ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

ジャン=ルイ・ライヤール

フランス Domaine Jean-Louis Raillard ブルゴーニュ
● ジャン=ルイさんは少し前からヴォーヌ=ロマネの村長?・・市長?・・か判りませんが、政治をしなければならない状況に追い込まれたようでして・・オスピス・ド・ボーヌで栽培を担当している凄腕の甥っ子さんがだいぶ関与しているようです。あ・・結構に推測を含む文章なので、信じ切らないようにお願いいたします。

 で・・思い当ることが多く有るんですよ・・。こう言ってはなんですが・・どちらかと言うとライヤールのワインの中ではイマイチの出来で売れ行きも当然ながら良く無かったあのワイン・・

「ニュイ=サン=ジョルジュ村名がいきなり滅茶旨くなって登場した!」

んですね。

 なので noisy もびっくりしまして、その旨をお伝えしましたら・・売り辛かったニュイ=サン=ジョルジュ村名がいきなりオオウケしたんですね。

 と言う訳で、2022年のジャン=ルイ・ライヤールのご紹介なんですが、いや・・変わって来ましたね~・・おそらくその甥っ子さんの関与の影響でしょう。

 どちらかと言いますと若いうちは「さらっ」としたピュアな味わいだったジャン=ルイ・ライヤールのワインですが、早いうちから深みが出て、大きさを感じさせるものへと変化しています。

 今回は3アイテムのみの入荷でして、数の無いヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンは飲めませんでしたが、A.C.ブルとヴォーヌ=ロマネ村名のテイスティングで、

「その大きな変化をたっぷり感じた!」

ことをご報告申し上げます。

 こりゃ・・将来も楽しみですが、ブルゴーニュワインファンとしましては、必ずこの2022年の素晴らしい味わいのチェックをしないといけない・・そんなレベルに仕上がっています。ぜひご検討くださいませ!

◇ジャンールイ・ライヤールからのメッセージ: 2022VTのワインは色調が濃く、口当たりが柔らかく、凝縮度が高いです。柔らかなタンニンとまろやかさ、そして真の密度によって支えられた構造を持っています。そして、美しく熟した赤や黒い果実の魅惑的な香りが凝縮されています。

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 海外メディアにも全く注目されず、評価ポイントさえ下されないヴォーヌ=ロマネの極めて小さなドメーヌで有りながら、

「・・うわ~・・美味しいね~・・綺麗だね~・・エレガントだね~・・!」

と、日本のワインファンを唸らせ続けているのがこの人、ジャン=ルイ・ライヤールさんです。

 飲めばもしかしたら判ると思いますが、全房での高温発酵系で醸造したエキス系のエレガントなピノ・ノワールです。

 また、もしかしたら飲んでも判らないかもしれませんが栽培はビオロジックで、So2 は少量使用するタイプです。

 そして醸造系はD.R.C.同様ですから、味わいもD.R.C.風・・と言うことになります。

 ライヤールさん、ボーヌの教育センターの栽培・醸造の教師をされていらっしゃいます。そんな方が造っておられる素晴らしいワインが、全く注目もされずに放置されている現状は、日本のワインファンにはもしかしたら有難い状況なのかもしれませんが、ワインを取り巻く業界としては非常に残念なことじゃないかとさえ思っています。

 難しかったはずの今回ご紹介分、2021年ものですが、

「ま~・・とにかく素晴らしい!健康的でエキスが美しく出た、まさにお手本のようなピノ・ノワール!」

と言えます。


 流石に超弱い円と、半分ほどしか収穫できなかった性も有り、A.C.ブルで4千円超えになってしまいましたが、長らく3千円ほどで販売させていただいていました。

 もし知らない方がいらっしゃるのでしたら、

「・・そりゃぁ・・とんでもない不幸としか言いようがない・・」

です。


 ジャン=ルイ・ライヤールの2021年、是非飲んでください。低温発酵系のジャイエ風、果実たっぷりなタイプでは有り得ず、高温発酵系のD.R.C.風、美しくも伸びやかなエキスが織りなす、エレガントで官能的なピノ・ノワールの世界を教えてくれます。ご検討くださいませ。


■ 2021 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント

 2021年は、ヴィニュロンの生活を困難にするような天候が相次ぎました。3月は非常に湿った冬の土壌が急速に暖まり、3月末には非常に早い芽吹きが始まりました。

 しかし、4月6日から8日にかけて、3夜連続で気温がマイナス8度まで下がりました。これは、主に斜面に位置するブドウ木が大きな被害を受けました。しかし、4月の天候は非常に乾燥していて、べと病の発生は殆どありませんでした。

 5月は平年に比べて30%を雨が多かったものも、非常に涼しかったため、病害の発生が抑えられました。

 6月は非常に乾燥した暑い月であったため、開花が早く、6月8日から15日にかけてブドウは一気に開花しました。結実も非常に早かったため、この時期の農作業は通常7~8週間かかるところを3週間で行うことができました。

 7月10日頃にブドウ木は平年よりも2~3週間早く房を閉じ、月末にヴェレゾンを開始しました。病気、特にウドンコ病は、ブドウが抵抗力を増すヴェレゾン直前の7月中旬に大攻勢をかけるので、衛生的な監視が必要でした。しかし、数年前から100%オーガニックに取り組んでいる私達(甥のヴァンサン・ペンダヴォワンがドメーヌを徐々に私から引き継いでいます)は、雨季の間にブドウの木を処理し、繊細な時期のブドウを保護することができました。

 8月に入ってからの寒さがブドウの成熟を妨げたましたが、幸いにも8月15日からは気温が高くなり、ブドウの成熟を助ける夏の暑さが戻りました。霜や連続した寒波、熱波に見舞われた区画によっては、成熟度が同じではないため、最高のブドウを得るために9日間かけて何段階かに分けて収穫を行うことになりました。

 結論から言うと、糖度が高く、総酸度も良好なレベルのワインができました。リンゴ酸の量が平均よりやや多いため、マロラクティック発酵が通常より遅れて行われました。収穫まで少し待つことができたので、タンニンの熟成が得られ、1999 年のヴィンテージに近いものとなりました。健全でバラ房の小さなブドウで、ミルランタージュのブドウも少しあり、醸造を行うことができました、果皮はかなり厚く、果汁の収量はかなり少なめでした。このため、私達のこれまでの少量醸造の経験が大いに役立ちました。

 大量生産に慣れている造り手の中には、ほとんど空っぽの大きなタンクで、温度管理、抽出、パンチングダウンを行うことが非常に難しく、機械では不可能な場合もありました。そのため、ポンプを最大限に使ったポンピングオーバーを行った造り手もいました。しかし、これは酸化現象が発生するため、推奨されるものではありません。

 ドメーヌでは、良好な抽出で、美しいルビー色で、小さな新鮮な赤い果実のアロマがあり、柔らかいタンニンと美しいストラクチャーを持つ、将来性のある美しい赤ワインを得ることができました。

 白ワインは、柑橘系のニュアンスを持つアロマが主体で、生き生きとしていて、正確で、時間が経つにつれて丸みを帯びてくるでしょう。

ジャン・ルイ・ライヤール
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 ヴォーヌ=ロマネに有って、非常に質の高いエキス系の見事な味わいのワインを、非常にリーズナブルに提供してくれる唯一のドメーヌ、ジャン=ルイ・ライヤールの2019年ものが入って来ました。毎年全く残ることなく完売を続けていますが、それはやはりヴィンテージ背景が見えつつ見事な仕上がりを見せる味わいとコストパフォーマンス故でしょう。

 早速届いた2019年ものを、トップ・キュヴェのヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモンを除いて4アイテム、テイスティングさせていただきました。

 2019年はライヤール本人が言うように、とても収穫量が少ないヴィンテージですが、「ミルランダージュ」の葡萄が多く、いつもよりやや長熟さのある仕上がりになっています。

