
実に美しい透明感ある赤紫! オリヴィエ・ジュアンを飲むたびに、そのポテンシャルの高さと精緻さに痺れ、
「そう・・今、一番アンリ・ジャイエのワインの味わいに近いのはオリヴィエ・ジュアンで間違い無い・・」
との思いを強くしている noisy です。
この2013年のルショV.V.も、果実味がたっぷりなのに・・ドライなのに・・甘く、ほぼ球体なイメージを貰い、タンニンを全く意識させないしなやかなテクスチュアと紫の果実をたんまりと堪能出来ます。
2013年はやはり厳しいヴィンテージだったのでしょう。ところがですね、その厳しかったヴィンテージだからこそ、優れた造り手たちは英知と経験から身体を動かし、一般的に言われる素晴らしいグレートヴィンテージのワインよりも、さらに素晴らしいものへと昇華したんですね。
このオリヴィエ・ジュアンもそうです。・・まぁ・・見事と言うしかない素晴らしさです。揮発酸の「キ」の字も無く、これ見よがしな「リキミ」も無く、ただただ造り手の「気」をさりげなくパッケージしていると感じます。
もし、オリヴィエ・ジュアンを飲んだことが無いと言われるなら、このルショV.V.かラ・リオットV.V.を飲んでみてください。
「パーフェクトだ!」
と思われるかもしれませんよ。アンリ・ジャイエもまた、リリース直後のワインはこのようなニュアンスに近かったです。そしてやはり、「完璧だ・・」と思わされました。
アペラシオンは違えど、味わいは非常に似通っています。アンリが無くなって数年ですが、すでにこの味わいこそが「オリヴィエ・ジュアン」なんだと衆知されて良いんじゃないかと思います。価格的にもポテンシャルが非常に高く、非常にリーズナブルだと感じます。ぜひとも飲んでいただきたい逸品です。
以下は以前のコメントです。
━━━━━
【美味い!・・・なんで売れんのかねぇ・・!】 昨今は、お茶もペットでビールも缶、ボージョレ・ヌーボーもペットで1本500円しない・・・そんなことが当たり前のの世の中になってしまいました。お茶は急須で入れるものだったし、ビールは瓶で・・飲んだら持っていってもらう・・実にエコロジーだった時代が昭和だったのかもしれませんね。麦茶もしっかり煮出して遠足に持っていったものですが、今じゃ、良い所、パックになったのを水に浸して置くのでしょう。まあ、エコロジーかもしれませんが、余分なエネルギーと資材を使っています。
今まではそれでも済んだかもしれませんが、これからは地球規模で考えないといけませんね。1000円のものが500円で買えるようになったと喜んでいて良いのでしょうかね・・・。廻り回って、結局自分の首を締めてしまっているの気が付きませんかね。かのギリシャはその昔は、奴隷に働かせる世界でしたが、近代になって奴隷がいなくなっても同じ様にやっていて、現状が有るんじゃないかとさえ思ってしまいます。(あくまで私見です・・日本だってほんの百数十年前は刀を持ってチャンバラやってた訳ですから・・)ワインの博覧会に行くと、決まってギリシャのブースは誰もいません。9時に開場して飲み始め、11時に昼食に出かけてまた飲み、2~3時に帰って来て裏で寝ていたそうです。
「何しに日本に来たんじゃ!」
・・・まあ、日本も仕事という意味で無く、戦後のアメリカ人的急ごしらえ個人主義がギリシャと同じ様な目に遭いはしないかと・・危惧している次第です。で、オリヴィエ・ジュアン2009年です。滅茶苦茶旨いので・・買ってください。どこぞの、シャンボールに引っ付いた超ド級ドメーヌの1級モレより何倍も旨いです。そこだけは保証つきです。2009年も、妙な強さは無く、しなやかで旨いです。
真の飲み頃は何時か・・は別にして、今ならどのキュヴェも全て美味しく飲めます。勿論ですが、1級は全然早いですよ。
モレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・レ・ルショ は、スタイリッシュでエキス主体です。濃厚な出汁味のエキスは、紫や赤の果実とワイルドなニュアンスを将来的に担保しています。現在は単純に綺麗でただただ旨い・・だけですが、さすがプルミエの大きさを感じていただけると思います。
モレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・ラ・リオット は、レ・ルショとは違って太い果実味が主体です。同じようにエキスも充分に有るんですが、それよりも生のままの風味を感じさせる果実がたっぷりです。その分、若さゆえの荒さもやや持っており、動かした直後などは、
「ちょっと荒れているかな?」
と感じるかもしれません。1週間休めてあげれば落ち着くでしょう。充実した、厚みの有るボディで、圧倒されると思います。
1級は、やはり3年待ったら・・・トロトロに溶け込んで目ちゃんこ美味しいでしょう。出来る事ならそこまで待ってください。紫のストレスの無いピュアフルーツが、スパイスと共に感じられると思います。どれも超お奨めです!