
凄い色彩ですね・・滅茶深~い・・深淵な「黄色」をしていると思います。やや赤くも有り、黄色が濃くも有り、輝いてもいて、鈍ったようにも見えます。オイリーさと蜜っぽさ、ペトロールに・・もしかするとほんの僅かですが、酸膜的な香りも感じます。
まぁ・・テクニカルを見る限り、そのようなことは書かれてはいませんが、ほんの僅かにハシバミっぽい香りが有って、これがまた複雑さをより深くしている感じがします。
しかもグラン・クリュ、シュロスベルクの葡萄ですから・・。ミネラリティ豊かな畑の葡萄をどのように料理するか・・を想像し、どうでしょうか・・「ジョーヌ(黄色)」を名前にも、そのワインの色彩にもしっかりと入れて来ましたから・・
「もしかしたら・・アルザスで最高の白ワインを手段を択ばずに造ろうとしている?」
と言う疑惑??・・が noisy の頭に浮かんできてしまいました!
言ってしまえば、シャトー・シャロンと言う凄いワインがジュラに有りますが、これはもう・・最高の白ワインと言っても過言では無いと思うんですね。・・いや、その辺りは好き嫌いが有りますし、酸膜系のアロマは慣れないと受け付けられないタイプの香りでも有ります。
しかし、本当にチーズに合うワイン・・は、酸膜系のサヴァニャンだけ・・もしくは、極上の甘みですべてを包み込んでしまう貴腐ワインだけ・・だと思うんですね。勿論、素晴らしい・・ごく一部の最高のシャルドネも、その可能性は残していると思いますが、どんなに素晴らしいシャルドネでも、ベストマッチングは中々難しいんじゃないかと・・いや、あくまで個人的なものですが。

この、何とも分厚い、凝縮した・・ボディとさえ言いたくなる凄い接触感、そして煙、石、様々な状態の果実、様々な状態の有機物を想像させるアロマと味わいには、
「トラペの壮大な実験じゃないか?!」
と思わざるを得ません。
言ってみればトラペはブルゴーニュのピノ・ノワールで、最高の赤ワインを創り出している訳です。こちらはブルゴーニュのトラッドでも有ります。
しかしながら白ワイン・・シャルドネは、いや・・滅茶美味しいですが、そんな大それたことをするのに見合う畑は持っていないんですね。
そこで・・アルザスのグラン・クリュですよ。シュナンブールやシュロスベルクが有る訳です。
普通に造って普通に販売すれば、それで喜んでいただける訳です。でもそこで留まらない・・。と言うことは、壮大な計画を持っているんじゃないか?・・と言うような疑念??に繋がる訳ですね。
この実に濃密なジョーヌを見ると、よけいにそんなことを想像してしまいますが、
「・・そんなに楽しいことを考えているのか・・?」
などと思うと、飲む側も非常な楽しみになってくるんじゃないかと思います。きっとまだまだやってくれるでしょう!・・
だって・・
「シュロスベルクってシュロス(城)のベルク(丘?山?)でしょう?・・シャトーも城、宮殿・・ですよね?」
因みにシャロンとは「花」と言う意味のようで、シャトー・シャロンはシャロンと言う修道女の方に由来するようです。期待しましょう!・・妄想はともかく、この濃い黄色のワイン、素晴らしいです!