 細かいことは各コラムに記載させていただきますが、その中でも・・

「早く飲んでも美味しい・・早い仕上がりをしているキュヴェ」

は、村名ニュイ=サン=ジョルジュと、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュです。

 村名ニュイ=サン=ジョルジュは今の段階で結構に開いた感じが有り、美しいエキス感からの表情についつい・・うっとりしてしまうほどです。

 また、A.C.ブル・ブランのレ・シャサーニュがまた素晴らしい出来で、今までで一番・・ほぼ完全にエキス化がされ、微細な表情が複雑性により多彩で官能ささえ感じられるものです。これは少ないですが・・飲んだらビックリするほどだと思います。

「少し休ませて・・もしくは熟成させて飲むべきキュヴェ」

は、村名ヴォーヌ=ロマネとA.C.ブル赤のレ・パキエです。勿論ですが、飲めていないレ・ボーモンもそうかと思います。

「2019年ものはミルランダージュが云々・・」

と言うライヤール本人の言葉が裏付けられる味わいで、相当に集中していて、見事なタンニンが有り、ミルランダージュらしい濃密な味わいに仕上がっています。その反面、

「まだ仕上がり切っていない」

のもしっかりと透けて見えています。ややタンニンが前に出ていて、エキスな味わいではあるものの、まだまとまり切っていないんですね。

 ですのでこの2アイテムは、

「最低1カ月の休養」

が必要で、出来ることなら「オリンピックが終わった頃」から手を付け始めるのが正解かと思います。

 ですが、仕上がり自体は相当に良く、2015年ものの美しい仕上がりに凝縮感からの力強さを加えたようなニュアンスですので、相当に期待できると確信しています。

 どうやら今回の2019年ものは一発で終了のようですので、是非ご検討の上、お早めにご注文いただきますようお願いいたします。

■2019 ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント
 2018 年の12 月は雨が多く、平年よりも2.2 度も高い気温で年が暮れました。2019 年は、平均よりも約1.1 度暖かい温暖な3 月によって芽吹きは平年よりも早く、およそ半分の畑で4 月初めに芽吹きました。しかし、寒波の訪れと4 月5 日の霜によって、芽吹きが早かったブドウ木が被害を受けてしまいました。

 4 月中旬からは、気温が上がり、5 月になると夏のような熱波に見舞われ、少しの雨を交えて、熱波は6 月初めまで続きました。6 月に入ると涼しい気温と風によって、ブドウ木の成⾧が鈍り、結実不良によるミルランダージュが起こりました。しかし、日照量は平年よりも多く、7 月から収穫までの2 か月の気温は平年よりも高く、水不足が心配になるほどでした。

 それでもブドウ木は干ばつに耐え、9 月の好天によって、成熟したミルランダージュの(それでも良好な酸を備えた)ブドウを得ることができました。この素晴らしい天候と、病気にかからなかった全く健全なブドウを状態に鑑みて、収穫を10~12 日ほと遅らせ、9 月19~21 日に収穫しました。2019 ヴィンテージは、タンニンと酸、自然アルコール度数のバランスが完璧で、前途有望で、素晴らしい熟成のポテンシャルを秘めています。
ジャン・ルイ・ライヤール

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 待望の2018年、ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤールのご紹介です。これほどまでにリーズナブルで、ブルゴーニュの聖地の素晴らしい味わいを届けてくれるのは、ジャン=ルイ・ライヤールだけです。他にいらしたら是非教えてください・・(^^;;

 今回は、あのフラッグシップ、1級のレ・ボーモンもいただきました。これは非常に希少です。

「あと7割増しで欲しい!」

と言って交渉したんですが・・何だかんだと言い訳された挙句、結局最初に提示された量しか来ませんでした。(・・だからそれじゃテイスティング代が出ないってば!)

 2018年も非常に素晴らしいです。伸びやかで健康な2017年ものに対し、2018年ものは「複雑性」が乗っかっていますので、ポテンシャルは確実に上回り、その分、育っていくのに少しタイミングが遅くなる・・と感じました。

 それにしても滅茶美味しい!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者で最もリーズナブルで最もエキシーです。A.C.ブルでさえ・・非常に・・です。(ここでは書きませんが・・)是非ともご検討くださいませ。


■2018ヴィンテージに関するジャン・ルイ・ライヤールのコメント

 2018年の冬は湿気が多く雨がちでしたが、4月初めからの季節外れの暖かさで、ブドウの芽吹きは非常に早くなりました。しかし、5月上旬に気温が氷点下にまで下がり、ブルゴーニュは霜の被害を受けてしまいました。幸運なことにヴォーヌ・ロマネは被害を免れました。その後暑さが戻り、ブドウは5月末に開花しました。そして良好な条件のもとで成長しました。

 6月に入ると雨がちの日が2週間程続きました。この間はべと病の心配がありましたが、管理を怠りませんでした。その後は乾燥した暑い日が戻り、それは収穫前まで続きました。

 2018年は4月から9月にかけて、1559時間の日照時間がありました。これは平年よりも20%も多い日照時間です。この日照量のおかげで、酸と糖とタンニンの並外れたバランスを備えた、健全で成熟した素晴らしいブドウを収穫することができました。

ジャン・ルイ・ライヤール

━━━━━
 ジャン・ルイ・ライヤールの2017年が少量入荷してきました。大変小さなドメーヌですので、人気の高さに数が本当に足りません。

 2016年ものの美しいエキスのワインには皆さんも心を奪われたに違いありません。難しかったはずのヴィンテージに「そつなく」ではなく、「すばらしい」ワインに仕上げた実力は確かなものと言えます。

 2017年ものは前年のような苦労は無かったようです。前年はほぼ9月の後半(28日頃)に収穫していますが、2017年ものは前半(8~9日頃)ですから、3週間も早いですし、生産量も1.5倍~1.7倍ほどに増えているようです。

 で、非常に少ない1級レ・ボーモン(公称900本)は片手の指さえほとんど余るほどの数量しか入ってませんので飲めませんでしたが、A.C.ブル、村名ニュイ=サン=ジョルジュ、村名ヴォーヌ=ロマネをテイスティングさせていただき、2017年ものの姿を見させていただきました。

 2016年ものがリリース直後から凄いバランスを見せたのに対し、2017年ものはより複雑性高く、より品格を感じる味わいでした。ある意味、リリース直後から完成された味わいの2016年・・は、最初から非常に美味しかった訳ですが、2017年と比較してしまえば複雑性は届かなかったかと言えます。

 2017年は複雑性の高い味わい・・つまりよりポテンシャルが高い訳で、その分、「現時点でのまとまり」と言う点では2016年に及ばない訳です・・村名ニュイ=サン=ジョルジュを除いては。

 いや~・・ニュイ村名、今絶好調です。滅茶苦茶旨いです!・・しかも激安ですし!・・勿論、A.C.ブルもA.C.ヴォーヌ=ロマネもその意味では「時間の問題」です。輸入の疲れが取れた休養バッチリ状態に持ち込んでいただいた段階で、

「エキスたっぷり!ピュアでエレガント、複雑性も高い見事な激安ピノ・ノワール!」

に大変身です。


 ブルゴーニュワインの暴騰が懸念される中、ブルゴーニュのど真ん中の誰もが飲みたいと思っているピノ・ノワールをリーズナブルに供給してくれている数少ないドメーヌさんです。是非飲んでみてください。超お勧めします!


