
ここはやはりちょっと硬質なミネラリティなんでしょうね。透明感の高いミネラリティがふんだんに感じられ、その分硬めに・・もしくはスレンダーに感じられます。
複雑な表情にミネラリティがまとわりつく感じで、それが飲んでいて非常に心地良い・・トラペ・ダルザスのグラン・クリュの中では比較的、硬質だと感じます。
ただし勘違いしないでいただきたいんですが、やはりそこは「トラペ」ですから・・。バキッと硬いんじゃないんですね。言ってみれば・・
「他の生産者に比較したら絶対に柔らかい」
んです。
トラペのアイテム中で言うと「やや硬め」で有って、表情に絡んでくるそのミネラリティが有るからこそ、この美味しさに繋がっていると感じています。
ですから、トラペのG.C.ピノ・グリはとてもゲヴェ的な側面が感じられる訳ですが、トラペのG.C.ゲヴェにしても非常に優しい訳です。勿論、緩い訳でも有りません。
一般的にゲヴェの場合はライチとかパインとかの、ちょっとスパイシーな果実やスパイスを感じるんですね。でも通常ですと、もっとギラギラした表現になって来ます。悪く言えば、キツイ感じです。

ところが、ゲヴェほどでは無いにせよアルザスのピノ・グリは似たようなニュアンスを持っています。その表現はトラペの場合、さらに優しくなる感じです。
言ってみれば、
「トゲの先は確実にヤスリで落とされている」
と言う感じで、
「飲んでいて刺さってくるような表現にならない」
んです。
大抵の場合、そこを残糖的な甘みで丸く見せる訳なんですよ・・。でもトラペの場合は甘く無い・・ドライに感じるんですね・・でも柔らかくて集中しているから、もしかして少しは甘いの?・・と・・(^^;; もっともトラペでは裏ラベルに糖度レベルを1~4までで記載していまして、2016年が3、2015年が4とし、数が大きい方が甘いとしています。でも、そんなに風には感じないと思います。
大変良く出来ています。後は飲まれるタイミングでしょう。2015年ものと2016年ものを飲んでいますが、noisy が飲んだタイミングでは2016年ものの方がやや開いている感じでした。2015年の方がより硬質な感じでしたが、それもタイミングでしょう。お客様が飲まれる場合は、
「即飲まれるなら2016。12月からならどちらでも」
と言うような印象です。
あ・・すみません・・noisy のテイスティングは8~9月だったんですね・・なのでそんなスケジュールです。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ピノ・グリにゲヴェをセパージュしたかのようなエキセントリックさがマイルドで素晴らしい!滑らかで実に旨いです!】
良く出来たピノ・グリとゲヴェは、味わい的には結構に良く似ていて、noisy も迷うことが結構に有ります。若い時分の比較なら、まぁ・・そんなに外すことも無いと思うんですが、この2014年みたいに普通よりも4年遅れで届いたキュヴェなどは、相当に難しいですよ。奥に有る骨格の太さと、漂うアロマ、ブケなどから探って行くにせよ、難問で有ると個人的には思っています。
で、スズキさんが有名になった年だったですかね。もうそんなに前の話だったでしょうか。揮発系の香りを付けられてしまうと言うので、
「へえ・・知らなかった~・・」
とビックリしたものです。
ほんのりと蜜っぽいニュアンスに、スパイシーな果実・・優しい味のライチとか柑橘ですよね。それが何とも良い感じにアクセントと言うか、ワンポイントになっていて、トラペらしい優しい味わいにマッチしていて実に旨いです。味わいはリンゴ・梨系でアロマがそれらに柑橘を多めにトッピングした感じです。
今回はヴィンテージの若い同じ畑のゲヴェが有るので、ちょうど飲めたんですが・・
「あの新しいゲヴェと・・このピノ・グリを嗅ぎ分けられないのか?」
と、簡単には答えは出ないような感じでは有りましたが、どちらも美味しいのは間違い無い・・特にこの蜜っぽいのに甘い訳では無い感じに、質の良さを感じました。美味しいので是非飲んでみて下さい。お勧めします!