【何と白葡萄のみならず黒葡萄、ピノ・ノワールまで13品種の混植・混醸しています!!ある意味、マンブールを村名格で造ったような豊満な味わいです!】

こりゃぁ面白いぞと意気込んで発注したんですが、あっさり削られてしまいました。何と13種類ものアルザスを名乗れる品種を混植を含め、混醸しています。
しかもまた・・ダイスらしい幾何学的な模様にどこかホノボノとするような温かさを感じるエチケットデザインで和ませてくれます。・・まぁ、その辺の感覚は人それぞれかもしれませんが・・。
早速飲んでみました。・・なるほど~!・・そう来たか・・と言う塩梅でした。
通常のヴァン・ダルザス・ブランと価格的にはほとんど変わらないんですが、そちらがキリっとした辛口に近い分、こちらの「コンプランタスィヨン」は、「甘みの感覚」までをも「混ぜ込んで」いるかのように、辛みと僅かな甘みを交互に感じるようなニュアンスを持っています。
そして、マンブールを飲んだ時に感じるような豊かなコクも感じます。硬くソリッドなニュアンスでは無く、ふくよかで優しい・・味わいですね。あれこれ混ざっているので、一言で言い表すのは難しい感じで複雑性に富んでいます。
まぁ、混ぜることによって、「アルザス」と言うテロワールを表現しているのか・・と感じました。美味しいです!・・しかも、そんな「中口」に近い味わいですので、マリアージュは非常に楽だと思いますよ。和食系にも合わせやすいので、これからの時期、重宝するんじゃないでしょうか。
また、この Complantation(コンプランタスィヨン)と言う言葉は「移植」「合植」と言うような意味のようですが・・近い綴りの言葉に、Complainte (コンプラーント)と書く「嘆きの歌」「哀歌」が辞書で見つかりました。
どこか・・マルセル・ダイス自身、意味するものが有るのかな?・・などとも思っています。息子さんへの移譲も迫って来ているのでしょうし、アルザスの単一品種至上主義への反逆的な思い・・なども籠っているような気がしています。残り少なくなったマルセルの醸造家人生・・むしろ、このワインに息子さんからの影響も感じています。
「So2の少なさ」
「パキッとした黄色、黄金色より、ほんの僅かにくすんだような色合い」
「アロマのスピードの増大」
から、
「ナチュラル感の増大!」
に向かって来ているのが判ります。それでも危険性やアヴァンギャルド性までは無い、ベストなポジションとも言えるかと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!