━━━━━
 素晴らしかった2015年ものは、ま~・・飛び抜けて美味かったですよね~。しかも価格も実にリーズナブル!・・ヴォーヌ=ロマネの生産者さんですよ?・・今時はヴォーヌ=ロマネ村名など、ネゴスものでもこんなプライスは不可能かと思いますが、それも、

「滅茶美味しい!」

ですからね。2016年ものも期待してテイスティングに臨みました。今回は1級レ・ボーモンは無し、次回以降の入荷を期待しています。

 物凄く健全で何のストレスも継ぎ目も無い見事な2015年ものに比べ、2016年ものはやはり2016年らしい複雑性を秘めた大きな構造のワインだと言えます。

 この辺の仕上げ方は実に見事で、

「ジャン・ルイ・ライヤールって、こんなに造りが上手かったんだ・・」

と驚かされました。


 今飲んで納得の味わい、3年後に期待を大きくし、6年後以降、大きく膨れたボディからエレガンスと複雑なアロマを見せてくれるものと感じた2016年です。

■ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップ
 【1968 年から全房発酵を貫くヴォーヌ・ロマネの小さな巨人】

 1968 年から元詰を開始したドメーヌ・ライヤールは、栽培面積3ha 弱、総生産量5~6 千本という、他のヴォーヌ・ロマネのドメーヌに比べて極めて小さなドメーヌです。ガイド等への掲載は殆どありませんが、コストパフォーマンスの高さで、欧米では個人客を中心に高い人気を集めています。

■全房発酵の第一人者
 温暖化の影響と世代交代によって、2010 年代からブルゴーニュで急速に導入が進んでいます。しかし、ジャン=ルイ・ライヤールは元詰めを始めた1968年から半世紀近く一貫して全房発酵にこだわり続けてワイン造りをしてきました。全房発酵を行うためには何よりもブドウの果梗まで成熟させる必要があり、収穫をぎりぎりまで遅くしなければなりません。また、ピジャージュ(櫂入れ)は機械を使わずに足で行わなければならず、より多くの手間がかかります。ジャン=ルイ・ライヤールはDRC やルロワと共通するこの哲学をずっと実践し続けている全房発酵の第一人者なのです。

■職人的な緻密な作業から生まれる真のハンドメイドワイン
 ジャン=ルイ・ライヤールは、ロマネ・コンティで働いていた両親から1989 年にドメーヌを継承しました。彼は自分の目の届く範囲の小さな畑で、職人的な緻密な手作業による「真のハンドメイドワイン」にこだわって仕事をしています。例えば、発酵層からワインを引き抜く際も機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。ドメーヌのワインの品質向上は特に2010年代に入ってから目覚ましく、ヴィンテージを追うごとにワインの純粋さと透明感がアップしています。

■ドメーヌの醸造について
 近年のブルゴーニュでは、湿度が高い涼しい夏、そして夏の日照不足を補って余りある程の素晴らしい9 月の天候によって、可能な限り成熟したブドウを得るために、以前よりもずっと遅く収穫ができるようになりました。それは特に梗の成熟に顕著に表れています。こうしたことから、近年、全房発酵がブルゴーニュで広がりを見せているのだと思います。いずれにしても、全房発酵を行うためには成熟した果梗を得ることが非常に重要です。私のドメーヌでは最も良く熟す区画や除梗しないブドウに適した区画を毎年見極めて果梗のついたブドウを収穫しています。

 まず、全房のブドウを発酵層の深部に置くことで、発酵が長く行われるという効果があります。全房のブドウはブドウの粒の中で発酵が行われるため、発酵層の中に温度の高い核の部分が生まれ、30度を超える温度が長く維持されるのです。そして、アルコール発酵の期間がより長くなることによって、最上の抽出と、異なる成分(タンニン、色素、ポリフェノールなど)の間の自然な結合が可能になります。また、果梗が発酵中の急激な温度上昇を抑えて、固体と液体の間の良好なバランスを取ってくれます。発酵中に機械を使うピジャージュ(櫂入れ)やポンピングオーバー、激しい攪拌を行うと、揮発性の高いアロマがピノ・ノワールから失われてしまいます。このため、ドメーヌではこのような激しい行為を行わず、足でソフトなピジャージュを行って、揮発性の高いアロマがワインに残すようにしています。

 果粒の中で発酵したマストは、圧搾によって開放されて、焙煎やトースト、スグリなどのブラック・フルーツのノートを備えた凝縮したアロマを生み出します。また、新鮮なレッドフルーツのアロマを除梗したブドウの部分にも広げる作用もあります。それから、発酵層からワインを引き抜く際、発酵前には緑色であった果梗が深い赤色に変わっていることを確認することができます。これは、果梗が発酵中に一部の色素とアルコールを捕える働きがあるからです(*このためワインの色調がやや薄くなります)。この際、果梗は内包していた水分を放出しますが、ヴィエイユ・ヴィーニュは若いブドウ木に比べて水分が非常に少ないという特徴があります(このため、ヴィエイユ・ヴィーニュの方が全房発酵に向いていると言えます)。幸いにもドメーヌの畑は樹齢が60~80 年を超えるブドウ木が大部分を占めているため全房発酵向きと言えます。

 果梗と一緒に発酵させることは、樽熟成の際に不快なアロマや還元反応を引き起こす原因となる大きな澱や沈殿物を皮や果梗が捕らえてくれるため、ワインが自然な形で濾過されるという利点もあります。このため樽に移されたワインは清澄度が高く、マロ発酵終了後も樽熟成の間も、澱引きや樽の移し替え、あるいはポンプを使った作業などは一切することなく、静かに寝かせておくことができます。そして、熟成後も無清澄・無濾過の瓶詰めが容易になります。

 ドメーヌでは、発酵層からワインの引き抜く際は機械は使わずに、手作業で小さな桶を使って行っています。手作業でワインを移し替えるため、ブドウの皮や種、果梗をこねくり回すことはありません。また、圧搾も非常にソフトに行うことができます。このため、ワインには不快なえぐみや苦み成分が付くことはなく、ワインに過剰なストレスを与えることもありません。

 ドメーヌのワインは14~18 ヶ月の間、澱と一緒に熟成されます。ワインは、細かな澱から栄養を補給して、ふくよかで豊かになり、トーストしたパンを思わせるアロマや柔らかな口当たり、そしてタンニンを包み込んでビロードのような口当たりを生み出す粘性を獲得します。バリックでの熟成においては、焼きのややしっかりした新樽の比率を高めにしています。これはバリックが、発酵中と発酵後の果皮浸漬の際、特に醸造温度が30 度を超える際に、抽出されたブドウの種に由来するタンニンを補完してくれるしっかりと溶け込んだタンニンをワ
インに付与するともに焼いた木の微かなニュアンスももたらしてくれるからです。

 ドメーヌでは熟成中にバトナージュは行いません。なぜなら、澱は低気圧の時にはワインの中に均等に浮遊し、高気圧の時には樽の底に沈殿するため、バトナージュと同じ効果を自然にもたらしているからです。この特性を利用して、ドメーヌでは瓶詰めの一ヶ月前の高気圧の時期にワインの澱引きを行ない、瓶詰め時期もちょうど高気圧の時期になるようにプログラミングしています。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティも全く同じ方法を取っています。

 一般的に熟成中は、バトナージュをして樽の底に沈殿する澱を浮遊させないと問題が起きると言われます(澱がワインの重さで潰されるため)が、ドメーヌではシュール・リーの状態で熟成させることに関してはいかなる問題も発生していません。幾つかのドメーヌが、澱引きをしないことで還元の問題に突き当たるのは、SO2 の過剰な添加に由来するもののではないかと考えられます。

 ドメーヌのワインは、マロラクティック発酵の際に発生する炭酸ガスによって酸化から守られるため、SO2 を添加する必要がありません。但し、補酒は定期的に行なっています。また、決してポンプを使ってワインを取り扱うことはありません。瓶詰め前にワインを樽から引き抜く際もポンプは使わず、樽の上部の穴からの空気圧によって、ワインを樽から押し出すという自然な方法で行なっています。この方法だとSO2 加える量はごく微量で済み、ワインのアロマの全てを失うことなくワインの中に残すことが出来るのです。

 ドメーヌでは、ワインのアロマはワインの熟成過程における最優先事項の一つと考えています。ワインをシュール・リーの状態で静かに熟成させることによって、新鮮な果物のアロマをしっかりと残しながらも、焙煎や燻した香りやトーストなどのトリュフに近いような香りもより多く残すことが出来るのです。



