ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

ジャン=ルイ・ライヤール

フランス Domaine Jean-Louis Raillard ブルゴーニュ
● ヴォーヌ=ロマネに有って、非常に質の高いエキス系の見事な味わいのワインを、非常にリーズナブルに提供してくれる唯一のドメーヌ、ジャン=ルイ・ライヤールの2019年ものが入って来ました。毎年全く残ることなく完売を続けていますが、それはやはりヴィンテージ背景が見えつつ見事な仕上がりを見せる味わいとコストパフォーマンス故でしょう。

 早速届いた2019年ものを、トップ・キュヴェのヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンを除いて4アイテム、テイスティングさせていただきました。

 2019年はライヤール本人が言うように、とても収穫量が少ないヴィンテージですが、「ミルランダージュ」の葡萄が多く、いつもよりやや長熟さのある仕上がりになっています。

 細かいことは各コラムに記載させていただきますが、その中でも・・

「早く飲んでも美味しい・・早い仕上がりをしているキュヴェ」

は、村名ニュイ=サン=ジョルジュと、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュです。

 村名ニュイ=サン=ジョルジュは今の段階で結構に開いた感じが有り、美しいエキス感からの表情についつい・・うっとりしてしまうほどです。

 また、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュがまた素晴らしい出来で、今までで一番・・ほぼ完全にエキス化がされ、微細な表情が複雑性により多彩で官能ささえ感じられるものです。これは少ないですが・・飲んだらビックリするほどだと思います。

「少し休ませて・・もしくは熟成させて飲むべきキュヴェ」

は、村名ヴォーヌ=ロマネとA.C.ブル赤のレ・パキエです。勿論ですが、飲めていないレ・ボーモンもそうかと思います。

「2019年ものはミルランダージュが云々・・」

と言うライヤール本人の言葉が裏付けられる味わいで、相当に集中していて、見事なタンニンが有り、ミルランダージュらしい濃密な味わいに仕上がっています。その反面、

「まだ仕上がり切っていない」

のもしっかりと透けて見えています。ややタンニンが前に出ていて、エキスな味わいではあるものの、まだまとまり切っていないんですね。

 ですのでこの2アイテムは、

「最低1カ月の休養」

が必要で、出来ることなら「オリンピックが終わった頃」から手を付け始めるのが正解かと思います。

 ですが、仕上がり自体は相当に良く、2015年ものの美しい仕上がりに凝縮感からの力強さを加えたようなニュアンスですので、相当に期待できると確信しています。

 どうやら今回の2019年ものは一発で終了のようですので、是非ご検討の上、お早めにご注文いただきますようお願いいたします。

■2019 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
 2018 年の12 月は雨が多く、平年よりも2.2 度も高い気温で年が暮れました。2019 年は、平均よりも約1.1 度暖かい温暖な3 月によって芽吹きは平年よりも早く、およそ半分の畑で4 月初めに芽吹きました。しかし、寒波の訪れと4 月5 日の霜によって、芽吹きが早かったブドウ木が被害を受けてしまいました。

 4 月中旬からは、気温が上がり、5 月になると夏のような熱波に見舞われ、少しの雨を交えて、熱波は6 月初めまで続きました。6 月に入ると涼しい気温と風によって、ブドウ木の成⾧が鈍り、結実不良によるミルランダージュが起こりました。しかし、日照量は平年よりも多く、7 月から収穫までの2 か月の気温は平年よりも高く、水不足が心配になるほどでした。

 それでもブドウ木は干ばつに耐え、9 月の好天によって、成熟したミルランダージュの(それでも良好な酸を備えた)ブドウを得ることができました。この素晴らしい天候と、病気にかからなかった全く健全なブドウを状態に鑑みて、収穫を10~12 日ほと遅らせ、9 月19~21 日に収穫しました。2019 ヴィンテージは、タンニンと酸、自然アルコール度数のバランスが完璧で、前途有望で、素晴らしい熟成のポテンシャルを秘めています。
ジャン・ルイ・ライヤール

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 待望の2018年、ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤールのご紹介です。これほどまでにリーズナブルで、ブルゴーニュの聖地の素晴らしい味わいを届けてくれるのは、ジャン=ルイ・ライヤールだけです。他にいらしたら是非教えてください・・(^^;;

 今回は、あのフラッグシップ、1級のレ・ボーモンもいただきました。これは非常に希少です。

「あと7割増しで欲しい!」

と言って交渉したんですが・・何だかんだと言い訳された挙句、結局最初に提示された量しか来ませんでした。(・・だからそれじゃテイスティング代が出ないってば!)

