【値上がりでモチベーションの落ちたnoisyを奮い立たせてくれた呆れるほどに素晴らしいシャルドネです。サイズ以外一切の加工をしていない写真をご覧ください。】
いつまで経ってもアリゴテ以外の2019年のシルヴァン・パタイユが届かないんです。ラシーヌさんに尋ねてみても、
「まだ樽の中みたいですよ・・」
と。
一体、何を造っているのかと・・不安になってしまいますが、入荷の端境期でブルゴーニュワインのネタが少なく、何か無いかなぁ・・と思っていましたら、この2015年のル・シャピトルが11本、出て来たんですね。
この頃のシャピトルが一番高いので、
「・・2018年と比べて高く無い?」
と思われるかもしれませんが、決して高くしていませんので・・。
しかも、この頃のシャピトルは実に美味かったですよね~・・。飲もうと思いましたが数が無いので、以前のリリース時のレヴューで申し訳ありません。そろそろ良いんじゃないかと思います。

どうでしょう?・・この色合い。「緑色」が見えて来ませんか?・・まるで葡萄の粒そのものが持っている色、そのものじゃないでしょうか?
果汁自体が持つゴールドと果皮が持つグリーン、透明~半透明色のミネラリティ。少なくともこの3つは画像から判ると思うんですね。
noisy は2017年の正月、ラシーヌさんの新年会で「化け物アリゴテ」を飲んでいます。ま~・・たまげました。何度かこれも書いていますが、
「マルサネの区画ごとに分けて仕込んだ古木のアリゴテ」
でして、ひっくりかえるほど・・素晴らしいものでした。
noisy もまた、
「ワインの品種は余り関係が無い。土壌と畑こそがワインの味わいの大部分を占める。」
と言うような論者ですから、品種にこだわるソXリエ協会さんの方針とは異質のものかもしれませんが、そのアリゴテを飲んで、
「まさに!」
の意を得たと思ったものです。
この美しく素晴らしい色合いをした、単なるブルゴーニュと言うアペラシオンのシャピトルですが、驚くほどに複雑な表情を持っています。
色合いからも判るように黄色、緑、ゴールド、透明色、半透明色の果実、無機物、有機物のアロマが素晴らしいです。安易に言えば、白や黄色の極小果実で有り、蜜で有り、クリスタルや岩、石、煙などです。
しかしながらそんなに単純に言えるようなものでは無く、非常に積層していて、何とも複雑で香しいです。
やや硬い側面は有りますが、到着間もないことから来るものでしょう。それを補うべくの多彩な表情に、思わずうっとりしてしまいます。
単に「蜜」では無い・・例えば白い花の蜜、色味の付いた・・やや赤い花の蜜・・などと言いたくなりますが・・言いません・・(^^;; それほどまでに繊細な表情を浮かべます。
正月に飲ませて貰ったアリゴテと、どっちが素晴らしいか・・と言う質問が有ったとするなら、
「このシャピトルは区画名付アリゴテに・・惜しくも及ばない」
と言うしか無いでしょうが、どんなブルゴーニュのシャルドネにも無い、無比の個性を感じます。恐るべし!・・シルヴァン・パタイユ!