2022 Vosne-Romenee
ヴォーヌ=ロマネ

18740
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヴォーヌ=ロマネ
ドメーヌ・ジャン=ルイ・ライヤール

■エージェント情報
 キュヴェ・ロンドという手法を採用した、複雑でエレガントな味わいのヴォーヌ・ロマネ。ドメーヌはニュイ・サン・ジョルジュ寄りの Aux Raviolles オー・ラヴィオル、1 級レ・スーショの東の Les Mezières レ・メジエール、特級ラ・ターシュの上部の Aux Champs Perdrix オー・シャン・ペルドリの3つのリュー・ディにそれぞれ1つずつ区画を所有。平均樹齢は53年。

醸造について:手摘みで収穫したブドウを畑とセラーで2度に渡って選果した後、野生酵
母のみで自発的に発酵を行う。発酵前半はオープントップの状態で1日2回、足による櫂入
れを行い、発酵後半は蓋をして1日1回の櫂入れに留める。
 キュヴェゾンの後、発酵槽から引き抜いて圧搾し、Sirugue シリュグ社製の木目の細かいアリエ産のバリックに移して、シュール・リーの状態で熟成を行う。熟成中、澱引きは行わず、瓶詰めの約1ヶ月前の高気圧の時期を見計って1 回のみ澱引きを施し、1ヶ月後の同じく高気圧の時に無清澄・無濾過でポンプ等は一切使わず、重力を利用して自然に直接樽から瓶詰め。醸造中の亜硫酸の添加は必要最小限に留める。

 2022年物は9月3日に収穫。全房比率20%。新樽比率60%。熟成期間14 ヶ月。アルコール度数は13.5 度。2024年1月時点のSO2 トータルは50mg/L。
750ML 在庫  3   ご注文数   本
¥10,290 (外税) 
【安定した美味しさのジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネにも大変革の兆し!・・美しさに構造の深さと幅をさらに深めた素晴らしい出来です!・・飲んでおくことをお薦めします!】
 考えてみれば・・徐々にアイテム数は減り、味わいも少しずつ深いものに変化して来たジャン=ルイ・ライヤールです。2021年ものはエレガントで旨滅茶かったし、2020年ものは果皮の美味しさを堪能できるほど・・2019年ものはミルランダージュ特有の旨さが有り、有頂天になるほど美味しかったです。

 で、そもそもを考えてみますと・・このコラムにグラスの写真がある2014年と2015年・・をぜひご覧いただきたいのですが、

「近年ものとは大きく異なる」

のが・・お判りいただけると思うんですね。超淡い色彩をしてい・・るでしょう?

 まぁ・・知ってはいても言えないことも有るのがこの世界の掟なので、そこはそれなりにわきまえていますから・・でも、

「ジャン=ルイ・ライヤールも大変革の真っ最中!」

であることは、飲めば・・そして以前のライヤールのワインを思い起こすことが出来れば、誰にでも理解できることじゃないかな・・と思います。それほどに、

「2022年のジャン=ルイ・ライヤールのワインは、ライヤール自身の将来を映し出している!」

と言えます。


 アンリ・ジャイエが始めたと言われるキュヴェ・ロンド・・でも決してジャイエ風な低温発酵系を取らずに全房発酵を多く使用し、しかし新樽使用率は高い・・と言う元々からのジャン=ルイの手法ですが、それも少しずつ変化しています。葡萄の仕立て自体も相当に変化していると感じます・・ナチュールな方向性も指し示して来ているかのようにも感じます。

 かなり大柄なヴォーヌ=ロマネだと感じます。そしてクラシカルでも有る・・あれ?・・ジャン=ルイ・ライヤールって、こうだったっけ?・・と一瞬感じますが、余りの総体バランスの良さと、ヴォーヌ=ロマネならではの柔らかな訴え、ふんわりとしたアロマの精妙さ、緻密な組み立てが滅茶心地良いんですね・・。

 いや~・・2022年のジャン=ルイ・ライヤールのヴォーヌ=ロマネ・・めっちゃ美味しい!・・だけでは済まない・・これから起きることを夢想させるようなエナジーを感じます。

 Noisy wine の場合は、ブルゴーニュワインが主体でも有りますがビオ系ワインも非常に多く扱っています・・ん?・・そうでもない?

 ですので、テイスティングにおけるナチュール感(難しい言葉ですが)は常に感じるようなクセが付いています・・ジャン=ルイ・ライヤールもまた、テクニカルでは何も変わらないのに、その部分においては・・

「年を追う毎に上がって来ている!」

と感じる訳です。

 そして厳しかったはずの2021年ものでも、とてもそんなことを思わせないような素晴らしい出来を見せた訳でして・・テクニカルには出て来ない、栽培の部分における進化が有ったととも・・思える訳です。


 まぁ・・この2022年のジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネは、必ず飲んでみるべきだと思います。将来・・

「・・あ~・・だから・・かぁ・・そうだったのか!」

と、今のこの瞬間が有るからこそ将来の理解が生まれ、それがブルゴーニュワインファンのマニアックな心を満足させてくれるはずです。

 ん~・・何か思わせぶりな文章になってしまいまして申し訳ありません。D.R.C.が遊び場だったジャン=ルイもまた、今はヴォーヌ=ロマネの村の長になり・・時代が大きく動いているんですね。めちゃお薦めします!ぜひともこの2022年の大変革ヴォーヌ=ロマネ、飲んでみてください!


 以下は以前のレヴューです。
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【いつものライヤールのエレガントなヴォーヌ=ロマネ!・・やはりD.R.C.系、ジョルジュ・ミュニレ=ジブール系の見事なエキス系の・・雅な味わいです!】

 2020年ものは濃密でした。2019年ものは濃密では有りましたが2020年ものほどでは無く、バランスに優れていました。2018年ものはエレガントで非常にバランスが良く、エキスの味わいが何とも言えぬヴォーヌ=ロマネそのものを感じさせてくれる味わいでした。

 2021年ものは2018年ものに近い印象です。しかし、葡萄の熟度自体はむしろ2019年ものに近く、ただ2019年ものの濃密さ・・バッサリ言ってしまえば葡萄の糖度は及ばない感じですね。

 つまり2021年ものは収穫時期が遅い・・9月20日です。なので通常年よりも2週間遅いんですね。これですと、糖度やタンニンの熟度が上がって来ないので収穫時期を遅くせざるを得なかった訳で、その間に糖度は上がったものの、幾分先鋭な酸・・リンゴ酸系ですね・・これをやや失った熟度・・と言う感じです。

 ですが、それが味わいや出来に大きな影響を与えている感じでは無く、むしろヴォーヌ=ロマネのワインが持つ、

「酸の柔らかさ」

「暖かいニュアンス」

「バランスの良いパレット感」

を助長する方に行っていると感じました。


 誰しも、雨が降っていれば傘を差しますが、雨は天から降ってくる、もしくは風に流されて横になる場合も有るので、そちらの方に傘を傾けて・・歩いたりしているものです。

 ワインの醸造も、普通にやってしまえば・・おそらく、発酵を待って、発酵が終わって、熟成させ、澱引きし、ボトル詰めします。

 しかしながら・・大昔からやっていたとは思いますが、マストに出来る限りストレスを与えないことが良いワインを造る秘訣でして、その一つ一つの工程に「思慮」が必要になります。タンクからワインを出したい場合、通常はポンプを使用しますが、それだとマストやワインにストレスを与えてしまいますし、酸化の機会を大いに増やすことにもなります。

 ビオディナミの台頭は、そんな昔からの方法を今一度見つめなおす機会になったと・・noisy は感じています。30数年前、やっとの思いでヴォーヌ=ロマネを購入しました。結構高かったと思いますよ・・。このライヤールの2021ヴォーヌ=ロマネと、さして変わらなかったと思います。

 ワインは1000円か、高くても1500円と言う理解だった時代に、数千円もするワインを・・造り手も何も関係なく、

「ヴォーヌ=ロマネを飲んでみたい!」

と・・ロマネ=コンティやラ・ターシュはお小遣いじゃ買えないから・・(^^;; みたいな若造でしたから、清水の舞台から飛び降りるようなつもりで購入した訳です。

 それで・・飲んでみたんですね~・・


 実際のところ、余り美味しく無かった・・(T.T

 今でいうところの「熱劣化のワイン」だった訳です。その時はそうだとは判らなかった・・。今はすぐに判りますが・・(^^

 で、このヴォーヌ=ロマネ・・と言いますか、2021年のジャン=ルイ・ライヤールのワインは、コンディション、滅茶良いです!

