
ライヤールのレ・パキエやヴォーヌ=ロマネと言えば、ま~・・noisy もビックリするほど売れるので、出来うる限り量を抑えたいところなんですが・・ライヤール自体、生産量が多くないので、非常に辛いところなんですね。
で、エージェントさんが「2019年ものが入荷した」と言うので、
「沢山割り当ててね!」
と、量はいつもよりさらに少ないが、良い葡萄が採れたと言うのでプレッシャーを掛けておきました。
早速飲んでみると・・
「・・ん?」
ですよ・・。いつもの美し~~い、ライヤールのレ・パキエの味わいとは異なるんですね。一瞬、
「(・・やっちまったか!)」
とも思ったんですが、よくよくテイスティングしてみると・・いつもよりも密度が高いんですよ。そして、良質なタンニンもいつもより多めで、ちょっとまだ有れている感じなんです。そもそも「エキス感たっぷりの超ドライな味筋」ですから、仕上がる前は・・結構に荒れて感じられてしまう訳です。
昨年の2018年もののご紹介は、今6月後半ですので、1カ月以上早かったと思います。ですが、それを見たとしても、まだ仕上がり切っていない訳ですね。
noisy 的感覚ですと、輸入疲れを取るのに1カ月、エルヴァージュの残り部分を消化するのに1カ月・・位かな?・・と思います。なので、
「東京オリンピックが終わった頃から!」
が飲み頃入りかと思うんですね。
何しろ・・(おそらく)ミルランダージュ混じりは間違い無いですから・・あ、是非2018年以前のものと色調も比較してご覧くださいね。全然違うでしょう?・・濃密ですよね。そもそもライヤールは抽出を強くしよう・・などとは考えない人ですから、
「そうなってしまった!」
訳です。決して抽出を強くして濃くなった訳では無く、
「(粒の小ささから果汁:果皮のバランス的に)果皮が厚い葡萄だから濃い」
訳です。当然ながらタンニンも・・果汁が少ない訳ですから、やや前面に出てくる。そしてそれが溶け込んでくるのに時間が掛かり気味になる・・そんな流れです。
ですので、
「仕上がったら相当に旨いはず!」
と踏んでいます。
エージェントさんによりますと今回の2019年は数が無く、「一発のみのご案内」で終了だそうです。2018年はヴォーヌ=ロマネなどは2度、入っていましたので・・それでも早々に完売してしまうほどの人気でした。相当に期待できるA.C.ブル、レ・パキエ。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【深~く優しいヴォーヌ=ロマネ的要素をたっぷり感じさせてくれるピュア&ナチュラルな、そしていつもよりちょっと複雑性高いA.C.ブルです!】
ロマネ=サン=ヴィヴァンから真っすぐ下がって行った辺り、白のレ・シャサーニュの南に接するのがこの「レ・パキエ」です。毎年大人気で、すぐに無くなってしまいますから、
「オファーの有った数の7割増しで」
とお願いしたんですが、結局スルーされてしまいました。
まぁ、1級のレ・ボーモンが有りますから、全アイテムがそっくりアソートになってまして・・なので、noisy が要求した量がどうやら全体の1/2~2/5ほどだったようです。なので要求を飲むことが出来なかったのでしょう。
ヴォーヌ=ロマネ村に有りますからヴォーヌ=ロマネのワインでは有りますが、A.C.ヴォーヌ=ロマネを名乗れるわけでは有りません。国道の東側を村名以上にはクラスしないのが基本的なお決まりです。あのクロ・ド・ヴージョでさえそうです。
しかしながらこのワインを飲むと、脳裏に浮かんでくるのは・・しっかりヴォーヌ=ロマネなんですよね。
そして2018年ものは2017年の「真っすぐな性格」よりは、「もう少しお利口さん」みたいな感じだと思います。より複雑で、簡単じゃない・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネ似、それだけでスルーしてしまうのは勿体無い・不足していると感じます。
