
素晴らしかった2019年の村名ジュヴレも、この2020年ものの前には形無しかもしれません。
それほどに素晴らしいと・・noisy は感じました。
この素晴らしい色彩・・赤を基調に、それを崩さずに積み重ねています。2019年ものが「淡い」と感じるほどですが、味わいは決して濃く無い・・んですね。2020年もののブルゴーニュワインは、
「めっちゃ濃い!」
色彩を持ち、果実もたんまり、アルコール分もしっかり・・で、言わば・・
「5年後のワイン」
です。
この村名ジュヴレも、ある意味その「5年後のワイン」とも言える訳ですが、すでに今飲んでも・・
「完璧さゆえの美味しさは隠せない」
レベルの出来です。

数年前までのトラペの村名は、やや不足な部分、育ち切っていない部分が有り、
「オストレアの方を先に、村名を後に飲んで・・」
と言うのが常だったんですね。
ですがこの2~3年は村名の充実度が上がり、むしろ・・
「オストレアを後に、村名を先に・・」
と言い換え始めていました。2019年ものなどその最たるヴィンテージでした。
ですが、2020年もの・・これ、このコラムを書いている前日・・と言いますか18時間前ほどにテイスティングしていたんですね・・いや、6本しかないので飲まない予定だったんです。
ですが、海外メディアの評価がイマイチ理解出来ないので、飲むかどうか、何を追加で開けるかなど、散々悩んだうえ、ギリギリになって開けた訳です。
開けて良かったです・・めっちゃ旨いんですから・・。アレアも本当に素晴らしかったが、村名ジュヴレも完璧じゃないかと・・確認出来ました。トラペさんは、2020年ものは規格外の出来・・と言っていまして、
「それには間違いないと感じる」
訳ですね。
なのにメディアはシャンベルタンは99点止まり、ラトリシエールも97点止まりだと言うし、下のキュヴェは2019年より下げているメディアも有るくらい・・ですから、
「ここはジュヴレも開けて確かめよう・・」
となった訳です。
結果・・
「2020年もののドメーヌ・トラペは2019年ものを凌ぐ!」
「2020年ものの村名ジュヴレ=シャンベルタンは過去最高の出来!」
とさせていただきました。少ないので・・お早めに・・ご検討ください。真贋を確かめるにしても買えないと不可能です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【トラペ2019年の素晴らしさを伝えるのはシャンベルタンでは有るのでしょうが、このベースのジュヴレ=シャンベルタンこそ、トラペの看板です。】
2018年もの・・ティム・アトキン氏から91ポイント(も?)戴いて、感涙に咽ったはずのトラペご夫妻かと思います。美味しかったです。
しかし・・もう2019年ものは2018年と比べるべくも無い・・などと言ってしまいたくなるほどに素晴らしいんです!
でもしかし・・海外メディアはそうは言わない・・と言いますか、
「このベースのジュヴレ=シャンベルタンの評価が余り見つからない・・」
んですね。
noisy は、このベースのジュヴレ村名、オストレア、そして2019年に初めて造った「キュヴェ1859」と、村名を3アイテムともテイスティングしています。
圧巻は「キュヴェ1859」です。これには参った・・どうにもこうにも、
「こんなに凄い村名ジュヴレ=シャンベルタンを飲んだのは初めて」
と言って過言ではありません。
まぁ、デュガさんやデュガ=ピィさんのジュヴレもその昔、凄いと思いましたが、その昔のものをその時のままでもし今飲んだら、きっとさほどでは無い・・と思うはずですから・・。

このベースの村名、滅茶美味しいです!もう色合いが素晴らしいでしょう?2018年が如何に美味しかったとしても、適うような色合いでは有りません。
キュヴェ1859は、おそらくオストレアをセパージュする段階で生まれたキュヴェだと思います。
オストレアをセパージュする時に、2つの畑をブレンドしたら・・凄いワインが生まれたと確信したと思います。で、キュヴェ1859を造り、オストレアもそのままで美味しかったのでそうした・・そんなところでは無いかなぁと。
2019年のトラペは、実は・・
「何を飲んでも滅茶美味しい!」
んですね。
敢えて言うならば・・と言う点に置いて、キュヴェ1859にはどうやっても適わないし、オストレアにも敵わない・・と言うだけなんです。人間って・・必ず優劣を付けたがりますから、
キュヴェ1859 > オストレア > 村名
と言う図式になってしまう訳ですね。それだけです。
