● 2020年もので史上最高、ブルゴーニュのドメーヌとしてもトップクラスに躍り出た、マルキ・ダンジェルヴィーユの2021年ものをご紹介させていただきます。
残念ながら、
「史上最高の少量入荷!」
も更新してしまいまして、村名以上はほぼ2本・・とか1本・・とか・・です。パスグラでさえ6本・・ですので、出来る限りのテイスティングをさせていただきましたが、至らない点も有るかもしれません。
ですが、
「史上最高のダンジェルヴィーユ的繊細さを持ったエキスのワインに仕上がった!」
のも間違い無く、飲めた下級キュヴェはテイスティングコメントで、飲めなかった上級キュヴェはメディアの解説で・・レヴューさせていただきました。是非ともご検討いただければ幸いです。
◇ドメーヌより
2021年は4月6~8日の夜間に氷点下5度まで気温が下がって霜が降りてしまった。2016年同様大きな被害が出てしまったが、2016年は全ての葡萄の芽が出ていた4月末の霜害だったので、被害は畑の標高の低い村名とレジオナルに集中した。しかし、2021年の霜は少し時期が早くて村名やレジオナルの葡萄の芽はまだ少ししか出ておらず、被害は葡萄の芽が多く出ていた1級クラスに集中してしまった。夏場も雨が多く冷涼で8月に太陽は戻ってきたものの、9月はまた雨が降り出して収穫は9月20日に雨が降る中で行った。収穫した葡萄は糖度は高くないが適度に成熟しており、甘くチャーミングな香り、ミネラル豊かで柔らかい口当たり、2017年や2019年と同じく早くから楽しめるヴィンテージだが、そこに1本線が通ったきれいで繊細な味わいになっている。
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2020年のマルキ・ダンジェルヴィーユをご紹介させていただきます。圧巻な素晴らしさを見せてくれた2019年ものに驚かれた方も多かったと思われますが、2020年ものはダンジェルヴィーユらしい、いや、ダンジェルヴィーユならではの「優雅さ」と「エレガンス」をさらに追及し実現した素晴らしいヴィンテージになったようです。
「なったようです・・」と言いますのは・・Noisy wine における今のところのテイスティング量が中途半端なんですね。その理由は、
「圧倒的に数が無い・・」
んです。2~3本入荷のアイテムがほとんどでして、流石にその中からはテイスティングアイテムを選べないんです。
ですが、まだテイスティング出来ていない上級キュヴェに関しましては、後でテイスティングできることになっていますので、noisy個人としては良かった訳ですが、お客様には完全版としてはお届けできないのが残念です。
それでも・・例えばヴォルネイ1級シャンパン、ヴォルネイ1級フルミエなどもすでにテイスティング済でして、貴重なクロ・デ・デュックが飲めていない・・そのレベルですのでご安心ください。
また2020年ものは、通常ですと「ブルゴーニュ・アリゴテ」が有るはずなんですが・・2020年ものは有りません。これはアリゴテに関しては沢山出来てしまい、「ブルゴーニュ・アリゴテ」を名乗れる収量制限を超えてしまった・・と言うことで、「プティ・ブラン(スティル)」「プティ・ブラン・ペティアン」をリリースしていますが・・
「このプティ・ブランが滅茶旨い!」
んですね。
「ワインは収量だけで出来が決まる訳じゃ無い」
と・・おそらくギョームさんは言いたいんじゃないかと思えるくらいです。ダンジェルヴィーユのワインが持つ優雅さとエレガンスには、単なる濃度は問題では無く「質である」と言うことなのでしょう。その辺はぜひ飲んでお確かめいただければと思います。
