● さあ、ミシェル・グロの2015年です。少ないアイテムですがテイスティングした結果思ったことは・・・、
「やっぱりミシェル・グロはブルゴーニュのスタンダードなんだなぁ・・・」
ということですね。
単なる標準・・・では無く、高級ワインの有り方としての標準なんですね。ACブルゴーニュ、オート=コート・ド・ニュイはいつ飲んでも平均以上に美味しいです。ブリュレ、クロ・デ・レアは複雑性を見せ、クロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイはトップ・キュヴェとしての格の違いをきっちり見せてくれるでしょう。今でも美味しく飲め、この先もそれぞれのポテンシャルに従って良い熟成をしつつ、楽しませてくれるでしょう。

1830年、グロ家はヴォーヌ・ロマネ村で開業する。今日では、6代目のミシェル・グロが、先祖たちの仕事を受け継いで発展させている。また、妹はDomaine AF Gros、弟は Domaine Gros Frere et Soeur、従妹は Domaine Anne Grosを経営し、彼らも同様、グロ家の家業を続けている。
情熱家であり、同時に厳しさをも持ち合わせるミシェル・グロは、ワイン造りに不断の手間をかける。畑仕事から瓶詰めに至るまで、各段階の技術を修得している。慎ましい性格の彼は、ワインを通じて自分を表現する。寛大で、繊細でエレガントなワイン。その品質は常に一定している。
ミシェル・グロと彼を支える従業員たちは、ワイン造りにおける情熱と要求の高さを、皆様にご紹介します。
【2015年ヴィンテージについて】
2015年はブルゴーニュの偉大な赤ワインを誕生させるに相応しい、栽培条件に恵まれた年でした。例年より10%も上回る豊富な日射量 、気温も4、6、7月は2℃、8~9月にかけては1℃と過去平均を上回っていました。3月から安定して乾燥した気候が続き、特に7月には炎天下となって、未熟な小さなブドウ果が大きく膨らんでいく成長が阻まれました。
そのような状況下、8月に幾度か訪れた俄か雨は水分補給の絶好のチャンスとなり、ブドウがストレスを感じずにそのまま成熟の過程を辿ってくれましたが、私たちが期待する粒の大きさに達するにはこの雨は時期的に遅すぎたのです。雨量の少ない気候条件が起因して全体的に収量は少なくなりましたが、乾燥した気候下で育ったブドウだからこそ、ワインは素晴らしく凝縮しています。まるで非の打ち所の無い、健全でパーフェクトに熟したブドウ。そのような美しい果実から醸されたタンニンは、たっぷりと豊かなテクスチャに包まれています。2015年のワインは、2005年、2010年の系列の酒質と考えられ、2000年代初頭の長熟性の高いヴィンテージにまた一つ比肩するものとなっています。