【おそらくジャン=ミシェル・ダイスがグラン・クリュ畑の葡萄で造ったラストになるであろうワインがこの「箱舟」!!・・多くのメッセージを含んだ見事なワインです!!】

長く反逆者、変人・・しかし導く者としてアルザスを牽引して来たジャン=ミシェル・ダイスですが、
「引退」
のようです。
そしてこの「ラルシュ」がその・・最後の作品になるんじゃないかと言われているようです。違っていたら申し訳ありません。
1990年代からそれまでの地位を捨て去るようにビオディナミに取り組んで来た、その最後が・・
「ラストメッセージを含んだ刮目すべきオレンジワイン!!」
であると言うのも何か出来過ぎているようにも、また、もしかしたらジャン=ミシェルらしい引き際なのかもしれないと感じています。
noisy 的には、
「ビオっぽいものは息子さん、娘さん任せ?」
と勝手に思っていたので、この「ラルシュ」をインポーターさんから・・「こそっ」と4本の割り当てのご案内をいただいた時には驚きました。
で、結局4本では・・テイスティングしますと、完全赤字になってしまうので、「いやだ、いやだ」と都合1カ月も駄々をこね・・
「プラス2本を何とか・・もぎ取ることに成功!」
したんですね・・(^w^)/
で、飲めることになった訳です。
調べてみますと、1年前(2022年頃から?)に、息子さんのマチューさん主体の「ラルシュ」をリリースしたようです。これにはスイスの作家でワイン評論家のイヴ・ベックさんが、
「93/100 Points 飲み頃 2030年まで」と評価しています。
そして昨年、ジャン=ミシェル主体・・と言いますか、ドメーヌ・マルセル・ダイス名にて、この「ラルシュ」がリリースされ、イヴ・ベックさんは・・
「96/100 Points 飲み頃 2025~2043」と・・2年待てと注意書き?を加えての・・凄い評価をしているんですね。

もっとも noisy がそれを知ったのは、この記事を書いている少し前のことでして、当然ながらテイスティング時には何も知らない訳ですから、
「この・・まさに凄いオレンジの生きた色彩を見せるマンモスポテンシャルのオレンジを飲んで・・ひっくり返った!」
訳です・・
「こんなの・・こんなオレンジ、こんなアルザス・グラン・クリュ畑もの・・飲んだこと無いし!」
アルテンベルクのグラン・クリュ畑に2012年に多くの品種・・60品種を植えたそうです。もっとも、それ以前からかなりの品種は植わっていたはずですので、当然、種によっては古木も植わっているでしょう。
ですがまぁ・・インポーターさんのテクニカルでは60品種ですが、実際にこのワインはどうやら47種で出来ているようです。なぜって、
「マルセル・ダイスの X (旧ツイッター) に以下のような投稿が有るから」
です。こんな感じです。
「ラルシュの収穫!ヴァッサルの INRA コレクションから、忘れ去られたアルザス地方の 47 品種のブドウ品種を保存する私たちの計画。ブドウは収穫され、リストされ、重量が測定されてデータベースに乗っけたぜ!」
と・・。
端折りますがとどのつまり、
「アルザスで絶滅寸前の品種を【ダイスの箱舟、アルテンベルク】に植えた!」
と言う事実ですね。
そしてそれはおそらくテクニカル記載の通り・・
「貪欲な人類が自然を破壊している人新世の時代に、工業化のために放棄された、忘れ去られたアルザスのブドウ品種 60 種と正当な花の多様性を箱舟に集めることは、この農園にとって不可欠であると思われます。このキュヴェは、工業農業の同調主義と標準化によって今も脅かされているこの記憶を保存するという私たちの闘争的な取り組みを象徴しています。この素晴らしい、非常に複雑な辛口白ワインは、提供前に 3 時間空気に触れさせるのが理想的です。8°~10°C で提供してください。」
と言うことなんですね。
で、実際のところ・・このように3時間も粘れませんでしたが、noisy 的にはかなり理解出来たと思っています。
ま~・・凄いオレンジです・・こんなに複雑性の高いオレンジには出会ったことが有りません。そして、実は・・
「3時間も経たなくても、抜栓直後からそれなりに美味しく飲めてしまう!」
んです。
正しく抑圧された多種多彩なフルーツ・・それらは美しい酸とタンニンを持ち、果実のリアルさをしっかり持っています。そしてレモンティ、ダージリンなどの紅茶系、お茶、ほんのりウーロン茶などのお茶系、多彩な表情に繋がるに違いない未開発のエレガントな表情さえ・・彷彿されます。適度に膨らみ、余韻も美しく、飲み終えた後に清涼感さえ感じます。
・・・・ですが!
