ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

ジャン=ルイ・ライヤール

フランス Domaine Jean-Louis Raillard ブルゴーニュ
● 海外メディアにも全く注目されず、評価ポイントさえ下されないヴォーヌ=ロマネの極めて小さなドメーヌで有りながら、

「・・うわ~・・美味しいね~・・綺麗だね~・・エレガントだね~・・!」

と、日本のワインファンを唸らせ続けているのがこの人、ジャン=ルイ・ライヤールさんです。

 飲めばもしかしたら判ると思いますが、全房での高温発酵系で醸造したエキス系のエレガントなピノ・ノワールです。

 また、もしかしたら飲んでも判らないかもしれませんが栽培はビオロジックで、So2 は少量使用するタイプです。

 そして醸造系はD.R.C.同様ですから、味わいもD.R.C.風・・と言うことになります。

 ライヤールさん、ボーヌの教育センターの栽培・醸造の教師をされていらっしゃいます。そんな方が造っておられる素晴らしいワインが、全く注目もされずに放置されている現状は、日本のワインファンにはもしかしたら有難い状況なのかもしれませんが、ワインを取り巻く業界としては非常に残念なことじゃないかとさえ思っています。

 難しかったはずの今回ご紹介分、2021年ものですが、

「ま~・・とにかく素晴らしい!健康的でエキスが美しく出た、まさにお手本のようなピノ・ノワール!」

と言えます。


 流石に超弱い円と、半分ほどしか収穫できなかった性も有り、A.C.ブルで4千円超えになってしまいましたが、長らく3千円ほどで販売させていただいていました。

 もし知らない方がいらっしゃるのでしたら、

「・・そりゃぁ・・とんでもない不幸としか言いようがない・・」

です。


 ジャン=ルイ・ライヤールの2021年、是非飲んでください。低温発酵系のジャイエ風、果実たっぷりなタイプでは有り得ず、高温発酵系のD.R.C.風、美しくも伸びやかなエキスが織りなす、エレガントで官能的なピノ・ノワールの世界を教えてくれます。ご検討くださいませ。


■ 2021 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント

 2021年は、ヴィニュロンの生活を困難にするような天候が相次ぎました。3月は非常に湿った冬の土壌が急速に暖まり、3月末には非常に早い芽吹きが始まりました。

 しかし、4月6日から8日にかけて、3夜連続で気温がマイナス8度まで下がりました。これは、主に斜面に位置するブドウ木が大きな被害を受けました。しかし、4月の天候は非常に乾燥していて、べと病の発生は殆どありませんでした。

 5月は平年に比べて30%を雨が多かったものも、非常に涼しかったため、病害の発生が抑えられました。

 6月は非常に乾燥した暑い月であったため、開花が早く、6月8日から15日にかけてブドウは一気に開花しました。結実も非常に早かったため、この時期の農作業は通常7~8週間かかるところを3週間で行うことができました。

 7月10日頃にブドウ木は平年よりも2~3週間早く房を閉じ、月末にヴェレゾンを開始しました。病気、特にウドンコ病は、ブドウが抵抗力を増すヴェレゾン直前の7月中旬に大攻勢をかけるので、衛生的な監視が必要でした。しかし、数年前から100%オーガニックに取り組んでいる私達(甥のヴァンサン・ペンダヴォワンがドメーヌを徐々に私から引き継いでいます)は、雨季の間にブドウの木を処理し、繊細な時期のブドウを保護することができました。

 8月に入ってからの寒さがブドウの成熟を妨げたましたが、幸いにも8月15日からは気温が高くなり、ブドウの成熟を助ける夏の暑さが戻りました。霜や連続した寒波、熱波に見舞われた区画によっては、成熟度が同じではないため、最高のブドウを得るために9日間かけて何段階かに分けて収穫を行うことになりました。

 結論から言うと、糖度が高く、総酸度も良好なレベルのワインができました。リンゴ酸の量が平均よりやや多いため、マロラクティック発酵が通常より遅れて行われました。収穫まで少し待つことができたので、タンニンの熟成が得られ、1999 年のヴィンテージに近いものとなりました。健全でバラ房の小さなブドウで、ミルランタージュのブドウも少しあり、醸造を行うことができました、果皮はかなり厚く、果汁の収量はかなり少なめでした。このため、私達のこれまでの少量醸造の経験が大いに役立ちました。

 大量生産に慣れている造り手の中には、ほとんど空っぽの大きなタンクで、温度管理、抽出、パンチングダウンを行うことが非常に難しく、機械では不可能な場合もありました。そのため、ポンプを最大限に使ったポンピングオーバーを行った造り手もいました。しかし、これは酸化現象が発生するため、推奨されるものではありません。

