
「・・有り得ない・・」
と言うような声が聞こえて来そうですよね?・・そう、3年以上前のダンジェルヴィーユを良く知る人ならきっと、このフルミエにアドヴォケイトが94ポイントも献上するなんて、想像もできないでしょう。
ですが・・これが現実です。圧巻の美味しさです・・だから・・信じられないのも無理はないと思っています。
「でも・・ジャスパー・モリス氏は下げているじゃん?」
そうなんですよ。2018年もので上値93ポイントまで付けたのですが、2019年ものは上値91ポイントと、ただ一人・・下げているんですね。
でもそれにはおそらくこんな理由が有ったと思います。彼がテイスティングしたのが2000年の10月です。なので、製品になるかならないか・・ボトルに入れたかどうか?・・と言うようなタイミングでした。他のテイスターたちは2021年になってから飲んでいますので・・その辺が影響したんじゃないかと思っています。

1枚目も2枚目も・・何か同じようになってしまいまして申し訳ありません。
フルミエらしい、非常に美しい、エレガントな味わいでした。以前のように「どこまでも・・平坦な」と言う単調さは全くなく、見事な起伏を持ち、幾重にも押し寄せるエキスの旨味が果実感を拡げてくれます。
そしてその表情こそに「気品」が有り、もう・・ダンジェルヴィーユの独壇場ともいうべき、ダンジェルヴィーユ劇場が開催されています。畑名の付かない「ヴォルネイ1級」のコラムでも書きましたが、もはやヴォルネイのみに留まらず、ブルゴーニュワイン全体の中でも滅茶光る存在感を出していると思います。
素晴らしく美味しいです!是非飲んでみて・・ビックリしてください!・・あのフルミエがアドヴォケイト94ポイントですよ。この存在感、素晴らしいです。
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細!赤、黒、白の見事な調和!・・2017年ものから生まれ変わった1級フルミエには、さらにナチュラルで細やかな表情が見られます!】
海外メディアの評価を見たnoisy は、
「・・なんだよ・・2017年と変わらないじゃん!」
と、結構にオカンムリです。
「どこ見てんの!」
みたいな感じですよ。
ナチュラルさの増大についても、どのメディアも上げていませんし・・、アドヴォケイトだけは 「lively(活き活きとした)」と言う単語は使ってましたが、海外には「ナチュラル」と言う単語はワインでは使わないのかもしれませんね。
このヴォルネイ・フルミエは、ポマールにもあるフルミエと地続きでして、ポマール側はやや鉄っぽくて土っぽい、ヴォルネイ側はより赤くて黒さも有る・・一般的にはそんな感じかと思います。
2017年もので大ブレークした、フィネスたっぷり、表情の美しさにビックリさせられるフルミエですが、2018年ものもしっかりその性格を踏襲しており、しかもSo2の少なさが、2017年ものでも印象的だったディテールの美しさをさらに際立たせています。
ですので、2016年以前のフルミエしか飲んだことが無い方がこのワインに触れたら、本当に驚くはずです。何を置いても飲みたくなるようなフィネスに満ちた味わいなんですよ・・。
「・・嘘だ~!」
と言いたくなるのは・・判りますよ。でも・・本当なんです。
もしかしたら・・将来的には一番売れ筋のワインになるかも・・と思っちゃうほどなので・・はい。
小さな赤い果実に黒い小さな果実、そして細やかな白い石灰とクリアな透明の石英・・。ほのかなスパイスに僅かに妖艶さが混じり、時系列変化に富む見事な味わいです。
中域もちゃんと膨らんでくれます・・余韻も長い・・・が清楚で、節操が有って、これ見よがしじゃないんです。「どうだ~!」・・みたいな部分など・・まるで有りません。そしてナチュラル感は、このフルミエが一番高いんじゃないか?・・と、noisy は踏んでいますが、そのナチュラル感さえ、So2 の少なささえ、全く押しつけがましく無いんですね。
これは非常に美味しいです!・・ブルゴーニュワインが目指す将来の姿の指標とも言えるワインでしょう。是非飲んでいただきたい1本です・・ですが、悪く成りやすいと思いますので、保存はしっかり!・・購入するショップは選びましょう。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【・・えっ・・1級フルミエが94ポイントって・・本当?・・ある意味、大進化を遂げたダンジェルヴィーユ2017年の象徴かもしれません!】 2016年ものまで結構に頑張ってテイスティングしてきた1級フルミエですから、その貴重なしなやかさ、優しさを湛えた味わいは大好きでした。どこにも出っ張らず、いつも包み込んでくれるようなワインでした。
