
何でしょう・・やはりヴォーヌ=ロマネのドメーヌだから・・なのかもしれません。バイアスが掛かっているとか・・刷り込みだとか言われそうですが、ニュイ=サン=ジョルジュからシャンボールまでの下の方の畑をブレンドするとヴォーヌ=ロマネになる・・みたいな?・・そんな感じなのかもしれませんが、それでもヴォーヌ=ロマネ的な酸の柔らかさや温かいバランス、繊細さやエレガンスを受け取っている気になるワインです。
2020年ものが
「滅茶濃いのに流れるような・・瑞々しい美味しさ」
を感じさせてくれたのに対し、色彩も滅茶淡く、アルコール分も12.5%と激繊細なピノ・ノワールなのに・・
「不足していると感じさせない・・2020年ものと異なるのは滅茶濃かったものが薄くなっただけ」
なんですね。
ですから、全く売れなかったフランソワ・ラマルシュの2014年とか、いきなり売れ始めた2015年とかのオート=コートとかなり似たニュアンスを感じさせてくれます。
そしておそらく2016年頃に導入したD.R.C.と同じ選別機の使用と、人の関与を出来得る限り減らして来たことが、この劇的にエレガントなヴォーヌ=ロマネ風のピノ・ノワールを生んだと・・感じさせます。

「・・高!」
と・・思われるかもしれません。確かに2020年ものからは相当上がっています。
ですが・・このプライスですとそうは思えないかもしれませんが、上代は7000円です・・(^^;; そんなに値引いちゃって大丈夫なの?・・と言うようなレベルです。しかも昨年までは有った「ケース価格」が無くなってますから、ワイン屋にとってはさらなる痛手です。
でも・・飲んでいただかなきゃ判らないじゃないですか。ロベール・シリュグは、
「以前とは全く違う、活き活きとして瑞々しい味わいを生む見事なヴォーヌ=ロマネのドメーヌになった!」
んですね。
noisy は昔、このワインを1500~1600円位で販売していました。リリース直後は硬くて香らず詰まらないので・・リリースから半年~1年後になって、条件をいただいて仕入れていました。
その頃は・・リリース直後は「ペタ~っ」としていて・・でも時間を置くよ膨らんで来て、ヴォーヌ=ロマネ的な部分が出始めて美味しくなるのが判っていた訳です。
なので、その頃とは全く違うのは歴然としています。エレガント系のブルゴーニュ・ピノ・ノワールが大好きなら、避けては通っちゃいけないワインだと思います。是非飲んでみてください。濃いのがお好きな方以外に滅茶、お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【「2020年ものから名称に「コート=ドール」が付いて格上になった」・・シリュグに限ってはそう思っていただいて良いようです!】
色合いが放つその存在感からして・・
「・・おっと・・ただ者じゃなさそう・・」
と思ってしまうんじゃないでしょうか。
赤を積層させたかのような濃密な色彩ながらもミネラリティが滲んできそうな・・ちょっと白っぽい感じが飛び出しているかのような見え方をしていませんか?
そしてグラスのどまんなかに走る太い涙。2019年ものがちょっと可愛そうになるくらい、何かが「違う」のは伝わってくるかと思うんですね。
2020年ものからブルゴーニュ・ピノ・ノワールはブルゴーニュ・コート=ドールと名称変更されました。
2018年頃からの質感のアップはお伝えしてきましたが、2019年ものも同様でした。しかし、2020年ものはそのヴィンテージ背景からでしょうか・・素晴らしい葡萄が収穫出来た性でしょうか、
「滅茶苦茶高質!」
です。
また、女性らしいしなやかさ、優しさを持ちつつも、確実に「格上感」をも感じさせてくれるんですね。
noisy 的にはやはり、「地球温暖化」の影響も有り得ると思っていますし、ヴィンテージの要素として、少雨で乾燥しつつ、しかし成長期の水分補給が上手く行った・・日照も確保できた等の要素が揃うと、
「A.C.ブルのブドウでも格上感の高いワインになる」
と言う見本なのかもしれません。

それに加え、この何年かで見せつけて来たドメーヌの凄い向上度が有ります。一時、リアルワインガイドはちょっと疑いを持っていたようで・・あまり良くない・・と言うようなイメージを持っていたようなんですが、ここへ来てその疑いも晴れると思いますよ。
まず、パスグラなどの下級キュヴェが滅茶美味しい・・コラムに書いた通りです。そしてA.C.ブルは価格は上がってしまいましたが、
「もはや10年前のシリュグのA.C.ブルとは、似せても似つかない!」
と言って良いほどの高上ぶりです。
しかも・・単に「濃い」とか・・じゃ無いんですよね。しっかりとエレガンスが有るし、ミネラリティの美しさ、そこから見せるワインの表情は極上・・です。
これが2020年で終らず、少なくとも2021年までは続くことは間違い無い・・でしょう?