 2018年も非常に素晴らしいです。伸びやかで健康な2017年ものに対し、2018年ものは「複雑性」が乗っかっていますので、ポテンシャルは確実に上回り、その分、育っていくのに少しタイミングが遅くなる・・と感じました。

 それにしても滅茶美味しい!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者で最もリーズナブルで最もエキシーです。A.C.ブルでさえ・・非常に・・です。(ここでは書きませんが・・)是非ともご検討くださいませ。


■2018ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント

 2018年の冬は湿気が多く雨がちでしたが、4月初めからの季節外れの暖かさで、ブドウの芽吹きは非常に早くなりました。しかし、5月上旬に気温が氷点下にまで下がり、ブルゴーニュは霜の被害を受けてしまいました。幸運なことにヴォーヌ・ロマネは被害を免れました。その後暑さが戻り、ブドウは5月末に開花しました。そして良好な条件のもとで成長しました。

 6月に入ると雨がちの日が2週間程続きました。この間はべと病の心配がありましたが、管理を怠りませんでした。その後は乾燥した暑い日が戻り、それは収穫前まで続きました。

 2018年は4月から9月にかけて、1559時間の日照時間がありました。これは平年よりも20%も多い日照時間です。この日照量のおかげで、酸と糖とタンニンの並外れたバランスを備えた、健全で成熟した素晴らしいブドウを収穫することができました。

ジャン・ルイ・ライヤール

━━━━━
 ジャン・ルイ・ライヤールの2017年が少量入荷してきました。大変小さなドメーヌですので、人気の高さに数が本当に足りません。

 2016年ものの美しいエキスのワインには皆さんも心を奪われたに違いありません。難しかったはずのヴィンテージに「そつなく」ではなく、「すばらしい」ワインに仕上げた実力は確かなものと言えます。

 2017年ものは前年のような苦労は無かったようです。前年はほぼ9月の後半(28日頃)に収穫していますが、2017年ものは前半(8~9日頃)ですから、3週間も早いですし、生産量も1.5倍~1.7倍ほどに増えているようです。

 で、非常に少ない1級レ・ボーモン(公称900本)は片手の指さえほとんど余るほどの数量しか入ってませんので飲めませんでしたが、A.C.ブル、村名ニュイ=サン=ジョルジュ、村名ヴォーヌ=ロマネをテイスティングさせていただき、2017年ものの姿を見させていただきました。

 2016年ものがリリース直後から凄いバランスを見せたのに対し、2017年ものはより複雑性高く、より品格を感じる味わいでした。ある意味、リリース直後から完成された味わいの2016年・・は、最初から非常に美味しかった訳ですが、2017年と比較してしまえば複雑性は届かなかったかと言えます。

 2017年は複雑性の高い味わい・・つまりよりポテンシャルが高い訳で、その分、「現時点でのまとまり」と言う点では2016年に及ばない訳です・・村名ニュイ=サン=ジョルジュを除いては。

 いや~・・ニュイ村名、今絶好調です。滅茶苦茶旨いです!・・しかも激安ですし!・・勿論、A.C.ブルもA.C.ヴォーヌ=ロマネもその意味では「時間の問題」です。輸入の疲れが取れた休養バッチリ状態に持ち込んでいただいた段階で、

「エキスたっぷり!ピュアでエレガント、複雑性も高い見事な激安ピノ・ノワール!」

に大変身です。


 ブルゴーニュワインの暴騰が懸念される中、ブルゴーニュのど真ん中の誰もが飲みたいと思っているピノ・ノワールをリーズナブルに供給してくれている数少ないドメーヌさんです。是非飲んでみてください。超お勧めします!


━━━━━
 素晴らしかった2015年ものは、ま~・・飛び抜けて美味かったですよね~。しかも価格も実にリーズナブル!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者さんですよ?・・今時はヴォーヌ=ロマネ村名など、ネゴスものでもこんなプライスは不可能かと思いますが、それも、

「滅茶美味しい!」

ですからね。2016年ものも期待してテイスティングに臨みました。今回は1級レ・ボーモンは無し、次回以降の入荷を期待しています。

 物凄く健全で何のストレスも継ぎ目も無い見事な2015年ものに比べ、2016年ものはやはり2016年らしい複雑性を秘めた大きな構造のワインだと言えます。

 この辺の仕上げ方は実に見事で、

「ジャン・ルイ・ライヤールって、こんなに造りが上手かったんだ・・」

と驚かされました。


 今飲んで納得の味わい、3年後に期待を大きくし、6年後以降、大きく膨れたボディからエレガンスと複雑なアロマを見せてくれるものと感じた2016年です。

■ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップ
 【1968 年から全房発酵を貫くヴォーヌ・ロマネの小さな巨人】

 1968 年から元詰を開始したドメーヌ・ライヤールは、栽培面積3ha 弱、総生産量5?6 千本という、他のヴォーヌ・ロマネのドメーヌに比べて極めて小さなドメーヌです。ガイド等への掲載は殆どありませんが、コストパフォーマンスの高さで、欧米では個人客を中心に高い人気を集めています。

