【2021年ものの「マセレ・シリーズ」は生まれ変わったと言って良いほど上質!・・気品と深み、そして素晴らしいバランスで、ネガティヴさは一切無し!滅茶美味しいリースリングです!】

深い黄色が積層してさらに深い黄色へと・・変化しているような色味です。
とても濃厚で・・でも甘さとしてはほぼ取れない感じ・・ちょうど良いバランスになっています。
どうでしょう?・・この色彩ですと、わずかに色落ちは有るかと思いますが、ワイン名に・・
「ジョーヌ(黄色)」
と入れている辺り、ジュラの「ヴァン・ジョーヌ」を意識しているんじゃないかと・・思ったりしていますが、
「仮にヴァン・ジョーヌを意識しているとしても、酸膜酵母の動きは無い」
ですから、
「ヴァン・ジョーヌが持っている独特の深み、複雑性を意識した?」
と言えそうな・・出来なんですね。

ですから、この色彩と「ジョーヌ」と言う言葉に惑わされない方が良いかと思います。
実際、味わいは驚くほど・・この色彩から想像できないほどに・・
「ピュア」
です。凄い・・綺麗です!
リースリングの特徴でもあるペトロールも軽やかでエレガントです・・。重厚なペトロールでは無く、粘性は感じてもペトロールは心地良い伸びと複雑性に寄与していて、「マセレーション」はそこにはポジティヴにしか関与していません。
そして、瑞々しい、香りの良いウーロン茶っぽいニュアンスが軽く付いたほかは・・
「普通にアルザス・グラン・クリュ!」
なんですね。
このワイン、G.C.シュロスベルクの若木だそうですが、すでに高貴ささえ感じさせてくれます・・この濃い黄色から・・です。
そして「マセレ」の最も重要な部分、果皮も種も醸造に使用する・・と言うことは、「深みを引き出すこと」に有ると思うんですが、これが2020年までのこのワインとは、大きく違っているように思うんですね。
低域からの押し上げ、延びが中域以降、高域にまで高貴さと複雑さが心地良さを伴って感じられます。
ある意味、この白葡萄を「マセレーション」したワインで、ここまで完成度が高いものを noisy は知りません。あのグラヴナーでさえ・・たどり着けていないように思います。
ピエールさん..恐るべき手練れだったんですね・・。2021年のトラペ・ダルザス、滅茶凄いです!・・ただし非常に少ないので是非お早めに・・飲んでみてください。素晴らしいです!
以下は2019年もののレヴューです。
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【これは素晴らしい!・・官能的で滅茶複雑!トラペ・ダルザスも余裕が出て来たのか、様々なトライが驚くべき結果を生んでいます!】
凄い色彩ですね・・滅茶深~い・・深淵な「黄色」をしていると思います。やや赤くも有り、黄色が濃くも有り、輝いてもいて、鈍ったようにも見えます。オイリーさと蜜っぽさ、ペトロールに・・もしかするとほんの僅かですが、酸膜的な香りも感じます。
まぁ・・テクニカルを見る限り、そのようなことは書かれてはいませんが、ほんの僅かにハシバミっぽい香りが有って、これがまた複雑さをより深くしている感じがします。
しかもグラン・クリュ、シュロスベルクの葡萄ですから・・。ミネラリティ豊かな畑の葡萄をどのように料理するか・・を想像し、どうでしょうか・・「ジョーヌ(黄色)」を名前にも、そのワインの色彩にもしっかりと入れて来ましたから・・
「もしかしたら・・アルザスで最高の白ワインを手段を択ばずに造ろうとしている?」
と言う疑惑??・・が noisy の頭に浮かんできてしまいました!
言ってしまえば、シャトー・シャロンと言う凄いワインがジュラに有りますが、これはもう・・最高の白ワインと言っても過言では無いと思うんですね。・・いや、その辺りは好き嫌いが有りますし、酸膜系のアロマは慣れないと受け付けられないタイプの香りでも有ります。
しかし、本当にチーズに合うワイン・・は、酸膜系のサヴァニャンだけ・・もしくは、極上の甘みですべてを包み込んでしまう貴腐ワインだけ・・だと思うんですね。勿論、素晴らしい・・ごく一部の最高のシャルドネも、その可能性は残していると思いますが、どんなに素晴らしいシャルドネでも、ベストマッチングは中々難しいんじゃないかと・・いや、あくまで個人的なものですが。

この、何とも分厚い、凝縮した・・ボディとさえ言いたくなる凄い接触感、そして煙、石、様々な状態の果実、様々な状態の有機物を想像させるアロマと味わいには、
「トラペの壮大な実験じゃないか?!」
と思わざるを得ません。
言ってみればトラペはブルゴーニュのピノ・ノワールで、最高の赤ワインを創り出している訳です。こちらはブルゴーニュのトラッドでも有ります。
しかしながら白ワイン・・シャルドネは、いや・・滅茶美味しいですが、そんな大それたことをするのに見合う畑は持っていないんですね。
そこで・・アルザスのグラン・クリュですよ。シュナンブールやシュロスベルクが有る訳です。
普通に造って普通に販売すれば、それで喜んでいただける訳です。でもそこで留まらない・・。と言うことは、壮大な計画を持っているんじゃないか?・・と言うような疑念??に繋がる訳ですね。
この実に濃密なジョーヌを見ると、よけいにそんなことを想像してしまいますが、
「・・そんなに楽しいことを考えているのか・・?」
などと思うと、飲む側も非常な楽しみになってくるんじゃないかと思います。きっとまだまだやってくれるでしょう!・・
だって・・
「シュロスベルクってシュロス(城)のベルク(丘?山?)でしょう?・・シャトーも城、宮殿・・ですよね?」
因みにシャロンとは「花」と言う意味のようで、シャトー・シャロンはシャロンと言う修道女の方に由来するようです。期待しましょう!・・妄想はともかく、この濃い黄色のワイン、素晴らしいです!