
やはりまぁ、ワインや造り手を紹介する段にはどうしても楽ですから、
「アンリ・ジャイエの愛弟子!」
と書いちゃう訳ですよ。確かに取った感覚を思いっきり丸めてしまえば、ジャイエに似た部分も有ると・・言える訳です。
でも、余りに違う部分と似ている部分の割合や、総体としての感覚の話で言ってしまうと、
「やっぱ、全然違う!」
と言わざるを得ないのかな?・・とも思っちゃうんですよね。
そうは言いつつも、ワインとしての出来栄えは悪くない・・どころか見事なものだと思います。シャルロパンのワインはジャイエのワインよりも「冷涼感」が有るんですね。冷ややかさを感じるんです。ジャイエより酸も活き活きしていますし溌剌感は半端無いです。
だけどもジャイエは美味しい・・あの完璧感は結局は誰にも出せないんだと・・いや、待てよ・・一番似ているのはいつも言ってますが、あのキュヴェ・アレクサンドリーヌを造る「マルク・ロワ」です。あれを飲んでしまうから・・シャルロパンのワインを似ているとは言えなくなるのかもしれません。
まぁ、つまりはアンリ・ジャイエのワインの強いイメージは、「ミルランダージュの味わい」なのかもしれません。
このエヴォスレの畑は、実はもう・・凄いところにありましてね・・ジュヴレの西北の一番端っこ、1級レ・シャンポーの真上・・と言うロケーションです。西北に有る1級群は・・ご存知ですよね?・・代表格はあの「クロ・サン=ジャック」ですが、「ラヴォー・サン=ジャック」も「コンブ・オ・モワンヌ」も「ル・カズティエ」も有る・・凄い場所です。
で、このエヴォスレは・・そこだけが村名格です。つまりはちょっと東向きで日当りが悪い角度になっていて、村名にしかなれなかったんですね。
それでも、キチッと仕上げるとこんなに素晴らしい・・凝縮感と複雑性の有る、薫り高いワインになると言うのが良く判ります。シャルロパンらしい強めの凝縮感、ドライでタイト、非常にポテンシャル高いです。畑の格で仕方が無い部分は、そんな表情が、「やや険しさを持っている」と言うことでしょうか。物凄くエレガントには・・ならない・・むしろワイルドさの有る男っぽいワインと言うことですね。
より完成度が高いのはやはりヴィエイユ・ヴィーニュでしょうから、個性を発揮しているエヴォスレはこれで良いと思います。中々の仕上がりでした。ご検討くださいませ。