■全房発酵の第一人者
 温暖化の影響と世代交代によって、2010 年代からブルゴーニュで急速に導入が進んでいます。しかし、ジャン=ルイ・ライヤールは元詰めを始めた1968年から半世紀近く一貫して全房発酵にこだわり続けてワイン造りをしてきました。全房発酵を行うためには何よりもブドウの果梗まで成熟させる必要があり、収穫をぎりぎりまで遅くしなければなりません。また、ピジャージュ(櫂入れ)は機械を使わずに足で行わなければならず、より多くの手間がかかります。ジャン=ルイ・ライヤールはDRC やルロワと共通するこの哲学をずっと実践し続けている全房発酵の第一人者なのです。

■職人的な緻密な作業から生まれる真のハンドメイドワイン
 ジャン=ルイ・ライヤールは、ロマネ・コンティで働いていた両親から1989 年にドメーヌを継承しました。彼は自分の目の届く範囲の小さな畑で、職人的な緻密な手作業による「真のハンドメイドワイン」にこだわって仕事をしています。例えば、発酵層からワインを引き抜く際も機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。ドメーヌのワインの品質向上は特に2010年代に入ってから目覚ましく、ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップしています。

■ドメーヌの醸造について
 近年のブルゴーニュでは、湿度が高い涼しい夏、そして夏の日照不足を補って余りある程の素晴らしい9 月の天候によって、可能な限り成熟したブドウを得るために、以前よりもずっと遅く収穫ができるようになりました。それは特に梗の成熟に顕著に表れています。こうしたことから、近年、全房発酵がブルゴーニュで広がりを見せているのだと思います。いずれにしても、全房発酵を行うためには成熟した果梗を得ることが非常に重要です。私のドメーヌでは最も良く熟す区画や除梗しないブドウに適した区画を毎年見極めて果梗のついたブドウを収穫しています。

 まず、全房のブドウを発酵層の深部に置くことで、発酵が?く行われるという効果があります。全房のブドウはブドウの粒の中で発酵が行われるため、発酵層の中に温度の高い核の部分が生まれ、30度を超える温度が?く維持されるのです。そして、アルコール発酵の期間がより?くなることによって、最上の抽出と、異なる成分(タンニン、色素、ポリフェノールなど)の間の自然な結合が可能になります。また、果梗が発酵中の急激な温度上昇を抑えて、固体と液体の間の良好なバランスを取ってくれます。発酵中に機械を使うピジャージュ(櫂入れ)やポンピングオーバー、激しい攪拌を行うと、揮発性の高いアロマがピノ・ノワールから失われてしまいます。このため、ドメーヌではこのような激しい行為を行わず、足でソフトなピジャージュを行って、揮発性の高いアロマがワインに残すようにしています。

 果粒の中で発酵したマストは、圧搾によって開放されて、焙煎やトースト、スグリなどのブラック・フルーツのノートを備えた凝縮したアロマを生み出します。また、新鮮なレッドフルーツのアロマを除梗したブドウの部分にも広げる作用もあります。それから、発酵層からワインを引き抜く際、発酵前には緑色であった果梗が深い赤色に変わっていることを確認することができます。これは、果梗が発酵中に一部の色素とアルコールを捕える働きがあるからです(*このためワインの色調がやや薄くなります)。この際、果梗は内包していた水分を放出しますが、ヴィエイユ・ヴィーニュは若いブドウ木に比べて水分が非常に少ないという特徴があります(このため、ヴィエイユ・ヴィーニュの方が全房発酵に向いていると言えます)。幸いにもドメーヌの畑は樹齢が60?80 年を超えるブドウ木が大部分を占めているため全房発酵向きと言えます。

 果梗と一緒に発酵させることは、樽熟成の際に不快なアロマや還元反応を引き起こす原因となる大きな澱や沈殿物を皮や果梗が捕らえてくれるため、ワインが自然な形で濾過されるという利点もあります。このため樽に移されたワインは清澄度が高く、マロ発酵終了後も樽熟成の間も、澱引きや樽の移し替え、あるいはポンプを使った作業などは一切することなく、静かに寝かせておくことができます。そして、熟成後も無清澄・無濾過の瓶詰めが容易になります。

 ドメーヌでは、発酵層からワインの引き抜く際は機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。手作業でワインを移し替えるため、ブドウの皮や種、果梗をこねくり回すことはありません。また、圧搾も非常にソフトに行うことができます。このため、ワインには不快なえぐみや苦み成分が付くことはなく、ワインに過剰なストレスを与えることもありません。