その分、非常にリーズナブルですよ。素晴らしい質感・・言ってしまえば、例えば・・noisy の場合は余り言いませんが「タンニン」です。もう・・極上です。だからテクスチュアが素晴らしい!・・そんなところが積み重なって、2019年のトラペの凄い質感が生まれています。
是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【「2017年までのオストレアがこの村名ジュヴレになった?」に近い感覚・・です。】
こちらも「ベクトル変換」され、素晴らしいミネラル感を表面にちりばめ、その分、表面に有ったはずの果実やその他の要素を内側に閉じ込めた感じのする、つやっつや、てっかてか、なテクスチュアと味わいの村名ジュヴレです。
もう確実にワンクラスアップした感じで、2017年までのオストレアを飲んでいるに近いニュアンス・・いや、ポテンシャル的にです・・何度も首に「オストレア」と書いてないのを確かめながらのテイスティングでしたので・・です。
ティム・アトキン氏は91ポイントで、ようやくここで下級キュヴェと1ポイント差を付けています。何とコメントされているのかはまだ判っていないんですが、読んでみたい気もしますよね。
色合いをご覧になられても、決して濃い訳では無いのが良く判るかと思います。オストレアは通常は村名よりも濃い目ですからね・・。その意味では違う訳です。
おそらく、「エキス化の度合い」を飲み手が受け取って、その滑らかさゆえにそのように感じてしまうのかと想像しています。
ですが、このような味わい・・つまり、表面がミネラリティのコーティング+中心寄りに果実や要素・・と言うワインは、実は・・・
「余り良く本当の姿が見えない」
ものです。時間が経ってしばらくしてようやく気付く・・んですね。
白いところに白いものを置くと良く判らない、黒いところに黒いものを置くと・・みたいなものです。影が有って初めて気付く・・綺麗なものに綺麗なものを加えても良く判らない・・樹を隠すなら森に・・みたいなものなのでしょう。
ですので、今飲んでもとても美味しいんですが、
「むしろ完熟までの期間は少し伸びた」
と見るべきでしょう。
素晴らしい出来になった2018年村名ジュヴレでした!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【トラペの2017年村名ジュヴレにこそ、2017年のトラペの真実を感じます!】
もし選択に迷ったら、この村名ジュヴレを飲みましょう・・それが間違いない選択です。
しかしながら、トラペを再び扱い出したnoisy が、そんなことを言ったのは初めて・・です。今までは逆で、
「すぐに飲むならオストレアを、村名ジュヴレは3年ほど寝かせて」
と言って来た・・と思います。これが逆の立場になってしまいました。
つまり、この村名ジュヴレは、以前のオストレアとほぼ同じで、立ち位置も同じになった・・と言うことです。それを可能にしたのが、2017年のトラペのワインに綿々と感じられる、
「分厚いクリスタルなミネラリティのヴェールを纏ったこと」
なんですね。
硬質なミネラリティなのに・・ヴェールのように透けているので、滅茶エロくて美しく・・エレガントなんですね~・・。もしかして、今まで不足気味だと感じていたかもしれない果実はとても充実して感じられます。
もう、これが村名ジュヴレの完成形で良いんじゃないでしょうか。勿論ですが10~20年、へっちゃらで熟成しますが、今飲んでも絶妙に旨いです!飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいオストレアをほんの少しだけ小さくした感じです。】
少ないとは言え、さすがにベースのワインを2年続けてテイスティングしないと言うのは申し訳無いので、6本しか届いてないんですが飲んでしまいました。
下級クラス・・ア・ミニマやマルサネに見えるエロティシズムは、ややタイトなボディに隠れていますが、それでもほんのりと感じられます。
2015年ものと色合いを比べてみてください・・全然違うでしょう?・・そうなんですよ・・でもちと硬めなんですね。味筋はオストレアと変わりませんので、詳細はオストレアのコラムで。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年もののトラペは非常に少ないです・・】
こちらの村名ジュヴレだけは数が無く、飲めませんでした。ニュアンスはオストレアに近いと思われます。
以下は2014年以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・トラペはさらに進化中か!プリューレ・ロック風の軽やか、繊細な表情をジュヴレにも加えています!飲むべきです!】
