
エチケットが変わりましたね・・これって意味が有るんでしょうか。完全に上級キュヴェと同じエチケットを貼ってリリースしていることに、心意気みたいなものを感じます。
ハッキリ言って、パスグラからル・メイ・フランゲまで、非常に一貫しています。例のクリスタルなヴェールも全く同じです。
「この素晴らしい色合い・・見てくださいよ!」
と・・もうこれだけで良いんじゃないか?・・何も言うことは無いかもしれない・・とさえ思ってしまいます。
美しい躯体と伸びやかで柔らかなアロマ・・エロス・・エレガンス・・。
「こんなピノが飲みたい!」
とブルゴーニュワインファンが思う全てを持っているはずだと思います。・・まぁ、さすがにD.R.C.の各畑のテロワールだけは無いですけどね・・。
凄い2017年のドメーヌ・トラペ・・是非とも感じてみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ル・メイ・フランゲは例年通りの美しい仕上がり!・・でもちょっとだけ早いか・・やや硬めです!】
キュッとやや締まったボディからフラワリーなアロマが弾ける、いつものル・メイ・フランゲです。
しかしながら2015~2016年に比べるとほんのりと硬めかな・・?と言う仕上がりなので、もっと暖かくなって来てから、2019年の5~6月以降が良いでしょう。
・・でも硬いと書くと大抵売れないんですね・・。タイミングの問題ですから、2カ月ほどだと思います。昨今のトラペのワインの中では、やや傾向の異なる締まったワイン・・と言えます。
以下は以前のレヴューです。
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【トラペのブルゴーニュワインで、もっとも華やかなキュヴェです!】

このメイ・フランゲも実に美味しいです。2015年ものの中ではもっとも冷涼感のある・・よりフラワリーなアロマのピノでした。ベースはやはりジュヴレ的な、やや重量感の在るものです。
出来はと言いますと、やはり2014年より良い・・と感じます。2014年ものはむしろジャムっぽい感じが有ったと思うんですが、(好き嫌いは在るとは思いますよ)めちゃ綺麗な土のニュアンス、そこから元気に芽を出して花を咲かせた植物、隣には果樹に黒っぽい粒、赤っぽい粒の果実が成っている感じがします。
とてもドライですがエッジも無く、適度に膨らみ、余韻も綺麗!・・テーブルの上においてもデザイン変更されたエチケットの文字が、そんな「花・植物」をイメージさせるかのようです。
おそらく、2014年ものよりも葡萄の熟度は高いと思われますが、むしろ冷ややかさ、冷涼感は高いように思います。素晴らしい出来!飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【溌剌、新鮮な果実と花!・・新生トラペの切り込み隊長はこのワインです!】
2013年、初リリースの2年目のコート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。2013年も非常に美味しかったんですが、セールス的には今一つ・・ですね。何でだろう・・と。責任を感じてしまいます。
実は2013年もこのワインだけはそうだったんですが、かなりあっけらかんとした明るい美味しさの有る、しかもポテンシャルも充分備わっているリーズナブルなワインなんですね。おそらくですが密閉タンク使用による前発酵から、まるでプリューレ・ロック的なノーズを感じさせてくれるワインです。しかし、むしろロックと言うなら・・ニュイ=サン=ジョルジュ的なロックでは無くて、良く出来た年のシャンベルタン・クロ・ド・ベズの、あの軽やかで新鮮なベリー風なニュアンスですね。プリューレ・ロックのニュイの方は結構濃度を出すように感じますので、少し違ったものになります。
前回も書いていますが、「ヴィラージュクラス、村名」的な存在のアペラシオンです。ニュイ=サン=ジョルジュ近郊のニュイ=サン=ジョルジュを名乗れない村々と、フィサンが名乗れる規定です。まぁ、今になってフィサンがコート・ド・ニュイ=ヴィラージュを名乗ることは無いでしょうが、ネゴシアンがブレンドする際の一助にはなるかもしれません。
味わいは軽やかな明るいニュイ=サン=ジョルジュ・・と言った感じで、土っぽいニュアンスはほぼ有りません。軽やかなスパイスが香りますが、新鮮なイチゴの毛を鼻に付けつつ香りを嗅いでいるような・・イメージが有ります。
濃度は結構有りまして、非常にドライですが良い意味でややジャミーです。透明なミネラリティが強く感じられます。
余韻も長いです。でも全然重くは無い・・2013年の時もそうだったと記憶していますが、この辺りのワインは密閉タンクを使用し、高域の表現をしていると思います。熟成で低域も出て来るでしょう。今飲んで充分に美味しさを感じられると思います。