 ドメーヌのワインは14?18 ヶ月の間、澱と一緒に熟成されます。ワインは、細かな澱から栄養を補給して、ふくよかで豊かになり、トーストしたパンを思わせるアロマや柔らかな口当たり、そしてタンニンを包み込んでビロードのような口当たりを生み出す粘性を獲得します。バリックでの熟成においては、焼きのややしっかりした新樽の比率を高めにしています。これはバリックが、発酵中と発酵後の果皮浸漬の際、特に醸造温度が30 度を超える際に、抽出されたブドウの種に由来するタンニンを補完してくれるしっかりと溶け込んだタンニンをワ
インに付与するともに焼いた木の微かなニュアンスももたらしてくれるからです。

 ドメーヌでは熟成中にバトナージュは行いません。なぜなら、澱は低気圧の時にはワインの中に均等に浮遊し、高気圧の時には樽の底に沈殿するため、バトナージュと同じ効果を自然にもたらしているからです。この特性を利用して、ドメーヌでは瓶詰めの一ヶ月前の高気圧の時期にワインの澱引きを行ない、瓶詰め時期もちょうど高気圧の時期になるようにプログラミングしています。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティも全く同じ方法を取っています。

 一般的に熟成中は、バトナージュをして樽の底に沈殿する澱を浮遊させないと問題が起きると言われます(澱がワインの重さで潰されるため)が、ドメーヌではシュール・リーの状態で熟成させることに関してはいかなる問題も発生していません。幾つかのドメーヌが、澱引きをしないことで還元の問題に突き当たるのは、SO2 の過剰な添加に由来するもののではないかと考えられます。

 ドメーヌのワインは、マロラクティック発酵の際に発生する炭酸ガスによって酸化から守られるため、SO2 を添加する必要がありません。但し、補酒は定期的に行なっています。また、決してポンプを使ってワインを取り扱うことはありません。瓶詰め前にワインを樽から引き抜く際もポンプは使わず、樽の上部の穴からの空気圧によって、ワインを樽から押し出すという自然な方法で行なっています。この方法だとSO2 加える量はごく微量で済み、ワインのアロマの全てを失うことなくワインの中に残すことが出来るのです。

 ドメーヌでは、ワインのアロマはワインの熟成過程における最優先事項の一つと考えています。ワインをシュール・リーの状態で静かに熟成させることによって、新鮮な果物のアロマをしっかりと残しながらも、焙煎や燻した香りやトーストなどのトリュフに近いような香りもより多く残すことが出来るのです。



2019 Bourgogne Rouge les Paquiers
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ

16107
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

■エージェント情報
 ヴォーヌ=ロマネのクリマ“レ・パキエ”から産まれる純ヴォーヌ=ロマネ産のブルゴーニュ・ルージュ。

 ドメーヌがリュー・ディ“レ・パキエ”に所有する区画は、平均樹齢51 年、栽培面積0.35ha の小さな区画。
手摘みで収穫したブドウを畑とセラーで2度選果した後、完全に除梗して、自然酵⺟のみで発酵を行う。発酵前半はオープントップの状態で1 日2 回の櫂入れを施す。発酵後半は蓋をして、櫂入れは1 日1 回に留める。発酵期間は約6 日間で、その後、引き続き3 日前後の果皮浸漬を行う。キュヴェゾンの期間はトータルで約11 日間。発酵槽から引き抜いて圧搾し、Sirugue シリュグ社製の木目の細かいアリエ産のバリックに移して熟成を施す。熟成はバリックでシュール・リーの状態で行う。熟成中、澱引きは行わず、瓶詰めの約1 ヶ月前の高気圧の時期を見計って1 回のみ澱引きを行い、1 ヶ月後の同じく高気圧の時に無清澄・無濾過で、ポンプ等は一切使わずに、重力を利用して自然に直接樽から瓶詰めする。
 2019 年物は9 月20 日に収穫。全房比率10%。新樽比率20%、熟成期間15 ヶ月。2021 年1 月時点のSO2 トータルは65mg/l。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,490 (外税) 
【この時点で仕上がり切っていないのは・・「ミルランダージュ」の葡萄が混じった故でしょう!乞うご期待!】
 ライヤールのレ・パキエやヴォーヌ=ロマネと言えば、ま~・・noisy もビックリするほど売れるので、出来うる限り量を抑えたいところなんですが・・ライヤール自体、生産量が多くないので、非常に辛いところなんですね。

 で、エージェントさんが「2019年ものが入荷した」と言うので、

「沢山割り当ててね!」

と、量はいつもよりさらに少ないが、良い葡萄が採れたと言うのでプレッシャーを掛けておきました。

 早速飲んでみると・・

「・・ん?」

ですよ・・。いつもの美し~~い、ライヤールのレ・パキエの味わいとは異なるんですね。一瞬、

「(・・やっちまったか!)」

とも思ったんですが、よくよくテイスティングしてみると・・いつもよりも密度が高いんですよ。そして、良質なタンニンもいつもより多めで、ちょっとまだ有れている感じなんです。そもそも「エキス感たっぷりの超ドライな味筋」ですから、仕上がる前は・・結構に荒れて感じられてしまう訳です。