価格はもう・・考えないでください・・(^^;; そう言うものだと、おそらく納得されるでしょう。この存在感を是非味わっていただきたいと思います。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【このル・シャピトルはシルヴァン・パタイユにとって特別な区画なんだと認識しました!】
この年末に来て、それも中盤になってから待っていた大物がようやく到着しましたので、てんてこ舞い状態のnoisy です。昨晩もシルヴァン・パタイユを3本も空けちゃいました・・。そうじゃないともう年内、ご紹介が間に合わないんですよね・・。
でも、昨晩のは赤3アイテム、左からマルサネ、マルサネ・クロ・デュ・ロワ、ブルゴーニュ・ル・シャピトルなんですが、ま~・・一番すごいのは何と、
「ブルゴーニュ・ル・シャピトル!」
なんですよ。
一般にはマルサネ・クロ・デュ・ロワはマルサネのトップ・クリマの一つなんですが、それをも超越しちゃう素晴らしさが有るんです。
価格の方も2013年ものからは、他のキュヴェが据え置きなのに、ル・シャピトル赤白だけは上昇しています。それでもこのル・シャピトル・ルージュを飲んだら納得しちゃうでしょう。
「クロ・デュ・ロワが1級だとしたら、ル・シャピトルは・・どうすんのよ!」
そう・・格の違いに近いものを感じるんですね。現在、マルサネに1級は無いのでクロ・デュ・ロワは村名に過ぎませんが、シンプルな味わいのマルサネに比べるともう格上です。それさえ超越してしまう「ル・シャピトル」は、
「少なくとも1級格であるべき!」
と地質学者でもあるシルヴァン・パタイユは感じているのでしょう。
今回はテイスティングが間に合わないので、もし追加が出来るようなら追ってテイスティングレヴューを上げたいと思っています。
リアルワインガイド第55号は、「閉じ気味」としながらも91~91+ 今~2036 と評価しています。さすがに白のランセストラルである「ラ・シャルム・オー・プレトル」には及びませんが、価格は倍近いですから・・ね。
こちらも希少な白です。是非ご検討くださいませ。
以下は2013年もののレヴューです。
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【シルヴァン・パタイユの素晴らしいシャルドネ2アイテム!!・・こちらも結構な違いは有る!!?】
良い感じに仕上がった2013年のシルヴァン・パタイユの白の2アイテムです。マルサネの白の方は、単なるシャルドネでは無くて、「シャルドネ・ロゼ」と言う品種による「シャルドネ」です・・。
いつも言っておりますが、色合いは結構に相当に正直なものでして、このブルゴーニュ・ブランル・シャピトルとマルサネ・シャルドネの色合いは、正に何かを現しているんですね~・・。
僅かに赤みの入ったブルゴーニュ・ブラン・ル・シャピトルは非常にナチュラルです。ほんの僅かにビオっぽい・・So2が非常に少ないナチュラルな風味を持っています。価格的には700円ほどしか変わらないんですが、この2013年のブルゴーニュ・ブラン・ル・シャピトルは、
非常にナチュラルでソフトなテクスチュア。香りの上がりも自然で中域もナチュラルな膨らみを見せます。僅かに色付いたピーチ系の果実、余韻に起伏が有り長いです。ナチュラルな分、ほんの僅かに揮発酸の出が有りますが、要素の一つになっていて、複雑性を感じさせてくれます。
一方のマルサネ・シャルドネですが、熟すと「ロゼ色になる」と言いつつも、そんな色のニュアンスは無いですね。まぁ、白葡萄の場合は先に圧搾して果皮を除いてしまうはずなので、わずかなロゼ色はワインに移らない・・と言うことなんでしょう。
非常に精緻で透明度の高い、やや薄いゴールドの色調です。香りの上がりはブルゴーニュに比べると一歩出遅れるもののとてもピュアです。

おそらくこちらは早い段階でSo2を少し使ったのかな?・・と思います。テクスチュアもわずかにカッチリしていてタイトな締まりのあるものが感じられます。
ポテンシャルを取るとするなら、ACブルゴーニュが少し単純に思えてしまうほど・・単にマルサネ・ブランとしたくないほど・・高いものが有ります。
熟成能力もかなり有って、ムルソー・・・とまでは言えないまでも、かなりの分厚い石灰系ミネラリティを持っていますので、15年はへっちゃら!・・で持ってしまうでしょう。
そして、完熟した時には、So2を使っているとは言え、おそらく微量でしょうから、
「どっか~ん!」
と、花園の花たちが一斉に咲き始めたような・・感じになるんじゃないかと思います。
余韻も非常に長く、時間が経過すると、ややカッチリしていた部分がわずかにネットリとした舌触りに変化して来ますので、その部分からの口中に拡がる香りが素晴らしいです。
とてもナチュラルなACブルとピュアなマルサネ・シャルドネ・・とご紹介しておきましょう!お奨めします。是非飲んでみてください!