
社長さんからリーズナブルにお分けいただいた24年前の収穫のピュリニー1級、レ・コンベットとレ・フォラティエールです。販売に回せるのは4本ずつのみです。もう四半世紀にも到達しようかと言う古酒になります。
まず状態を記載しておきましょう。レ・コンベットの方は、やや汚れや欠損部分が有ります。肩ラベルがちぎれ気味だったり、エチケットが破損、欠損、汚れも目立ちます。液量は年代並み、もしくはそれ以上にしっかり有り、色合いは照りも有り健全、到着後立てて置いたので僅かに茶色い澱と細かな酒石酸がキラリと輝くような感じです。こちらにご紹介した分は悪くないと確信しています。
レ・フォラティエールの方は、外観はレ・コンベットよりもやや綺麗です。ボトルの色(薄い緑)の性も有り、写真ではさらに綺麗に見えているかもしれません。見切れてしまいましたが液量は年代並み、もしくはそれ以上、色合いもOK、澱や酒石酸もレ・コンベットと同様で健全かと判断しています。
なお、キャプスュルの下部にエージェント輸入者シールを張るのがこちらのエージェントさんの流儀だったようで、キャプスュルが回るかどうかなどは判りません。また、輸入者シールはシルバーのシールで、一部腐食も見えますが、漏れた形跡は認められません。

このような古酒は、自身でリリース時に購入し後で飲もうと思っても、様々な問題から中々思い通りには行かないものです。高級ワインを買える、もしくは興味を持つ歳になって、それから購入していたのでは、四半世紀後の自身を安易には想像できませんよね。
まして、一部ワイン評論家さんたちは、ブルゴーニュのシャルドネに対する見識が薄く、もしくは自身の好みで評価をしてしまいますので、「シャルドネは10年しか持たない」などとの間違った認識を世の中に広めてしまっています。
まぁ、これは評論家さんたちがカスタマーや愛好家たちからバッシングを受けないように前以て保険を掛けている結果な訳ですが、
「・・そうなんだ・・」
と妄信した結果、それが真実に置き換わってしまっている状況も有ります。
もしそんな短い寿命が事実なので有れば、我々が何度も経験してきた、例えたかがACブルゴーニュでさえも、半世紀もの長い年月を乗り越え、楽しませてくれた事実と相反することになります。
勿論ですが、四半世紀、半世紀、一世紀と言うスパンで見た場合、朽ち果ててしまった年代、もしくは持たない個体も有ります。今回のご案内のアイテムで、noisy が判断してはじいた個体も有ります。
そのようなことは、ワインを愛する方々には、当然ながらお判りいただいていることです。結果的にはリジョナルよりも村名、そして1級、グラン・クリュと、上級キュヴェの方が熟成の可能性はより高いとは言えます。
ルフレーヴさんも1989年頃からビオディナミ、もしくは有機的農業のアプローチをしており、この1994年はその効果が出て来た年です。
まぁ、この辺りは好みにもなるかと思いますが、一般的にはどうでしょう・・ルフレーヴさんの場合はレ・コンベットの方が評価は高いかもしれません。ちょうどムルソ・レ・シャルム(ドゥスー)の真横に有りますので、やはりムルソー的な硬く締まったミネラリティをも持ち、超熟の可能性も秘め、そこにピュリニー的に緻密な果実のニュアンスと、単純ではないミネラリティの構成由来の芳香が有ります。セラー・トラッカーで94Pointsと言う評価は見当たりましたが、さすがに1994年ものとなると、現在の評価基準とはやや異なっているようにも思いますし、でも他に評価ポイントは中々見当たりません。
レ・フォラティエールはもう・・皆さんの良くご存じの、ピュリニー=モンラッシェらしい快活さと重厚さの両面を感じさせてくれる優れた1級畑です。樹齢の性か、昨今はレ・コンベットと同様の評価ポイントを得ているようです。昔は少し劣っていたかな?・・と・・思い出します。
これからは中々このような古酒には当たることは滅多に無いと思います。まして出て来たとしたら非常に高価です。社長さんのご厚意に甘えさせていただき、noisy も出来る限りリーズナブルにお渡し致します。コラムの内容を吟味していただき、ご自身の責任においてご購入くださいませ。