 ドメーヌでは、良好な抽出で、美しいルビー色で、小さな新鮮な赤い果実のアロマがあり、柔らかいタンニンと美しいストラクチャーを持つ、将来性のある美しい赤ワインを得ることができました。

 白ワインは、柑橘系のニュアンスを持つアロマが主体で、生き生きとしていて、正確で、時間が経つにつれて丸みを帯びてくるでしょう。

ジャン・ルイ・ライヤール
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 ヴォーヌ=ロマネに有って、非常に質の高いエキス系の見事な味わいのワインを、非常にリーズナブルに提供してくれる唯一のドメーヌ、ジャン=ルイ・ライヤールの2019年ものが入って来ました。毎年全く残ることなく完売を続けていますが、それはやはりヴィンテージ背景が見えつつ見事な仕上がりを見せる味わいとコストパフォーマンス故でしょう。

 早速届いた2019年ものを、トップ・キュヴェのヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンを除いて4アイテム、テイスティングさせていただきました。

 2019年はライヤール本人が言うように、とても収穫量が少ないヴィンテージですが、「ミルランダージュ」の葡萄が多く、いつもよりやや長熟さのある仕上がりになっています。

 細かいことは各コラムに記載させていただきますが、その中でも・・

「早く飲んでも美味しい・・早い仕上がりをしているキュヴェ」

は、村名ニュイ=サン=ジョルジュと、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュです。

 村名ニュイ=サン=ジョルジュは今の段階で結構に開いた感じが有り、美しいエキス感からの表情についつい・・うっとりしてしまうほどです。

 また、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュがまた素晴らしい出来で、今までで一番・・ほぼ完全にエキス化がされ、微細な表情が複雑性により多彩で官能ささえ感じられるものです。これは少ないですが・・飲んだらビックリするほどだと思います。

「少し休ませて・・もしくは熟成させて飲むべきキュヴェ」

は、村名ヴォーヌ=ロマネとA.C.ブル赤のレ・パキエです。勿論ですが、飲めていないレ・ボーモンもそうかと思います。

「2019年ものはミルランダージュが云々・・」

と言うライヤール本人の言葉が裏付けられる味わいで、相当に集中していて、見事なタンニンが有り、ミルランダージュらしい濃密な味わいに仕上がっています。その反面、

「まだ仕上がり切っていない」

のもしっかりと透けて見えています。ややタンニンが前に出ていて、エキスな味わいではあるものの、まだまとまり切っていないんですね。

 ですのでこの2アイテムは、

「最低1カ月の休養」

が必要で、出来ることなら「オリンピックが終わった頃」から手を付け始めるのが正解かと思います。

 ですが、仕上がり自体は相当に良く、2015年ものの美しい仕上がりに凝縮感からの力強さを加えたようなニュアンスですので、相当に期待できると確信しています。

 どうやら今回の2019年ものは一発で終了のようですので、是非ご検討の上、お早めにご注文いただきますようお願いいたします。

■2019 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
 2018 年の12 月は雨が多く、平年よりも2.2 度も高い気温で年が暮れました。2019 年は、平均よりも約1.1 度暖かい温暖な3 月によって芽吹きは平年よりも早く、およそ半分の畑で4 月初めに芽吹きました。しかし、寒波の訪れと4 月5 日の霜によって、芽吹きが早かったブドウ木が被害を受けてしまいました。

 4 月中旬からは、気温が上がり、5 月になると夏のような熱波に見舞われ、少しの雨を交えて、熱波は6 月初めまで続きました。6 月に入ると涼しい気温と風によって、ブドウ木の成⾧が鈍り、結実不良によるミルランダージュが起こりました。しかし、日照量は平年よりも多く、7 月から収穫までの2 か月の気温は平年よりも高く、水不足が心配になるほどでした。

 それでもブドウ木は干ばつに耐え、9 月の好天によって、成熟したミルランダージュの(それでも良好な酸を備えた)ブドウを得ることができました。この素晴らしい天候と、病気にかからなかった全く健全なブドウを状態に鑑みて、収穫を10~12 日ほと遅らせ、9 月19~21 日に収穫しました。2019 ヴィンテージは、タンニンと酸、自然アルコール度数のバランスが完璧で、前途有望で、素晴らしい熟成のポテンシャルを秘めています。
ジャン・ルイ・ライヤール

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 待望の2018年、ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤールのご紹介です。これほどまでにリーズナブルで、ブルゴーニュの聖地の素晴らしい味わいを届けてくれるのは、ジャン=ルイ・ライヤールだけです。他にいらしたら是非教えてください・・(^^;;

 今回は、あのフラッグシップ、1級のレ・ボーモンもいただきました。これは非常に希少です。

「あと7割増しで欲しい!」

と言って交渉したんですが・・何だかんだと言い訳された挙句、結局最初に提示された量しか来ませんでした。(・・だからそれじゃテイスティング代が出ないってば!)