いや、ちょっとビックリです。
「・・えっ?」
と・・。
そうなんです・・ほんの僅かなんですがセミ・マセラシオン・カルボニック的な、高域・超高域の伸びやかな表現が、テイスティングしたトラペの赤の複数アイテムに感じられたんですよ。
「・・間違いないよな~・・」
と、何度もグラスの香りや味わいを確認しました。舌にもほんの僅かですが、パチッとガスのニュアンスが有りますし、何と言ってもノーズが・・
「・・ちびっとMCしてるよ~・・」
と伝えて来るんです。
まるで良い出来の時のプリューレ・ロックのスパイシーでナチュラルなニュアンスが加わったかのような、輝きを感じる味わいで、嬉しくなると同時に・・
「本当か~・・?」
と、これは確認せずにはいられないな・・と思った次第です。
まぁ、ガスと言っても気付かない程度、1~2時間もすると無くなってしまう細やかなものですが、担当さんに調べてもらうと、
「最近は密閉イノックスで低温前発酵をする場合が有る」
そうで、
「・・なるほど~!」
と安堵した次第です。
この伸びやかさ、高域の美しさ、ひいては近寄り易さ、重さを感じさせない雅さが2013年の絶妙に旨いジュヴレ=シャンベルタンに加わったものですから・・鬼に金棒です。滅茶旨いです。
ところがですね・・あのMCのティム・アトキンさんは、何故かこのジュヴレ=シャンベルタンと、ジュヴレ=シャンベルタン・アレアの評価が低めです。ジュヴレ90Points、アレア91Pointsです。ブルゴーニュ・ブランに91Pointsも、マルサネには92Pointsも付けているのに・・です。
MC(マセラシオン・カルボニック)のほんの僅かなノーズ、テイストへの影響は僅かですが、MA(マスター・オブ・ワイン)を取れるような能力の方なら、当然、その原因も想像できるでしょう。
ですので、彼も・・MCを悪い方に評価したのかな?・・と思いますね。何故って・・この2アイテムこそ、そのニュアンスが有るんですから・・。
しかしながら noisy的には、非常に若い状態の・・もしくはリリース前のDRC系のワインはこんな感じの味わいになるはずで・・(リリース前のDRCなど飲んだことが無いので想像です)、徐々にこのMC由来のニュアンスは瓶熟で消え、高域の伸びやかさのみをボトル内に残すんです。なので、
「ん・・まだまだ若いな!」
と・・(^^;; おじさんは言っておきましょう。ネガティヴに解すべきではなく、ポジティヴな要素なんです。リリースがほんのちょっと早いだけなんですね。
早いとは言え、こんなチャンスは滅多に無いですよ。明らかに前年と違う部分を持ちつつ、前年の良さを引き継ぎつつ、さらにグレートな味わいになっているのは、他のワインの評価からもご理解いただけるかと思います。
素晴らしい出来になった2014年のジュヴレです。noisy なら93ポイント近辺の評価をするでしょう。それに価格も随分リーズナブルになりました。是非飲んでみてください。一推しです!
以下は2013年のこのアイテムのレヴューです。ご参考にされてください。
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【超繊細かつ絹漉しのテクスチュア!パーフェクトなオリヴィエ・バーンスタイン2010年ジュヴレともまるで違う、心を奪われる色気が有ります!】
実は・・この2013年のトラペのジュヴレ=シャンベルタンは、満を持してのご案内なんです。オリヴィエ・バーンスタイン2010年も、このトラペのジュヴレ2013年も、非常に厳しい値付けでは有るんですが、何とか飲んでいただきたいと言う気持ちから、
「同じ価格で真っ向勝負!」
とばかりにセッティングしてみたんですね。
何しろオリヴィエ・バーンスタインは凄いワインだとは言え、まだまだ無名に近い造り手ですし、トラペと言えば、味わいはとても優しいが今ひとつ垢抜けない感じを持っていらっしゃったと思います。
しかし、オリヴィエ・バーンスタイン2010年ジュヴレは、この価格帯とすると脅威の売り上げをさせていただきました。さすがに10年近く前の2004年のフーリエのジュヴレの数量には遠く及びませんが、価格は半分以下でしたしね。バーンスタインを飲まれたほとんどの方が、
「目茶美味しかった!」
とおっしゃってくださったので、面目が立ったような気もします。
またトラペのマルサネ・ルージュ、ブランを飲まれた方からも、
「こんなに美味しいとは思わなかった・・」
と言うご感想もいただきましたし、今までのトラペのイメージを覆すことになったとおっしゃる方もいらっしゃいました。