 昨年の2018年もののご紹介は、今6月後半ですので、1カ月以上早かったと思います。ですが、それを見たとしても、まだ仕上がり切っていない訳ですね。

 noisy 的感覚ですと、輸入疲れを取るのに1カ月、エルヴァージュの残り部分を消化するのに1カ月・・位かな?・・と思います。なので、

「東京オリンピックが終わった頃から!」

が飲み頃入りかと思うんですね。

 何しろ・・(おそらく)ミルランダージュ混じりは間違い無いですから・・あ、是非2018年以前のものと色調も比較してご覧くださいね。全然違うでしょう?・・濃密ですよね。そもそもライヤールは抽出を強くしよう・・などとは考えない人ですから、

「そうなってしまった!」

訳です。決して抽出を強くして濃くなった訳では無く、

「(粒の小ささから果汁:果皮のバランス的に)果皮が厚い葡萄だから濃い」

訳です。当然ながらタンニンも・・果汁が少ない訳ですから、やや前面に出てくる。そしてそれが溶け込んでくるのに時間が掛かり気味になる・・そんな流れです。

 ですので、

「仕上がったら相当に旨いはず!」

と踏んでいます。


 エージェントさんによりますと今回の2019年は数が無く、「一発のみのご案内」で終了だそうです。2018年はヴォーヌ=ロマネなどは2度、入っていましたので・・それでも早々に完売してしまうほどの人気でした。相当に期待できるA.C.ブル、レ・パキエ。是非ご検討くださいませ。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【深~く優しいヴォーヌ=ロマネ的要素をたっぷり感じさせてくれるピュア&ナチュラルな、そしていつもよりちょっと複雑性高いA.C.ブルです!】

 ロマネ=サン=ヴィヴァンから真っすぐ下がって行った辺り、白のレ・シャサーニュの南に接するのがこの「レ・パキエ」です。毎年大人気で、すぐに無くなってしまいますから、

「オファーの有った数の7割増しで」

とお願いしたんですが、結局スルーされてしまいました。

 まぁ、1級のレ・ボーモンが有りますから、全アイテムがそっくりアソートになってまして・・なので、noisy が要求した量がどうやら全体の1/2~2/5ほどだったようです。なので要求を飲むことが出来なかったのでしょう。

 ヴォーヌ=ロマネ村に有りますからヴォーヌ=ロマネのワインでは有りますが、A.C.ヴォーヌ=ロマネを名乗れるわけでは有りません。国道の東側を村名以上にはクラスしないのが基本的なお決まりです。あのクロ・ド・ヴージョでさえそうです。

 しかしながらこのワインを飲むと、脳裏に浮かんでくるのは・・しっかりヴォーヌ=ロマネなんですよね。

 そして2018年ものは2017年の「真っすぐな性格」よりは、「もう少しお利口さん」みたいな感じだと思います。より複雑で、簡単じゃない・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネ似、それだけでスルーしてしまうのは勿体無い・不足していると感じます。

 写真をご覧いただきますと、やや濁りが見えるかもしれません。まだ完全に落ち着いていないうちに飲まざるを得ない状況だったんですね・・その理由はいずれ判るかと思いますが、それでも、

「アロマの上がりの早いナチュラルさにピュアさ、ヴォーヌ=ロマネらしい細やかでしっとりしたスパイス、美しいエキスで適度に膨らみつつ、要素の複雑性を見せつつ美しく消えて行く」

 見事な味わいでした。

 年間通して売れれば有難い・・ワイン屋としてはそんなアイテムです。少ないのですぐ無くなってしまうと思いますのでお早めにお手当ください!お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【健康的でピュア、そしてヴォーヌ=ロマネ的な複雑性とエレガンスを兼ね備えた滅茶苦茶リーズナブルなA.C.ブルゴーニュです!】

 ロマネ=コンティの畑からロマネ=サン=ヴィヴァンへまっすぐ下り、ヴォーヌ=ロマネの村を通り過ぎて村名オー・ジャッシェ、オー・ゾルムを通り過ぎるとこのレ・パキエと言うレジョナルの畑に到着します。まぁ、ロマネ=コンティの真下・・では有りますが、距離はそこそこに有ります。・・直線で800メートル位でしょうか。

 なので・・と言う訳では有りませんが、似ちゃいません。大まかには似ていたとしても隣の畝になったらもう全然違ってしまうのがブルゴーニュの畑な訳ですから、それを言ったらおしまいよ・・と言うことですよね。