 反対に・・現状の・・すこぶる状態の良い自然派系のワインをお楽しみいただいている方、と言いますか、それしか飲んだことが無い方は、反対に・・積算温度感の高いリーズナブルなクラスの・・例えば普通のイタリアワインなどを飲まれますと、下手をしますと逆に、

「・・これ、熱劣化してない?」

と判断することになりかねないんじゃないかとさえ・・思っています。それ、違いますので・・はい。


 やはりライヤールのワインは、そんなビオの教えがアチコチに生きているように感じます。それでもけっしてアヴァンギャルドでは無い、正統派です。

 滅茶美味しいので、これは・・飲んでみていただきたい!素晴らしいヴォーヌ=ロマネです。超お勧めします!




 以下は以前のレヴューです。
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【是非とも以前のヴィンテージのグラス写真と比較してみてください!・・2019年同様にエキスは濃密系に振れていますが、ここまで来るとあの「労役」と言う名前の畑の幻影が見えて来たように感じられます!】

 なるほど~・・な味わいでした!・・端正で濃密さが有って、いつ飲んでも美味しいだろうなぁ・・と思わせてくれた2019年ものに比較しますとより濃密で複雑性が高く、熟すまでの少しの忍耐を要求されるヴィンテージ・・それが2020年ものなんだろうとnoisyは感じ始めています。

 確かに・・まだ到着はしていませんが、ジャン=ニコラ・メオも、

「素晴らしい出来の2020年ものをさっさと開けてしまうのは止めて欲しい・・」

と言っていた・・と聞きましたが、まさに・・さも有りなんな味わいでした。


 もっとも今現在、飲めないような状態・・では無いんですね。今開けてしまうと「勿体無い」、もしくは「少し早かったと後悔する」可能性が有ると言うことなんでしょう。


 しかし・・しかしですよ・・まぁ、ワインを美味しく飲みたい・・とか、飲み頃まで待って良い状態まで持って行きたい・・と言う想いはあると思いますが、まだ若いから・・完全に仕上がってはいない状態だからこそ、判るものもあるんですね。

 まぁ、樽のニュアンスなどは赤ワインは特に新樽率が低く溶け込んでしまうと判り辛くはなってしまいます。その若い状態・・これがまた・・

「若い時の美味しさや味わい」

もまた、ワインを知るには良い経験になるんじゃないかと思うんですね。


 noisy 的には、この2019年や2020年のライヤールのヴォーヌ=ロマネは、以前のヴィンテージのものに比較しますと、

「明らかにより濃い」

です。

 2017年頃までは余り感じなかった、でも2019年ものの時には「ミルランダージュ」を言ったがために言い出せなかったことも有ります。

 それは・・若い時の「労役」と言う名のワインの面影を感じるんですよね。D.R.C.のラインナップ中ではもっともパワフルな味わいのあの畑です。まぁ・・あの「労役」は、もっと新樽っぽさが出てますけど・・あ、最近は飲めていないので・・10年位前まで・・と言う限定では有りますが・・(^^;;

 おそらく、ある程度の仕上がりにはこの秋まで時間が必要でしょうし完熟までとなると5~10年と言うスパンが必要かと思いますが、それでもこの・・決してジャイエ系の味わいでは無いヴォーヌ=ロマネの美味しさも、また格別なものなんだと・・飲めばお判りいただけるかと思います。

 それも、

「世界中でもっともリーズナブルなヴォーヌ=ロマネで、日本では買えるが他国ではまず買えない!」


 ジャン=ルイ・ライヤールです。複雑で濃密、あの畑が遠くに見える2020年ものです。ご検討くださいませ。お勧めいたします!




 以下は以前のレヴューです。
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【2019年ヴォーヌ=ロマネ村名は「ミルランダージュ祭り!?」・・相当に濃密な色合いになっています!これも仕上がるのが楽しみなワインです!】

 寄った写真にしてしまった性で今度は少し判りにくいかもしれません・・すみませんでした。

 でも2017年、2018年、2019年のグラスの写真を是非見比べてみて下さい。・・

「・・そう・・全然違う!」

ことに気付かれるかと思うんですね。

 人間の思い込みって相当なもので、ここまで異なるとは・・証拠を見せられない限り、本人は絶対納得しないと思うんですね。少なくとも、2017年ものと2019年もの・・同じ畑のワインだとは思えないほどに明るさ、濃さが異なって見えます。

 今年前半、あのマルク・ロワのキュヴェ・アレクサンドリーヌの2018年ものを3年越しでご案内させていただきましたが、ま~・・高くなりましたよね。随分と頑張って値付けしましたが17000円弱と言う以前の倍近い価格です。

 キュヴェ・アレクサンドリーヌは、ミルランダージュの葡萄だけを集めて造ったワインですから、ほぼ100%ミルランダージュだけです。でもこちらは100%ではないでしょうが、それでもこの色合いの違いを見れば、相当にミルランダージュ率は高いと推測出来ます。

 そして飲んでみると・・口入れは優しく、アロマも美しく、ミネラリティたっぷりでやや官能さも漂います。中域は適度に膨らんでくれますがタンニンが前面に出ていて、

「美しさと言う点で、今の時点では2018年ものに負ける」

のは間違い在りません。


 しかしながら、ほんの少しの時間が必要では有りますが、より濃密でポテンシャルの高い葡萄を得ている訳ですので、今の時点でも総合得点では逆転します。

 このタンニンの出が抑えられ、溶け込むには東京オリンピックの終了頃まで待たなくてはなりません。それはちょっと残念では有ります。

 しかしながらその時間こそが、このミルランダージュを多く含んでいる(はずの)ヴォーヌ=ロマネを開花させるのに必要なんですね。

 いつもより少ないがとても充実した葡萄が収穫できた・・でも、いつもの年の通りの出荷をしなければならない・・なので、ライヤールとしては少しは悩んだはずです。でも飲み手を信じ、

「きっと対処して美味しく飲んでくれるだろう」

と思ったに違い在りません。


 2018年までですと、どのキュヴェを先に飲んでもOKでしたが、2019年は順番がちゃんと有ります。

「ニュイ=サン=ジョルジュ or ブル・ブラン が最初で、その他のキュヴェはその後・・」と覚えておいてください。

 実にしっかりしたポテンシャルの高いヴォーヌ=ロマネ村名です。勿論、非常にドライで残糖など無く、エキス化に問題は全くありません。小果実だからこその多めのタンニンが適当に溶け込むまで・・休ませてあげてくださいね。もし間違えてヴォーヌ=ロマネ村名を先に開けてしまったらそれは自分の責任・・と思ってください・・(^^;;

「しっかり休ませ美味しいミルランダージュを!」

 お楽しみくださいませ。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【この色合いの異なり方は・・結構なものですよ!・・2016年を超えた2017年をさらに超えた2018年です!・・(^^】

 もう、素直に謝っちゃいます。ごめんなさいです。こんなに安く販売させてもらってすみません・・と。

 このA.C.ヴォーヌ=ロマネは、おそらくヴォーヌ=ロマネ村近辺で伝わって来た、上の畑と下の畑をブレンドする手法で造られています。アンリ・ジャイエがやり始めた・・と言われていますがどうでしょうか・・命名したのがジャイエじゃないかと思っていますが、一般的にはアンリが考えたことになっているようで、その名も「キュヴェ・ロンド」です。

