
これも激旨でした!・・まぁ・・スポーレンの方が全然高価ですから仕方が無いのかもしれませんが・・でも、
「今のところはスポーレンには届かない」
と言っておきましょう。
これはポテンシャルが届かない・・と言うよりは、タイミングの問題かもしれないから・・です。
日照の強さによる糖度が高い葡萄になったと思いますが・・どうなんでしょうね・・これは豊満と言うべきなのかどうか・・。スポーレンに比較しますと、幾分ですが残糖は多いのかもしれません。
ですが、「甘い!」と言う感覚では無く、
「もしかしたら残糖分を分離して感じることが出来るかも・・」
と言うようなレベルです。
なので、noisy 的には豊満だ・・とまでは行かず、豊かさが有る・・と言う感じでしょうか。
その上で・・透明感の高いミネラリティがふんだんに感じられ、それが果実にまとわりついている感じなんですね・・マスキングはしていないので・・果実感はしっかり感じられます。

ゲヴェらしいライチやパッションフルーツのニュアンスが有ります。ですが、トラペですから・・。非常にエレガントで心地良いです。トゲトゲしくない・・見事な果実、スパイスの表現になっていると思います。
「・・あれ?・・トラペのアルザスって、こんなにレベルが高かったっけ?」
と・・思ってしまいますよ・・きっと。
何しろ、ここで2017年ものですから・・。そして、この「黄色の濃さ」です。実に美しい色彩ですし、濃密さを感じさせる色彩です。なので、
「果実表現は黄色いフルーツ主体」
ですし、
「やや赤く色付いたフルーツも混じってくる」
んですね。
noisy の場合、白ワインも大好きですから・・。いや、皆さんはどうしても「赤ワインが飲みたい!」とおっしゃる訳ですが、いやいや・・白ワインの凄いアイテムは、赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っているんですね。
アルザスのグラン・クリュの出来の良いものは、そんなワインのひとつでも有ります。是非飲んでみてください。お勧めします!
【高貴種ゲヴェの見事な仕上がり!・・相当美味しいです!】
同じくゾンネングランツG.C.のピノ・グリ2014も飲んでいますが、こうやって飲むと相当に違って感じられるのに、イメージは結構に近いんですよね。
特にトラペさんのワインはそもそもが優しいところに持って来て、ブルゴーニュはすでに、アルザスはこのところさらに硬質なミネラリティが表面側に出て来ていますので、
「ゲヴェの持つ、アチコチのベクトルにトゲが有るかのような出っ張りをもコーティングしている」
ようにも感じられるので、例えばライチっぽいスパイシーさも優しいし、熟度の高い果実が持つちょっとしたスパイシーさも滑らかになっている・・それがグラン・クリュの高質感と相まっているので、同じく「ゾンネングランツ」のピノ・グリだとすると、イメージ的には相当に近い・・でも実際に比較テイスティングしてみると、明らかに違う・・と言うことになります。
敢えて言うなら、体表面積の大きいピノ・グリと、体表面積はやや小さく見えるがアチコチにトゲのように飛び出した果実のベクトルが有るので、実は体表面積ももっと大きいゲヴェと言うことになろうかと思います。
そのうえで、このところのトラペ・ヴァン・ダルザスが身に纏い始めた凄いミネラリティのコーティングが有りますから、適度に押さえられた若く暴れる部分が見事に滑らかになり、そうなってくるとむしろ、「痩身のモデルさん風」のようにさえ感じられるんですね。大昔のダイスの凄いゲヴェは、その存在感に圧倒されるばかりでしたが、こちらの方は・・
「余りに美してついつい、デレデレとしてしまう・・」
ような感じの自分に気付いてしまいます。
まぁ・・トラペ・ダルザスのキュヴェの何かしらに、ちょっとしたネガティヴさが見つかればそこをしっかり書いて、こっちは美味しくて、あれはイマイチと書けるんですが、あのロゼだか赤だか判らないピノ・グリ表示のピノ・ノワールも、実は滅茶苦茶美味しいですし、そもそもグラン・クリュのソンネングランツが美味しくない訳が無く、しかもグラン・クリュたる風格さえ漂わせているのに、トラペ風の優しさがそうも感じさせない感じがまた、ちょっと惚れ直してしまうんですね。
滅茶美味しいです。尖がったゲヴェは嫌いだとおっしゃる方・・そんな方こそ、是非飲んでみて下さい。アルザスワインの素晴らしさをきっと感じていただけるでしょう。お勧めします。