 2018年も非常に素晴らしいです。伸びやかで健康な2017年ものに対し、2018年ものは「複雑性」が乗っかっていますので、ポテンシャルは確実に上回り、その分、育っていくのに少しタイミングが遅くなる・・と感じました。

 それにしても滅茶美味しい!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者で最もリーズナブルで最もエキシーです。A.C.ブルでさえ・・非常に・・です。(ここでは書きませんが・・)是非ともご検討くださいませ。


■2018ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント

 2018年の冬は湿気が多く雨がちでしたが、4月初めからの季節外れの暖かさで、ブドウの芽吹きは非常に早くなりました。しかし、5月上旬に気温が氷点下にまで下がり、ブルゴーニュは霜の被害を受けてしまいました。幸運なことにヴォーヌ・ロマネは被害を免れました。その後暑さが戻り、ブドウは5月末に開花しました。そして良好な条件のもとで成長しました。

 6月に入ると雨がちの日が2週間程続きました。この間はべと病の心配がありましたが、管理を怠りませんでした。その後は乾燥した暑い日が戻り、それは収穫前まで続きました。

 2018年は4月から9月にかけて、1559時間の日照時間がありました。これは平年よりも20%も多い日照時間です。この日照量のおかげで、酸と糖とタンニンの並外れたバランスを備えた、健全で成熟した素晴らしいブドウを収穫することができました。

ジャン・ルイ・ライヤール

━━━━━
 ジャン・ルイ・ライヤールの2017年が少量入荷してきました。大変小さなドメーヌですので、人気の高さに数が本当に足りません。

 2016年ものの美しいエキスのワインには皆さんも心を奪われたに違いありません。難しかったはずのヴィンテージに「そつなく」ではなく、「すばらしい」ワインに仕上げた実力は確かなものと言えます。

 2017年ものは前年のような苦労は無かったようです。前年はほぼ9月の後半(28日頃)に収穫していますが、2017年ものは前半(8~9日頃)ですから、3週間も早いですし、生産量も1.5倍~1.7倍ほどに増えているようです。

 で、非常に少ない1級レ・ボーモン(公称900本)は片手の指さえほとんど余るほどの数量しか入ってませんので飲めませんでしたが、A.C.ブル、村名ニュイ=サン=ジョルジュ、村名ヴォーヌ=ロマネをテイスティングさせていただき、2017年ものの姿を見させていただきました。

 2016年ものがリリース直後から凄いバランスを見せたのに対し、2017年ものはより複雑性高く、より品格を感じる味わいでした。ある意味、リリース直後から完成された味わいの2016年・・は、最初から非常に美味しかった訳ですが、2017年と比較してしまえば複雑性は届かなかったかと言えます。

 2017年は複雑性の高い味わい・・つまりよりポテンシャルが高い訳で、その分、「現時点でのまとまり」と言う点では2016年に及ばない訳です・・村名ニュイ=サン=ジョルジュを除いては。

 いや~・・ニュイ村名、今絶好調です。滅茶苦茶旨いです!・・しかも激安ですし!・・勿論、A.C.ブルもA.C.ヴォーヌ=ロマネもその意味では「時間の問題」です。輸入の疲れが取れた休養バッチリ状態に持ち込んでいただいた段階で、

「エキスたっぷり!ピュアでエレガント、複雑性も高い見事な激安ピノ・ノワール!」

に大変身です。


 ブルゴーニュワインの暴騰が懸念される中、ブルゴーニュのど真ん中の誰もが飲みたいと思っているピノ・ノワールをリーズナブルに供給してくれている数少ないドメーヌさんです。是非飲んでみてください。超お勧めします!


