● 2017年のミシェル・グロがほぼフルラインナップで到着です。このところ再度定番化して来ましたが、非常に評判が良いです。
何せ、価格がリーズナブルです。グラン・クリュでも2万円しません・・A.C.ブルも3千円、オート=コートも3.5千円以内、村名も安いです。
そして評価も、低く無かったもののさほど高くは無かったですが、このところは非常に高評価を得ています。トップ・キュヴェのクロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイは96ポイント、ヴォーヌ=ロマネ・クロ・デ・レアは94ポイントと、リアルワインガイド第67号は評価しています。
そして、ま~・・呆れるほどに非常に美しく、エキスに満ちています。2017年ものは、今スグに飲んでも充分に旨い!
この2年のミシェル・グロの変化は凄い・・と言う認識です。これは某編集長とも同じです・・(^^;;
noisy 自身も、今更ミシェル・グロの扱いを再開するようになるとは思っていませんでした。しかし、色々と思い返してみると、
「ミシェル・グロこそグローバル・スタンダード」
です。
そして、どんなドメーヌたちよりリーズナブルに、ブルゴーニュのド真ん中のワインを供給し続けてくれています。
日本には多くのインポーターさんがいらっしゃいますし、多くのワイン販売店が存在します。その中で、
「コンディションの良いミシェル・グロのワインをお届けすることの重要さ」
を感じています。
2017年のミシェル・グロは、どのワインも本当に素晴らしいです。どうやらミシェルの息子さん、ピエールさんの参画が影響していそうです。是非飲んでみていただきたいと切に願っています。
エージェント資料より
【2017年ヴィンテージについて】
早春から気温が上昇し、夏の太陽の熱と光に恵まれた2017年。その太陽は収穫後までも続いていきました。4月27、28日、ヴィニュロンたちは震えました。
「明け方に零下になる」という予報が報道され、昨年の霜害の悪夢が胸を過ったのです。コート・ド・ニュイ中のヴィニュロンたちが立ち上がり、大惨事を逃れるために藁の束に火をつけて回りました。その努力の甲斐あり、2017年のブドウの芽は守られたのです。
6月。この上ない晴天に恵まれ、ブドウの花は始終完璧な開花期を全うし、結実したブドウの実は日に日に膨らみ、ヴィニュロンの目に豊作の兆しを約束してくれました。
7、8月も自然は私たちを応援してくれ、8月末の数回の雨は、乾燥気味な大地を適度に潤し、ブドウの成熟を促進してくれました。収量を抑えるために春に仕立てておいた短い枝の上にもブドウはたわわに成っていたので、私たちの畑では夏のあいだにグリーンハーヴェストを実行して、最終的に実らせるブドウの量を減らしていきました。2016年に霜害に遭った畑では、その反動で特にブドウの出が良く、監視する必要がありました。
9月9日、コート・ド・ニュイの畑はいよいよ収穫開始です。その間にもブドウは瞬く間に熟度を増していったので、急いで摘み取りを進め、10日後にはすべてのブドウを収容しました。
この年のワインは、この「達成された熟度のブドウ」を顕に反映しています。タンニンが柔らかく絹のようで、酸は穏やかで、 醸造によって引き上げる必要があったキュヴェもありました。ブドウの健全度が最良だったので、選果は殆ど無意味なほどでした。それらのブドウから、鮮明で濃い色、透明でピュアなアロマが醸し出されていきました。
2017年のワインの特徴を要約するなら、若いうちから開いていて誘惑的。一方で10年間は複雑性を増しながら熟成するに十分な、凝縮した充実感があるということです。近年で例を挙げるなら、2012年のヴィンテージが私にとっては一番近いかもしれませ
ん。
派手さはないけどもしっかりと地に足の着いたブルゴーニュの基軸となるような味わいのミシェル・グロ。
そしてグロ家にとっても大きなニュースとなるのが写真右側、ミシェルの長男ピエール・グロの参画です。今春に初来日した際に色々と話を聞かせてもらったのですが、ゆっくりと言葉を選びながら誠実に伝えようとしている姿勢は父親譲りでしょうか。近年エレガンスが増しているとの声もありますが、造り方は変えていないと言っていました。貯蔵庫の増築といった物理的側面はもちろん、ミシェルの年齢、息子の参画なども影響しているのかもしれません。
『2017年はとてもクラシックな年。健康なブドウが収穫出来て、酸がとても奇麗。早い段階からでも美味しく飲める年になりました。』(2019年3月 ピエール・グロ談)
https://www.youtube.com/watch?v=0ZWu2xEz598&feature=share 上記はYou TubeのMichel Grosチャンネルによる2017年のヴァンダンジュ。ドメーヌの人気を考えても、まだ130回ぐらいしか再生されていない…ので見てあげないと来年アップしてくれないかも!と余計な心配してしまいました。
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さあ、ミシェル・グロの2016年です。
「・・誰だ?・・2016年のブルゴーニュは良く無い・・なんて言ったのは!?」
実態が判って来た今現在において、やはり「ブルゴーニュの基本のキ」で有る「ドメーヌ・ミシェル・グロ」の出来栄えも気になるところです。
日本には「ドメーヌ・ミシェル・グロ」のエージェントさんが多く有りますので、ブルゴーニュ・ファンの皆さまも、
「・・ま、そんなに急いで買わんでも・・飲みたきゃいつでも買えるし・・」
と言うような感覚をお持ちなのかな・・と思います。
しかし、そんな中においても、
「価格とポテンシャルを天秤に掛けて・・しかも期待を大きく裏切ることは絶対無い、偉大なドメーヌ・ジャン・グロを継ぐドメーヌ」
