
決して量は多くないんですが、このところグングンと美味しさを増しているロベール・シリュグの実情を見てみようとのことで、ACブルゴーニュとACヴォーヌ=ロマネをテイスティングしてみました。
ACブルはやや暗い赤色から、しっとりとしたテクスチュア、軽くクリア、とても緻密なミネラリティを持ち、ドライながらもソフトな酸味と、ヴォーヌ=ロマネっぽい気高さのあるワイルド感でとても美味しく飲めちゃいました。
勿論、少し早いニュアンスは有るにせよ、この時期にこれだけ飲めてしまうのは・・・シリュグさんの造りが、シットリ感のあるもの・・・濡れたニュアンスが増えてきたからかな?と思います。
以前は結構タイトでドライで、リリース直後は平板だったんですが、しっかりと縦構造を持ち、しかもシットリしているので、構造感でも楽しめてしまいます。しかもチェリーっぽいニュアンスとヴォーヌ=ロマネっぽい高級感も存在しますので、やや高くなったとは言え、納得の味わいかと思います!お奨めです!
村名ヴォーヌ=ロマネの方はさすが・・クラスの違いを感じさせます。
単に「スパイス」と言う言葉を使ってしまうと・・
「・・・臭いのか~?」

と思ってしまわれる方も多いので難しいんですが、ヴォーヌ=ロマネ的包容力を持った、非常に柔らかなスパイス感です。熟と共に皮革や獣香に変化して行きそうなスパイス感ですね。
そして荘厳さも奥にチラリチラリと見せつつ、今はややタイトですが、その分、高質さを漂わせています。シリュグさんのグラン=ゼシェゾーほどのビロード感のあるテクスチュアは無いんですが、それでも
「さすがヴォーヌ=ロマネ!」
と村の格を感じさせるワインです。
どちらも、
「2012年のブルゴーニュは???」
と当初にアナウンスされたような危うさは微塵も無く、非常に健康的で素晴らしい味わいでした。
ヴィンテージ的な仕上がり具合はむしろ良いんじゃないかと思います。
ブルゴーニュの造り手たちが声を揃えて
「グレートイヤーだった」
と言う時は、ほとんどの場合健康的に仕上がったが出来自体は「普通」で、むしろ・・・
「難しい年だった」
と言う年ほど、旨いワイン・・そしてテロワールの具現化が出来ているように思います。
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・プティ・モンはリッシュブールの真上にある一級畑です。極端なことを言えばリッシュブールからリッチさを除去してエレガントさのみに振ったような冷涼さの有る風味で、エレガンスのみをみるとリッシュブール以上かもしれませんが、やはり総合バランスでは大きく下回ってしまいます。・・まぁ、これは仕方が無いんです。そのようになってしまうようになってるんですから・・。それでも軽やかでエレガントな風味はピカイチです。飲んでないのでこれ以上はコメントしません。
グラン=ゼシェゾーは・・すみません・・極少なのでアソートです。飲んだらビックリすると思います。DRC風では無いです。どこまでも薄赤く膨らむ雅な風船・・のような・・ワインです・・。判り辛いですよね~。でも素晴らしいグラン・クリュです。現在は購入できたらラッキーなレアなワインになっています。
非常に良いヴィンテージになったと思える2012年のロベール・シリュグでした。是非ご検討くださいませ。