
良く熟した上出来のアルザスのミュスカを飲まれたことの有る方ならお判りかと思いますが・・若い時に見せる、ほんのりとスパイシーでスレンダーな姿とは全く異なる熟した何とも色っぽい姿に・・心をときめかせたに違いありませんよね。
いや・・これは相当に良いと思います!・・どちらかと言うとゲヴェっぽい感じであり、いや・・もう少し優しいゲヴェ・・でしょうか。
ビオらしくふんわりとスピードの有るアロマと、口に含むと・・ほんの僅か、ほんの・・ですよ、僅かな甘みを残した膨らみのある味わいが中域に有り、激辛口のスタイリッシュで硬質なミュスカでは有り得ない優しさを感じる余韻へと流れて行きます。
まるで「春の訪れ」を感じているかのような爽やかでほんわかとした優しさ・・でしょうか。そんなニュアンスがビッチリと伝わって来ます。
まぁ・・エージェントさんの資料では「辛口」と書いて有りますが、それだと勘違いされてしまうんじゃないかと思います。辛口には違い無いですが、わずかな甘みが有りますので、
「ん?・・辛口なの?」
と思われる方もいらっしゃるであろう・・位のほんのりと僅かな甘みが有ります。
もしこれが激辛な・・全く甘みの無いミュスカになりますと、パレットは相当に変な形になります。どちらかと言いますと、どこかがエグレている感じのパレット・・ですね。

アロマはミュスカですから、マスカットをイメージされるかもしれませんが、イタリア辺りのマスカットとはちょっと違いますよね。先にも書きました通り、ちょっとだけスパイシーでマスカットをメロンに寄せた感じ?・・でしょうか。グラスの写真の黄色の強さを見れば、黄色いフルーツ系のニュアンスも多いですから、ピノ・グリっぽい感じにも捉えられるかもしれません。
まぁ・・混植がお得意のダイスですから、もしかしたらミュスカと言いつつも(ミュスカ・ダルザス、ミュスカ・オトネル)・・他の品種が混ざっちゃってるかもしれません・・。ですがバランスはむしろ良いですよ。若いドライなミュスカは結構に「キツイ」ですから・・その若い時はキツさのあるドライなミュスカが熟成して行くと、あら不思議・・今度は甘みさえ感じさせてくれるような丸いパレットに大変身するんですよね。
なので、熟すまで待ってられない・・だから若いうちにミュスカを美味しく飲む味わいに、ダイス流で仕上げた・・と言うことなのかもしれません。是非飲んでみて下さい!美味しいです!