━━━━━
 素晴らしかった2015年ものは、ま~・・飛び抜けて美味かったですよね~。しかも価格も実にリーズナブル!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者さんですよ?・・今時はヴォーヌ=ロマネ村名など、ネゴスものでもこんなプライスは不可能かと思いますが、それも、

「滅茶美味しい!」

ですからね。2016年ものも期待してテイスティングに臨みました。今回は1級レ・ボーモンは無し、次回以降の入荷を期待しています。

 物凄く健全で何のストレスも継ぎ目も無い見事な2015年ものに比べ、2016年ものはやはり2016年らしい複雑性を秘めた大きな構造のワインだと言えます。

 この辺の仕上げ方は実に見事で、

「ジャン・ルイ・ライヤールって、こんなに造りが上手かったんだ・・」

と驚かされました。


 今飲んで納得の味わい、3年後に期待を大きくし、6年後以降、大きく膨れたボディからエレガンスと複雑なアロマを見せてくれるものと感じた2016年です。

■ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップ
 【1968 年から全房発酵を貫くヴォーヌ・ロマネの小さな巨人】

 1968 年から元詰を開始したドメーヌ・ライヤールは、栽培面積3ha 弱、総生産量5~6 千本という、他のヴォーヌ・ロマネのドメーヌに比べて極めて小さなドメーヌです。ガイド等への掲載は殆どありませんが、コストパフォーマンスの高さで、欧米では個人客を中心に高い人気を集めています。

■全房発酵の第一人者
 温暖化の影響と世代交代によって、2010 年代からブルゴーニュで急速に導入が進んでいます。しかし、ジャン=ルイ・ライヤールは元詰めを始めた1968年から半世紀近く一貫して全房発酵にこだわり続けてワイン造りをしてきました。全房発酵を行うためには何よりもブドウの果梗まで成熟させる必要があり、収穫をぎりぎりまで遅くしなければなりません。また、ピジャージュ(櫂入れ)は機械を使わずに足で行わなければならず、より多くの手間がかかります。ジャン=ルイ・ライヤールはDRC やルロワと共通するこの哲学をずっと実践し続けている全房発酵の第一人者なのです。

■職人的な緻密な作業から生まれる真のハンドメイドワイン
 ジャン=ルイ・ライヤールは、ロマネ・コンティで働いていた両親から1989 年にドメーヌを継承しました。彼は自分の目の届く範囲の小さな畑で、職人的な緻密な手作業による「真のハンドメイドワイン」にこだわって仕事をしています。例えば、発酵層からワインを引き抜く際も機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。ドメーヌのワインの品質向上は特に2010年代に入ってから目覚ましく、ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップしています。

■ドメーヌの醸造について
 近年のブルゴーニュでは、湿度が高い涼しい夏、そして夏の日照不足を補って余りある程の素晴らしい9 月の天候によって、可能な限り成熟したブドウを得るために、以前よりもずっと遅く収穫ができるようになりました。それは特に梗の成熟に顕著に表れています。こうしたことから、近年、全房発酵がブルゴーニュで広がりを見せているのだと思います。いずれにしても、全房発酵を行うためには成熟した果梗を得ることが非常に重要です。私のドメーヌでは最も良く熟す区画や除梗しないブドウに適した区画を毎年見極めて果梗のついたブドウを収穫しています。

 まず、全房のブドウを発酵層の深部に置くことで、発酵が長く行われるという効果があります。全房のブドウはブドウの粒の中で発酵が行われるため、発酵層の中に温度の高い核の部分が生まれ、30度を超える温度が長く維持されるのです。そして、アルコール発酵の期間がより長くなることによって、最上の抽出と、異なる成分(タンニン、色素、ポリフェノールなど)の間の自然な結合が可能になります。また、果梗が発酵中の急激な温度上昇を抑えて、固体と液体の間の良好なバランスを取ってくれます。発酵中に機械を使うピジャージュ(櫂入れ)やポンピングオーバー、激しい攪拌を行うと、揮発性の高いアロマがピノ・ノワールから失われてしまいます。このため、ドメーヌではこのような激しい行為を行わず、足でソフトなピジャージュを行って、揮発性の高いアロマがワインに残すようにしています。

 果粒の中で発酵したマストは、圧搾によって開放されて、焙煎やトースト、スグリなどのブラック・フルーツのノートを備えた凝縮したアロマを生み出します。また、新鮮なレッドフルーツのアロマを除梗したブドウの部分にも広げる作用もあります。それから、発酵層からワインを引き抜く際、発酵前には緑色であった果梗が深い赤色に変わっていることを確認することができます。これは、果梗が発酵中に一部の色素とアルコールを捕える働きがあるからです(*このためワインの色調がやや薄くなります)。この際、果梗は内包していた水分を放出しますが、ヴィエイユ・ヴィーニュは若いブドウ木に比べて水分が非常に少ないという特徴があります(このため、ヴィエイユ・ヴィーニュの方が全房発酵に向いていると言えます)。幸いにもドメーヌの畑は樹齢が60~80 年を超えるブドウ木が大部分を占めているため全房発酵向きと言えます。

