
一般格的にはヴォーヌ=ロマネが上でシャンボール=ミュジニーはそのすぐ下・・のようなイメージが有るかと思います。ドメーヌ・ミシェル・グロのポートフォリオ的には同格・・と言うことなのでしょう。
今回、久しぶりにフルラインナップでドメーヌ・ミシェル・グロを扱うことにした訳ですが、その中でも意外にも仕入れ辛いのがこのシャンボール=ミュジニー、ヴォーヌ=ロマネなんですね。勿論、
「ん?・・そんなこと無いんじゃない?」
とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、より良いコンディション、味わいを求めますと結構に難しいものです。
「・・そこだけ・・美味しいとこだけ抜くんですか?」
と言われちゃうもので・・。エージェントさんもそれなりのアソートで購入しますから、バランス良く買ってくれないと困る訳ですね。でもアチコチのエージェントさんも有りますから・・ね。色んなやり方が有って難しいんです。
noisy 的にはこのヴォーヌ=ロマネ村名とシャンボール村名、そしてニュイ1級がとても好きでして、数本ずつの3アイテムのうち、何をテイスティングするかで悩んだんですが、このところしばらく飲めていないシャンボール村名を飲むことにしました。
いや~・・画質を落とした写真しか掲載出来ないのが残念ですが、実際はめっちゃ綺麗です!もっと美しいんですが腕が無い・・すみません。久しぶりに飲んで、やっぱりビックリしました。超旨いです!
まぁ、このミシェル・グロさんりのシャンボール=ミュジニー村名についてはリアルワインガイドでも太鼓判ですから皆さんもご存知かと思いますが、
「シャンボール村名のトップ」
と評価しています。
確かに・・それ以上のものを感じさせてくれるクオリティなんですが、どこか、シャンボールだけの表情とも思えないような匂いをふんだんに感じるんですよね。
肌理の細やかさはまぁ・・バッチリですし、シャンボールらしい艶々とした石灰系のニュアンスも有ります。しかしそんなシャンボールらしさは「縁の下の力持ち」的な存在で有って、むしろ、ヴォーヌ=ロマネ的な柔和でバランスの良い酸、らしい複雑性とアロマが、ワインを飲む楽しさを再認識させてくれちゃうんですね。
特にシャンボールと言うアペラシオンは、確かに果実を感じさせてくれはしますが、若い内はむしろ石灰系のミネラリティの存在が目立ちます。前面に出て来る・・と言う意味です。
しかしグロさんちのシャンボールは、粘性が有って・・つまり粘土による影響、もしくは赤い土・・のような構成からの果実だったりスパイスだったり・・が前面に来ています。
ヴォーヌ=ロマネ村名にシャンボール的な石灰の下支えのボリュームを増大させた感じ・・と言っても良いかもしれません。シャンボールの表現には余り出て無いボリューム感と言えば良いのか。良くも悪くもヴォーヌ=ロマネ的で有り、もしくはミシェル・グロ的だと言うことなのかな・・と理解しています。ヴォーヌ=ロマネ イコール ミシェル・グロ 的なものが、脳内で出来上がってしまっているのかもしれません。「標準・超スタンダード」と言うことなのかもしれません。
じゃぁヴォーヌ=ロマネはどうなんだ!・・と言うことになるんですが、こちらもやっぱり・・今回は飲んではいませんが、見事なヴォーヌ=ロマネなんですね。リアルワインガイド的には59号で、ヴォーヌ=ロマネ 90+~91+、シャンボール 91~92 と、ものの見事に、キッチリと 0.5ポイント、シャンボールが上の評価点を出しています。
まぁ、この辺は好みだと思うんですね。それに2015年は「甘い」と言うような評価が有りますが、まぁ、それがもし感じても最初のうちだけです。noisy が飲んだかぎりにおいては、このシャンボールを甘いとは絶対に言わないですし、むしろいつもよりもより好ましい・・と言うと思います。
それにね・・将来的には非常に複雑なブケをかもし出してくれるのが判るアロマなんですね・・。勿論シャンボールですから非常に長命です。ヴォーヌ=ロマネよりも長く持つでしょうし、時折へそを曲げる癖は直らないと思います。その点ではヴォーヌ=ロマネのバランスの良さは素晴らしいですから、シャンボールのような癖は無いです。良くも悪くもシャンボールは「石灰」の多分の存在が影響するんですね。
なので同格ですが、早めに飲むならどちらでもOK、ちょっと置くならヴォーヌ=ロマネ、長く置くならシャンボール・・と言うことになるかと思います。素晴らしいワインでした!超お勧めします!是非飲んでみてください。