で、2020年ものは2019年ものを凌駕するような出来だと noisy は判断しています。しかしながら現状は、
「完全には仕上がっていない」
です。
ですので、こう・・考えていただければ大丈夫かと思います。
「今飲んでも美味しい。ダンジェルヴィーユらしい優雅さとエレガンスが育って行く姿を確かめながら飲める!」
そんな感じなんですね。
下級クラスですとベストは春頃からでしょうか。グググっとコアが出来、その周りを見事な表情で埋め尽くしてくれるでしょう。詳細は各コラムをご覧ください。
飲めやしませんでしたが、海外メディアも驚愕・・もしくは狼狽したんじゃないかと思えるような評価が出ていた「村名ヴォルネイ」・・呆れた評価が出ていますので買えたらラッキーかもしれません。これも少し落ち着けてから飲んでください。
上級キュヴェも飲めなくはないです。フルミエやシャンパンも飲めます。ですがこちらは春から、もしくは2~3年のエルヴァージュをお勧めします。
またトップ・キュヴェのクロ・デ・デュックは飲めた段階でコラムに書き足そうと思いますが、アドヴォケイトやジャスパー・モリス、アレン・メドゥズと言った影響力の大きいメディアが2019年ものより上値で1ポイント下げたのに対し、テイスティングブックが99ポイント、ファルスタッフが98ポイントと・・おそらく史上最高の評価を与えています。面白いのはテイスティングブックで、
「史上最高評価の99ポイントに飲み頃が2020~2035年、デキャンタタイムが4時間!」
とまで書いています。つまり、デキャンタを4時間すれば今でも美味しく飲める!・・と言っている訳です。
昨年ご案内の2019年もののリリース時には、結構に美味しく飲めてしまいましたので、やはり2020年ものは・・
「素晴らしい出来だけに成熟に少々時間が掛かる!」
と言うことなのでしょう。
おそらく早々に完売するに違い無い2020年もののマルキ・ダンジェルヴィーユです。お早めにご検討くださいませ!
■ ドメーヌによる2020年ものの評価
冬はとても暖かく最低気温が氷点下になったのはたった7日間だけだった。1月は乾燥していたが、2月から3月に掛けては雨の日が多く、例年よりも90mmも多い降水量があったので地中に蓄えられた水分量は十分だった。3月10日頃には天候は回復し、風が強く吹いた影響もあって乾燥してくれたので葡萄の生育は過去最高に早熟な傾向になった。4月も暖かく乾燥していたので葡萄の成長はさらに加速し、例年の1.5倍の日照量があったので5月中旬には開花が始まった。6月には雨が降って気温が下がったが葡萄の成長は止まらず、7月上旬には色付いた房が見られるようになった。2020年ヴィンテージの収穫はドメーヌ史上最も早い8月19日からで健康的な葡萄が収穫できた。なめらかで控えめながらも骨格はしっかりとしており、タンニンも良く熟して酸味もある完璧なバランスになっている。
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圧巻でした!・・過去最高、そしてクロ・デ・デュックのグラン・クリュ昇格を確信した2019年のダンジェルヴィーユをご紹介させていただきます。まずはパスグラで結構です!高いと思わないでください。非常にリーズナブルです。
そしてA.C.ブルは村名並み、村名は・・言い辛いですが飲めてない・・(^^・・1級も物凄くエレガントで凄い「美」です。何を飲んでも外さないと思います。超お勧めです!
