【ジャスパー・モリスさんは2019年ものより1ポイント下げましたが・・果たしてそれは正しいのでしょうか。】-----以前のレヴューを掲載しています。

そもそも海外メディアはムルソーの北・・畑はヴォルネイ、もしくはその境に有るんですが、ここは決まったように92点止まりなんですね。頑張っても93点でしょうか・・その上にくるワインは見たことが無い・・コシュ=デュリも持って無いし・・。反対にムルソーの南、ピュリニーとの境になって来ますと、これはもう・・ほぼ天井無しでの評価になります。特にペリエールですね。シャルムも時折凄い評価が出ることが有ります。
まぁ、南の方が複雑性が高く、ピュリニーに似たニュアンスを持っていることも有ろうかと思います。基本はそれで良いと思うんですが、凄く良く出来た時位・・
「ちゃんと評価してあげて欲しい」
と思うんですね。まぁ・・ムルソーはそんな評価対象になっています。
こちらのサントノはダンジェルヴィーユご自慢の1級畑です。周りはヴォルネイの至宝ともいうべき1級畑がずらり・・です。カイユレはすぐそこです。
で、2020年ものなんですが・・この色彩ですよ。凄いでしょう?プティ・ブランもそうでしたが、
「イエローが濃い。奥にグリーンが透けて見える感じ。」
が見て取れます。
オイリーさも有りつつ、その粘性からの「旨味」が半端無い・・でもダンジェルヴィーユ的なエレガンス、優雅さが有るので、
「実に優美なムルソー1級!」

に仕上がっているんですね。
このサントノもまた他のキュヴェ同様、完全には仕上がり切ってはおらず、その優雅さ、優美さを生育中で、飲んでいる最中にもその「成長」が見て取れる感じなんですね。ですので飲んでいてすごく楽しいんです。
むしろ抜栓直後は「美しい!」「質の良さ」「エレガントさ」「ピュアさ」が目立っているはずです。それがまた飲んでいる最中に「優美さ」を得て行く訳ですね。
このような白ワインって、結構に見当たらないと思うんですよ。そもそももっと、「バキッ」と硬さが先に来て、
「お~っ・・硬いな~~」
みたいな印象を受けるはずなんですね。
ところがダンジェルヴィーユの場合、柔らかさやしなやかさが必ず感じられるんですね。これがビオ度が上がっていること、またSo2の量・使い方、澱の使い方などによるかと思うんですが、他の方には中々みない特徴でもあるかと思うんですね。
上質さ・・それがダンジェルヴィーユのワインです。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【気品漂う見事なムルソー1級!滅茶フィネスたっぷりなムルソーって・・飲んだこと、有りますか?】
素晴らしい出来でした!・・もっと早くご紹介させていただく予定だったんですが、遅筆と多忙が重なって・・と言いますか、少し言い訳をさせていただきますと・・
「ブルゴーニュのドメーヌで10アイテム~20アイテムも有ると、ちょっとやそっとじゃ書き上げ切れない!」
訳ですね。
ましてや週に2度平均で新着のご案内を出すとなると・・月曜に書いてアップして、火曜に伝票を打ってそれなりに出荷して・・水~木曜で書き上げなければ木曜の新着には間に合わない訳です。金曜は伝票打ち、ピッキング、梱包とこなしますが、月曜にいただいたご注文分のお届けの出荷が金~土曜に重なる場合が多いので、特に金曜は
「しっちゃかめっちゃか」
になります。土曜も出荷は結構多いですし、土日はお客様もご来店されます・・すると・・もう月曜日なんです・・。
「一体ど~せい・・っちゅうの?」
と言うくらいに雑用が山ほどありますので、結果として1年に360日は働くことになってしまう訳ですね・・。ブラックの鏡、そのものです・・とは言え、社長だけがブラックな働きですが・・テイスティングに出かける?・・いや、無理です。買い物にも行けません。
なので、一旦書き切れないアイテムは、しばらくタイミングを計ってご案内するようになってしまう訳ですね・・。ネガ入ってしまいまして申し訳ありません。
ですが、
「昨今のダンジェルヴィーユは物凄い!」
