんのり暖かくじんわりと旨い酸、スパイスや動物香の出方がエレガントで、「薫り立つ」と言うような表現の似合うアペラシオンです。
そこにジャン=ルイ・ライヤールならではの超ドライながらも旨味バランスが絶妙な美味しいエキスから、その要素がどんどん放出される訳ですから・・不味い訳が無いです。
2016年はそこに複雑な要素を絡め持っていますので、他のコラムにも似たような事を書きましたが、
「2015年と2016年、本当に美味しいのはどっち?」
と聞かれると、かなり微妙なことになってしまいそうです。
少なくとも、リリース直後の印象だけを切り取ってしまうのであれば、
「2015年の勝ち!」
と言うことになるかもしれませんが、そこからの時間の経過を見るのであれば、
「2016年の優勢!」
を言わなくてはならなくなります。
しかししかし、もっと突っ込んでそのずっと先までを言うのであれば、
「2016年もののエキスからの発露であるフレーヴァーが、どれほどのレベルにまで高められて閉じ込められているか?」
を完全に見極められなければ、この勝負の軍配をどのように返したら良いかを決めることが出来ません。
なので、
「パーフェクトには判らんかも・・」
と言うことになってしまいます。
滅茶苦茶暑くて、
「ローヌワインじゃないんだから・・」
と散々に言われた1979年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、長い熟成を経て、ビックリするような大物に化けたアイテムも散見され、
「もしかしたら偉大な1978年より良いんじゃない?」
と言うような声も有りましたし、これも何度も引き合いに出しますが、1977年の・・どうしようも無いヴィンテージと言われたブルゴーニュでも、確かにシャプタリザスィヨンの影響は有ったとしても、ものの見事に完熟さを見せたヴォギュエのミュジニーの素晴らしさを忘れることもできない訳です。
近年でも、
「2008年はダメ」
「2013年もダメ」
などと言われていても、リリース直後からそのエレガントなブルゴーニュの側面をビビットに感じさせる姿には、
「やっぱりブルゴーニュは旨い!」
「悪い年?・・そんなの関係ね~♪」
と言うような思いをされた方も多いと思われます。最悪と言われた2004年でさえ、熟成により見事な膨らみを得てその複雑性に花を咲かせたワインも多い訳です。
半面、グレートイヤーだ、超健康なヴィンテージだったと持て囃された2002年、2005年ものはどうでしょうか。中々その評価の姿を映し出してくれず、
「開けるにはちょっと早かったのかな~・・」
と言うような不完全燃焼的印象を持ったまま、手持ちのワインを飲み終えてしまっていらっしゃるかもしれませんよね。
と言う訳でして、長期的にはまだ「?・・」と言わざるを得ませんが、中長期的には「結局のところ、かなり良いのでは?」と言うような印象を持っている noisy です。美味しいヴォーヌ=ロマネに仕上がったと思います。ぜひともご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【理想と言うものがあるとしたらそれにとても近いと思われるヴォーヌ=ロマネです!非常に美味しいです!】

とんでもなく美味しいブルゴーニュ・ルージュ・パキエ2015年を飲めば、同じ造り手のヴォーヌ=ロマネ村名が美味しく無い訳も無く、下部の2014年もののグラスの写真を見ても、その集中度が透けて見えると思いますし、その照りや輝きの素晴らしさは伝わっているものと思います。
ハッキリ言って、非常に美味しいです!・・
2015年は非常に良い年でした。このワインのアルコール分も13.5%出ています。それでいて、まるで残糖的な甘味が無い・・キッチリエキスに仕上がっていますし、しかも、そのやや高めのアルコール分を含む液体が、パワフルさに直結しているのでは無く、エレガントさの助長に繋がっていることが驚きでした。
まぁ、14度以上にもなるようですと、ブルゴーニュワインとしては、直近に飲むのはかなり厳しいものになりますし、エレガントさも打ち消す方向に行ってしまうのでしょうが、決してそのようにはならず、物凄いバランスに仕上がっているんですね。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとしますと、大きく分けて2つのタイプになるかと思います。中間を入れれば3つのタイプです。糖分をアルコール分に完全に変えたエキス系と、僅かながら、もしくはそれなりに残糖分を残してアルコール分を下げ、二次発酵を経て滑らかな一体感を得る果実味重視系(noisyが名付けているだけですが)です。アンリ・ジャイエは後者(でも今では中間派と言えますが)、DRCやジョルジュ・ミュヌレ=ジブールは前者と言えます。で、このジャン・ルイ・ライヤールは前者で、DRCなどと同じように比較的高温で一次発酵をするタイプと言えます。
単に、毎年完熟した葡萄を得ることが目的だとするならば、このようなワインにはならないんでは無いかと思うんですね。潜在アルコール分を計算し、様々な予測を立て、ベストのタイミングで収穫をする・・そうしなければ、このようなエレガントでエキスのキッチリ出た、コアがしっかり有るヴォーヌ=ロマネにはならないと・・。