が・・どうやらそれは2016年までのようですよ。noisy もテイスティングするアイテムを間違えたかもしれません。このフルミエは飲むべきだったかも・・と思っていますが、フルミエではなく「プルミエ」を飲んでしまいましたので・・はい。これは是非、「プルミエ・クリュ」のコラムをご覧くださいね。滅茶苦茶旨いですから・・もう何本も無いですけど。
何と、
「ヴォルネイ・フルミエ/ダンジェルヴィーユが94ポイント!」
です。
信じられないでしょう?・・2016年までの進化がもし無かったら、
「誰だ?・・間違った評価をしたのは!」
と、問題になったかもしれません。
しかしながら、物凄いシャンパンや、呆れるほど美味しい、ただの1級を飲めば、その進化の凄さは想像に難くないですし、クロ・デ・デュックの1900年台前半の凄いワインたちと同レベルにまで評価されるようになったことを思えば、
「フルミエが94ポイントでも驚かない」
と言うような結論に達せるんじゃないかと思うんですね。
そもそもフルミエは、あのポマール・リュジアンに近い畑ですし、プスドールの看板ワインのひとつ、「レ・ジャロリエール」に接しています。マット・クレイマーさんは、
「レ・ジャロリエールとフルミエは双子」
とまで言ってます。
なので、もしダンジェルヴィーユの進化の証を確かめたいという方なら、この「フルミエ」がお勧めですよ・・いや~・・ちょっと楽しくなってきました!是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【深く優しく繊細に美しい・・見事な味わいです!】
まぁ、確かにポマールっぽい味わいです。丸みが有って、ジュヴレ系の尖がったものとはまた異なる鉄分のニュアンスが有り、そこにほんのり白みも差し込む感じです。
しかし以前までのフルミエとは違って「ミネラルだけに支えられている感」が薄れています。しっかりと果実のニュアンスが膨らんでくれるんですね。まず・・色の感じがかなり違って見えるかと思います。
因みに2015年のフルミエは、リアルワインガイド第61号で92~93ポイント、2022~2043 と言う評価でした。以下の文章は2014年ものですが、2016年ものは印象がやや異なります。「キラキラ」と言う言葉が似合わないんですね・・。むしろ「ふっくらとした膨らみと漂う気品」と言いたくなります。
2016年もののダンジェルヴィーユに共通している「ポテンシャルを包み込む気品」は、むしろダンジェルヴィーユが以前より持ち得ていたものに違い有りません。2016年ものの深みを得て、そのことが表面化し感じられたということなのでしょう。以前のヴィンテージはまだ骨格が出来ただけ・・だったのかもしれません。
例えば2016年のカイユレを飲めば、その滲みだす官能さに酔いしれるでしょう。赤く特徴的なアロマにクラクラっとするはずです。2016年のフルミエは、そこはそんな風には成りません。しかしながら非常に繊細で目が細やかで滑らか、それでいてふっくらとして優しく、ジンワリと包み込まれるような包容力が有るんですね。つまり骨格に見事な肉が備わったということかな?と感じました。
そうしても上級キュヴェに目が行きますので、今一つの人気のフルミエです。しかし、2015年もののリアルの評価、92~93ポイントが証明するように、とても高質なヴォルネイ1級です。この質感、気品にぜひ触れてみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ちょっとポマールっぽい丸い深みが特徴!!】
ヴォルネイ的な、やや鋭角な酸を多くは持たない感じ、少しポマールっぽい豊かさを感じさせてくれるのがこのヴォルネイ1級フルミエです。2014年ですんで、非常にエレガントです。2015年のダンジェルヴィーユ的な豊かさやボリューム感、ある種の完璧さを感じさせるものでは無く、2014年までの「とてもエレガント」なダンジェルヴィーユを表現しています。
ヴォルネイって、よく出来たものはキラキラと輝くようなニュアンスが感じられますよね。そんな部分も無い訳じゃぁ無いんですが、むしろポマールっぽい高質な美しい土のニュアンスを多く持ちつつ、赤い果実をほんのり持っている感じです。それを白っぽい石灰系ミネラリティが支える感じでしょうか。
ダンジェルヴィーユのベース的1級では有りますが、クロ・デ・デュックはもう2万超えですから・・はい。取り敢えずこの辺を飲んでみるという選択も有るかと思います。ご検討くださいませ。