 ロンドと言うのはおそらく踊りの「ロンド」で「輪舞(りんぶ)」でしょう。他にも「巡回」とか、「見回り」、「丸い字体」などの意味があるようで、上の畑と離れた下の畑を往復する様を自嘲気味に「キュヴェ・ロンド」としたのなら、

「言い得て妙」

では無いでしょうか。


 2017年もののこのキュヴェ・ロンドによるA.C.ヴォーヌ=ロマネは、非常に出来が良く、早い段階から美味しかった2016年よりもよりしっかり出来ていたと記憶しています。

 そして今回の2018年・・色合いが・・凄いことになってます。素晴らしい色・・ですよね。そもそもアンリ・ジャイエは、このような深い色合いを出したいがため、有名な低温浸漬と言う手法を編み出した訳です。

 何せ濃い・・しかし、濃いと言っても塗りつぶしたような一面のものでは無く、積層感の高いものだと見えます。味わいも非常に複雑性が高く、2017年ものを軽々と超えてきたかな?・・と言う感じです。

 その分、完全には溶け込み合っていない感じも少ししますが、まだ完全には落ち着いていない状態でのテイスティングだった性も有りますし、抜栓後15分もすると良い感じになって来ますので、

「少し休養させれば美味しく飲めるはず」

と踏んでいます。


 また、ライヤールのワインはSo2の使用量が少なく、そのため抜栓直後からとても良く香ります。そのアロマも、酸化を助長したような新樽の効果は余り認められず、ピュアなアロマなんですね。

 なので、栓を抜いた直後からの酸化が、どんどんアロマを官能感あるものへと変化させてきますし、酸の美味しさも増大、タンニンもまろやかになってくるのがリアルタイムで実感出来ます。

 やはり素晴らしい味わいになった2018年・・ポテンシャルもさらに高くなっていました。是非飲んでみて下さい!お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しかった2016年ものをポテンシャルで軽く超えて来ました!2017年ものはじっくり育み、美味しくいただきましょう!】

 今回のライヤールのグラスの写真は、どの写真も全く「弄って」はいません。明るさや色味の調整は全く無し、部分選択後に大きさだけを調整しアップしています。

 ある意味、写真と言うのは本当に残酷です。見事にその瞬間を切り取ってくれちゃいます。

 しかしワインは、時間と共に変化して行きます。その瞬間を切り取ったであろう写真を、その瞬間だけを見る目で見てしまうと・・将来を見通せない・・と言うことなんですね。

 若いころ、偉い可愛い・・もしくは格好良い子がいらしたとして、その瞬間だけ、チラ見した位では、先行きなど判らない訳です。もしかしたらあと10年もしたら、下っ腹は出て脂ぎった顔になっているかもしれません・・いや、noisy 本人のこと・・でも有りませんよ。「昔秀才、今ただの人」とは良く言ったものです・・いや、だから noisy のことではありませんって。

 で、ワインもまた、今日ご注文下さったワインも今日飲めるわけでは有りません。少なくとも明日以降・・まともに扱うなら1週間ほど先以降でしょうか。

 しかしながら、noisy も本当にビックリしたんですが、かなりのお客様は到着した当日にそのワインを飲んでいる可能性が高い・・んですね。澱が有るし、回ってるし、休ませてないから・・出来るだけ飲むまで立てておいてほしいんですけどね。

 で、立てておいてほしいと言うと、皆さん、怪訝そうな顔をされるんですよ。

「・・ぁん?・・ワインって、横にして保存するんじゃないの?」

と言う訳です。


 ワインは横にして保存する・・と言う知識をそのまんま鵜呑みにしてしまわれている方も多いと言うことなんですね。・・それ、全く違いますよ。

 比較的早めに飲まれるのであれば、必ず立てておかなければいけません。

 長く貯蔵される場合も、最初は立てて澱を落とさなければいけません。

 なので、ワインは「最初は」立てておくことが重要なんですね。長く保存される場合は、澱が落ち、透明度が上がった後に、静かに横にして、もしくは少しだけテーパー(傾斜角)をつけてセラーに入れるんです。最初から横にされるのは大失敗の元!・・なんですね。


 で、2017年のヴォーヌ=ロマネですが、2016年の、滅茶苦茶美味しかったヴォーヌ=ロマネよりもポテンシャルが高いです。しかしまだ完全には「休まってない」と思われます。

 なので、出来ましたら2週間の休暇をあげてください。勿論その際は、

1.立てて澱を落とすこと
2.透明度が出たと確認する -->その際にボトルを揺らさないこと
3.さぁ・・飲みましょう!

 これを是非、守ってください。


 時折、お客様が感想を伝えてくれることが有り、ほとんどは予想通りのお言葉なんですが、稀に、

「・・えっ?」

と・・どうしてそうなるの?・・と感じることも有りますが、きっとそのような状況で飲まれたんじゃないかな・・などと想像しています。

 それでもまぁ、この村名ヴォーヌ=ロマネ、しなやかさと品格、ピュアで美しい酒躯、そこにほんのりとナチュラルさが加わった素晴らしいピノ・ノワールです。是非飲んでみてください!お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【noisyも一生懸命売りたいワインになったと言える素晴らしい造り手の素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネです!】

 そもそもは1級レ・ボーモン欲しさが有って、しかし、超変形アソートでしか販売してくれないし、いただけたとしても数が安定しないので、

「テイスティングして赤字を出して・・結局トントンにしかならない」

と言う理由で、最小ロットしか仕入れて無かったと言うような今までの流れが有ります。


 それに、一番大きいのは、

「2000年代はここまで良いとは思って無かった!」

と言うのが大きいです。


 いや、敢えて言えば、

「凄く良くなって来たのはこの何年かのはず!」

で有って、2013年位で

「・・おや?・・淡いけどレ・ボーモン以外の下のクラスもいいじゃん」

と思いつつ、2014年もので、

「価格は安いし結構旨い!」

と感じ出し、2015年ものをテイスティングして・・

「下も中もめちゃくちゃ美味しい!・・レ・ボーモンは・・もうどっちでも良い位ヴォーヌ=ロマネが旨い!」

と判断、

「こうなったら2016年も万全だろうから何とか量が欲しい!・・」

と、2016年ものが滅茶少ないのを判っていつつも、2軒ある正規エージェントさんの1軒目に大量のオーダーを出しました。これが真相です。

 ところがですね・・レ・ボーモンは来ない・・まぁ、今まで余り買ってないので仕方が無いとしても、

「ACブル、ニュイ=サン、ヴォーヌ=ロマネ合わせたオーダーの1/3以下」

と言う、仕入れ自体が惨敗の結果に終わった訳ですね・・。これも真実です・・非常に残念です。せめて半分の1/2でも入荷すれば、テイスティング分を経費にしても何とかなったんですが、

「(結局入荷分を全部販売しても全然儲からんじゃないか!)」

 こんな自分勝手なしょうもない恨みみたいなものは中々に消えないものです。覚えておくから・・ね。


 で、昨今はその美味しさが認知されてきたジャン=ルイ・ライヤールの村名ヴォーヌ=ロマネです。ピノ・ノワール王道の美味しさが堪能できますよね。やはりブルゴーニュ・ピノ・ノワール・トップのアペラシオンだけ有ります。突出しないが柔らかくほんのり暖かくじんわりと旨い酸、スパイスや動物香の出方がエレガントで、「薫り立つ」と言うような表現の似合うアペラシオンです。