非常にドライですが、全くそれを感じさせないほどの旨みが有ります。何の要素も突出していないのに、全てそこに存在しているかのような振舞い方をするアロマ、味わいが有り、複雑性が備わっています。スパイシーですが、あくまでヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスに溢れたものであり、酸の美しさ、生き生きとした姿はエキスの美味しさと相まってとてもピュアです。余韻もしっとり、テクスチュアの滑らかさからのそれは、ピュアな果実とミネラリティが一体となったもので、とても心地良いです。
ヴォーヌ=ロマネとは言っても、畑により様々なスタイルが有ります。ロマネ=サン=ヴィヴァンなどのグラン・クリュが持つ荘厳なアロマも、その半分ほどにはなりますがちゃんと存在しています。
もし理想のヴォーヌ=ロマネが有るとするなら、このワインがそうじゃないか・・と noisyの個人的な印象では有りますが、そう思ってしまいました!まぁ・・飲んでいてとても楽しくなるワインでした!
今回はうっかり・・限定の「レ・ボーモン」を買いそびれてしまいまして・・誠に申し訳ないのですが、村名がこれだけ美味しいのならと・・思います。是非飲んでみてください。超お勧めします!旨いです!
以下は2014年のこのワインのレヴューです!
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【ブルゴーニュ最高のアペラシオンから奇跡と言えるプライスの、稀有な雅さを内包しつつまだ解放していない美しい2014年ピノ・ノワールです!】

10年振りにチェックしてみたジャン・ルイ・ライヤールです。昔の記事にも書いていますが、結構好みの味わいなんです・・でも、エージェントさんの紹介文が余りにオーバーだと感じていて、
「何だかな~・・」
と、ちょっと一歩下がった立ち位置での物言いになっていました。
しかしながら今回、この村名ヴォーヌ=ロマネと、ヴォーヌ=ロマネ村に有る国道に面した位置のACブルゴーニュを飲み、かなり良い・・と言うか、
「もうあり得ないプライスだろう!」
と言う意を強く持ちました。
ヴォーヌ=ロマネでこんなプライスですよ?・・それもドメーヌもので・・今、2017年時点ではもう考えられないバーゲンプライスです。
それにですね・・色合いを見ていただいてお判りの通り、
「エキスが出ていてかなり良さそう・・」
ですよね。
ヴォーヌ=ロマネはセシル・トランブレイのACブルにも使用されているラ・クロワ・ブランシュの村名区画の上部にあるオー・ラヴィオール(ニュイ=サン=ジョルジュとの境界の畑)、1級レ・スショ直下のオー・メジェール(レ・メジェール)、ラ・ターシュやラ・グランド・リュの上部にある素晴らしい畑、オー・シャン・ペルドリの3つの畑をセパージュしたもの・・と言われています。
これはブルゴーニュの・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネの優れたドメーヌが取り入れている「キュヴェ・ロンド」と言う手法と思われるものでして、標高の低い(下の、東側の)畑と、標高の高い(上の、西側の)畑をブレンドし、特徴の違いが顕著に出る畑の特性をお互いに補う手法です。特にエシェゾーやクロ=ヴージョなどでは一般的です。
実に官能的な美しいグラデュエーションです。黒味を帯びた赤ですが、赤もシンプルに彩度が有る・・と言うよりも、どこかやや陰りを見せるような・・妖女のようなニュアンスです。
アロマは諸にヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスを持っていて、まだ見せないわよ!・・と言われているようにも聞こえますが、薄手のブラウスから要素が透けて見えるようです。
以前は、
「DRCどうのこうのは関係無い」
と言っていたのですが、この2014年ものを飲んでからは・・そろそろ・・撤回します。いや・・実に良い感じです。
早いっちゃ・・全然早いんです。硬さも有るし膨らみ切らない恨みも有る・・。しかし、例えばジュヴレのギイヤール的な、完全発酵で全くの残糖感無しなエキスも有りますが、ギイヤールよりもエキスの濃度と質は上・・でしょう。これはジュヴレとヴォーヌ=ロマネのエレガンスの差かもしれません。
似ているのはミュヌレ=ジブールと、やはり・・DRCです。ラマルシュには余り似ていません。ラマルシュの、全てを許容してしまうような優しさはまだ全く出て来ていません。いずれ出て来るにしても・・です。
ミュヌレ=ジブールには非常に良く似ていますが、取っつきやすさはミュヌレ=ジブールが上です。旨みの形成された酸からのエキスの構成は、さすがミュヌレ=ジブールと言えるかと思いますが、これは先の「キュヴェ・ロンド」を構成する畑が、ミュヌレ=ジブールの場合は「もっとも標高が高い畑」+「もっとも標高が低い畑」では無くて、もっと中央に寄っている・・・つまり、元の畑のポテンシャルがより高いことに由来すると思います。
