今までも何度か、すでに廃業しているペルナン・ロサンの古酒をご案内してきましたが、そろそろもうさすがに終わりか・・と思ってましたら、今回も少々購入出来ました。
皆さんにはすでに定評のある「モレ1級モン・リュイザン」と、ニュイ=サン=ジョルジュの素晴らしい1級畑、「ラ・リッシュモンヌ」です。
ラ・リッシュモンヌは、それこそその昔、オーレリアン・ヴェルデが買い葡萄でリリースしていて、その大きな構成と複雑さで魅了してくれたワインです。メオ=カミュゼの素晴らしい「1級オー・ミュルジュ」の上部に有り、また「1級レ・ダモード」の直下にあると言う恵まれたリューディです。今回は1986年と1997年と言うことですが、30年もの、19年ものとしても非常にリーズナブルかと思います。
ただし今回はどちらも数が無いことも有り、テイスティングはしておりませんで、前回以前のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のコメントです。
━━━━━

ドミニク・ローランが購入していますんで、味わいの方は・・
「ちゃんと飲めば美味しいのは間違い無いだろう!」
的な考えで行ければOKでしょう。
ですが、この下の方・・前に書いたコメント・レヴューにもある様に、この「モン・リュイザン」と言う畑は「グラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュ」の構成畑でも有りますので、似ていて非常に長命でも有ります。
クロ・ド・ラ・ロシュよりは幾分「粘土」のニュアンスが入り、またその分、「石」のニュアンスが減る感じですが、似ていることには間違い無いです。
このような長熟なワインは、あまり経験が無いと・・
「・・開けたらさっさと飲まないと!」
と前もって思ってしまうと失敗します。美味しくなる前に飲み切ってしまう恐れが有るんですね。
むしろ、今回ご案内のワイン・・・1986年は空けてみて、ホストテイスティングしてから「何をどうするか」決めるべきですが、それ以外のワインは、最初から美味しく飲みたいと希望するなら、できれば「デキャンタ」を使用した方が良いかもしれません。 もしくは、「デキャンタを使用すべきかもしれない」ことを頭にインプットしておくべきでしょう。ホストテイスティングで、この先伸びて行きそうなら・・それだけのポテンシャルを信じられるようであれば、迷わずデキャンタを使って、澱と分けてしまいましょう。その方が確実かもしれません。もちろん個体差は出ますので、100%決定では有りませんよ。あくまで決めてかからず、でも想像の範囲内・想定内にしておくことが美味しく飲むコツです。
今回、noisy がチェックしたのは1993年です。1995年と1998年をブレンドしたようなヴィンテージのニュアンスの味わいかもしれません。それでも開けて30分ほどからはグイグイ伸びてきました。開けたては少し酸化のニュアンスが有りますが、10分ほどでミネラリティの膜が伸び、少しずつ官能的なブケが上がってくると収まってしまいます。クロ・ド・ラ・ロシュを思わせるような目いっぱいの石のニュアンスに、スパイスや腐葉土、革、色付いたフルーツの香りが繊細に感じられます。良い古酒ワインでした!
1996年はヴィンテージ的にはグレートイヤーと言われた年ですが、酸が強い印象が有るかと思います。この1996年だけは「目いっぱいのレベルで入っていない」・・自然な減少の液量です。レベルがとても低いということは無いです。
1986年、1993年、1997年はそれぞれほぼ目いっぱいのレベルで入っていますので、おそらくボトルをつぶして補充していると思います。1993年のコルクを見てみてください。きれいですよね・・。なので打ち変えていると思います。
1986年は隠れた良い年です。強くないですが繊細です。これに関してはそろそろ飲み頃じゃないかと踏んでます。でも前にもご案内していますので被らないようにしてくださいね。
1997年は初めての扱いです。今まで出さなかった理由があるはず・・出来は悪くないのでは?と邪推しています。
このような、昔のワインが出てくることが無くなって来ました。1997年も18年ものですよ?・・必ずもっと開くはず・・と思って向かった方が良い結果になるかと思います。ブルゴーニュのワインの奥深さを是非ご堪能ください。
・・あ、いつも言ってますが、
「到着してすぐ」
とか、
「ワイン会にハンドキャリーで当日」
などと言うのは止めてくださいね。・・「無理」です。でもちゃんと向き合えばちゃんとこっちを向いてくれると思います。全品チェックし、キャプスュルが回ることを確認しています。ご検討ください。
以下は以前書いた1986、1993、1996年のこのワインのコメントです。
━━━━━
【プチ・クロ・ド・ラ・ロシュの古酒!崩れはじめた石灰岩のようなミネラリティと淡いピノ・ノワールの果皮由来の深遠さの競演!!】 2000年に蔵を閉じたペルナン・ロサンの古酒です。エチケット、ヴィンテージ表記の肩ラベルには、シワなどが有る場合が有りますが、全てのボトルの状態は非常に良いと判断しました。
このモン・リュイザンは年産たったの25ケースとのことですので300本しかないワインですが、先だってのドミニク・ローランの同じキュヴェのご案内時、実にクロ・ド・ラ・ロシュに酷似した繊細な表現をしてくれたのが記憶に新しいです。
今回は、そんなペルナン・ロサンの在庫が出てきた訳ですが、おそらく最後になるでしょう。あのPKさんの評価も4つ星の優れた生産者の、最後のワイン・・・。数本ずつしか購入できませんでしたが、価格的にもドミニク・ローランものよりも千円以上安いです。ま、これはドミニクの選択眼に触れていないか、弾かれたか・・なのでしょうが、遠く離れた品質のものではないと思っています。
もう93年と言えば20年以上も昔の話で、赤ん坊だった子も成人している年代です。希少と言えると思います。また価格的にとても安いので、この機会にご検討くださいませ。
以下はドミニク・ローランのモン・リュイザンV.V.のご紹介文です。おそらく中身は同じだと思いますが、確約は出来ませんので参考程度にとどめてください。
━━━━━
【ブルゴーニュの古酒!ドミニク・ローランが自分の舌で確認し、購入した秀逸なキュヴェです!とても美味しいです!】
そろそろ20年という古酒を3アイテムご紹介します。数が無い1996年モン・リュイザンと1992年ラトリシエール=シャンベルタンは飲んでいませんので・・すみません。
さっそく1994年のモン・リュイザンを飲んでみました。
すると・・少し弱くなったコルクには、
「
ドメーヌ・ペルナン・ロサン」
の銘が有るではないですか!