を証明するかのような素晴らしい出来でした。ダンジェルヴィーユは白も激旨です。
サントノですからムルソー村のヴォルネイ側、北側にある1級畑です。村の中央から西側、南側にある畑よりも「粘土」の存在がこのサントノの優れた味わいを造っていると思います。しかも「ヴォルネイ=カイユレ」や「クロ・デ・シェヌ」に似た粘土を相応に持っていますので、そんな「ミネラリティ」と同様な組成を感じさせてくれます。
そのバランスがまた「フィネス」に大きな影響を与えていると思いますし、樽の使い方がまた・・めっちゃお上手なんですね。まるでもう・・仕上がっているかのようなバランスで飲ませてくれちゃいます!勿論、素晴らしい柑橘のニュアンスが有りますが、
「マンモス柑橘~!」
と言うような「派手さ」などは微塵もないんですよね。あくまで「フィネス」としか言いようのない華麗さを漂わせてくれます。ミネラリティにしてもそう・・
「凄いミネラル!」
と言うような表現は当たらないと思います。しかしながら、相当な量のミネラリティを含んでいるのは間違い無いんですけどね。
なので、その意味で言うと・・仮にコント・ラフォンのムルソーシリーズで言うなれば、確実に1級の上級キュヴェ並みのアイテムに近いニュアンスです。ジャスパー・モリス氏は92点までしか付けていませんが・・それはちょっとな~・・ムルソー=サントノと言うアペラシオンに対する既知の知見からの評価に過ぎないかと・・低過ぎると思います。是非飲んでみて下さい!滅茶美味しい・・素晴らしいフィネスを感じさせてくれる、珍しい?ムルソー1級です!
以下は以前のレヴューです。
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【A.O.C.ヴォルネイを引き立たせるムルソー=サントノの存在は、正にヴォルネイ=ムルソーと言うアペラシオンとピノ・ノワール=シャルドネと言う品種の接点を感じさせてくれます!】
「赤ワインは好きなんだけど白は飲まないんだよね・・」
とか、
「ピノ・ノワールは飲むけどシャルドネはね・・」
と言う方も結構に多いように感じます。ただし、Noisy wine のお客様は結構・・白ワインもお買い上げになる方が多いです。中には白ばかりの方もいらっしゃり、まぁ・・かなり変なショップですから、素晴らしいお客様が多いのでしょう・・。
ですが、例えばミュジニーと言うブルゴーニュ随一のクリマには、赤い部分と白い部分が有って、それぞれピノ・ノワールとシャルドネが植わっているのはご存じかと思います。
でもこれって・・ブルゴーニュではアチコチに散見されるんですね。結構に白い表土に植わっているピノ・ノワールとか、その逆も有ったりもする訳です。
そして乾いた土・・粘土が多かったり少なかったり・・、水分供給できたり、ほとんど出来なかったり・・です。グレートな畑はまるで人格が有るかのように、自身でしっかり振るまいのできる畑だったりします。
ちょうどヴォルネイとムルソーの村では、植わっている葡萄がほぼ真逆な訳ですね。基本的にはヴォルネイはピノ・ノワール、ムルソーはシャルドネです。ですがムルソーの赤い粘土の多い部分にはピノ・ノワールが植わっていて、条件の良い畑・・人格が備わっていそうな畑は「ヴォルネイ=なんとか」になる訳です。それ以外はムルソー=サントノ、ムルソー、もしくはA.O.C.ブルゴーニュです。
このムルソー=サントノは、ヴォルネイとの境界のムルソー側の上部にある1級畑です。情報が有りませんが、ダンジェルヴィーユの畑はおそらく、レ・プリュール(レ・プチュールとも言う)畑で、泥灰土(でいかいど、marl)は粘土と石灰(、もしくは炭酸カルシウム)のことを言いますが、正にここがそうなんですね。
粘土が多く、また赤い土も有り、石灰(もしくはカルシウム)も存在しているので、ねっとりとしたグラマラスな味わいのシャルドネが生まれる訳です。
で・・2017年ものまではそれだけで良かったんですが、2018年ものにはもう少し書かなければいけなくなりました。そう・・単に「グラマラスな味わい」じゃぁ無いんですよね。
