
毎年の様に同じワインを開けていると、条件がやや違うとしても、判ってくることが有ります。左の写真は今回ご紹介させていただいている2014年のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュですが、この下には2013年もの、2012年ものの写真も掲載されています。
いや・・改めて良く比べてみると面白いですよね。テイスティングしていると、
「ん~・・昨年よりも良いかもしれないけど余り変わらないなぁ・・」
とか、
「いや、確実に成長しているぞ!」
「・・かなり苦労したようだけど美しく仕上がっている。」
などと感じるものです。
2012年の色合いを見てみると、非常に健康的だがやや淡く、その分、「ちょっと・・浅いかな?」と、今なら思うかと思うんですね。勿論ですが、あくまで2014年をベースに観ることが出来る・・と言うのも有ります。
2013年の色合いは透明度が高く、より紫掛かっていて、やや暗い色合いです。2012年との比較では淡さはほぼ変わらないか、やや濃いにせよ、葡萄の熟度と言う点ではどうだろう?・・と思えます。
2014年ものは「赤味」がしっかり入って明るく美しい色合いをしていて、この3年の色合いオンリーの比較においては、
「やはりベストでしょう!」
と判断できるものでは無いかと思います。
非常にヴォーヌ=ロマネ的な柔らかい酸バランスを持ったオート=コート・ド・ニュイで、皮革などのニュアンスはヴォーヌ=ロマネ近郊で有ること、同じような土壌構成をしていることが伝わって来ます。まぁ、全く同様と言うことでは無く、近い・・と言うことですね。
むしろ2014年ものが「今」到着している訳ですから、一般的なリリースからほぼ1年遅れと言うことになりますから、単純に、他の造り手の2014年ものを記憶から引っ張って来て比較するのは良く無いでしょう。比較するならばやはり1年前の他の造り手の比較するワインも、1年ほど持っているイメージを進めないと、正当な比較にはなりませんし・・。
その意味においては、とても良い出来だったルジェ家のワインを彷彿とさせる部分をしっかり持っていると感じます。まぁ、この色合いも非常に良いので、ふら~っと購入してみたくなってしまうかもしれませんね。
実際、2014年のこのワインのイメージは非常に良いものですし、ある意味、2012年~2013年と比較を続けて来た、その延長上にしっかり乗っています。
さすがにクロパラの味わいは遠いかと思いますが、それでも霞んで全く見えないほどでは有りません。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【遠くにクロパラが~!・・見えるか?】

ショレ=レ=ボーヌとコート・ド・ニュイ・ヴィラージュは非常に少ないので、
「
お一人様1本限定」
にてお願い致します。出来ましたら他の生産者のワインもお願い致します。
そんな訳なので、この2アイテムは飲んでいませんが、ショレ=レ=ボーヌとコート・ド・ニュイ・ヴィラージュはエマニュエル・ルジェと基本中身は同じだそうです。
今回は2012年もの同様にオート=コート・ド・ニュイを飲んでみました。ショー村というのはニュイ・サン=ジョルジュの上方に有る村ですので、その間に位置する畑です。
いや~・・・飲んでみて思いました。
「・・・ルジェっぽい~!」
そう・・・何て言ったらよいのか・・ニコラ・ルジェのワインですから、ルジェっぽいと言われても困っちゃうでしょうね~。でも・・ルジェっぽいんですよ!温かみが有るというか、ヴォーヌ=ロマネっぽい酸の出方と言うか、ルジェの場合、強い酸味が余り無いですから・・アリゴテとかオート=コートの白とはだいぶニュアンスが違うんです。ピュアと言うより・・ルジェらしい・・それを強く感じます。
しかも2012年より何と色合いが濃い目で美しいんですね・・。どうなってるんですかね・・。
基本、ニコラの美しいハツラツとしたニュアンスを持っているんですが・・・あのエマニュエル・ルジェのクロ・パラの「ふにゃっとした襞が沢山有るエロティックな表情」もしっかり感じてしまうんですね~・・・。
ま、そんな表現をされても理解は難しいかもしれませんが、判る方には判る・・はずです。白ワインは余り二次発酵のニュアンスが無かったり、薄かったりするんですが、こちらはしっかり掛かってます。古樽を使用とのことで、その辺のニュアンスはバッチリなんですが、考えてみればクロパラで使った樽を使用してる可能性さえある訳ですから・・・
「クロパラが遠くに見える・・・」
と言うのも、まんざら嘘でも無いってことになりますよね?
ワインとしても非常に良く出来ています。ヴォーヌ=ロマネ的な柔らかな酸、そして皮革っぽいアロマも有ります。なので・・実に楽しいワインです・・・甥っ子oisy的にはどうだったのか判りませんけどね。
そんな訳で、この辺のワインはかなり興味が湧く要素を沢山持っていると思います。ご検討くださいませ。