写真をご覧いただきますと、やや濁りが見えるかもしれません。まだ完全に落ち着いていないうちに飲まざるを得ない状況だったんですね・・その理由はいずれ判るかと思いますが、それでも、
「アロマの上がりの早いナチュラルさにピュアさ、ヴォーヌ=ロマネらしい細やかでしっとりしたスパイス、美しいエキスで適度に膨らみつつ、要素の複雑性を見せつつ美しく消えて行く」
見事な味わいでした。
年間通して売れれば有難い・・ワイン屋としてはそんなアイテムです。少ないのですぐ無くなってしまうと思いますのでお早めにお手当ください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【健康的でピュア、そしてヴォーヌ=ロマネ的な複雑性とエレガンスを兼ね備えた滅茶苦茶リーズナブルなA.C.ブルゴーニュです!】
ロマネ=コンティの畑からロマネ=サン=ヴィヴァンへまっすぐ下り、ヴォーヌ=ロマネの村を通り過ぎて村名オー・ジャッシェ、オー・ゾルムを通り過ぎるとこのレ・パキエと言うレジョナルの畑に到着します。まぁ、ロマネ=コンティの真下・・では有りますが、距離はそこそこに有ります。・・直線で800メートル位でしょうか。
なので・・と言う訳では有りませんが、似ちゃいません。大まかには似ていたとしても隣の畝になったらもう全然違ってしまうのがブルゴーニュの畑な訳ですから、それを言ったらおしまいよ・・と言うことですよね。
ですが、完全エキス化された非常にドライな味わいと、発酵期間が短い=高温発酵由来の味わいは、同じ方向を感じますし、
「・・ん~・・ヴォーヌ=ロマネ・・と言うか、本格派のピノ・ノワール!」
を飲んでいる満足感に浸ってしまいます。
2017年は2016年より、より複雑性が高く品格を感じる味わいです。結果として涼しかった2016年は、その冷ややかな味わいの中に複雑性を溶け込ませていた様子でしたが、2017年はそれをすでに表情として感じられます。明るい赤には透明感が有り、見事なまでの「あっけらかん」としたニュアンス・・・なのに、香りも味わいも非常に複雑で、ヴォーヌ=ロマネ的な芳香をスピード感を持って感じさせてくれます。
昔はこんなに香らなかったんですけどね・・抜栓直後は。今はコンディションも良いのか、それとも自然派的アプローチのなせる業か、柔らかに感じるアロマ、皮革、スパイス、しなやかな石灰+粘土のニュアンスが、素直に「すっ」と立ち昇ってきます。
ポテンシャル+ロケーション+価格を考え併せますと、
「こんなA.C.ブルは他に無いぞ!」
と言えるかと思います。
近年は非常に人気が高く、しかもエージェントさんが変わってしまったことも有って、確保するのが結構に大変です。もう追加分は(少なくとも今回の入港分は)無いでしょう。お早めにお手当ください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【旨いです!今時このプライスで、これほどまでの高みを見せるACブルゴーニュ・・・しかもヴォーヌ=ロマネをしっかり感じさせてくれるものは無いです!】
とても良い出来です!・・滅茶健全だった2015年の健康美こそ、手に入れることは出来なかったようですが、
「このACブルを飲むと2016年も安泰!」
とばかりに安心出来ます・・(^^;;
まぁ、世界一リーズナブルとも言えるようなヴォーヌ=ロマネのドメーヌが造る、ヴォーヌ=ロマネの畑のACブルゴーニュです。
面白いのはやはり2015年ものとの写真の比較でしょう。ぜひじっくりご覧ください・・どうでしょう?・・これ、とっても良く撮れていて、ものの見事に味わいさえ写し取ったかのようです・・自画自賛って奴です。
健康美溢れる2015年のレ・パキエは、透明感がしっかりしていてやや冷たいような色、紫の色合いが美しいです。
対して2016年のレ・パキエはどうでしょう?・・やや赤みが強く、より濃く、ほんのりと白っぽいように見えないでしょうか?