So2の少なさから来る柔らかさ、瑞々しさ、ナチュラルなニュアンスは2018年のアリゴテやA.C.ブルと同様です。この比較的強い泥灰土から生まれるのでグラマラスでは有るんですが、非常に繊細でスタイリッシュなんですね。
いままでは「複雑でファットな味わい」で良かった・・しかし、2018年ものはかなりの繊細さが加わり、瑞々しさが強くなり、さらには「気取った感じ」が無くなって精妙になったんですね。
だから美味しくない訳が無い・・と感じてしまいます。今飲んでも美味しいです。でも寿命は相当にあると感じますので、3年経過したら相当に良くなるとも思っています。
そして・・こんなことを書いて良いのかどうか・・例えば、飲んだ方には伝わるかと思いますが、あの素晴らしいイタリアの「ロアーニャ、ソレア」とかなり通じる部分が有ると感じました。あのソレアは、シャルドネ70%にネッビオーロが30%ほど入っているんですが、似てるんですよね~・・イメージが・・。
まぁ、葡萄は葡萄ですから、黒い果皮なのか白いのかで、結構に造り方は異なるんですが、昨今はそんな「垣根」が取っ払われつつ有りますよね?・・そんな部分も感じていただきながら、是非この素晴らしいムルソー1級を他の試飲でいただけたら幸いです。
かなり美味しいです!・・お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【A.C.ブル、そしてアリゴテの素晴らしさを見ると、期待が膨らむトップ・キュヴェです!】 2017年ものの入荷が多く無かったので、テイスティングはパスさせていただきましたが、残るようならば年末年始に飲んでみたいと思っているマルキ・ダンジェルヴィーユの白のトップ・キュヴェです。
まぁ・・ハッキリ言って、このサントノ白の日本での人気は今ひとつでしょう。どうしても赤のイメージが有ってそれが影響していると思います。
ですが、ブルゴーニュのワインを結果的に育てて来たのは、領主でも有る貴族たちです。そこには当然、宗教も絡んで来ますし、フランス革命を大きく絡んでいます。
日本では、海外のような「領主と領民」意識は今ではほぼ無いと思われますが、海外ではどこか、
「私は貴族、あなたは平民」
みたいな匂いがまだ残っているのかもしれません。
しかしながら現在のそれぞれの意識がどうであれ、良いものを食し、飲んで来られたのは上流階級の方々ですよね。フランス革命でブルジョワジーが台頭し現在に続いている訳ですが、やはり、
「素晴らしいワインや素晴らしいワインを生む畑」
は上流階級に支配され、愛され、飲まれてきた訳で、彼らはやはりそんな記憶も受け継いでいるのかな・・とも感じます。
2016年までのこのムルソー・サントノや、2017年のブルゴーニュ、そしてアリゴテを飲んでみると、その進化の凄さも思い知りますが、
「彼らが組み立てるワインの味わい」
にも興味が行きます。
まぁ、ピノ・ノワールの方はそちらのコラムで書きますが、13.5度のアルコール度でこれほどまでにエレガンスを表現できるというのは、技術もさることながら、
「この味わいが良い」
と思える・・判断できる感性によると思うんですね。
なので、この2017年ムルソー・サントノは・・おそらくですが、物凄いことになっているはずなんです。
ですが・・敢えてマイナス要素を書きますと、アラン・メドーの評価が見当たりまして、それが 89~91 Points だったんですね~。noisy 的な予想では、94ポイント以上でしたので、ちょっと残念では有ります。・・まぁ、アラン・メドーさんの評価は、noisy とは余り相性が良く無いようで・・余り一緒にはなりませんが。
と言う訳で、飲んではいないが、2017年のダンジェルヴィーユの他のワインの出来を見れば、凄いことになっているはず・・と予想しています。是非トライしてみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ほんのりとマッタリ粘っこく精緻さを感じさせる大人のムルソー!質感・完成度高いです!リアルワインガイドでも2014年は92+、2015年は93+と格上の評価!】