 ですが、完全エキス化された非常にドライな味わいと、発酵期間が短い=高温発酵由来の味わいは、同じ方向を感じますし、

「・・ん~・・ヴォーヌ=ロマネ・・と言うか、本格派のピノ・ノワール!」

を飲んでいる満足感に浸ってしまいます。


 2017年は2016年より、より複雑性が高く品格を感じる味わいです。結果として涼しかった2016年は、その冷ややかな味わいの中に複雑性を溶け込ませていた様子でしたが、2017年はそれをすでに表情として感じられます。明るい赤には透明感が有り、見事なまでの「あっけらかん」としたニュアンス・・・なのに、香りも味わいも非常に複雑で、ヴォーヌ=ロマネ的な芳香をスピード感を持って感じさせてくれます。

 昔はこんなに香らなかったんですけどね・・抜栓直後は。今はコンディションも良いのか、それとも自然派的アプローチのなせる業か、柔らかに感じるアロマ、皮革、スパイス、しなやかな石灰+粘土のニュアンスが、素直に「すっ」と立ち昇ってきます。

 ポテンシャル+ロケーション+価格を考え併せますと、

「こんなA.C.ブルは他に無いぞ!」

と言えるかと思います。


 近年は非常に人気が高く、しかもエージェントさんが変わってしまったことも有って、確保するのが結構に大変です。もう追加分は(少なくとも今回の入港分は)無いでしょう。お早めにお手当ください。お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【旨いです!今時このプライスで、これほどまでの高みを見せるACブルゴーニュ・・・しかもヴォーヌ=ロマネをしっかり感じさせてくれるものは無いです!】

 とても良い出来です!・・滅茶健全だった2015年の健康美こそ、手に入れることは出来なかったようですが、

「このACブルを飲むと2016年も安泰!」

とばかりに安心出来ます・・(^^;;


 まぁ、世界一リーズナブルとも言えるようなヴォーヌ=ロマネのドメーヌが造る、ヴォーヌ=ロマネの畑のACブルゴーニュです。

 面白いのはやはり2015年ものとの写真の比較でしょう。ぜひじっくりご覧ください・・どうでしょう?・・これ、とっても良く撮れていて、ものの見事に味わいさえ写し取ったかのようです・・自画自賛って奴です。


 健康美溢れる2015年のレ・パキエは、透明感がしっかりしていてやや冷たいような色、紫の色合いが美しいです。

 対して2016年のレ・パキエはどうでしょう?・・やや赤みが強く、より濃く、ほんのりと白っぽいように見えないでしょうか?


 まぁ、今のところ・・の話しでは有りますが、おそらくこの傾向で多くの2016年ものは仕上がっているのかな?・・と言う感じを持っています。勿論ですが各村での凸凹は有ると思います。

 特に全房発酵と言う、ちと難しい技術を得意とするジャン=ルイ・ライヤールですから、葡萄の完熟のタイミングが命です。2016年はそれがやや遅れた年と言うことになりますから、タンニンの抽出がやや強めにで易いと言うことになったかと思うんですね。

 ところがですね・・この辺が「肝」かと思うんですが・・実に上手なんですね・・。しっかりと溶け込んだタンニンですから、タンニンをタンニンとして認識し辛く、非常に美しく感じてしまうんですね。2015年ものの印象をしっかりと覚えていない限り、

「多分・・区別できない」

と思えるほどです。


 しかも、旨味を持った酸の味わいは非常に複雑です。エレガントでエキス系の超ドライで旨味バッチリで・・複雑性が高い・・んです。しかも目立たないとは言え、良い感じにタンニンを持っていますから、何年か後には、

「ボディがぷっくりと膨らむし、さらに熟せば大柄なスタイルを見せ始める」


 となると、2015年と2016年はどちらがポテンシャル高いと言えるでしょうか?・・判断は非常に難しいですよね。


 全房発酵が生んだ奇跡・・なのかもしれません。


 かのアンリ・ジャイエも、

「果梗が健康な時は絶対に使用する。もしくは半分ほど使う。」

と言っていたと思います。


 今までに何度も書いていますので「耳タコ」かもしれませんが、かの御大の1984年エシェゾー・マグナムを十数年前に飲んだ時、見事な構造に感動しました。勿論・・もう、構造しか残って無かった・・フレーヴァーは失せ、豊かな味わいなど全く無かった。それでも優れたワインだったと感じさせてくれる見事な構造を、残った酸と溶け込み分解したタンニンが感じさせてくれた・・と感じています。


 しかし2016年は1984年のような、

「散々なヴィンテージ」

では有りません。奇跡的に良いワインを生んだと、将来語り継がれるかも・・しれません。


 海外の評論家さんたちからは、全く無視されている生産者です・・と言うか、ライヤールが試飲用ワインを彼らに提供しないからそうなる訳です。

 旨いお米を作り、旧知のお客さんに販売して終わり・・と言うような感じなのでしょう。是非とも飲んでみて欲しい、非常に優れたヴォーヌ=ロマネのACブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。ご検討くださいませ。



 以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・しなやかに伸びるテクスチュア、健康的な赤紫の果実、パーフェクトな酸のバランス!必飲!!】

