
2018年のファーストリリースから凄い評価を得ているシュロスベルグです。2019年ものの評価は見当たりませんでしたが、2018年ものはラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス誌で18.5ポイント、100点法に置き換えると97.5点になりますか・・凄い評価です。
noisy も何とかファーストヴィンテージを飲みたいと思っていたんですがオファーを見逃しておりまして仕入れられず、ようやっとこの2ヴィンテージ目のシュロスブルグを入手出来ました。
このグラン・クリュ・シュロスブルグはコルマールの北西のキーンツハイムに有り、その北にあるリクヴィールのシュナンブール(シュネンブルク)と、その東に有るジゴルスハイムのマンブールの間に存在する花崗岩質主体のグラン・クリュなんですね。
なので、もう少し北のベルクハイムがドメーヌの所在地では有りますが、ある意味、ダイスの主要な仕事場の真ん前にあるグラン・クリュな訳でして、
「・・いいなぁ・・」
と思っていたんじゃないかと勝手に思っている訳です。
で、さっそく飲ませていただきました!・・ま~・・凄い色彩です!・・非常に濃密な色をしていますよね・・ゴールドと言うか濃い黄色と言いますか・・しかもミネラリティを多く含んでいるような「ぽよん」とした重量感さえ漂ってきます。
アロマは・・
「・・ん・・大部分がリースリング・・でもスレンダーじゃなくて太い!」
と言った印象。

口に含んでみると、太いですね~・・そしてふんわり柔らかい。その柔らかさの中にも滅茶複雑なニュアンスが含まれていて、オイリーさとわずかな蜜っぽさ、そしてリースリングの持つペトロールが軽やかに感じられます。重さと軽さ、そしてその中間がほぼすべて揃っているような印象を受けます。余韻がまた・・何とも長い!・・甘くは無いんですが、要素の集合体として辛さを感じさせないのかな・・と言う感じで「リッチな味わい」です。
何よりも身体への進入角度が優しい・・です。それなのに各要素をしっかり押し付けがましく無く感じさせてくれる訳です。これが昔のダイスなら、
「どうだ~!」
と言いたげな・・ドライなリースリングならやや太めのソリッドですし、ヴァンダンジュ・タルディヴ系なら甘みのデパートにエキセントリックなアロマが香る・・みたいな・・パワハラ状態?・・。でも、そんなパワxラが熟すと何とも心地良い多重奏を聞かせてくれたわけですが、
「すでに開花していて美味しく飲める!」
と勘違いしてしまうほど、現状の美味しさが半端無いです。
また、ドライなリースリングワインが、時に「刃」のようなキレの良さを感じさせてくれるかと思うんですが、このシュロスベルクは「マシュマロで出来た模擬刀」みたいな感じで見事にふんわりしています。やはりビオ転向がこの「ふんわり感」を生み出しているのでしょうし、
「マルセル・ダイスならではの混植!」
で、他の品種も混じっているはずなので、その辺りもこの複雑性が高い反面、まとまりがつかなくなる部分を綺麗にまとめ上げられているのかとも感じます。
素晴らしいワインでした!・・この先十年以上に渡って変化して行くと思います。今のアロマと10年先のアロマは、また全く違うものになるでしょう。飲んでみてください!素晴らしいアルザス・グラン・クリュです。