 果梗と一緒に発酵させることは、樽熟成の際に不快なアロマや還元反応を引き起こす原因となる大きな澱や沈殿物を皮や果梗が捕らえてくれるため、ワインが自然な形で濾過されるという利点もあります。このため樽に移されたワインは清澄度が高く、マロ発酵終了後も樽熟成の間も、澱引きや樽の移し替え、あるいはポンプを使った作業などは一切することなく、静かに寝かせておくことができます。そして、熟成後も無清澄・無濾過の瓶詰めが容易になります。

 ドメーヌでは、発酵層からワインの引き抜く際は機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。手作業でワインを移し替えるため、ブドウの皮や種、果梗をこねくり回すことはありません。また、圧搾も非常にソフトに行うことができます。このため、ワインには不快なえぐみや苦み成分が付くことはなく、ワインに過剰なストレスを与えることもありません。

 ドメーヌのワインは14~18 ヶ月の間、澱と一緒に熟成されます。ワインは、細かな澱から栄養を補給して、ふくよかで豊かになり、トーストしたパンを思わせるアロマや柔らかな口当たり、そしてタンニンを包み込んでビロードのような口当たりを生み出す粘性を獲得します。バリックでの熟成においては、焼きのややしっかりした新樽の比率を高めにしています。これはバリックが、発酵中と発酵後の果皮浸漬の際、特に醸造温度が30 度を超える際に、抽出されたブドウの種に由来するタンニンを補完してくれるしっかりと溶け込んだタンニンをワ
インに付与するともに焼いた木の微かなニュアンスももたらしてくれるからです。

 ドメーヌでは熟成中にバトナージュは行いません。なぜなら、澱は低気圧の時にはワインの中に均等に浮遊し、高気圧の時には樽の底に沈殿するため、バトナージュと同じ効果を自然にもたらしているからです。この特性を利用して、ドメーヌでは瓶詰めの一ヶ月前の高気圧の時期にワインの澱引きを行ない、瓶詰め時期もちょうど高気圧の時期になるようにプログラミングしています。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティも全く同じ方法を取っています。

 一般的に熟成中は、バトナージュをして樽の底に沈殿する澱を浮遊させないと問題が起きると言われます(澱がワインの重さで潰されるため)が、ドメーヌではシュール・リーの状態で熟成させることに関してはいかなる問題も発生していません。幾つかのドメーヌが、澱引きをしないことで還元の問題に突き当たるのは、SO2 の過剰な添加に由来するもののではないかと考えられます。

 ドメーヌのワインは、マロラクティック発酵の際に発生する炭酸ガスによって酸化から守られるため、SO2 を添加する必要がありません。但し、補酒は定期的に行なっています。また、決してポンプを使ってワインを取り扱うことはありません。瓶詰め前にワインを樽から引き抜く際もポンプは使わず、樽の上部の穴からの空気圧によって、ワインを樽から押し出すという自然な方法で行なっています。この方法だとSO2 加える量はごく微量で済み、ワインのアロマの全てを失うことなくワインの中に残すことが出来るのです。

 ドメーヌでは、ワインのアロマはワインの熟成過程における最優先事項の一つと考えています。ワインをシュール・リーの状態で静かに熟成させることによって、新鮮な果物のアロマをしっかりと残しながらも、焙煎や燻した香りやトーストなどのトリュフに近いような香りもより多く残すことが出来るのです。



2021 Bourgogne Blanc les Chassagne
ブルゴーニュ・ブラン・レ・シャサーニュ

17803
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

■エージェント情報
◇リューディ“レ・シャサーニュ”のシャルドネから造られたブルゴーニュ・ブラン
 リューディ“レ・シャサーニュ”はヴォーヌ・ロマネ村のAC ブルゴーニュのリューディ。ドメーヌの所有区画は0.0816ha。
醸造について:ドメ-ヌでは例年可能な限り過熟したシャルドネを収穫して、ボーヌのシャルドネのような豊満さを備えたワインを生み出すように努めている。手摘みで収穫したブドウを直接圧搾し、野生酵母のみで自発的に発酵を行います。アルコール発酵はステンレスタンクで実施。その後、バリックに移し、マロ発酵と熟成を行います。熟成はシュール・リーの状態で行い、定期的にバトナージュを施します。瓶詰めは高気圧の時を見計らって、清澄も濾過を行わず、ポンプ等も一切使わず、重力を利用して自然に直接樽から瓶詰め。醸造中の亜硫酸の添加は必要最小限に留める。

 2021年物は9月25日に収穫。新樽比率50%、熟成期間14ヶ月。アルコール度数は12.6 度。2022年12月時点のSO2トータルは59mg/L。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥4,290 (外税) 
【激エレガントで激繊細!・・ヴージョ・ブラン的だった2020年ものとは大違いで、むしろエレガント系のシャサーニュ=モンラッシェ風!】
 noisy は改めてジャン=ルイ・ライヤールの実力の凄まじさを感じています。しかも価格はめっちゃリーズナブルです。

