
たった・・・3ヘクタールの畑から生まれるワインで生活をされていらっしゃって、こんなにリーズナブルで良いのだろうか?・・ちゃんと生活、出来るんだろうか?と心配になってしまうほどです。
しかも、noisy のお客様は結構ご存じかとは思いますが、
「ジャン=ルイ・ライヤール?・・知らない。」
と言う方が8割以上でしょう。
この、ニュイ=サン=ジョルジュ村の北から南まで(プレモー=プリシーを含まない)に分散した様々なリューディをセパージュしたA.C.ニュイ=サン=ジョルジュは、樹齢が何と80年以上・・です。言ってみれば、
「超古木以外の何物でも無い!」
んです。
例えば、全房で大人気の・・ニコラ・フォール(アメリー・ベルトーの旦那さん)ですが、確かにふんわりしたベリーの風味で正に正当なビオを思わせ美味しい・・けれど、彼のニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルビュは・・ほぼ倍の価格です。彼のレ・ゼルビュは樹齢50年のV.V.ですが・・。
しかもここはヴォーヌ=ロマネ村に接する畑でして・・このニュイ=サン=ジョルジュにも相当分がセパージュされています。なので、ちょっとヴォーヌ=ロマネっぽさも感じられるのでしょう。
2017年ものの、開けたてから絶好調!・・なニュアンスに、結構近いかな?・・と思いますが、やはり2018年ものはより複雑性が高いです。色合いもやや黒が多めで・・レ・パキエよりは透明度が高いですが、少しだけ濁ったようにも見え、完全には落ち着いていない状況でのテイスティングでした。
しかし、ものの10分もしますと、豊かでバランスの良い酸が、いつの間にか「旨味」を帯びてくるんですね。酸がアミノ酸に変わって来たかのようなニュアンスをダイレクトに感じることが出来ます。
そうしますともう・・絶好調!・・80年の古木由来の、ニュイ=サン=ジョルジュ村そのものを表現したとも言える味わいが感じられるんですね。
因みに・・A.C.ニュイ=サン=ジョルジュと言うのは、ニュイ=サン=ジョルジュ村とその南にあるプレモー村、プリシー村を合わせたアペラシオンです。
プレモー=プリシーにはまた、A.C.ニュイ=サン=ジョルジュの凄い1級畑が目白押しです。レ・ディディエ、レ・フォレ(クロ・デ・フォレ)、オ・ペルドリ、オ・コルヴェ、レ・アルジリエール、クロ・ザルロ(クロ・ド・ラルロ)、クロ・ド・ラ・マレシャル等ですので、noisyのお客さまでは飲まれたことの無い方の方が少ないかもしれません。
しかし、このプレモー=プリシーが入ることによって、結構にニュイ=サン=ジョルジュのアペラシオンの個性がより判り辛くなるかも・・とも感じています。
なので、一層・・ですが、村名では有るにせよ、村名だからこそ、このライヤールの北から南までをセパージュしたニュイ=サン=ジョルジュ村・オンリーなニュイ=サン=ジョルジュが、面白いと思うんですね。
A.C.ブルのレ・パキエを除けば、今すぐ飲んで一番開き方の速いのがこのニュイ=サン=ジョルジュです。旨味がしっかり出てくるので美味しく飲めちゃうんですね・・。
おそらく増やせないと思います(2017年も追加は在りませんでした)ので、こちらも是非、早めにゲットして飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【・・げげっ・・これは心底素晴らしい!・・一瞬、発注を間違えたかも・・と思ってしまうほど旨いです・・】
まぁ・・ライヤールの発注は、毎年以下のような感じです。
・ACブル 出来るだけ沢山
・ACニュイ=サン=ジョルジュ ヴォーヌ=ロマネより少なめ
・ACヴォーヌ=ロマネ ニュイよりも多め、可能なら増やす
・ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモン いただけるだけ
昔は希望数で仕入れられたんですが、今はもう・・無理です。それでもレ・ボーモンは他のキュヴェが3に対し1いただければ良い方では有りました。今は100:2~3位でしょうか?
