【ブルゴーニュワインに最適のナチュラル感を得たマルキ・ダンジェルヴィーユの味わいはこのA.C.ブルでチェックしましょう!呆れるほどに素晴らしいA.C.ブルです!飲むべきワインです!】

実は、ダンジェルヴィーユのA.C.ブルには、結構に狂信的なファンがいらっしゃいます。その美味しさ、ポテンシャルの素晴らしさに随分前からお気付きになっていらっしゃったのでしょう。
しかしながら・・2018年ものは、それ以前までとは大違い!・・と言えます。ただしそれはA.C.ブルに限ったことでは有りませんが・・。
その理由は、
「ビオディナミを見事にブルゴーニュの高級ワインにベストマッチングさせた!」
と感じられることです。
例えば、どんなにナチュラル度が高くても、美しいディテールを欠損し汚してしまうようなものでは、ブルゴーニュファンは納得できません。赤ワインなら、ピノ・ノワール単一ならではの美しさが有るのに、トップノーズに明らかに・・ぷんぷんと酢酸の香りが有って、終盤から余韻に掛けてはサワー的な酸っぱさが有ったら・・もう幻滅ですよね。
しかしながらこの20年ほどの間に、ブルゴーニュワインにも「ヴァン・ナチュール」が浸透して来ています。気付いていないかもしれませんが、もうすでに皆さん・・ちゃんと受け入れている訳でして、20年以上前には大騒ぎしたはずの「還元香」は、レベルによっては、全く問題が無いものとして受け取っているか、気付いたとしても全く気にならないように、自身が変化してきているんですね。
そもそもは、やや還元状態に置いたワインをボトル詰めしますので、そのタイミングによっては、「やや臭い」「臭い」ものが散見された訳ですが、造り手たちもそれを重視し、タイミングを計れるようになり、その結果として、
「使用So2の量を減らせるようになってきた」
訳です。ダンジェルヴィーユも畑がナチュラル化し、健康な葡萄を得られるようになって、それが具現化してきた・・そして結実したのが2018年ものと言えると思います。
ですので、ディテールは驚くほどに繊細で美しいです。しかし・・So2 の少なさはかなりのものになって来ています。なので、
「管理の出来ないショップでの購入は危険を伴うレベルにある」
と思ってください。サン・スフルだった2016~2017年のグロ・フレールほどまでは行かないとしてもです。
開けたては素晴らしいアロマに驚き、そして・・一口すすった直後は・・
「・・あ・・やっちゃった・・noisy に騙された!」
と、少しの間、ガッカリするかもしれません。騙された自分にイラっと・・するかもしれません。
しかしながら次の二口目には、
「・・あれ?・・ちょと待って・・結構美味しいじゃん・・」
そうなんですよ・・。ナチュラルですんで、変化も早いんですね・・。開けたては少しだけ酸素を取り込む時間が必要かもしれないんですね・・この今のタイミングでは。しかし、すぐに優しく開いて来ます。
そして三口目は、ブルゴーニュ広域のピノ・ノワールの味わいじゃ無くなっているはずです。まさにヴォルネイそのものの、雅で美しい、伸びやかな美しさを見せます。
四口目以降はもう、素晴らしいですよ・・。ヴォルネイ各クリマの表情が、時系列変化で感じられるはずです・・粘土かな?・・赤い土・・白い土・・泥灰土?・・少し鉄っぽい?・・マンガンな感じ?・・ちょっと石英入ったか?・・みたいな感じでしょうか。
もしかしたら、
「A.C.ブルでこの価格は高い!」
と、単純に思ってしまうかもしれません。
でも決して高く無いです。見事な高級ピノ・ノワールです。ボルドーのシャトーものと違って何万本も造れるようなワインでは無いんですね。どんなに出来たとしても2千本がよいところじゃないでしょうか。それがこれだけのパフォーマンスを見せてくれ、この価格で有るなら「安い!」となるはずです。
2018年のダンジェルヴィーユは、ジャイエ系の見事な味わいを、ヴァン・ナチュール的なアプローチで仕上げた完成形だと思います。是非飲んでみて欲しい!超お勧めです。
以下は以前のレヴューです。
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【「果実が濃い~・・」】【・・勿体なくてとても飲めませんでした・・】 実に秀逸なバランスを持つダンジェルヴィーユのパストゥグランを味わってしまうと、このACブルゴーニュ・ルージュの深みが身体に染みて感じられます。このACブルを飲むことで、パスグラの配合とか、今どっちが頑張ってるかとか・・ピノかガメか・・とかですね、そんなことも想像できるようになります。
それに、ヴォルネイ近郊のピノの畑(ムルソー村を含む)の組成をも想像させてくれます。「むっちり」とした部分や「きらきら」した感じとか、「めちゃ美しい土のニュアンス」とかですね。
2016年ものは残念ながら飲めませんでした・・と言うか、飲みませんでした。これは6本だけですから・・。畑の個性を強く出さないのが個性・・と言う感じのヴォルネイ村名ワインと言って良いかと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【ACブルゴーニュだと思わないでください!仕上がりは見事なヴォルネイ・ルージュ!!】
2014年と2015年のACブルゴーニュをご紹介します。
2014年ものを1年間もほったらかしにしてしまった noisy ですが、パストゥグランだけは・・さっさとご紹介していました。2013年もののパスグラは惚れ惚れるような美しい味わいで、
「ん~・・これで充分!」
と思わせるようなエレガントな表情がたまらないワインでした。
2014年もその延長上に有り、とても美味しかったですが、念のために時折開けてみてみると、
「・・その時々で味わいの印象が結構違う」
ことに気付きました。
そうです・・パストゥグランですから、ピノとガメがセパージュされていますよね?・・その、開ける時に、
「どっちが頑張っているか?」
で、印象がかなり違うんですよ。
むしろリリース直後の方が判り易いかな?・・などとも感じたものです。
ACブルゴーニュは、そんなブレンドのワインでは有りませんから、締まったり開いたりはするにせよ、まるで違う表情になる・・と言うのは、少しイントネーションが違います。やはりそこはモノセパージュの表情の変化ですよね。
2015年のACブルゴーニュは10%ほど値上がりしていますが、この年のダンジェルヴィーユの素晴らしさを感じさせてくれる良いワインです。まず村名ヴォルネイと同等・・と言って良い仕上がり具合で、しかも中域が豊かですから、ベリーやチェリーのドライな赤黒果実がたっぷり、ベルベットな舌触りに適度なボリューム、非常な品格を漂わせつつ長い余韻を感じさせてくれます。

まぁ、この辺は流石、「侯爵」と言うことなのかもしれませんね。長い歴史の中で子々孫々受け継がれてきた「味わい」が、品格をもたらしているのかと思います。決して下品になるような強さ、粗さ、荒さは持ってはいけない・・そのように感じます。
2014年のACブルゴーニュは、2015年に比較するとより「透明」です。むしろ「白っぽい」ミネラリティを感じる2015年ものに対し、透き通ったガラス、クリスタルと言ったミネラリティ寄りのものを強く感じます。
その分、とても美しさが際立ちますが、飲まれるタイミングによっては、「硬さ」が出るかもしれません。2015年ものはその辺り、果実の深みや濃度が有りますんで、硬さが目立たないかと思います。
非常に良い仕上がりだと思います。確かにACブルだと理解してしまうと高価だな・・と感じますが、村名をリリースしないダンジェルヴィーユ(多分)にとっては村名同等なのでしょう。お勧めします!とても美味しいです!