 そこにジャン=ルイ・ライヤールならではの超ドライながらも旨味バランスが絶妙な美味しいエキスから、その要素がどんどん放出される訳ですから・・不味い訳が無いです。

 2016年はそこに複雑な要素を絡め持っていますので、他のコラムにも似たような事を書きましたが、

「2015年と2016年、本当に美味しいのはどっち?」

と聞かれると、かなり微妙なことになってしまいそうです。

 少なくとも、リリース直後の印象だけを切り取ってしまうのであれば、

「2015年の勝ち!」

と言うことになるかもしれませんが、そこからの時間の経過を見るのであれば、

「2016年の優勢!」

を言わなくてはならなくなります。


 しかししかし、もっと突っ込んでそのずっと先までを言うのであれば、

「2016年もののエキスからの発露であるフレーヴァーが、どれほどのレベルにまで高められて閉じ込められているか?」

を完全に見極められなければ、この勝負の軍配をどのように返したら良いかを決めることが出来ません。


 なので、

「パーフェクトには判らんかも・・」

と言うことになってしまいます。


 滅茶苦茶暑くて、

「ローヌワインじゃないんだから・・」

と散々に言われた1979年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、長い熟成を経て、ビックリするような大物に化けたアイテムも散見され、

「もしかしたら偉大な1978年より良いんじゃない?」

と言うような声も有りましたし、これも何度も引き合いに出しますが、1977年の・・どうしようも無いヴィンテージと言われたブルゴーニュでも、確かにシャプタリザスィヨンの影響は有ったとしても、ものの見事に完熟さを見せたヴォギュエのミュジニーの素晴らしさを忘れることもできない訳です。

 近年でも、

「2008年はダメ」
「2013年もダメ」

などと言われていても、リリース直後からそのエレガントなブルゴーニュの側面をビビットに感じさせる姿には、

「やっぱりブルゴーニュは旨い!」
「悪い年?・・そんなの関係ね~♪」

と言うような思いをされた方も多いと思われます。最悪と言われた2004年でさえ、熟成により見事な膨らみを得てその複雑性に花を咲かせたワインも多い訳です。

 半面、グレートイヤーだ、超健康なヴィンテージだったと持て囃された2002年、2005年ものはどうでしょうか。中々その評価の姿を映し出してくれず、

「開けるにはちょっと早かったのかな~・・」

と言うような不完全燃焼的印象を持ったまま、手持ちのワインを飲み終えてしまっていらっしゃるかもしれませんよね。


 と言う訳でして、長期的にはまだ「?・・」と言わざるを得ませんが、中長期的には「結局のところ、かなり良いのでは?」と言うような印象を持っている noisy です。美味しいヴォーヌ=ロマネに仕上がったと思います。ぜひともご検討くださいませ!


 以下は以前のレヴューです。
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【理想と言うものがあるとしたらそれにとても近いと思われるヴォーヌ=ロマネです!非常に美味しいです!】

 とんでもなく美味しいブルゴーニュ・ルージュ・パキエ2015年を飲めば、同じ造り手のヴォーヌ=ロマネ村名が美味しく無い訳も無く、下部の2014年もののグラスの写真を見ても、その集中度が透けて見えると思いますし、その照りや輝きの素晴らしさは伝わっているものと思います。

 ハッキリ言って、非常に美味しいです!・・

 2015年は非常に良い年でした。このワインのアルコール分も13.5%出ています。それでいて、まるで残糖的な甘味が無い・・キッチリエキスに仕上がっていますし、しかも、そのやや高めのアルコール分を含む液体が、パワフルさに直結しているのでは無く、エレガントさの助長に繋がっていることが驚きでした。

 まぁ、14度以上にもなるようですと、ブルゴーニュワインとしては、直近に飲むのはかなり厳しいものになりますし、エレガントさも打ち消す方向に行ってしまうのでしょうが、決してそのようにはならず、物凄いバランスに仕上がっているんですね。

 ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとしますと、大きく分けて2つのタイプになるかと思います。中間を入れれば3つのタイプです。糖分をアルコール分に完全に変えたエキス系と、僅かながら、もしくはそれなりに残糖分を残してアルコール分を下げ、二次発酵を経て滑らかな一体感を得る果実味重視系(noisyが名付けているだけですが)です。アンリ・ジャイエは後者(でも今では中間派と言えますが)、DRCやジョルジュ・ミュヌレ=ジブールは前者と言えます。で、このジャン・ルイ・ライヤールは前者で、DRCなどと同じように比較的高温で一次発酵をするタイプと言えます。

 単に、毎年完熟した葡萄を得ることが目的だとするならば、このようなワインにはならないんでは無いかと思うんですね。潜在アルコール分を計算し、様々な予測を立て、ベストのタイミングで収穫をする・・そうしなければ、このようなエレガントでエキスのキッチリ出た、コアがしっかり有るヴォーヌ=ロマネにはならないと・・。



 非常にドライですが、全くそれを感じさせないほどの旨みが有ります。何の要素も突出していないのに、全てそこに存在しているかのような振舞い方をするアロマ、味わいが有り、複雑性が備わっています。スパイシーですが、あくまでヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスに溢れたものであり、酸の美しさ、生き生きとした姿はエキスの美味しさと相まってとてもピュアです。余韻もしっとり、テクスチュアの滑らかさからのそれは、ピュアな果実とミネラリティが一体となったもので、とても心地良いです。

 ヴォーヌ=ロマネとは言っても、畑により様々なスタイルが有ります。ロマネ=サン=ヴィヴァンなどのグラン・クリュが持つ荘厳なアロマも、その半分ほどにはなりますがちゃんと存在しています。

 もし理想のヴォーヌ=ロマネが有るとするなら、このワインがそうじゃないか・・と noisyの個人的な印象では有りますが、そう思ってしまいました!まぁ・・飲んでいてとても楽しくなるワインでした!

 今回はうっかり・・限定の「レ・ボーモン」を買いそびれてしまいまして・・誠に申し訳ないのですが、村名がこれだけ美味しいのならと・・思います。是非飲んでみてください。超お勧めします!旨いです!





 以下は2014年のこのワインのレヴューです!
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【ブルゴーニュ最高のアペラシオンから奇跡と言えるプライスの、稀有な雅さを内包しつつまだ解放していない美しい2014年ピノ・ノワールです!】

 10年振りにチェックしてみたジャン・ルイ・ライヤールです。昔の記事にも書いていますが、結構好みの味わいなんです・・でも、エージェントさんの紹介文が余りにオーバーだと感じていて、

「何だかな~・・」

と、ちょっと一歩下がった立ち位置での物言いになっていました。


 しかしながら今回、この村名ヴォーヌ=ロマネと、ヴォーヌ=ロマネ村に有る国道に面した位置のACブルゴーニュを飲み、かなり良い・・と言うか、

「もうあり得ないプライスだろう!」

と言う意を強く持ちました。


 ヴォーヌ=ロマネでこんなプライスですよ?・・それもドメーヌもので・・今、2017年時点ではもう考えられないバーゲンプライスです。

 それにですね・・色合いを見ていただいてお判りの通り、

「エキスが出ていてかなり良さそう・・」

ですよね。


 ヴォーヌ=ロマネはセシル・トランブレイのACブルにも使用されているラ・クロワ・ブランシュの村名区画の上部にあるオー・ラヴィオール(ニュイ=サン=ジョルジュとの境界の畑)、1級レ・スショ直下のオー・メジェール(レ・メジェール)、ラ・ターシュやラ・グランド・リュの上部にある素晴らしい畑、オー・シャン・ペルドリの3つの畑をセパージュしたもの・・と言われています。

 これはブルゴーニュの・・と言うか、ヴォーヌ=ロマネの優れたドメーヌが取り入れている「キュヴェ・ロンド」と言う手法と思われるものでして、標高の低い(下の、東側の)畑と、標高の高い(上の、西側の)畑をブレンドし、特徴の違いが顕著に出る畑の特性をお互いに補う手法です。特にエシェゾーやクロ=ヴージョなどでは一般的です。

 実に官能的な美しいグラデュエーションです。黒味を帯びた赤ですが、赤もシンプルに彩度が有る・・と言うよりも、どこかやや陰りを見せるような・・妖女のようなニュアンスです。