まぁ、今のところ・・の話しでは有りますが、おそらくこの傾向で多くの2016年ものは仕上がっているのかな?・・と言う感じを持っています。勿論ですが各村での凸凹は有ると思います。
特に全房発酵と言う、ちと難しい技術を得意とするジャン=ルイ・ライヤールですから、葡萄の完熟のタイミングが命です。2016年はそれがやや遅れた年と言うことになりますから、タンニンの抽出がやや強めにで易いと言うことになったかと思うんですね。
ところがですね・・この辺が「肝」かと思うんですが・・実に上手なんですね・・。しっかりと溶け込んだタンニンですから、タンニンをタンニンとして認識し辛く、非常に美しく感じてしまうんですね。2015年ものの印象をしっかりと覚えていない限り、
「多分・・区別できない」
と思えるほどです。
しかも、旨味を持った酸の味わいは非常に複雑です。エレガントでエキス系の超ドライで旨味バッチリで・・複雑性が高い・・んです。しかも目立たないとは言え、良い感じにタンニンを持っていますから、何年か後には、
「ボディがぷっくりと膨らむし、さらに熟せば大柄なスタイルを見せ始める」
となると、2015年と2016年はどちらがポテンシャル高いと言えるでしょうか?・・判断は非常に難しいですよね。
全房発酵が生んだ奇跡・・なのかもしれません。
かのアンリ・ジャイエも、
「果梗が健康な時は絶対に使用する。もしくは半分ほど使う。」
と言っていたと思います。
今までに何度も書いていますので「耳タコ」かもしれませんが、かの御大の1984年エシェゾー・マグナムを十数年前に飲んだ時、見事な構造に感動しました。勿論・・もう、構造しか残って無かった・・フレーヴァーは失せ、豊かな味わいなど全く無かった。それでも優れたワインだったと感じさせてくれる見事な構造を、残った酸と溶け込み分解したタンニンが感じさせてくれた・・と感じています。
しかし2016年は1984年のような、
「散々なヴィンテージ」
では有りません。奇跡的に良いワインを生んだと、将来語り継がれるかも・・しれません。
海外の評論家さんたちからは、全く無視されている生産者です・・と言うか、ライヤールが試飲用ワインを彼らに提供しないからそうなる訳です。
旨いお米を作り、旧知のお客さんに販売して終わり・・と言うような感じなのでしょう。是非とも飲んでみて欲しい、非常に優れたヴォーヌ=ロマネのACブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・しなやかに伸びるテクスチュア、健康的な赤紫の果実、パーフェクトな酸のバランス!必飲!!】
非常に・・素晴らしいACブルゴーニュでした!・・このバランスはコート・ド・ボーヌでは有り得無いよなぁ・・としっかりコート・ド・ニュイ的エレガンス、質感を持ち、皮革やスパイスの質感の高さと、見事な球体のエキス味に・・惚れ惚れしてしまいました!・・2014年も素晴らしかったですが、2015年は、そのヴィンテージ背景に「健全健康だからこそのピュアさ」がたっぷり見て取れます。この数年で一番の仕上がりじゃないでしょうか。
いつもでしたら、このACブルと一緒に村名ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュなどのオファーが有るんですが、どうしたものか・・ACブルのご案内しか無かったんですね。
そもそもこの2015年を頼んでいたことをすっからかんと頭の中から消していまして、愚息が登録を間違えて、2014年で伝票を打ち込んでいたものですから・・
「ん?・・そうか、エージェントさんに2014年が再入荷したのを仕入れてたんだっけか・・」
と勘違いしてしまいまして、前回の新着でそのまま「再入荷」で・・ご案内しちゃったんですね。ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。
どこかに不安な要素を持ちつつ、追加分だからと・・詳細を確認しなかったのがミスに繋がりました。毎週のように新着を更新していますと、こんなミスが出て来てしまいます。
しかしながらそんなことも有って・・かなり慎重にテイスティングさせていただきました。
確かに、到着直後・輸入直後由来の「荒れ」は僅かに有るんですが、これは間もなく無くなります。そうしますと・・むしろ良い年のヴォーヌ=ロマネには不足してしまう「低域から上に伸びて行く冷涼な酸」を見事に保持しているこのレ・パキエは、どこまで成長して行くだろうかと非常に楽しみでも有ります。
ましてDRC系の造りですから「エキス系」ですよね・・。甘味もへったくれも全く無い、見事にドライな味わいなんですが、旨みが甘味を呼んでくれます。言ってみれば「膨張系」のワインですので、完熟時は「パンパン」に膨らんだ感じになって行くのが見えるようです。素晴らしい仕上がりでした!
