
「封建的な葡萄栽培地」と訳すのでしょうか・・・「le Vignoble Feodal」(レ・ヴィニョーブル・フェオダル)。
マルセル・ダイスが自称で言い始めた「アルザス・プルミエ・クリュ」ですが、実際に原産地呼称に入るように運動しているようです。
このアルザス・プルミエ・クリュは、ブルゴーニュのようなテロワールの違い、優位性をAOC認定しようと言うものです。特にマルセル・ダイスは、アルザスの多くの生産者がするような、
「品種別の栽培・醸造」
にまったくこだわりが無く、むしろ、「混植」(品種別に植えない)にこだわっていて、あくまで葡萄品種は「畑の個性=テロワールの表現」をするために混ぜて植えた方が良い・・と言う考えによるものです。
混植することによって、本来なら品種ごとに開花時期や収穫時期に違いが出るものが、お互いに影響しあって、「一緒に収穫できるようになる」からのようです。
このビュルク・クリュ・ダルザスは、まだ「自称プルミエ・クリュ」です。しかしながら飲んでみると、
「半端なグラン・クリュより大柄で複雑性が高い」
ことが判ります。グラン・クリュ格付けをされていてもビュルクよりも全く劣るに違いないと思われるワインが沢山有ります。
少しこってりとしていて、少しだけ甘みが有ります。「ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み)」に近いと思われますが、一般的なそれよりは甘くないです。酸がキッチリ・・非常にバランス良く出ていますので、ダレて感じられることは有りません。また透明なミネラリティが物凄いです。オイリーで複雑、しかも繊細さのあるやや甘口です。かなり美味しいです。ダイスご自慢のシュナンブールには及びませんが、目隠しで飲むとシュナンブールと言ってしまいそうですね。
フルーツもドライフルーツ、生の果実が沢山の種類で感じられます。甘過ぎないのが良いです。
まぁ、アルザス品種を13種類も混植していますんで・・そりゃぁ複雑性高いですよね。でもバランスも凄い!・・是非飲んでいただきたい逸品!ご検討くださいませ!