 またそれとともに・・幾分の腹立たしさも感じています。海外メディアもジャン=ルイ・ライヤールは完全にスルーしたまま・・です。

 まぁ・・グラン・クリュを持たない生産者さんですから・・軽く見られてしまうのかもしれませんし、ライヤールさんは先生もやっていますから、相当に忙しいに違い無く、お会いするのも至難の業で・・会えないのかもしれません。

 でもセラーはヴォーヌ=ロマネのど真ん中・・斜めお向かいはD.R.C.のカーヴ、並びの5軒先?・・はメオ=カミュゼで、その先左側はレ・ゴーディショとラ・グランド・リュで右側はロマネ=サン=ヴィヴァンですから、ほんの少し歩いて上がった右側がロマネ=コンティ・・・ラ・ロマネです。

「海外メディアもヴォーヌ=ロマネに行ってライヤールの前を通らない訳が無い!」

と言う凄いロケーションです。

 まぁ・・そりゃぁ・・代々D.R.C.に仕事に行くって・・なりますよね~・・自宅から10数メートルも歩けば仕事場ですから・・はい。

 そんなライヤールのワインを全く評価しない・・と言うのは、

「どうなの?」

と思ってしまっている訳です。実際に・・滅茶美味しいでしょう?このレ・シャサーニュの畑はヴォーヌ=ロマネの北の端ですから、ライヤールの家から向かうとちょっと距離が有ります。

「D.R.C.の方が全然近い・・って、何かちょっと羨ましい・・」

です。

 2021年のレ・シャサーニュは、その名を現わしているかのように・・エレガントなシャサーニュ=モンラッシェの味わいを彷彿させます。

 グラマラスだった2020年ものとは・・だいぶ印象が違います。有り体に言うなら、

「ドすっぴんのシャルドネの美味しさが丸出し状態!」

です。

 すなわち、甘みは無く、過剰な果実のニュアンスも無し。細やかな石灰のニュアンスに石、黄色や白の果実が非常に美しく、果実酸主体の美味しさを見せてくれます。言ってみれば筋肉質ですが、むしろぜい肉が無いのでマッチョな筋肉が見える・・そんなイメージです。

 今飲んでも非常に美しく美味しいんですが、若干甘みが有った方が良い方は・・2~3カ月ほど休ませますと旨味がアップして来ますので、より美味しく感じられると思います。

 難しかったに違いないと思っていた2021年ものですが、noisy の予想はほぼ外れ・・どれを飲んでも非常に美味しいとビックリしています。是非飲んでみてください。お勧めします!





 以下は以前のレヴューです。
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【純然たるヴォーヌ=ロマネ村のシャルドネです!下部は繋がっているお隣のヴージョの白のイメージに近い?・・とても良い出来!旨いです。】

 ほとんど見ることのない「ヴォーヌ=ロマネ産のシャルドネ」によるブルゴーニュ・シャルドネです。通常は・・もし出て来たとしても、目の玉が飛び出るほど高いです。

 まぁ、

「何でヴォーヌ=ロマネで白ワインが?・・」

と思われるかもしれませんが、やはり・・

「畑には向き・不向き」

が有るんですね。

 ここのレ・シャサーニュは村名レ・シャランダンの下部にありますが、おそらくヴージョっぽい・・と言いますか、ヴージョでは昔から良質なシャルドネが造られていまして、それがさらに地層的にお隣の「ミュジニー・ブラン」にも連携している・・と感じるんですね。石灰が強いシャルドネに適した白い土地、もしくはそんな石や砂が多いんじゃないかと思います。まぁ・・シャンボールも石灰は強いですから。


 細やかな白い石灰的ミネラリティとフラワリーなフレッシュさをしっかり感じさせてくれるノーズに白や黄色、薄緑の果実と柑橘が混じったアロマに、新樽由来のややトースティなニュアンスが交じり合っています。

 まだ完全に溶け込んではおりませんで、それぞれはちゃんとしっかり分別して嗅ぎ分けられる感じですが、時折柑橘、時折新樽のトースティさ・・が交錯して来ます。

 甘さに逃げずにドライですが、エキスの旨味が実にしっかり有りますので、ボディのそれなりの厚みとマッチして、非常にバランスの良い味わいです。余韻、押味が結構に長いです。エレガントなんですよね・・。