DRCにはかなり似ています・・ラ・ターシュを若飲みした時のようなニュアンスが有りますが、DRC独特の樽のニュアンスや畑の格の違いなどから、到底追い付きはしない・・と言えるでしょう。
しかしながら、村名ヴォーヌ=ロマネとすると非常に複雑でポテンシャルが高いのが判ります。複雑さはややもすると一体感を損ないますが、そんなことには陥りません。どこかにヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュや1級が持つ荘厳さも漂い、要素の目の詰まりや、ヴォーヌ=ロマネでしか出て来ない気品も漂っています。
今飲んでも飲めます。でも、春まで待った方が良いかもしれません。そして非常に超熟です。5年経って柔らかくなり始め、10年経ってかなり美味しくなり、25年ほどは持つでしょう。これは是非飲んで欲しいワインです・・って、非常に安いですよね?

こちらはACブルゴーニュです。畑は「レ・パキエ」と言って、ロマネ=サン=ヴィヴァンから道を下がって行ったところに有ります。国道を挟んで斜向かいが「オー・ソール」と言う村名畑です。
こちらも村名ヴォーヌ=ロマネとタイプはそっくり、要素を少し・・と言うかだいぶ削ぎ落した感じに仕上がっていますが、ACブルゴーニュとすると充分過ぎるほどです。
タイプがそっくりですから、ギイヤール的に完全発酵、非常にドライでややタイト、ミュレ=ジブールに似てエキス感が有ります。黒い果実に赤い果実が混ざり、果皮の割合の高い、妖艶なニュアンスを奥に隠し持っています。スパイス感も同様です。熟すと少しワイルドな感じが出て来そうです。
余分な贅肉を感じない、完全エキスのワインで、初期に短期間低温で漬け込むことが有るかもしれませんが(無いとは思います)、比較的低めの温度で発酵させるようなアンリ・ジャイエ的な果実フレーヴァーでは有りません。醸造関係から由来して感じられるニュアンスはモロにDRC的です。
ヴォーヌ=ロマネ村とは言っても、ACブルにはほぼ出て来ないヴォーヌ=ロマネ特有のエレガンス、荘厳さを持っているのには驚きです。今飲んでもそれなりに美味しいですが、5年経ったらかなり凄いでしょう。10年熟成させておいて、笑って許せる気の置けない仲間内のワイン会にブラインドで出すと・・きっと笑える結果になると思いますよ。大抵・・上級ワインと大いに間違えるでしょう!
ただし、今すぐに飲んで「凄~く美味しい!」と言えるかは、飲まれる方がポテンシャルを取れるかどうかに掛かっています。noisy 的には今でもとても美味しいんですが、ポテンシャルを見ずに、一度自身の理想に当てはめてその場の判断をするタイプの方は、少なくとも3年は置いた方が良いでしょう。むしろ、村名ヴォーヌ=ロマネの方がポテンシャルを取り易いので、
「ACブルゴーニュの倍までもしないリーズナブルな村名ヴォーヌ=ロマネ」
が良いかもしれませんし、
「ジャン・ルイ・ライヤールの造りを理解するためならACブルゴーニュで充分」
とも言えると思います。
10年ぶりに仕入れてみたジャン・ルイ・ライヤールですが・・非常に良かった・・と言うか、こんな価格なら奇跡ですね・・。化石と言っても良いかもしれません。きっと・・飲みたくなったんじゃないかと思います!大き目のグラスで振り回しながら楽しんでください。超お勧めします!
以下は10年前(2004年もの)のジャン・ルイ・ライヤールの記事を引っ張り出しています。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】
今回テイスティングしたのはニュイ・サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。
このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisy も好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。
さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。
また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。
総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。
●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン
●2004 ヴォーヌ=ロマネ
この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。
●2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
DRCで育った男でも、ニュイ・サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ
このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!