なので、最優先がレ・ボーモン、次にACブルとヴォーヌ=ロマネ、最後がニュイ=サン=ジョルジュだったんですね。
ですが昨年ご紹介させていただいた時にも感じましたが、ニュイ=サン=ジョルジュ村名が凄い旨いんですよ。でも2016年ものはヴォーヌ=ロマネも負けず劣らず偉い綺麗だったもので、ニュイ=サン=ジョルジュが2に対しヴォーヌ=ロマネが4~5の割合で仕入れていても気にならなかったんですね。
2017年ものはヴォーヌ=ロマネも凄いポテンシャルなんですが、「現時点での仕上がり具合」と言う視点で見ると、ヴォーヌ=ロマネは「まだ疲れがとり切れていない」面を感じています。まぁ、単にテイスティング順が影響しているとも言えます。今回はニュイよりもヴォーヌ=ロマネを先にテイスティングしましたので・・。
しかしながら、昨年のコラムにも書いたように、ヴォーヌ=ロマネ的エレガンスを内包した素晴らしいニュイ=サン=ジョルジュです。
これがまぁ・・思わず言葉にならない声が漏れてしまうほど、絶妙に素晴らしいんですよ。細やかなこなれたアロマ、エキスの美しさ、丸み・張り・膨らみ具合、そして美しく長い余韻。
これぞピノ・ノワールの醍醐味!・・と唸らされてしまいました。
なので、ここまで書いてしまうのは僭越では有るんですが、
・普段、ちょっと飲みたい時-->ブルゴーニュ
・早い段階で美味しく飲みたい時-->ニュイ=サン=ジョルジュ
・2週間は待てる方-->ヴォーヌ=ロマネ
・ずっと待てる方-->レ・ボーモン
と言うようなセレクトが宜しいかと思うんですね。
勿論、よゐこの皆さんは、その組み合わせをお考えかと思います。
このニュイ=サン=ジョルジュ・・・絶対感動すると思いますよ。偉い旨いです。しかもこんな価格なんですよ・・。
「・・しまった・・ニュイ=サン=ジョルジュ、もっと仕入れておけば良かった!・・(T.T 」
と感じてしまったのは言うまでもありません。
美味しいと思います。あまり無いのでお早めにどうぞ!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうにリーズナブル!エキス系で旨味バッチリ!繊細さと複雑性が交差する見事な出来です!】
例えば noisy も非常に注目している、同じ、
「D.R.C.絡みの生産者」
である「ニコラ・フォール」。
彼のニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルヴュも滅茶苦茶美味しいです。高温発酵系でD.R.C.同様の手腕で醸造します。この点においてはジャン=ルイ・ライヤールも同様です。
でも、ニコラ・フォールは土地持ちじゃなかった性も有ってか、
「ちと高く感じる価格設定」
なんですね。
まぁ、皆さんはよほどレアじゃ無いと飛び付かないと思いますが、ニコラ・フォールもそろそろ激レアになるかもしれません。それほど注目している生産者さんです。
でも・・重ね重ねでシツコイですが、価格がね・・ジャン=ルイ・ライヤールの倍近い感じですからね・・。味わいは飛び抜けていると訴えても、中々受け入れて貰えないのかなぁ・・と思います。極端に高いポイントでも付けば別なんでしょうけどね。
その辺を考え併せても、このジャン=ルイ・ライヤールの村名ニュイ=サン=ジョルジュはお得なことが判ると思いますよ。
樹齢は超ヴィエイユ・ヴィーニュと言って良い平均80年の古木です。しかも、
「レ・ゼルビュ」-->ヴォーヌ=ロマネに接する
「レ・(オー・)サンジュリアン」ヴォーヌ=ロマネ側の南端
「レ・シャルモワ」-->プレモー側の北端
「レ・フルリエール」-->プレモー側の中央下部
と、ニュイ=サン=ジョルジュのほぼ全域に渡って散っている畑のブレンドなんですね・・。なので、正に「ニュイ=サン=ジョルジュ的要素を包括したような味わい」に仕上がっていると言えます。
最も、土臭いニュイ=サン=ジョルジュでは無く、むしろやや太めのヴォーヌ=ロマネ的なニュアンスを多く持っている味わいですが、やはり育った環境が有るんじゃないでしょうか。野暮ったい味わいは好みでは無いんでしょうし、甘くちゃダメだし、まして全房発酵ですから、
「低温発酵なんて自殺行為!」
と言うような認識なのでしょう。何せD.R.C.絡みですから、高温発酵がしたいんですよね。ドメーヌの説明文を流し読みしただけだと勘違いしてしまいますが、基本的には短い間で主たる発酵を終えたいと考えていらっしゃるのでしょう。高温を保ったままにしたいが故の全房発酵で有り、高温発酵ですから、当然ながら酵母の食い付きは良くなり短い期間で発酵が終わります。それが美しいピノ・ノワールに仕上げる秘訣だと言うことなのでしょう。
そんな意味では見事に成功していると言えます。それにACブル・レ・パキエのコラムにも書きましたが、超健康優良児の2015年に比較すれば、酸いも甘いも取り込んだ経験値豊かな職人気質・・(^^ 的な味わいを見せるのが2016年です。
良い色合いでしょう?・・今飲んでも美味しいんですよ・・。でもまぁ・・3年置けばさらに良く、5~6年置いたら膨らみがすごく良くなって来る・・と言うような熟成過程を見せると読んでます。
すぐに無くなってしまう他3アイテムに比較すれば、やや足の遅いニュイ=サン=ジョルジュでは有りますが、そのせいでこの熟して滅茶美味しくなったニュイ=サン=ジョルジュを飲んでファンになられた方も多いと推測します。
リーズナブルでピュア、しかもエレガントなのに超複雑と言う味わいです。ぜひご検討いただきたいと思います。お勧めです!
以下はかなり昔のレヴューです。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】 今回テイスティングしたのはニュイ=サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。
このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisyも好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。
さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。
また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。
総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。
●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン●2004 ヴォーヌ=ロマネ この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。
●2004 ニュイ=サン=ジョルジュ DRCで育った男でも、ニュイ=サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。・・まるでDRCが造るNSG・・なんてことは感じません。が、パワフルさを奥にしたためた良いワインだと思います。リリースから5年ほどで驚くほど変わると思います。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!