これは是非とも飲んでいただきたいと思います。ピノ・ノワール好きなら、この味わいが気に入らない方は非常な少数派でしょう。お勧めします!激旨いです!
【ブルゴーニュ最高のアペラシオンから奇跡と言えるプライスの、稀有な雅さを内包しつつまだ解放していない美しい2014年ピノ・ノワールです!】
10年振りにチェックしてみたジャン・ルイ・ライヤールです。昔の記事にも書いていますが、結構好みの味わいなんです・・でも、エージェントさんの紹介文が余りにオーバーだと感じていて、
「何だかな~・・」
と、ちょっと一歩下がった立ち位置での物言いになっていました。
しかしながら今回、この村名ヴォーヌ=ロマネと、ヴォーヌ=ロマネ村に有る国道に面した位置のACブルゴーニュを飲み、かなり良い・・と言うか、
「もうあり得ないプライスだろう!」
と言う意を強く持ちました。
ヴォーヌ=ロマネでこんなプライスですよ?・・それもドメーヌもので・・今、2017年時点ではもう考えられないバーゲンプライスです。
それにですね・・色合いを見ていただいてお判りの通り、
「エキスが出ていてかなり良さそう・・」
ですよね。
ヴォーヌ=ロマネはセシル・トランブレイのACブルにも使用されているラ・クロワ・ブランシュの村名区画の上部にあるオー・ラヴィオール(ニュイ=サン=ジョルジュとの境界の畑)、1級レ・スショ直下のオー・メジェール(レ・メジェール)、ラ・ターシュやラ・グランド・リュの上部にある素晴らしい畑、オー・シャン・ペルドリの3つの畑をセパージュしたもの・・と言われています。
これはブルゴーニュの・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネの優れたドメーヌが取り入れている「キュヴェ・ロンド」と言う手法と思われるものでして、標高の低い(下の、東側の)畑と、標高の高い(上の、西側の)畑をブレンドし、特徴の違いが顕著に出る畑の特性をお互いに補う手法です。特にエシェゾーやクロ=ヴージョなどでは一般的です。
実に官能的な美しいグラデュエーションです。黒味を帯びた赤ですが、赤もシンプルに彩度が有る・・と言うよりも、どこかやや陰りを見せるような・・妖女のようなニュアンスです。
アロマは諸にヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスを持っていて、まだ見せないわよ!・・と言われているようにも聞こえますが、薄手のブラウスから要素が透けて見えるようです。
以前は、
「DRCどうのこうのは関係無い」
と言っていたのですが、この2014年ものを飲んでからは・・そろそろ・・撤回します。いや・・実に良い感じです。
早いっちゃ・・全然早いんです。硬さも有るし膨らみ切らない恨みも有る・・。しかし、例えばジュヴレのギイヤール的な、完全発酵で全くの残糖感無しなエキスも有りますが、ギイヤールよりもエキスの濃度と質は上・・でしょう。これはジュヴレとヴォーヌ=ロマネのエレガンスの差かもしれません。
似ているのはミュヌレ=ジブールと、やはり・・DRCです。ラマルシュには余り似ていません。ラマルシュの、全てを許容してしまうような優しさはまだ全く出て来ていません。いずれ出て来るにしても・・です。
ミュヌレ=ジブールには非常に良く似ていますが、取っつきやすさはミュヌレ=ジブールが上です。旨みの形成された酸からのエキスの構成は、さすがミュヌレ=ジブールと言えるかと思いますが、これは先の「キュヴェ・ロンド」を構成する畑が、ミュヌレ=ジブールの場合は「もっとも標高が高い畑」+「もっとも標高が低い畑」では無くて、もっと中央に寄っている・・・つまり、元の畑のポテンシャルがより高いことに由来すると思います。
DRCにはかなり似ています・・ラ・ターシュを若飲みした時のようなニュアンスが有りますが、DRC独特の樽のニュアンスや畑の格の違いなどから、到底追い付きはしない・・と言えるでしょう。
しかしながら、村名ヴォーヌ=ロマネとすると非常に複雑でポテンシャルが高いのが判ります。複雑さはややもすると一体感を損ないますが、そんなことには陥りません。どこかにヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュや1級が持つ荘厳さも漂い、要素の目の詰まりや、ヴォーヌ=ロマネでしか出て来ない気品も漂っています。
今飲んでも飲めます。でも、春まで待った方が良いかもしれません。そして非常に超熟です。5年経って柔らかくなり始め、10年経ってかなり美味しくなり、25年ほどは持つでしょう。これは是非飲んで欲しいワインです・・って、非常に安いですよね?