ペルナン・ロサンは、2000年に惜しまれつつドメーヌと閉じた、実にファンの多かった造り手でした。
ドメーヌの畑、クロ・ド・ラ・ロシュ、モン・リュイザン、リッシュモンヌなどは全て、アンリ・ペロ=ミノに売却され、その後のペロ=ミノの隆盛に繋がったと言われています。
ま、ペロ=ミノの作風とはだいぶ違うとは思いますけど。
このモン・リュイザンですが、以前ご案内させていただいたニコラ・ポテルのワインと同様ですから・・・

「モン・リュイザン」はグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュを名乗れる部分と、プルミエ・クリュ・モン・リュイザンになる部分に分かれています。
今回のこのワインは当然1級、プルミエ・クリュです。
しかし、この淡い色合いを見ていただくとお判りのように、
「クロ・ド・ラ・ロシュと判別が付き辛い」ほど似た味わいになっています。
石灰石のニュアンスを多く含んだ土壌で、シャンボールほどのテッカテカした石灰では無いものの、ジュヴレに接したこの部分は、何故か反対側のシャンボールに似た風情を見せるのですね。モン・リュイザンやクロ・ドラ・ロシュの方が鉱物的ニュアンスは強いですけどね。石灰が強いと感じるのはシャンボール系・・、艶かしいのはこちらでしょうか。
クロ・ド・ラ・ロシュと言えば、代表的な造り手は現在では、ポンソかデュジャックか・・になるかと思いますが、デュジャックよりのエキス主体の味わいになると思います。
本来はとても寿命の長いワインですが、19年の年月が、実に良い感じのエロいピノ・ノワールに変化させています!実に旨いですよ!
1994年はオフ・ヴィンテージ・・・みたいなイメージがあると思いますが・・・とんでもない!・・・あの頃の評価は特に、
「新樽第一主義による濃厚一辺倒」タイプが良いとされていました。ある意味、ドミニク・ローランも、その旗手としてスターダムに昇り喧伝された訳ですから・・・皮肉なものですね!
「僕のワインはとてもエレガントだから・・・」
とドミニクは言ってるそうです。新樽200%とか400%の申し子だったのにね・・。
ペルナン・ロサンも、実は80年代は、濃い目の味わいだったと記憶しています。しかし、このワインを飲む限り、90年代に入ってから、ギイ・アカと決別して、エレガントな・・・ブルゴーニュ本来の姿を取り戻した訳です。
妖艶で、良く香り、膨らみ、長く持続します・・・素晴らしいです!価格はとても安い!絶対買いのワインでしょう!
でも、19年の月日がコルクを柔らかくしていますので、抜栓にはご注意下さいね。 1996年のモン・リュイザンですが、ほんの少量なので飲んでいません。96年はグレートイヤーといわれたヴィンテージですが、中々美味しくならなくて・・・
「本当にグレートイヤー?」
と首を傾げてしまうことが多かったですが、ここにきてだいぶ開くようになってきました。美味しいボトルが多い現況です。しかし、価格はオフと言われた1994年よりも高いです・・・でも、
「クロ・ド・ラ・ロシュと変わらない」味わいならば、かなり安いと言えます。ご検討下さい。
1992年のラトリシエールですが、ご存知かと思いますが、実はクロ・ド・ラ・ロシュと接したジュヴレの最南にあるリューディです。なので、
「シャンベルタンらしくない」
「痩せている」
などと言われるんですが・・・それが特徴なんですよ。ジュヴレにしては、クロ・ド・ラ・ロシュのような石灰石的ニュアンスが強い訳です。なので、シャンベルタンやシャルムに比較すると、飲めるようになるまでに時間が掛かるんですね。
21年を超えてきていますので、クロ・ド・ラ・ロシュ的シャンベルタンの実力を見ることが出来ると思います。是非ご検討下さい!