● シリュグさんちの2017年ものです。天候に恵まれなかった2016年ものは余りに少なく、割り当てどころの話では無かったので、残念ながら扱いそのものをお断りするしか在りませんでした。
2017年ものはそこそこにできた様で、noisy も数アイテムのテイスティングが出来ました。そこで感じたことは、
「シリュグはどんどん瑞々しい味わい・・純粋 と言って良い味わいに昇華して来ている!」
と言うことです。
今回のテイスティングで、ちょっと間違ってしまいまして、2015年のヴォーヌ=ロマネV.V.を開けてしまったんですね。このクラスはそうは開けられないので、しばらく飲んでいなかったんですが、
「・・シリュグって、こんな瑞々しいワインだったっけか?」
と驚いてしまいました。
で、翌日になってから2017年ものを開けてみて、その方向性に違いが無いことを確かめました。
確かに、味わいそのものは異なるものの、シリュグご自慢の見事なエキス風味の「グラン=ゼシェゾー」の造りそのものを感じることが出来たんですね。
以前は、下級キュヴェと上級キュヴェの「差」みたいなものが有ったんですが、どんどんその「差」みたいなものは薄められて来ています。
そして特筆すべきは「下級キュヴェの異常な美味しさ!」です。パストゥーグランやアリゴテなどは・・もう、凄い旨いですよ。純粋で、綺麗で、旨味もしっかり有って、余韻の中に上級キュヴェに通じる「みずみずしさ」が感じられます。
とても良い年になったと思います。是非ともご検討くださいませ。
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知る人ぞ知るヴォーヌ=ロマネの造り手だったんですが、日本では我がリアルワインガイドの大きな推し?を受けて、一躍有名になったのがこのロベール・シリュグです。noisy も随分昔から扱っていまして、それこそグラン=ゼシェゾーなどは1998年が初の扱いで、数量もかなり有ったように覚えています。何せ・・開けて飲んでましたからね~・・。今じゃ考えられませんよ。
でも、あの非常に柔らかでエキスたっぷりの液体のボディが、時間が経つにつれて「ぶわ~っ」と膨張してくるのには驚きました。ほとんど知らない生産者で、これほどまでの素晴らしいグラン=ゼシェゾーを造っていることに衝撃を受けたものです。
ただし非常に小さな生産者ですから、世界的に有名・・・では無いんですね。飲んだことが無いと言う評価機関の連中がほとんどでしょう。評価文をまともに見たことが有りません。(PKさんのバーガンディには三星で出ています。シリュグのグラン=ゼシェゾーはブルゴーニュのトップワインだと・・申しておりますね。)
で、ようやく2015年ものが届きました!・・2014年も良かったですが、2015年はさらにその上を行きますよ。
元々はリリース時は「硬い質」のワインだったんですね。なので昔はACブルゴーニュなどはリリース後1年経ってから仕入れていました。ちょうど柔らかくなって美味しくなってましたし、エージェントさんも条件をくれたんですね。
でもリアルワインガイドが高い評価をするようになった頃から、どんどんその「硬さ」が無くなり、「乾いたニュアンス」は「濡れたニュアンス」に変化して来ました。
2015年は、その変化の絶頂とも言えるんじゃないかと思います。全てのワインがヴォーヌ=ロマネ的であり、ロベール・シリュグ的な女性らしい柔らかさに溢れ、非常に・・好印象です。是非ともご検討くださいませ!一推し生産者の一人になりました!

1960年創業の非常に小規模なワイン生産者。化学薬品を使用しない害虫対策など人為的で化学的な介入を厳しく制限することで、地球環境に配慮した高品質ワインを生み出す為の真摯な取り組みが随所に見られます。(平均樹齢は35年~40年)働くスタッフにも女性が多く、ワインにも女性らしい繊細さが表れています。収穫は40人もの人員を動員し、全て手作業で行っています。(100%除梗)
近年、クラシックなスタイルからエレガンス感溢れるスタイルへと見事な変貌を遂げました。それが功を奏し、新たなファンの獲得につながっています。最近の試みとしては収穫した葡萄をなるべく潰さないよう醗酵槽に入れ、果汁を疲れさせないようポンプの使用を避け、バケツでの移動に切り替えたり、ピジャージュの回数を減らすなど、より昔ながらの手法に切り替えている事などが功を奏しています。人為的な介入を制限することで本来のポテンシャルを十分に発揮し、純粋でエレガント、ジューシーで果実味溢れるスタイルを見事に表現しています。
数年前からDRCが現在使用しているものと同じ選別機械を導入したことにより、ヴィンテージの出来に関わらず、雑味や青味のない甘く熟した果実だけを選別できるようになり、品質が飛躍的に向上しました。その味わいはワイン評価誌などで高く評価されており、今後、目の離せない造り手として注目を集めています。