そうなって来ますと今年、2022年ものがどんな出来になるのかで、このドメーヌ・ロベール・シリュグがどんな未来に向かって行くのか決まるんじゃないかと思うんですね。
すでに海外メディアも再評価を始めました。グラン=ゼシェゾー2019年は上値96ポイントと評価されています。2020年ものはまだ評価が見当たりませんが、少なくともそこは超えてくる・・もしくはビビッてしまって同じくらいの評価に留まることも有るかもしれませんが。
で、どんなワインを飲めば最近のロベール・シリュグが理解出来るか?・・と言うことになりますと、最低でもこのコート・ドールでしょうか・・ピノ100%ですから。出来ることならヴォーヌ=ロマネと言うことになりますが、だいぶお値段も張ってしまいますんで。
今までの「A.C.ブル」と同じだとは思わないで、是非この2020年ものを飲んでみてください。今でも飲めますよ・・美味しく。最も最高点はもっと先です。でも美味しく飲めますんで是非ご検討くださいませ。お勧めします!
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【このA.C.ブルより下だと思ってしまうグラン・クリュが存在するとさえ・・感じてしまうかもしれません!】
そんなことを言うとSNSで何を言われるか判ったもんじゃありませんが、だからって凹むようなnoisy じゃぁ・・ありません。
いや・・相当に良いです。A.C.ブルなんですが、かなり高質です。充実していますね・・。
ちょっと黒い高質な土のニュアンスと、僅かな・・リアルな赤いベリーを感じさせるアロマ、非常にドライですがエキスの旨味がバッチリ載っていて、果実酸のまろやかさをダイレクトに感じます。
一瞬、某グラン・クリュを想像させてくれましたが・・そうそう、そう言えばここの畑はそのグラン・クリュに滅茶近い・・(^^;; だから言わないでおきますね・・。判っちゃいますから・・。本当に、そのグラン・クリュは凄いものは滅茶苦茶凄いのに、酷いものは本当にスッカスカな感じなのも結構存在します。
酸の美しさと力強さは2018年に分が有り、濃密さ、精緻さ、柔らかさは2019年ものが完全にうっちゃってます。見た目でもその「柔らかなフカフカした美しい土」は判るかと思います。「黒い」部分は見え辛いですけど・・。
そして、非常に良く香ります。これは数年前のシリュグのワインには・・特に下級クラスには無かったものです。なので、
「高くなったのも仕方が無いと思ってしまう質感の高さ」
で相殺できると感じます。
非常に素晴らしいと感じました。これは是非・・飲んでみていただきたい!質感の高さを是非ご堪能ください!