そんな中での、2013年ドメーヌ・トラペ・・・正確にはドメーヌ・ジャン=ルイ・トラペの最後のご案内になると思いますが、noisy的には上記のようなイメージで、「是非飲んでいただきたい1本」としてご紹介致します。
ラ・レヴュー・デュ・ヴァンでトラペの2013年シャンベルタンが20点満点を取ったのは、おそらくですが造り手にとってアドヴォケイトの100点満点よりも数段嬉しいことなんじゃないかと思います。基本、海外メディアで有るアドヴォケイトよりも、フランス国内も含め国外でも信頼されている評価機関だからですね。それも厳しい2013年に手を掛けたワインが高い評価を得られた訳ですから、喜びもひとしおじゃないかと思います。
しかしながら、2013年ものだけが好かったのか?・・それ以前からその傾向は有ったんじゃないのかと伺えるのが2011年マルサネ・ブランです。濃密ながらフィネスがしっかり有り、2016年時点で完全エキス体に成ったワインからは、素晴らしい芳香と長い余韻・・ボーヌの高級シャルドネも真っ青!・・と言えるような仕上がりだからです。それでもその2011~2013年の間の全てを知っている訳では無い noisy としては、トラペの近年のワインの素晴らしさ、成長振りをあくまで想像でしか無いにせよ、
「これは・・来たかもしれない・・」
と感じています。
2013年のジュヴレ=シャンベルタンですが、トラペらしい物静かさを根底に持ちつつも、今までは「少し物足りない」と思わせていた内向的な部分をエレガントで多彩な表現を前面に持ってくることに成功しています。
「静寂の中にある静寂」が以前のトラペだとしたら、「静寂と抑揚」が2013年のトラペです。そして、その静寂と抑揚は繊細さを多分に織り込んだ表情をしていて、エキスがキッチリ出た良く香るワインです。
ジュヴレらしい鉱物や仄かなスパイスは、非常に繊細に香ります。中域もしっかり有りますが、
「どうだ!?凄いだろう!」
とは決して訴えてきません。
静かながらもエレガンスを持ち、しかし確実にその艶っぽい表情を見せてくれるんです。
パーフェクト!とご案内したオリヴィエ・バーンスタイン2010年は、一嗅ぎして、一口すすれば、誰でももう・・
「素晴らしい!凄い!」
と言うに違い有りません。しかし、トラペの2013年ジュヴレは、決してそうはならないでしょう。一嗅ぎし、すすり、中域から余韻を長い時間掛けて確かめ、心の中で「にやっ」として、そしてまたそのグラスに向かうに違い有りません。言葉にする前に、もう・・捕まえに行ってしまう・・捕獲行動に出てしまうじゃないかと思わせるような、心を奪われるような味わいだと思うんですね。
言葉にしてみれば、以前のトラペと余り変わらないのかもしれません。静かなタイプのブルゴーニュです。しかし、確実にポテンシャルが高く、テクスチュアの質も極上です。まぁ・・マルサネ・ルージュの2013年を飲まれた方はもうお気づきでしょう。
この、少し淡い色合いのルビーですが、宝石のように美しいです。是非飲んでいただきたい・・一品です。一推しのブルゴーニュです!
因みのこのコラムの他のアイテムは少量の割り当てですので飲めていませんが、少なくとも2013年のトラペの他のワインを飲む限り、悪い訳が無いと言えます。
オストレアはより古木が多い区画のワインをブレンドして造る、言わばV.V.クラスのジュヴレです。極少量。
アレアは1級畑もので、普段のヴィンテージですと区画名でリリースされる予定のクロ・プリュールなどのワインが少量過ぎて造れず、結果としてブレンドしてリリースしたものです。なので、厳しいヴィンテージにしかリリースされない・・ある意味レア物です。
シャペル=シャンベルタンはトラペの看板のひとつで、例のラ・ルヴェ・デュ・ヴァン誌では、
2013 CHAMBERTIN Grand Cru【20/20】
2013 LATRICIERES CHAMBERTIN Grand Cru【19/20】
2013 CHAPELLE CHAMBERTIN Grand Cru【18.5/20】
と・・18.5点と言う、凄い評価も得ています。因みにラトリシエールも当初はご案内をいただいたんですが、ここまで素晴らしいとは思えず、のんびりしている間に無くなってしまいました。まぁ、noisy のようなスタイル・・悪く言えば自分で確かめないと気が済まないタイプですと、目聡い方の後塵を期してしま場合も多くなってしまうのでしょう。
そんな訳でして、グレートな仕上がりになったトラペ2013年をご紹介出来たことがとても嬉しいです。是非ともご検討くださいませ。