 非常に・・素晴らしいACブルゴーニュでした!・・このバランスはコート・ド・ボーヌでは有り得無いよなぁ・・としっかりコート・ド・ニュイ的エレガンス、質感を持ち、皮革やスパイスの質感の高さと、見事な球体のエキス味に・・惚れ惚れしてしまいました!・・2014年も素晴らしかったですが、2015年は、そのヴィンテージ背景に「健全健康だからこそのピュアさ」がたっぷり見て取れます。この数年で一番の仕上がりじゃないでしょうか。

 いつもでしたら、このACブルと一緒に村名ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュなどのオファーが有るんですが、どうしたものか・・ACブルのご案内しか無かったんですね。

 そもそもこの2015年を頼んでいたことをすっからかんと頭の中から消していまして、愚息が登録を間違えて、2014年で伝票を打ち込んでいたものですから・・

「ん?・・そうか、エージェントさんに2014年が再入荷したのを仕入れてたんだっけか・・」

と勘違いしてしまいまして、前回の新着でそのまま「再入荷」で・・ご案内しちゃったんですね。ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。

 どこかに不安な要素を持ちつつ、追加分だからと・・詳細を確認しなかったのがミスに繋がりました。毎週のように新着を更新していますと、こんなミスが出て来てしまいます。

 しかしながらそんなことも有って・・かなり慎重にテイスティングさせていただきました。


 確かに、到着直後・輸入直後由来の「荒れ」は僅かに有るんですが、これは間もなく無くなります。そうしますと・・むしろ良い年のヴォーヌ=ロマネには不足してしまう「低域から上に伸びて行く冷涼な酸」を見事に保持しているこのレ・パキエは、どこまで成長して行くだろうかと非常に楽しみでも有ります。

 ましてDRC系の造りですから「エキス系」ですよね・・。甘味もへったくれも全く無い、見事にドライな味わいなんですが、旨みが甘味を呼んでくれます。言ってみれば「膨張系」のワインですので、完熟時は「パンパン」に膨らんだ感じになって行くのが見えるようです。素晴らしい仕上がりでした!

 これは是非とも飲んでいただきたいと思います。ピノ・ノワール好きなら、この味わいが気に入らない方は非常な少数派でしょう。お勧めします!激旨いです!





【ブルゴーニュ最高のアペラシオンから奇跡と言えるプライスの、稀有な雅さを内包しつつまだ解放していない美しい2014年ピノ・ノワールです!】

 10年振りにチェックしてみたジャン・ルイ・ライヤールです。昔の記事にも書いていますが、結構好みの味わいなんです・・でも、エージェントさんの紹介文が余りにオーバーだと感じていて、

「何だかな~・・」

と、ちょっと一歩下がった立ち位置での物言いになっていました。


 しかしながら今回、この村名ヴォーヌ=ロマネと、ヴォーヌ=ロマネ村に有る国道に面した位置のACブルゴーニュを飲み、かなり良い・・と言うか、

「もうあり得ないプライスだろう!」

と言う意を強く持ちました。


 ヴォーヌ=ロマネでこんなプライスですよ?・・それもドメーヌもので・・今、2017年時点ではもう考えられないバーゲンプライスです。

 それにですね・・色合いを見ていただいてお判りの通り、

「エキスが出ていてかなり良さそう・・」

ですよね。


 ヴォーヌ=ロマネはセシル・トランブレイのACブルにも使用されているラ・クロワ・ブランシュの村名区画の上部にあるオー・ラヴィオール(ニュイ=サン=ジョルジュとの境界の畑)、1級レ・スショ直下のオー・メジェール(レ・メジェール)、ラ・ターシュやラ・グランド・リュの上部にある素晴らしい畑、オー・シャン・ペルドリの3つの畑をセパージュしたもの・・と言われています。

 これはブルゴーニュの・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネの優れたドメーヌが取り入れている「キュヴェ・ロンド」と言う手法と思われるものでして、標高の低い(下の、東側の)畑と、標高の高い(上の、西側の)畑をブレンドし、特徴の違いが顕著に出る畑の特性をお互いに補う手法です。特にエシェゾーやクロ=ヴージョなどでは一般的です。

 実に官能的な美しいグラデュエーションです。黒味を帯びた赤ですが、赤もシンプルに彩度が有る・・と言うよりも、どこかやや陰りを見せるような・・妖女のようなニュアンスです。

 アロマは諸にヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスを持っていて、まだ見せないわよ!・・と言われているようにも聞こえますが、薄手のブラウスから要素が透けて見えるようです。

 以前は、

「DRCどうのこうのは関係無い」

と言っていたのですが、この2014年ものを飲んでからは・・そろそろ・・撤回します。いや・・実に良い感じです。

 早いっちゃ・・全然早いんです。硬さも有るし膨らみ切らない恨みも有る・・。しかし、例えばジュヴレのギイヤール的な、完全発酵で全くの残糖感無しなエキスも有りますが、ギイヤールよりもエキスの濃度と質は上・・でしょう。これはジュヴレとヴォーヌ=ロマネのエレガンスの差かもしれません。