以下は以前のレヴューです。
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【今までで最高の出来です!滅茶美味しい!しなやかでフカフカした柔らかなテクスチュア!上品で質の良さが漂う余韻!So2の少なさも!】
この20年間のシリュグのA.C.ブルで、一番美味しいと思います。見事です!・・何せパキパキ硬い部分がゼロですから・・質の良さ、上品さがモロに見えてしまいます。
反対に言えば、葡萄の質が良いからこそ、そのように仕上げることが出来たとも言えます。
2018年もののブルゴーニュワインは、本当にテイスター泣かせです。開けてみなければ・・飲んでみなければ何も判らないはず・・と感じます。
グロ・フレールは芯のしっかりした強いスタイル・・濃いと言うのではありません。そしてこのロベール・シリュグは滅茶エレガントで上品・・強さなどと言う言葉は全く出てくる下地が有りません。
因みに2017年のA.C.ブルの写真と比較してみると・・どうです?・・2017年ものも以前に比べれば美しさが前面に出た、好ましい仕上がりでした。が、2018年もののような「しなやかさ」「やわらかさ」「アロマのスピードの速さ」「瑞々しさ」の各レベルには程遠く及びません。
「こりゃぁ・・旨い!」
と言っていただけるはずです。
まぁ、敢えて言うなら・・勘違いされると困りますが、ラマルシュが持つ柔らかさに近いものが有ります。いや、ラマルシュはもっとずっと淡いです。でも「ドライさとふんわり感」は似通っているかも・・しれません。ラマルシュに比較すれば濃いですが、そもそもシリュグは濃い味わいでは有りませんし、強く無いですから・・はい。
アルノーや奥さんのソフィー、そしてニコラ・フォールやアメリー・ベルトーまで巻き込んだ若者たちの活躍が、この非常に・・非常に好ましい仕上がりの2018年ものロベール・シリュグの味わいに生かされている・・これを、「今までで最高!」と言えないでどうする?・・そう思います。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【万全の美味しさ!美しくヴォーヌ=ロマネ的フィネスに満ちています!】
少しだけタイトに締まっている現況ですが、時間の問題かと思います。しっかり休めてお楽しみください。
このところ思うのは、例えばグロ・フレールの最近のピノは、全くSo2を使わずに、ものすごく香るワインに仕上げています。
そこから言えば、このA.C.ブルはややタイトで、グロ・フレールのようには香らないんです。
しかし・・しかしですね・・
「じゃぁ、生成されてしまったSo2成分の量はどうなのよ?」
みたいな部分が有りましてね。
むしろリリース直後のこのタイミングだと、シリュグの方が少ないかもしれない・・と、noisy の身体が申しております。少しだけ締まってるのは消せないんですけどね・・。
とても良い仕上がりです。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントなエキス系、しかもヴォーヌ=ロマネ的な雰囲気も感じさせてくれます!】
ワインの美味しさは人それぞれ、その価値観も様々です。ある人はAと言うワインを素晴らしいと言うが、またある人はAと言うワインは美味しく無いと言う・・。
勿論、そのAと言うワインは同じ造り手の同じ年代の同じワインであるけれど、果たしてそのワインの味わいは同じものなのかどうか?・・非常に疑問に思えることも有ります。
例えば noisy の店では、商品の保存は勿論、お客様にそのワインが渡るまで・・発送にもたっぷり気を付けています。
しかし人により、その行為は「冗長」だったり、あるいは「不足」だったりする訳で、その行為を好意的に捉えていただけるお客様が今のnoisy のお客様でも有りますし、やや好意的では無くとも、何とか我慢出来る方がご注文をくださるんだと思うんですね。
なので、梱包が過剰だと思われる方は、「簡易梱包で」と通信欄で記載される方もいらっしゃいます。梱包は単に割れないだけでは無く、輸送中の様々な状況からの保護を意図していますから、冷え過ぎたり、温まってしまうことから出来る限り避けることを試みている訳です。運送会社との値上げ要請を含む様々なやり取りも、お客様のご存知無いことかと思いますが、
「単にA地点からB地点にワインを移動する」
と言うことが、如何に難しいことかを感じさせられます。
そのAと言うワインが、すべての方に出来るだけ良い状態で届けられてこそ、
「Aと言うワインは素晴らしい」
「Aと言うワインは美味しく無い」
と言う議論や比較がようやく成り立つわけですね。

このところは毎年のように、シリュグのACブルゴーニュが近年で最高・・と言って来ました。2015年は・・
「今までで最高です!」
・・(^^;;
ヴォーヌ=ロマネのワインを彷彿とさせる非常に柔らかで優しい酸のレベルに優しいスパイス感が漂い、赤や紫の果実や花、突出しないが見事なバランスのミネラリティが、非常にドライなのにそれを言葉にすることさえ忘れるような旨みのエキスが感じられます。当然ながら余韻の長さもしっかり有り、
「ん~・・美味しい!」
と素直に言葉が出てしまうでしょう。
「・・あのガチガチに硬かったシリュグは一体どこに行ってしまったんだ?」
と思ってしまいます。
そして、決してリキュールなどの強さも感じさせない、実にエレガントな液体からのしなやか且つピュアなアロマが漂います。部屋の中もそんな心地良いアロマが残留しますから、ワイン好きにとっては最高のシュチュエーションでしょう。ワインが嫌いな方には単に「ワイン臭っさ~」で終わってしまうかもしれませんけどね。それだけ高級エステル化合物として、良い香りを放出している素晴らしいワインだと思います。是非飲んでみてください!ロベール・シリュグ、最高の出来になったと思われる2015年です!
