【一口含めば・・そこには滅茶苦茶複雑ながらもシームレスな美しい姿!・・そして確かに黒葡萄の存在を感じます!・・凝縮しているのにスムース!素晴らしいです!】

このマンブール....ダイスを代表するトップ・キュヴェですが、飲まれるタイミングで大きく印象が異なるかと・・思うんですね。
しかも古くからのダイスファンでしばらく飲んでいない方・・もしおられましたら、相当ビックリするんじゃないかと思うんですよ。
だって、もし1990年代のダイスを知る人であれば、
「・・超巨大な構造の、兎に角、荘厳なワインを造っていたダイスが・・こうなの?」
と・・もしかしたらある意味、ガッカリするんじゃないかと思ったりします。
それほどにスムースに入って来て、エレガンス、高質さを見せるんですが・・そこには「エゴ」とか、ちょっとナルシスト..入ってるんじゃない?・・みたいなニュアンスは全く無いんですね。
確かにビオに転向してからのマルセル・ダイスは、以前の・・
「どうだ~・・!参ったか~!」
みたいな部分は消え、何ともピュアで美しい・・しかし実は「凄みが消えた」のではなく、「今良い部分を表情に、凄みを内面に」した姿に変貌したんですね。

グラスを伝うラインの太いこと!・・しかもグラス全体に拡がっています。どれだけの寿命を持っているのか・・とも考えさせられてしまいます。
口入れをすると・・余りのスムースさにむしろ驚いてしまいますが、口内ですり潰すようにして飲んでみると、果実表現だけを取ってみても滅茶苦茶複雑です。勿論、黒葡萄のニュアンスがするのがこの「マンブール」。果皮由来の何とも素晴らしい味わいがしますが、これはやがて「官能さ」を演出するように変化して行くと思います。
果実は単に果実では無く、柑橘もドライフルーツも・・そして多種で多彩です。普通に美味しく飲めてしまうんですが・・やがてちょっと後ろめたい気にもなってしまいます・・まだ飲むには早いんだ・・と気付かされる訳です。
でもこの非常に気持ち良い、心地良い瞬間を得たことに、有難いと思っていただけると思います。飲んで良し、セラーで育てても良しだと思います。久しぶりにダイスに正面からぶつかり合ったような気がしてちょっと嬉しくなりました。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2015年ものです!】 飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みにまだ2016年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは2015年に97ポイントまで付けました・・でも2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+ Points
2015年 97 Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2016年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
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1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。