これで終わりじゃぁ無いんですね・・ここからです。時間が経過すればするほど、その何とも表現し辛い複雑性は一体感を見せます。そして、内包され隠されていたミネラリティがワインの味わいをシームレスなものに変え、ややスタイリッシュになって行きます。この感じでもかなり旨いです。
で・・ここからは実際は経験はしていないんですが・・
「明日、明後日は・・相当凄いことになるだろう・・」
と言う予測を立てての・・本日のレヴュー書きなんですね。
テクニカルには、マルセル・ダイスから・・
「3時間前からエアレーションするように!」と記載されています。
そして、イヴ・ベックさんも、
「2025年から2043年までが飲み頃」
と言っています。
そうでしょうそうでしょう・・そんな感じでしょう・・と言うのが noisy的な感覚です。
なので、美味しく飲む・・と言いますか、このワインの本性を見たければ、
「3時間前にデカンタへ」
もしくは、1日目は1杯だけ、2~3日目に本格的に飲み出す・・のが良いでしょう。イヴ・ベックさんの96ポイント、ダテじゃないと同感です。
しかし!・・しかしです!
このワイン、懐が非常に深いので、今でも食中酒として・・最高のマリアージュを見せると思うんですね・・脂っぽいものも、新鮮な魚介なども・・もちろんヘヴィーな味わいのチーズなどへの対応も行けると感じます。なので・・
「ある意味、滅茶悩み深い!」
訳です。
ジャン=ミシェル・ダイスのメッセージが山ほど含まれているのがこの「箱船」です。世界が酷い方向に向かっている・・noisy もそのように感じています。少なくとも人が人でいられるように、植物、動物への尊敬と保護は不可避でしょう。そしてもちろん人間にも・・です。この「ラルシュ」を飲んだら、ちょっと煩い人になってしまったようですが、
「凄いオレンジ・・いや、凄いワイン!」
です。頭をまっさらにして、若いうちの飲み方を間違えないように・・飲んでみてください。ガラス栓です。どうぞよろしくお願いいたします。
■ ネットで拾って来た感想文
・アプリコット、グアバ、マンゴー、レモンピール、ジンジャー。トロピカルになりすぎるのを防ぎます。深みとコクがありながらも、バランスのとれた爽やかなお茶のように飲めました。
・かなりの空気が必要です。ガラスのコルクを抜栓し、コラビンドします。最初はかなりラフなオレンジ色の雰囲気。 Deissのオレンジスタイルの瞬間はまだありません。 2日後、鼻は気に入っています。明るい。細かくドライフルーツ。驚いたことに、アルゴンガスの前に一日エアレーションを行ったところ、これが見事にうまくいきました。独特のディースの雰囲気があり、最高の残留感、ゴージャスな構造、素晴らしいステージになりました。タンニンは超上質。酸味が爽やかです。クリーミーなベース。
・グラン クリュ リースリングと 47 種類の「失われた」アルザス白ワイン品種の素敵なブレンド。びっくりしました。このワインはおいしいです。グラスの中ではダークゴールドから琥珀色。ゴールデンアップルソース、オレンジピール、蜂蜜、オレンジの花、アセテート、アジア洋梨の香り。生姜と濡れた石も。味わいは非常に熟していて、金色のリンゴ、オレンジ、洋梨、新鮮な生姜のピクルス、チョークの香りが豊かで、すべてが果実の甘さに包まれています。辛口のワイン。酸味中+、アルコール中+(13.5%)、ミディアムボディ。とてもテクスチャーがあり、食欲をそそります!