ヴォルネイの偉大な生産者の姿を完全に取り戻したと言えるマルキ・ダンジェルヴィーユです。シャルドネも気品高く、完成度が非常に高い!やはりどこか「ヴォルネイ」と書いた看板を背負っているかのような見事なムルソーで、ムルソー村の南から中央部に掛けて存在する、正に
「ムルソーらしいムルソー」
とは一線を画すニュアンスが有ります。
やはりムルソーらしいムルソーは、白や灰や黄色や黄土色、もしくはそれぞれを非常に色濃く持っていて、それを強く感じさせてくれます。時にハードに、エグイ角度で侵入してきては、脳裏に強烈な印象を刻むものが多いです。
しかしながらダンジェルヴィーユさんのムルソー=サントノ1級は、侯爵・貴族の血がそうさせるのか・・決してそんなエグイ角度では入射して来ないんですね。まぁ、畑の位置も勿論関係有るのでしょうが、このところのダンジェルヴィーユさんのワインは、例えベースラインの「パストゥグラン」でさえ、
「気品の漂う・・」
と言うような修飾が、もっとも似合うと言え、このムルソー=サントノも気品に満ちた味わいなんですね。
ここの畑はもちろん、ムルソーの最も北側に有る、ピノ・ノワールだとヴォルネイのアペラシオンになる部分と重なっています。この辺でシャルドネが植わっていると「ムルソー(1級)」になりますし、ピノ・ノワールが植わっていると「ヴォルネイ(1級)」になる訳です。
ピノ・ノワールとシャルドネの両方が植わっていると言うことは、粘土がしっかり有る土壌・・と想像されますし、また、かなりの石灰土壌で有るとも言えます。そんな土地ですんで、
「やや粘っこくて石灰質のしっかりある、ムルソー南部の1級の厳しい大理石感が余り無いムルソー1級」
と言うことになりますよね。

今回ご紹介するのは2014年ものと2015年ものです。ダンジェルヴィーユさんのワインのご紹介は、ヘタレのnoisyは、余りのアイテムの多さに二年続けてへこたれてしまって・・さすがに三年溜め続ける訳にも行かないので・・頑張って書いているところです。この時期は毎年、リアルワインガイドのテイスティングと決算と年間で最も入荷が多い時期の毎週の新着更新が重なり、疲れは溜まるは、ワインも溜まる、おまけにそんな時には決まって、
「・・コンピュータの調子が悪い・・」
「・・プリンタが壊れた・・」
「サーバーの調子が・・」
「今まで動いていたWebアプリケーションが突然、今までと違う動きになってしまう・・」
などと言うような、とんでもない状況にnoisy を導いてくれます。たった今も画像転送用のアプリケーションが・・クリックするとワインの写真をサーバーにアップできるようにしているんですが、何と・・サーバーにアップすると「PATH付きの写真の名前になってしまう」と言う・・酷い状況になってしまってました。
「・・犯人は・・誰だ!」
と犯人捜しをしたいところをグッと抑え、当該のソフトのコードを再検証し、直して再度サーバーにアップ、事なきを得ています。「・・何やってんだかなぁ・・」です。
2014年のムルソー=サントノはほぼ完璧、非常に美味しいです。オイリーでほんのり粘っこい・・そこにしっかり気品を得た素晴らしい味わいです。2014年らしくやや涼やかで明瞭な酸味が気持ち良いです。
2015年のムルソー=サントノはとても大柄です。グラマラスな仕上がりで、2014年同様に甘く無く、ほんのりと「緑色」を覗かせる風味がまた素晴らしい・・noisyの場合、この「緑」を感じるとさらに評価が上がっちゃうんですが・・そこは人によるかとは思います。
柑橘系の果実もたっぷり、グラマラスですがぜい肉無し!どちらを選んでいただいても文句の無い仕上がりかと思います。
まぁ、ダンジェルヴィーユさんにとっては、シャルドネの
「トップワイン」
であるワインです。根を詰めてしっかり丁寧に造っているのが伝わってきます。ぜひ飲んでみてください。余分な作業でややイライラしていても・・しっかり和んでしまいます。お勧めです。