「ヴォーヌ=ロマネの白」

と言うような経験値が余り無いので、そのイメージを膨らましきれないところはどうしてもあるんですが、これでもう少し「岩っぽいミネラリティ」も入ってくると、クロ・ブラン・ド・ヴージョとかのイメージも膨らんでくるのかな?・・などとも思いますが、流石にA.C.ブルですからちょっと遠いです。近いのはやはり、

「ビゾのラ・ヴィオレット」

ですが、ビゾの方がもっと「粘土」を感じる味わいだった・・と記憶しています。

 ヴージョの白がもっとリーズナブルなら扱いたいんですが、今のところはこの「レ・シャサーニュ」で!・・我慢しています。是非飲んでみて下さい。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【中域の膨らみが見事!・・そして高域の伸びが良い!複雑性と官能感、バランス感覚に長けた、ちょっとビックリのA.C.ブルブラン!今飲んでも本当に旨いです!】

 同じA.C.ブルやヴォーヌ=ロマネの赤のがここまで仕上がってるタイミングだと有難かったんですが、濃密で良質なミルランダージュのピノ・ノワールのワインですから・・いつもより少し時間が掛かるのは仕方が無いですよね。そちらは少し休め気味でお楽しみください。

 このレ・シャサーニュ・シャルドネは・・ちょっとコート・ド・ニュイ側のシャルドネだとは一見して判らないような、凄いバランスで・・しかも今、ちょっと開いて来てる感じで滅茶美味しいです。

 ざっくり言って、コート・ド・ボーヌよりもコート・ド・ニュイのシャルドネは、少し野暮ったい・・重心がやや低く高域の伸びが今ひとつな感じがしますよね?

 酸バランス、ミネラリティのバランスからそのようなイメージになるのかもしれませんが、2019年のレ・シャサーニュは、以前のヴィンテージと比較して「やや腰高」、中心点が少し高い位置に来ているように感じます。

 そして、甘みが少ない・・綺麗に発酵出来ていますので、ボタっとした、少し焦点ボケした感じが無く、目が詰まりながらも多彩な表情が出て来ます。時間が経過してもその傾向は変わりませんで、ちょっと良いクラスのコート・ド・ボーヌのシャルドネ...村名クラスのポテンシャルに届きそうな感じさえします。

 なので、飲んでて滅茶楽しいんですよね。今までで一番美味しいレ・シャサーニュだと思いますよ。これは是非飲んでいただきたい!・・梅雨で初夏ですから蒸し暑い・・でもワインが飲みたい・・でも切れの無い重いのは嫌だし、かと言ってポテンシャルを余り感じないダルなのも辞退したい・・そんな時に、この柑橘フレーヴァーから多彩な表情で楽しませてくれるシャルドネは滅茶良いですよ。

「ヴォーヌ=ロマネ近辺って、シャルドネも美味しいのね・・」

と、きっと感じていただけると思います。是非お早めにご検討くださいませ。超お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【エレガント系のニュイのシャルドネです!】

 ブルゴーニュ白にあって、きちんと、

「ブルゴーニュ・シャルドネ」

とエチケット記載のあるレジョナルな白ワインを、どれだけ見たことがあるでしょうか。


 安~い・・余り品質の良く無いものには結構、存在しますが、ドメーヌものや良い品質のものでは、意外や意外、少ないものです。

 ま、ちゃんと「シャルドネ」と書いて有りますんで、ほぼほぼはシャルドネで有ることは間違い無いのかと思います・・が、noisy の場合は余り信用していません。信用して掛かると酷い目に遭いますんで・・

「・・あ、あれ、エチケットの張り間違いです。」

とか、

「・・どうも古いエチケットを貼ったようで・・」

なんてね。


 でも良心的なドメーヌであれば、少なくとも本人たちは「シャルドネだと思って栽培しているからそうしている」ことは間違いなく、また、ほとんどの場合はシャルドネで間違い無いでしょう。

 つまり、結構にいい加減だったり、本当に間違えていたりします。


 ヴォーヌ=ロマネ1級レ・スショからずんずん下がって行った、むしろクロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュの方が全然近いところにこのレジョナル、レ・シャサーニュは有ります。レ・スショからは東に500メートル、クロ・ド・ヴージョの南端からは200メートルちょっとでしょう。


 ヴォーヌ=ロマネの村名以上の区画には、白葡萄はほぼ植わっていませんが、あのドメーヌ・ビゾのレ・ヴィオレット(赤は村名)はクロ・ヴージョに引っ付いた畑ですので、レ・シャサーニュからすぐそこです。ですので、結構に白葡萄は白葡萄で寄り添っていたりするのが面白いですよね。

 味わいも、名前がそうだから・・と言う訳でも無いですが、ドライでややライトな「シャサーニュ=モンラッシェ風」です。とても心地良く柑橘がほんのり、果実がマッタリと感じられます。ライヤールらしい、とてもピュアな味わいです。

 ヴォーヌ=ロマネ村にある区画ですから、本来はもっと高くしたいのかな?・・とも思いますが、そこはライヤールさんですから
・・非常にリーズナブルです。ドメーヌ・ビゾのレ・ヴィオレットって、とんでもなく高いですけどね。

 非常に良く出来た2018年ものでした。是非ご検討くださいませ。お勧めします!