こちらはACブルゴーニュです。畑は「レ・パキエ」と言って、ロマネ=サン=ヴィヴァンから道を下がって行ったところに有ります。国道を挟んで斜向かいが「オー・ソール」と言う村名畑です。
こちらも村名ヴォーヌ=ロマネとタイプはそっくり、要素を少し・・と言うかだいぶ削ぎ落した感じに仕上がっていますが、ACブルゴーニュとすると充分過ぎるほどです。
タイプがそっくりですから、ギイヤール的に完全発酵、非常にドライでややタイト、ミュレ=ジブールに似てエキス感が有ります。黒い果実に赤い果実が混ざり、果皮の割合の高い、妖艶なニュアンスを奥に隠し持っています。スパイス感も同様です。熟すと少しワイルドな感じが出て来そうです。
余分な贅肉を感じない、完全エキスのワインで、初期に短期間低温で漬け込むことが有るかもしれませんが(無いとは思います)、比較的低めの温度で発酵させるようなアンリ・ジャイエ的な果実フレーヴァーでは有りません。醸造関係から由来して感じられるニュアンスはモロにDRC的です。
ヴォーヌ=ロマネ村とは言っても、ACブルにはほぼ出て来ないヴォーヌ=ロマネ特有のエレガンス、荘厳さを持っているのには驚きです。今飲んでもそれなりに美味しいですが、5年経ったらかなり凄いでしょう。10年熟成させておいて、笑って許せる気の置けない仲間内のワイン会にブラインドで出すと・・きっと笑える結果になると思いますよ。大抵・・上級ワインと大いに間違えるでしょう!
ただし、今すぐに飲んで「凄~く美味しい!」と言えるかは、飲まれる方がポテンシャルを取れるかどうかに掛かっています。noisy 的には今でもとても美味しいんですが、ポテンシャルを見ずに、一度自身の理想に当てはめてその場の判断をするタイプの方は、少なくとも3年は置いた方が良いでしょう。むしろ、村名ヴォーヌ=ロマネの方がポテンシャルを取り易いので、
「ACブルゴーニュの倍までもしないリーズナブルな村名ヴォーヌ=ロマネ」
が良いかもしれませんし、
「ジャン・ルイ・ライヤールの造りを理解するためならACブルゴーニュで充分」
とも言えると思います。
10年ぶりに仕入れてみたジャン・ルイ・ライヤールですが・・非常に良かった・・と言うか、こんな価格なら奇跡ですね・・。化石と言っても良いかもしれません。きっと・・飲みたくなったんじゃないかと思います!大き目のグラスで振り回しながら楽しんでください。超お勧めします!
以下は10年前(2004年もの)のジャン・ルイ・ライヤールの記事を引っ張り出しています。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】 今回テイスティングしたのはニュイ・サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。
このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisy も好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。
さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。
また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。
総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。
●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン
●2004 ヴォーヌ=ロマネ
この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。
●2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
DRCで育った男でも、ニュイ・サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ
このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!