であるドメーヌ・ミシェル・グロの2016年をご案内します。
おそらくですが、どこよりもリーズナブルな価格です。今時分、この価格帯でブルゴーニュのまともなドメーヌものが入手できることはまず無いでしょう。それに数アイテムをテイスティングしましたが、コンディションは抜群です・・申し訳ないですが、どこぞのディスカウント・ショップものとは比べないでくださいね。・・まぁ、比べても良いですが、そちらのワインは買えなくなるのは必定です。
また、2016年ものは新アイテムが有ります。オート=コートの新しいキュヴェがリリースされています。今までは他のキュヴェに入れられていたようです。このオ・ヴァロンも飲みましたが、ややタイトでドライ、ほんのりとスパイスやハーブの香る美しいワインでした。しかも価格は超リーズナブルです。
上級キュヴェも非常に・・リーズナブルですが、数が有りません。2016年ものは後年になったらまず入手が厳しいと思われますので、もし何かの記念のヴィンテージで有るようでしたら、お早めに手配されることをお勧めします。
総評としましては、ミシェル・グロらしい美しいエキスが心地良く、スイっと入って来てサラッと感性を揺さぶりつつ、しかし確実に心を揺らしながら、また綺麗に消えて行く・・余計な化粧は全く無し!・・と言うスタイルに変わりは有りません。
しかし、美しいエキスながらもちょっとしたキツさ・・も今までは存在したと思うんですが、そこが2016年ものは、非常に美しく描き切っている・・と言えるかな?・・と思うんですね。
村名シャンボールを飲めば、どこかルイ・ユエランが如き「詫び寂びの世界」を感じさせつつ、シャンボールらしいどこまで行くの?・・と思うような伸びやかさをプラスして感じさせます。村名ヴォーヌ=ロマネを飲めば、昨今、物凄い仕上がりを見せるメオ=カミュゼのヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュに共通する美しさ、エレガンスを感じさせます。カミュゼはそこにさらなる「凄み」を持っていますが、これは10~20年経過して飲み頃になったら・・是非比べてみたいなぁ・・と思ってしまいます。
また、リアルワインガイドの評価も掲載しましたので、「特売!」と言って良いほどの価格です。是非この機会にご検討ください。
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少ないアイテムですがテイスティングした結果思ったことは・・・、
「やっぱりミシェル・グロはブルゴーニュのスタンダードなんだなぁ・・・」
ということですね。
単なる標準・・・では無く、高級ワインの有り方としての標準なんですね。ACブルゴーニュ、オート=コート・ド・ニュイはいつ飲んでも平均以上に美味しいです。ブリュレ、クロ・デ・レアは複雑性を見せ、クロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイはトップ・キュヴェとしての格の違いをきっちり見せてくれるでしょう。今でも美味しく飲め、この先もそれぞれのポテンシャルに従って良い熟成をしつつ、楽しませてくれるでしょう。

1830年、グロ家はヴォーヌ・ロマネ村で開業する。今日では、6代目のミシェル・グロが、先祖たちの仕事を受け継いで発展させている。また、妹はDomaine AF Gros、弟は Domaine Gros Frere et Soeur、従妹は Domaine Anne Grosを経営し、彼らも同様、グロ家の家業を続けている。
情熱家であり、同時に厳しさをも持ち合わせるミシェル・グロは、ワイン造りに不断の手間をかける。畑仕事から瓶詰めに至るまで、各段階の技術を修得している。慎ましい性格の彼は、ワインを通じて自分を表現する。寛大で、繊細でエレガントなワイン。その品質は常に一定している。
ミシェル・グロと彼を支える従業員たちは、ワイン造りにおける情熱と要求の高さを、皆様にご紹介します。
【2016年ヴィンテージについて】
2016年は、4月27日の災禍に始まる困難の年です。その一瞬の「春の霜の害」は、コート・ドールのブドウ畑の約半量にあたる新芽を、無残にも奪っていったのでした。ドメーヌが所有する畑は総合的に見れば30%の芽を落とすだけで済んだので、比較的被害が少なかったと言えるでしょう。それでも霜害の重度は区画ごとに大きな差があり、ヴォーヌ・ロマネの村とフォンテーヌ・サンマルタンは殆ど被害はありませんでしたが、クロ・ヴージョの区画、ニュイ・サン・ジョルジュの村、シャンボール・ミュジニーの村では約半分の芽が遺られていました。
また8ヘクタールのオート・コートの区画も、75%も被害を被りました。5月は雨が振りがちで気温も低かったので、被害を受けたばかりのブドウ樹の再生は極めて難しいものになりました。その上、べと病が激しく追い打ちをかけ、6月もそれほど天候条件は改善されませんでした。
7月になってやっと安定した良い天気に恵まれるようになり、嬉しいことにその好天候は収穫までずっと続いてくれました。春に受けた痛手が原因でブドウ収穫期は大幅に遅れていきました。9月28日にコートで収穫を始め、10月9日にオート・コートで終えました。
9月の天気こそがヴィンテージの酒質の最たる所以となっています。その月は平均より2.5度高く、豊富な日射をブドウに恵んでくれました。夏のような天気が続いたのです。その好条件の中、ブドウは健全に、理想的に熟していきました。
2016年のワインは色が深く、美しいプロポーションを持ち、ピュアな芳香をはなちます。その酒質には霜害の影響は全く見られず、それどころか春に収量が減った分、生き残った強い生命の数少ない芽が、理想的に実を実らせたのです。ワインはそれだけに凝縮して、華やかなものになっています。