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【ヴージョ村境のA.C.ブルゴーニュの区画、レ・シャサーニュ。1990年台をほんのり感じさせる、懐かしくも愛しい味わいです!】

 noisy も、自身の若かりし頃を思い返すともっとキツイ性格だったんじゃないかと思いますね。でも色んなことが楽しかったし、あれもこれもやってみようとトライしていました。

 1990年台はまぁ・・ワインにとっては一つの転機だったと思うんですね。例えば1992年のD.R.C.のアソートメントセットは20万円しなかったです。1990年のシャトー・ラトゥールが、リストを見るたびに価格上昇していて、それまでの何倍にもなっているのを見ると、

「タンニンギシギシの渋いだけの若いラトゥールより、エレガントで美しいブルゴーニュワインに魅かれるなぁ・・価格も安いし・・」

と言うような気も有りました。

 確かに1990年のシャトー・ラトゥールはもう、2~3万円ほどになってしまってまして、それならD.R.C.のエシェゾーは1万円台、ロマネ=サン=ヴィヴァンも毛が生えたようなもの、5千円のアンリ・ジャイエのニュイ=サン=ジョルジュを飲む方が良いなぁ・・中々買えないけど・・なんて思ってました。

 そう考えると、ギイ・アッカがアンリ・ジャイエ風の低温浸漬を指導し流行らせ、また、PKさんが、

「そう、新樽を使うんだ!もっと濃いワインが欲しいんだよ!」

っと、ハッキリそのようには言わなかったものの、そんなワインに評点を高く付けることによって、

「・・そうか・・海外の連中は濃くて樽の利いたワインが好きだから、PKの言うようにすれば自分のワインも高く買ってもらえるようになるかも!」

と、ドメーヌたちを先導して行ったように思います。あの新樽200%のドミニク・ローラン(エチケットにはD.Laurent と書いてあるので、ドメーヌだかメゾンなのか、情報の無い時代で当初は良く判らなかったです)が出てきたのも、あのD.R.C.の共同経営者だったマダム・ラルー・ビーズ・ルロワがエクスクルーシヴの濫用?でD.R.C.を追い出され、アンドレ・ポルシュレと一緒にドメーヌ・ルロワを開いて出回り始めたのもその頃です。

 そう考えると、

「実に面白い時代だったなぁ・・」

と思うんですね。確かに高級ワインはその頃の懐具合を考えても高かったですが、少し頑張れば簡単に飲めた訳ですし、

「その頃の日本のワイン業界は完全にボルドー主体」

だったので、

「noisy も自由に・・良いと思うワインで勝負出来た」

んですね。そして、マイクロソフト社の Windows95 が1995年にリリースされ、それまで苦労してインターネットに接続していたのがウソのように簡単にインターネットが出来るようになり、1998年にはワインのネット販売に打って出ることになったんですね。


 そんな時代の美味しいシャルドネを彷彿とさせるような、懐かしくも愛しい味わいの2016年、ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャサーニュです。

 どうでしょう・・最近のシャルドネよりも、僅かに酸は柔らかいでしょうか。いや、むしろヴォーヌ=ロマネのテロワールを感じさせるような温かみを含んだ酸バランスとも言えるかもしれません。熟度の高い状況で収穫することも有ると思いますが、やはりヴォーヌ=ロマネとヴージョの境に有る国道東側の畑のシャルドネを、気品高く仕上げるための「遅熟の葡萄」なのかもしれません。決して酸不足・・とは感じませんよ。

 フルーツ感にも気品を感じます。ほんのり・・と言うか、最近のレベルから言えばやや高めに感じる「樽由来のアロマ」も、どこか1990年台を彷彿とさせます。適度な凝縮具合と酸の柔らかさ、わずかな温かみがマッチしていて、そんな回顧主義的、感傷的な印象をさらに盛り上げてくれます。

 これ、良いですね・・やはりワインはバリエーションです。みんな同じじゃぁ詰まらんです。noisy もこれは美味しいと思います。色合いもほんのり緑色が入るとても綺麗で印象深いものです。是非飲んでみて・・昔を思い出してみてください。お勧めします!