 似ているのはミュヌレ=ジブールと、やはり・・DRCです。ラマルシュには余り似ていません。ラマルシュの、全てを許容してしまうような優しさはまだ全く出て来ていません。いずれ出て来るにしても・・です。

 ミュヌレ=ジブールには非常に良く似ていますが、取っつきやすさはミュヌレ=ジブールが上です。旨みの形成された酸からのエキスの構成は、さすがミュヌレ=ジブールと言えるかと思いますが、これは先の「キュヴェ・ロンド」を構成する畑が、ミュヌレ=ジブールの場合は「もっとも標高が高い畑」+「もっとも標高が低い畑」では無くて、もっと中央に寄っている・・・つまり、元の畑のポテンシャルがより高いことに由来すると思います。

 DRCにはかなり似ています・・ラ・ターシュを若飲みした時のようなニュアンスが有りますが、DRC独特の樽のニュアンスや畑の格の違いなどから、到底追い付きはしない・・と言えるでしょう。

 しかしながら、村名ヴォーヌ=ロマネとすると非常に複雑でポテンシャルが高いのが判ります。複雑さはややもすると一体感を損ないますが、そんなことには陥りません。どこかにヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュや1級が持つ荘厳さも漂い、要素の目の詰まりや、ヴォーヌ=ロマネでしか出て来ない気品も漂っています。

 今飲んでも飲めます。でも、春まで待った方が良いかもしれません。そして非常に超熟です。5年経って柔らかくなり始め、10年経ってかなり美味しくなり、25年ほどは持つでしょう。これは是非飲んで欲しいワインです・・って、非常に安いですよね?

 こちらはACブルゴーニュです。畑は「レ・パキエ」と言って、ロマネ=サン=ヴィヴァンから道を下がって行ったところに有ります。国道を挟んで斜向かいが「オー・ソール」と言う村名畑です。

 こちらも村名ヴォーヌ=ロマネとタイプはそっくり、要素を少し・・と言うかだいぶ削ぎ落した感じに仕上がっていますが、ACブルゴーニュとすると充分過ぎるほどです。

 タイプがそっくりですから、ギイヤール的に完全発酵、非常にドライでややタイト、ミュレ=ジブールに似てエキス感が有ります。黒い果実に赤い果実が混ざり、果皮の割合の高い、妖艶なニュアンスを奥に隠し持っています。スパイス感も同様です。熟すと少しワイルドな感じが出て来そうです。

 余分な贅肉を感じない、完全エキスのワインで、初期に短期間低温で漬け込むことが有るかもしれませんが(無いとは思います)、比較的低めの温度で発酵させるようなアンリ・ジャイエ的な果実フレーヴァーでは有りません。醸造関係から由来して感じられるニュアンスはモロにDRC的です。

 ヴォーヌ=ロマネ村とは言っても、ACブルにはほぼ出て来ないヴォーヌ=ロマネ特有のエレガンス、荘厳さを持っているのには驚きです。今飲んでもそれなりに美味しいですが、5年経ったらかなり凄いでしょう。10年熟成させておいて、笑って許せる気の置けない仲間内のワイン会にブラインドで出すと・・きっと笑える結果になると思いますよ。大抵・・上級ワインと大いに間違えるでしょう!

 ただし、今すぐに飲んで「凄~く美味しい!」と言えるかは、飲まれる方がポテンシャルを取れるかどうかに掛かっています。noisy 的には今でもとても美味しいんですが、ポテンシャルを見ずに、一度自身の理想に当てはめてその場の判断をするタイプの方は、少なくとも3年は置いた方が良いでしょう。むしろ、村名ヴォーヌ=ロマネの方がポテンシャルを取り易いので、

「ACブルゴーニュの倍までもしないリーズナブルな村名ヴォーヌ=ロマネ」

が良いかもしれませんし、

「ジャン・ルイ・ライヤールの造りを理解するためならACブルゴーニュで充分」

とも言えると思います。


 10年ぶりに仕入れてみたジャン・ルイ・ライヤールですが・・非常に良かった・・と言うか、こんな価格なら奇跡ですね・・。化石と言っても良いかもしれません。きっと・・飲みたくなったんじゃないかと思います!大き目のグラスで振り回しながら楽しんでください。超お勧めします!



 以下は10年前(2004年もの)のジャン・ルイ・ライヤールの記事を引っ張り出しています。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】
 今回テイスティングしたのはニュイ・サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。

 このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisy も好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。

 さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。

 また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。

 総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。

●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン
●2004 ヴォーヌ=ロマネ
 この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。

●2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
 DRCで育った男でも、ニュイ・サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ
 このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!