 アロマは諸にヴォーヌ=ロマネ的なエレガンスを持っていて、まだ見せないわよ!・・と言われているようにも聞こえますが、薄手のブラウスから要素が透けて見えるようです。

 以前は、

「DRCどうのこうのは関係無い」

と言っていたのですが、この2014年ものを飲んでからは・・そろそろ・・撤回します。いや・・実に良い感じです。

 早いっちゃ・・全然早いんです。硬さも有るし膨らみ切らない恨みも有る・・。しかし、例えばジュヴレのギイヤール的な、完全発酵で全くの残糖感無しなエキスも有りますが、ギイヤールよりもエキスの濃度と質は上・・でしょう。これはジュヴレとヴォーヌ=ロマネのエレガンスの差かもしれません。

 似ているのはミュヌレ=ジブールと、やはり・・DRCです。ラマルシュには余り似ていません。ラマルシュの、全てを許容してしまうような優しさはまだ全く出て来ていません。いずれ出て来るにしても・・です。

 ミュヌレ=ジブールには非常に良く似ていますが、取っつきやすさはミュヌレ=ジブールが上です。旨みの形成された酸からのエキスの構成は、さすがミュヌレ=ジブールと言えるかと思いますが、これは先の「キュヴェ・ロンド」を構成する畑が、ミュヌレ=ジブールの場合は「もっとも標高が高い畑」+「もっとも標高が低い畑」では無くて、もっと中央に寄っている・・・つまり、元の畑のポテンシャルがより高いことに由来すると思います。

 DRCにはかなり似ています・・ラ・ターシュを若飲みした時のようなニュアンスが有りますが、DRC独特の樽のニュアンスや畑の格の違いなどから、到底追い付きはしない・・と言えるでしょう。

 しかしながら、村名ヴォーヌ=ロマネとすると非常に複雑でポテンシャルが高いのが判ります。複雑さはややもすると一体感を損ないますが、そんなことには陥りません。どこかにヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュや1級が持つ荘厳さも漂い、要素の目の詰まりや、ヴォーヌ=ロマネでしか出て来ない気品も漂っています。

 今飲んでも飲めます。でも、春まで待った方が良いかもしれません。そして非常に超熟です。5年経って柔らかくなり始め、10年経ってかなり美味しくなり、25年ほどは持つでしょう。これは是非飲んで欲しいワインです・・って、非常に安いですよね?

 こちらはACブルゴーニュです。畑は「レ・パキエ」と言って、ロマネ=サン=ヴィヴァンから道を下がって行ったところに有ります。国道を挟んで斜向かいが「オー・ソール」と言う村名畑です。

 こちらも村名ヴォーヌ=ロマネとタイプはそっくり、要素を少し・・と言うかだいぶ削ぎ落した感じに仕上がっていますが、ACブルゴーニュとすると充分過ぎるほどです。

 タイプがそっくりですから、ギイヤール的に完全発酵、非常にドライでややタイト、ミュレ=ジブールに似てエキス感が有ります。黒い果実に赤い果実が混ざり、果皮の割合の高い、妖艶なニュアンスを奥に隠し持っています。スパイス感も同様です。熟すと少しワイルドな感じが出て来そうです。

 余分な贅肉を感じない、完全エキスのワインで、初期に短期間低温で漬け込むことが有るかもしれませんが(無いとは思います)、比較的低めの温度で発酵させるようなアンリ・ジャイエ的な果実フレーヴァーでは有りません。醸造関係から由来して感じられるニュアンスはモロにDRC的です。

 ヴォーヌ=ロマネ村とは言っても、ACブルにはほぼ出て来ないヴォーヌ=ロマネ特有のエレガンス、荘厳さを持っているのには驚きです。今飲んでもそれなりに美味しいですが、5年経ったらかなり凄いでしょう。10年熟成させておいて、笑って許せる気の置けない仲間内のワイン会にブラインドで出すと・・きっと笑える結果になると思いますよ。大抵・・上級ワインと大いに間違えるでしょう!

 ただし、今すぐに飲んで「凄~く美味しい!」と言えるかは、飲まれる方がポテンシャルを取れるかどうかに掛かっています。noisy 的には今でもとても美味しいんですが、ポテンシャルを見ずに、一度自身の理想に当てはめてその場の判断をするタイプの方は、少なくとも3年は置いた方が良いでしょう。むしろ、村名ヴォーヌ=ロマネの方がポテンシャルを取り易いので、

「ACブルゴーニュの倍までもしないリーズナブルな村名ヴォーヌ=ロマネ」

が良いかもしれませんし、

「ジャン・ルイ・ライヤールの造りを理解するためならACブルゴーニュで充分」

とも言えると思います。


 10年ぶりに仕入れてみたジャン・ルイ・ライヤールですが・・非常に良かった・・と言うか、こんな価格なら奇跡ですね・・。化石と言っても良いかもしれません。きっと・・飲みたくなったんじゃないかと思います!大き目のグラスで振り回しながら楽しんでください。超お勧めします!



 以下は10年前(2004年もの)のジャン・ルイ・ライヤールの記事を引っ張り出しています。
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【 DRCどうのこうのは無視した上で考えましょう!】
 今回テイスティングしたのはニュイ・サン=ジョルジュとACブルのパキエの2アイテムです。ヴォーヌ=ロマネ・レ・ボーモンと村名ヴォーヌ=ロマネは数えるほども無いため、いまのところ試飲を自重しています。

 このライヤールさんのワインは、実に自然な風味を持っていてエレガントに仕上げてきますので、noisy も好みのドメーヌなんですが、DRCがどうした、こうしたは、今のところほとんど関係無いようです。ブルゴーニュの赤を大きく二つのタイプに何とか分けようと思えば、同じグループに入るだろう位のもので、エージェントさんの照会文の様に、いつの間にかDRC=ライヤールを書かぬまでも、読むものの脳裏に刷り込んでしまおう..というような意図にははまらないようにしましょう。あくまでライヤールはライヤールです。

 さりとて、全く似せても似つかぬものでもありません。エキス系の美しい酒躯、決して誇張した濃度に仕上げてこない当たりはむしろ同タイプです。言わば、一流料亭の出汁味のように、大量の原料から「さっ」と出汁を取り、辛くならない程度の適量な塩加減で仕上げた「お碗もの」のようなものですから、「美し系」と言って良いでしょう。

 また、2004年はブルはどうやら駄目で、2005年に期待しよう..とすでに踏んでいらっしゃるのでしたら、それもどうかな?と思います。PKさん好み的なブルゴーニュがお好きなら、それも良いと思いますが、今のところ、noisyは、
「2004年ブルゴーニュはベリー・グッド。古典的なブルゴーニュの当たり年」
と見ています。

 総評とすれば、ドメーヌの看板ワインを飲んでいないので言いづらい部分も有りますが、
「かなり良い」
と言っておきましょう。価格も高くないし、味わいも充分に理解していただけるものと思います。

●2004 ヴォーヌ=ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボー・モン
●2004 ヴォーヌ=ロマネ
 この2つはテイスティングに至っていないため、コメントは差し控えます。出来れば1本は残しておいて欲しいところです。

●2004 ニュイ・サン=ジョルジュ
 DRCで育った男でも、ニュイ・サン=ジョルジュの遅熟性を早熟にすることは不可能だったようで...綺麗系の冷やかな果実が清潔な土やスパイスと共に香るベリー・グッドなワインでした。しかしながら、現在手を付けるのはキツイです。なんと言ってもご本尊が奥に引っ込んだままですし、ニュイ・サンに有りがちなテクスチュアの暴れが、後口を台無しにしています。このワインを美味しく飲むのは4~5年後から..でしょう。かなり向上すると思いますが、2010年までは手を付けないほうが無難です。
●2004 ブルゴーニュ・ルージュ・レ・パキエ
 このワインはかなり旨いです。ヴォーヌ=ロマネのテロワールを「あちこち」に感じることが出来ます。綺麗系で薄味、赤~紫の小果実、動物香、スパイス、そしてミネラル。ヴォーヌ=ロマネ的なソフトな接触感と香りが、癒しの時間を運んできてくれるようです。これはお奨め!