以下は2014年の「万全」なACブルゴーニュのレヴューです。
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2013年のしっかりエキスのブルゴーニュワインらしい味わいも見事でしたが、2014年はもう万全ですね。おそらくですが、
「いつ飲んでも美味しい!しかも飲むたびに少しずつ違う姿を見せてくれる!」
可能性が大な、素晴らしい仕上がりです。
以前の記事を読み返してみて気付きました。2009年ものだったか、それまでややクラシックで硬い味わいだったシリュグの下級クラスですが、驚くようなソフトなテクスチュアと伸びやかさを得ていたんですね。
時を同じくしてリアルワインガイド編集長の徳丸さんと、
「いや~・・シリュグのACブルにはぶっ飛びましたよ~・・」
と言うと、
「そうなんだよね~・・ガラッと変わってビックリした!」
みたいな会話を編集部でしたのを覚えています。
で先程、普段はあまり読まないエージェントさんの資料に目をやると、
「数年前からDRCが現在使用しているものと同じ選別機械を導入したことにより、ヴィンテージの出来に関わらず、雑味や青味のない甘く熟した果実だけを選別できるようになり、品質が飛躍的に向上しました。」
と有るじゃぁ無いですか。
ふむふむ・・なるほど・・選別を厳しくできるようになったのが、硬かった味わいをソフトに、ジューシーにしたのか・・と理解したんですね。
確かに、フーリエが2006年以降、劇的にトップに上り詰めたのとも、違う感覚を貰った訳です。ある程度の量を生産できるシリュグにとっては、高性能な選別機の存在の寄与は大きかったんでしょう。で、上記のような会話が成立したんですね。
2014年もの、凄く旨いです。パストゥグランも素晴らしいが、ACブルも素晴らしいです。幾分、今は締まっているとは言え、質の良い見事なフレーヴァーがすでに居座っていますし、ドライだけれどしっかり膨らみ、旨みも2013年もののように根底にたっぷり有るんです。なので、
「おそらく今までで最高のACブル!」
になったか、ほぼ同様の品質とさせていただきたいと思います。是非飲んでくださいね。超お勧め!美味しいです!
以下は以前のコメントです。
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ホント、昔は硬いワインでね~・・90年台から2000年頃までは、到着しても仕入れず、半年から1年後にようやくロット条件付けてもらって・・販売していました。
1600円とか・・そんな感じだったと思いますよ。昔からのお客様はご存知なんじゃないかと思いますが。
2009年からは劇的にソフトになり、飲みやすく、しかもポテンシャルの感じられるワインに成りましたし・・
何と言ってもリアルの徳丸さんがね・・安くて旨いぞ~!と大宣伝しちゃいましたから・・
ある意味、noisy はそのアオリをモロに喰らって余り売れなくなっちゃいました・・残念~・・
そんなシリュグのエレガントなACブルも昨年までは何とか耐えて3千円を付けないようにと・・利益率を落としてまで頑張っていましたが、ど~もエージェントさんにはその気は無いようで・・2013年、ついに諦めました!・・・3千円超えです。
しかし、飲んでみれば非常に良く出来ています。やはりヴォーヌ=ロマネ近郊のワインらしく、
「低酸度」
「高密度」
な素晴らしい味わいをしています。
低酸度と言っても、他の村との比較として、少し低いということで、酸が不足しているということでは有りません。むしろそれが特徴・・酸っぱく刺すような酸は余り無い・・ということですね。
そしてやはりこの村特有の皮革のスパイシーなニュアンスが有り、これが熟成とともに複雑性を発揮してくれるわけです。
現状、少し早いとは言えますが、飲めないことは全く無いです。飲み進めて行くうちに徐々に解れてきて、滑らかさ、艶やかさを増してくる・・とお考えください。
何しろですね・・・ヴォーヌ=ロマネの造り手がACブルゴーニュを出す・・もしくはその下まで造る・・と言うのは少ないんですよ。希少な造り手です。そしてやはり良い造り手は大変な年でもキチンと仕上げてきますね!さすがでした。お奨めします!量は無いので・・お早めにご検討ください。