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ついにマルキ・ダンジェルヴィーユが来た!・・と宣言したいと思います。このところのフィネスさん輸入アイテムの躍進の目覚ましさも半端無いですが、このダンジェルヴィーユもついに2018年もので、ギョームさんの理想を現実のものにしたと確信しています。
何より、
「有るべき理想のブルゴーニュワインの姿」
だと思います。
そして、
「ヴォルネイと言う小宇宙が大宇宙コート・ド・ニュイを超えた」
と言っても過言では無いほど、ヴォルネイの畑の各テロワールが、まるでコート・ド・ニュイの各アペラシオンのそれと簡単に対比できるような能力があることを見せつけています。
ビオディナミへの転向を2009年に終え、その畑が本来の能力を充分に発揮しはじめたことが大きいかと思いますが、2018年の天候が良く熟した葡萄を得させたことも重要でしょう。
そして、丹念に育てた葡萄は1つの樹当たり6房までに限定、よく選定し「除梗」した葡萄を「低温浸漬」し、長めの発酵に持ち込む・・これはあの、アンリ・ジャイエの手法にかなり似ています。
事実、2018年もののマルキ・ダンジェルヴィーユのピノ・ノワールは、明らかにジャイエ系の味わいと言って良く・・いや、同じだとは言えませんが・・、2017年ものまでに感じられた、ある種の「ゆとり感」ですね・・これは、どこかゆったりとしていて張り詰めてはいない・・ことにも繋がっていましたが、もはやそんな「貴族のゆとり的な部分」は有りません。
A.C.ブルゴーニュでさえ・・心を奪われるほど素晴らしいです。そして、ヴォルネイ村名の美味しさ・・、あの全くのノーマークで良かったはずの1級フルミエは、2017年もので一躍「超秀逸な1級」に衣替えしましたが、
「さらにしっとりしたナチュラルさと精緻さが備わった!」
ことにより、呆れるほど美味しいヴォルネイ1級に仕上がっています。
そのナチュラルさは、テロワールの主張をさらに詳細にまで明け透けにしてくれましたので、各クリマの特徴をハッキリとさせ、飲み比べの楽しさも大いに増えたと言えます。
ヴォルネイと地続きのムルソーにある、ムルソー=サントノ1級の、ボリューミーにして繊細な美味しさは2018年で完成形になったと思われますし、ヴォルネイの下部(東側)の畑から生まれるA.C.ブルゴーニュ・ブランとアリゴテは、そのA.O.C.の名前の響きとは、とても釣り合わない高質なものに仕上がっています。
A.C.ブルで良いと思います。飲んでみて、是非ともビックリして欲しいですね。A.C.ブル、ピノ・ノワールは・・ある意味、ダンジェルヴィーユのヴォルネイの各1級畑の、全ての味わいを時系列でチラ見させてくれます。村名ヴォルネイになると、もう・・相当な品格です。勿論、1級群の素晴らしさは呆気に取られるほどですので、
「各海外メディアの評価はまだ低すぎる」
と感じます。
そして、この先何年かで、
「ヴォルネイが飲みたいんだよ!」
と言う時代になると確信しとり、この2018年ものがその幕開けになったと思っています。
是非どのワインでも良いですので、どれか1本でも飲んでみていただきたい・・そう思っています。超お勧めの2018年、ダンジェルヴィーユをよろしくお願いいたします。
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このドメーヌは約200年に渡り、ヴォルネーでワインを造り続けています。1906年からINAO(フランス原産地呼称統制協会)の創立メンバーの1人であるマルキ ダンジェルヴィル氏がドメーヌの仕事を引き継ぎ、フィロキセラの被害にあった葡萄畑の再建に尽力しました。1952年には息子のジャックダンジェルヴィル氏(現当主ギョーム ダンジェルヴィル氏の父親)がドメーヌを継ぎ、父同様に品質を重視したワイン造りを続け、また様々なワイン関連機関の設立に貢献しました。ジャック氏の他界後、2003年から息子のギョーム氏がドメーヌを引き継ぎ、ジャック氏と15年間共に仕事をしてきた農業技師であるルノード ヴィレット氏の助力を借りながらワイン造りを行っています。
ドメーヌの「偉大なワインは葡萄の収量を制限した収穫から生まれる」という理念に基づき、1株につき6房に抑えて凝縮した質の高い葡萄を作っています。現在は約15haの畑を所有し、丁寧に耕作されている排水の良い石灰泥灰土壌にたくさんの古木が地中深くにまで根を下ろして、様々な要素を葡萄に与えています。2006年ヴィンテージから毎年25%の割合でビオディナミに移行しており、2009年ヴィンテージからすべてビオディナミによる造りになりました。
収穫は全て手摘みで除梗も100%行われます。醗酵前に低温で果皮浸漬を行い、温度管理がしやすく、外気との遮断が容易という理由から、アルコール醗酵は木製の開放桶で約14日間行います。熟成は228Lの樫樽で15~18ヵ月間行われ、年にもよりますが新樽比率は約25%になります。また、白において2006年から醸造方法をかなり変えていて、昔はステンレスタンクでアルコール醗酵を行ってから樽に移していましたが、今はアルコール醗酵から樽を使用をしています。