この辺はジュヴレ村名のコラムで書いてますんで・・是非読んでみてください。このクラスで余り良いことを書き過ぎるとね・・何かと問題になっちゃいますけど、本当はもっと持ち上げたいほどです。
因みにティム・アトキンさんの評価、また他の有名テイスターの評価は見当たりませんでした。noisy的には90点をオーバーする評価になると思います。かなり旨いです!ご検討くださいませ。
以下は2013年のメイ・フランゲのレヴューです。
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【ビオディナミながらビオのネガティヴさの無いしなやかで美しく優しいワインたちです!】
しなやかでなめらか、エレガントなピノ・ノワールです。ジュヴレ的な重量感はやや軽めですが、それでもジュヴレに寄り添っているようなイメージが浮かんでくると思います。
そもそも「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」とは何か・・ご存知でしょうか。「コート・ド・ニュイ」と「ヴィラージュ」を「ハイフン」で繋いでいるところが「味噌」です。
そうは言っても・・いや、毎度のように言ってますが、
「ハイフンを省略するな~!」
と言うことなんですね・・。
ネットで検索しても、我がリアルワインガイドにしても、
「ジュヴレ(イ)・シャンベルタン」
「シャンボール・ミュジニー」
ですよ。
これじゃぁ・・何のことかサッパリ判らない。「ジャン=ルイ・トラペ」であって、「ジャン・ルイ・トラペ」では無いんですね。
つまり、ジュヴレとシャンベルタンを理由有って繋げたからジュヴレ=シャンベルタンで有って、シャンボール=ミュジニーなんですよ。著名なシャンベルタンやミュジニーにあやかって出来たのがそれらなんですね。
ただし、Gevrey と Chambertin は 「-」で繋がっていますから、日本語だと、
「ジュヴレーシャンベルタン」
に成ってしまうところ、合田さんや塚原さん、もしくは先達の方々が、
「・・・じゃぁ・・=で繋ぐということにしよう・・」
と言ったかどうだかは聞いてませんが、「ジュヴレ=シャンベルタン」になった訳です。
なので、「=」が言葉の間に有れば、
「・・そうか・・、理由が有って、前の言葉と後ろの言葉を繋げたのね・・」
と判るんです。
で、「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」ですが、「=」で繋がっていることから判るように、コート・ドニュイのヴィラージュ(村)と言うアペラシオンだと言うことが判ります。なので、
「準村名」
と言う格のアペラシオンです。
詳細は、ジュヴレの北隣の小さな村、ブロションと、ニュイ=サン=ジョルジュの南の村、プレモ=プリシー、コンブランシアン、コルゴロワンの各村のアペラシオンです。ここは単独のアペラシオンが無いので、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュを名乗るんですね。
で、フィネスさんからのテクニカルには掲載されていないので判りませんが、トラペさんちはジュヴレが本拠ですから、
「ジュヴレの北に接するブロション村の区画がル・メイ・フランゲ」
と言うことが推測出来る訳です。
色合いも美しいですね・・。見ての通り赤く黒っぽさが有りますが、そのまんまのミネラリティが有ります・・勿論ですが、見えない色・・「透明色」もしくは「非常に淡い白」もその色のひとつです。石灰感がそこに潜んでいます。
なので、石灰感の無いワインはしっかり色合いにも出てきます。健康的には感じるものの余りミネラリティが無く美味しく無いワインは「一面的」ですよね。色合いに抑揚が無い・・です。
この写真のように、非常に美しいのにグラディエーションが存在する場合は、しっかりと様々なミネラリティの要素が有る場合が多いです。・・まぁ・・濃すぎると良く判らないですけどね。
とてもエレガントでフィネスが有り、優しい味わいです。近年のトラペのワインを飲まれた方は判ると思いますが、全く「欠損」している感じが無いです。とても丸く柔らかい・・エキスがバッチリです。
果実感も見たとおり・・ベリーが少し、チェリーがしっかり、しかし単純な果実感では無く、そこに艶っぽさが存在しています。普段飲みするには非常に高級感が有りますし、繊細です。
「これで充分!」
と思えるんじゃないでしょうか。
確かに・・トラペの2013年ジュヴレは目ちゃんこ美味しいです・・が、あと3千円出さないと買えない・・
「3千円有れば、何か違うワインがもう1本飲めるぞ!」
と思われる方は、取り合えずこのル・メイ・フランゲ2013にする・・と言うチョイスも有るでしょう。
今の季節はピノ・ノワールが非常に美味しいです。少し冷えてても気化熱で良く香りますし、トラペのワインはとても滑らかですから・・それに身体に優しい進入角を持っています。
素晴らしい準村名です。是非飲んでみてください。こちらも・・一推し・・とてもお買い得かと思います!